【前回】息子とある方を会わせることを決行した日。
こんにちは、仲村ゆりかです。
息子のことで困り果て、憔悴しきっている私に手を差し伸べてくれたのは、誰なのか?
そして、どうしてそこまでしてくれるのか?
有り難すぎる思いは、もちろんありましたが、不思議な気持ちでもありました。
その方というのは、実は当時娘が付き合っていた彼氏でした。
私は「知り合い」とだけ聞いていたので、彼氏と知ったのは決行日の朝でした。(笑)
彼は、飲食店の店長をしている29歳。
がっちりした体形で、店長しているだけあって、受け答えもしっかりしています。
礼儀正しいのですが、人懐っこい明るい面もありました。
息子と話し後、彼とビールを飲みながら、和やかな雰囲気で話しました。
いくら付き合っている彼女の弟だからと言って、ここまでしてくれるのが何故なのか?を聞きました。
暴れているような子に、わざわざ他人が関わってくれるなど、普通には考え難い。
だって、自分に危害を加えられるかもしれないのですから・・・。
でも、彼の話を聞いて、納得し、素直に感謝しました。
それは、彼の家庭環境にありました。
彼は、3人兄弟の長男。
10代の時に両親が離婚し、シングルマザーの家庭で育ちました。
下には、弟、妹がいました。
離婚後、彼自身ぐれたこともあったようですが、長男として家庭を支えなくてはいけないと思い、高校卒業後働いていた。
その後、弟が非行に走り、警察沙汰になったこともあったようです。
その時、兄として弟と向き合ってきた。(時には、殴ったりもしたそうです。)
母親とも話しましたが、母親の態度は、彼の思いとは反するものでした。
お金をあげてしまったり・・・。
彼からは、弟の言いなりになって、甘やかしているようにしか思えなく、腹ただしかったそうです。
彼には「こんなにがんばっているのに・・・」そんな気持ちと、憤り、お母さんを思う気持ちの中で、葛藤しているように私は感じました。
そんな中、妹さんの進路問題が起きました。
妹さんも、やりたいことがハッキリしないまま専門学校に行くことになり、お金を請求。
母親は、それについて話し合う事もせず、お金を払いました。
家計を助けている彼にとっては、母親の行動は理解できなかったようです。
案の定、妹さんは直ぐに学校を辞めてしまった。
その後も「○○がやりたい」というと、母親はお金を渡してしまう。
弟や妹も、甘い母親に言ってくる。
いくら母親に「そんなことは、弟にも妹にも良くないことだ!」と伝えても、行動が伴わない、母親。
もちろん、弟さんや妹さんに、彼からも常に言っていたようです。
彼は、お父さんのようなポジションになっていたのでしょう。
「このままではいけない!」
彼は、そう思って弟さんや妹さんが社会にちゃんと出て、働けるように奮闘してきた。
でも、それを崩すのが母親の行動だったようです。
そして、月日が流れ、弟さんも妹さんも、20才の半ばを過ぎました。
でも、二人とも定職に就く事もなく、何をしているか?分からない状態だそうです。
妹さんについては、バイトもせず、引きこもり状態。
彼は、家を出たいと思っても、こんな状態の家族をおいては出て行けないとも言っていました。
彼の心の葛藤が、伝わってきました。
その話を聴きながら、自分に置き換えて心が痛むこともありました。
その反面、彼のお母さんに「こんなに頑張ってくれている息子さんを、早く自由にしてあげて欲しい!」
「なんで、頑張っている息子に甘えているの!」
と、何だか分からない怒りを感じました。
もしかしたら、私自身にも怒っていたのかもしれません。
そして、自分自身を振り返り「私は、どうなんだろう?」と、自問自答している私がいました。
彼のそんな背景があったからでしょうか?私の作った食事を「本当に、美味しいですね~」と、本当に嬉しそうに食べていた姿が印象的でした。
そして、彼がどうしてここまでしてくれたのか?を、話してくれました。
「お母さん、息子さんのことは○○(娘)から聞いていました。
で、図々しいかと思ったのですが、息子さんと今話したほうがいいと思いました。
息子さんは、まだ18歳。
10代の今だったら、いくらでも修正が効きます。
早目に対応する事が大事だと、自分の弟や妹を見て実感しています。
お母さん、まだ大丈夫ですよ。
これが、だらだら20代も半ばになってくると、どうにもならない。
俺の弟や妹は、もうどうしようも無くなってしまいました。
前は、弟と妹を叱り、どうにかしようと一生懸命やってきた・・・
でも、結局母親がちゃんとしないから、効き目がない。
もっと、早い時期に母親が、ちゃんと対処していたら、こんな風にならなかったと思います。
いまだに、母親は向き合えないで、言いなりになっているんですよね・・・。
だから○○(娘)に、息子さんの話を聞いたとき、自分の弟や妹のようにさせちゃいけないと思ったんですよ。
お母さんは、うちの母親と違って、どうにかしようとしている。
今が大事だから・・
今だったら、まだどうにでもなりますよ!」
と、力強く言ってくれたことに、暗く、分厚い雲に覆われていた我が家と私の心に、少しだけ希望の光が差したような感じがしました。
今まで、相談してきたどんな人の言葉より、暖かく励みになりました。
「私のやっている事は、無駄じゃない?!」
「もしかしたら、改善できるのかも・・・!?」
「また、元に戻れるかもしれない」
そんな気持ちにもなります。
ヤッパリ、経験者の言葉には重みがありますね。
ハッキリ言って、絶対大丈夫だという確信出来るものがあったわけではありません。
でも今思えば、上手くいっていなくても、自分が息子に向き合い続けている姿勢は「お母さん、間違っていないよ!」と、太鼓判を押して貰えたようで嬉しかったように思います。
そして、もう一つ私のずっと持ち続けた疑問、心の葛藤を解決してくれる答えを彼から貰えたことで、私の迷いが消えました。
続きは、次回です。
★息子の家庭内暴力に至るまでの家庭内環境&私の心の葛藤については、コチラをご覧ください。
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