「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡る近鉄沿線道中記〜その51 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。




昼前に大阪を出発した、旅の第2日目(2023年6月14日)。「近鉄生駒ケーブル」に乗り、路線の中間「宝山寺駅(ほうざんじえき、奈良県生駒市)」に到着。


レトロな雰囲気の駅構内を、探索しています。



さて、この駅構内で目に留まったのがこれ。「日本全国ケーブル一覧表」なるもの。


かなり古そうですが、きちんと?アップデートはされているようです。




路線の長さ順に並べられていることがわかるのですが、日本最長・日本最古のそれは、この「生駒ケーブル(宝山寺線0.9km・山上線1.1km 総延長2.0km)」でした。

その下には、近鉄が経営に関わった他の2路線の名前が。いずれも、ここ生駒ケーブルからさらに南に存在し、やはり、大阪・奈良府県境の生駒山地を登り降りする路線です。



第2位「東信貴ケーブル」。同じ生駒山地の南端「信貴山(しぎさん)」に登るもの。

先ほど下車した「生駒駅(同)」から南下する「生駒線」に乗ること20分ほど。「信貴山下駅(同生駒郡三郷町)」から「信貴山駅(同)」を結んでいた路線でした。



路線は1983(昭和58)年8月に廃止されましたが、駅前には、同線で長らく活躍した車両が静態保存されています。


この「東信貴ケーブル」は、比較的勾配の緩やかな路線でした。それゆえ、廃線跡はこのように道路に転用されました。


山を登った「信貴山駅」は、ケーブルカーの代替として運行されているバス待合所として、いまなお生き残っています。


「信貴山駅」に近く、古くから開運厄除に霊験あらたかな「信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)」への参拝客を奈良側から輸送するために、建設された路線でした。


https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12748205792.html 




第3位「西信貴ケーブル」。


先ほどの「東信貴ケーブル」と対を為していたことが名称から伺えるのですが、やはり「信貴山朝護孫子寺」への参拝客を、こちらは大阪側から輸送するために建設された路線です。




車両には、ケーブルカーには珍しい貨車が連結されているのですが、山上側の「高安山駅(大阪府八尾市)」構内のトイレで使用する水を定期的に運んでいるそうです。


現在はこちらが、信貴山への主要な鉄道アクセスとしての役割を果たしています。


https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12749489902.html 



このようにして見ますと、生駒山地を巡る交通網というのには、ケーブルカー輸送によって彩られた歴史を感じます。グーグル地図より。


さらに全国的に見ても、これだけの数のケーブルカーが密集しているというのはおそらくないのではとも思えます。近鉄電車にそれだけの技術力と、高い需要があったからでしょうね。



そういえば、昨年から割合にケーブルカーに乗っているように感じるわたしです。せっかくの機会?ですので、この一覧表を振り返りながら振り返りたいと思います。鳥居前にて。



第9位には「箱根登山鉄道」。同社が運行している「箱根ケーブルカー」です。


今春の、久々の家族旅行で訪れた箱根。
さらにわたしにとっては、実に36年振りの箱根周遊だという記事を、以前にお送りしたことがありました。実に楽しい旅でしたが、その途中に乗ったのが「箱根ケーブルカー」でした。

早雲山(神奈川県足柄下郡箱根町)にて。



箱根名物、登山電車の終着駅「強羅駅(同)」と、芦ノ湖や大涌谷などへのロープウェイに接続する「早雲山駅(同)」を結ぶもの。公共交通機関だけで周遊出来る「箱根ゴールデンコース」の一部を担う路線です。

古くから、国際的な観光地だった箱根ゆえ、関東でははじめてのケーブルカーだといいますがさすが箱根、沿線には別荘やホテルなどが立ち並んでいたのを思い出します。



そして、第19位は「京阪電鉄」。

毎年、初詣でお世話になっている「石清水八幡宮参道ケーブル」です。路線延長0.4km。「ケーブル八幡宮口駅(京都府八幡市)」と山上の「ケーブル八幡宮山上駅(同)」を結ぶもの。


かつては「男山ケーブル」と称していました。





居並ぶ他のケーブルカー路線と比べると、小規模だったのですね。ただ、標高差が比較的ありますし、緑濃く、なにより景色が素晴らしい。昨年、元旦に乗車した際の様子より。


と、わたしの思い出あるものは「石清水八幡宮参道ケーブル」です。


https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12781866102.html 




おそらくこれまでいちばん多く乗ったケーブルカーですし、リニューアル前の京阪特急色の旧型車両にも、昭和の頃から数え切れぬほど乗りましたし…年がばれます(苦笑)出典①。


だいぶと余談でした。



しかしこうして眺めていますと、それぞれ路線の長さも、登り降りする山の勾配も実にさまざまです。

途中駅があったり、観光客だけではなく地元の人々の大切な足になっていたりと、その路線が置かれている状況も違って、実に興味深いものがあります。


しかし、ここに載っているケーブルカーも、すでに廃止になったものも散見されます。



そんな中、府内・北摂の能勢妙見山(のせみょうけんさん)詣りや、ハイキング客に長年親しまれた、能勢電鉄が運営する「妙見の森ケーブル」が12月、廃止になることがこちらでは話題になっています。能勢電鉄ホームページより。


乗ったことはないのですが、接続する名物リフトもなくなってしまうとのこと。

機会あれば、一度乗ってみたかったのですが。



施設の老朽化、レジャーの多様化で、かつてに及ばぬほど落ち込んだ乗客数…取り巻く環境は厳しいようですが、なにより一般的な鉄道とは異なる、独特の旅情を味わえるケーブルカー。


いち鉄オタの戯言で恐縮ですが、これからもそういった旅情を味わうことが出来ればと願いたいものです。鳥居前駅の案内より。


珍しいものを拝見することが出来ました。

さらに、次回に続きます。

今日はこんなところです。


(出典①「カラーブックス日本の私鉄7 京阪」奥田行男・野村董・諸河久共著 保育社発行 昭和56年8月)