みなさんこんにちは。前回からの続きです。
今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。
昼前に大阪を出発した、旅の第2日目(2023年6月14日)。「近鉄生駒ケーブル」に乗り、路線の中間「宝山寺駅(ほうざんじえき、奈良県生駒市)」に到着。
レトロな雰囲気の駅構内を、探索しています。
さて、この駅構内で目に留まったのがこれ。「日本全国ケーブル一覧表」なるもの。
かなり古そうですが、きちんと?アップデートはされているようです。

その下には、近鉄が経営に関わった他の2路線の名前が。いずれも、ここ生駒ケーブルからさらに南に存在し、やはり、大阪・奈良府県境の生駒山地を登り降りする路線です。

山を登った「信貴山駅」は、ケーブルカーの代替として運行されているバス待合所として、いまなお生き残っています。
「信貴山駅」に近く、古くから開運厄除に霊験あらたかな「信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)」への参拝客を奈良側から輸送するために、建設された路線でした。
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12748205792.html

第3位「西信貴ケーブル」。
先ほどの「東信貴ケーブル」と対を為していたことが名称から伺えるのですが、やはり「信貴山朝護孫子寺」への参拝客を、こちらは大阪側から輸送するために建設された路線です。

車両には、ケーブルカーには珍しい貨車が連結されているのですが、山上側の「高安山駅(大阪府八尾市)」構内のトイレで使用する水を定期的に運んでいるそうです。
現在はこちらが、信貴山への主要な鉄道アクセスとしての役割を果たしています。
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12749489902.html

このようにして見ますと、生駒山地を巡る交通網というのには、ケーブルカー輸送によって彩られた歴史を感じます。グーグル地図より。
さらに全国的に見ても、これだけの数のケーブルカーが密集しているというのはおそらくないのではとも思えます。近鉄電車にそれだけの技術力と、高い需要があったからでしょうね。

そういえば、昨年から割合にケーブルカーに乗っているように感じるわたしです。せっかくの機会?ですので、この一覧表を振り返りながら振り返りたいと思います。鳥居前にて。



そして、第19位は「京阪電鉄」。
毎年、初詣でお世話になっている「石清水八幡宮参道ケーブル」です。路線延長0.4km。「ケーブル八幡宮口駅(京都府八幡市)」と山上の「ケーブル八幡宮山上駅(同)」を結ぶもの。
かつては「男山ケーブル」と称していました。

と、わたしの思い出あるものは「石清水八幡宮参道ケーブル」です。
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12781866102.html
おそらくこれまでいちばん多く乗ったケーブルカーですし、リニューアル前の京阪特急色の旧型車両にも、昭和の頃から数え切れぬほど乗りましたし…年がばれます(苦笑)出典①。
だいぶと余談でした。

途中駅があったり、観光客だけではなく地元の人々の大切な足になっていたりと、その路線が置かれている状況も違って、実に興味深いものがあります。

しかし、ここに載っているケーブルカーも、すでに廃止になったものも散見されます。
そんな中、府内・北摂の能勢妙見山(のせみょうけんさん)詣りや、ハイキング客に長年親しまれた、能勢電鉄が運営する「妙見の森ケーブル」が12月、廃止になることがこちらでは話題になっています。能勢電鉄ホームページより。
乗ったことはないのですが、接続する名物リフトもなくなってしまうとのこと。
機会あれば、一度乗ってみたかったのですが。

施設の老朽化、レジャーの多様化で、かつてに及ばぬほど落ち込んだ乗客数…取り巻く環境は厳しいようですが、なにより一般的な鉄道とは異なる、独特の旅情を味わえるケーブルカー。

今日はこんなところです。
(出典①「カラーブックス日本の私鉄7 京阪」奥田行男・野村董・諸河久共著 保育社発行 昭和56年8月)