多摩川沿い なぜ“浸水エリア”に新築が… 徹底分析~浸水被害の住民 川崎市に検証や再発防止策要望 | Just One of Those Things

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寒暖の差に適応できず、休んでおりましたので、ほとんど巡回等できておりませんが、データが削除される前に、取り急ぎ取り上げます。

 

科学オタクの主婦が危機感から一人でこねまくっております、危機管理シリーズより、自然災害編。
 
台風19号の検証されたデータの報道を取り上げます。
 
 
12月3日。多摩川沿い なぜ“浸水エリア”に新築が多いのか、NHKが徹底分析したものを取り上げました。
 
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多摩川沿い なぜ“浸水エリア”に新築が… 徹底分析しました
2019年12月3日 19時51分 NHK
 
©NHK
 
台風19号で浸水被害が相次いだ、多摩川沿いの東京と神奈川。避難所に人があふれるなど、人口が集中する首都圏ならではの問題が起きました。その現場を取材していて、ふと気になったことが。「ハザードマップは真っ赤なのに、新築の家やマンションが多いな…」。なぜ、リスクのある土地に家が建つのか?集められるデータを手がかりに、その原因を探ってみました。
 
(社会部記者 齋藤恵二郎 今村清人)

■多摩川沿いの人口データを徹底分析
 
©NHK

人口が増え続ける東京都と神奈川県。浸水のリスクがある地域でも、人口は増えているのか。
 
まず、多摩川沿いの23の市と区のオープンデータを集めました。
 
集めたのは、洪水ハザードマップの元になる国の「想定最大規模の浸水想定」と、「町丁目」ごとの住民基本台帳の人口データ。
 
コンピューターのGIS=地理情報システムで可視化し、「町丁目」の地区を、浸水域とそれ以外に分けた上で、5年前からことしにかけての人口の増減を調べました。
 
©NHK
 
比較できた「町丁目」のデータは、合わせて2354地区! 地図と向き合いながら、ひとつひとつ数を確認していく地道な作業です。「どんな結果が出るのだろうか…」半信半疑で、分析を進めました。

■リスク高い地域でも人口が増えていた

その結果は、想像以上でした。
 
浸水のリスクがある「浸水域」が一部でも含まれる地区は、23の市と区の908地区。このうち、69%・実に3分の2に当たる622地区で、人口が増えていたのです。
 
©NHK 浸水想定域が含まれる地区の人口変化
 
©NHK
 
さらに、「特に浸水のリスクが高い地域」を詳しく分析してみます。住宅の1階の屋根まで達するとされる3メートル以上の「浸水域」が含まれる地区の数は464地区。
 
そのうち、68%にあたる316地区で人口が増えていました。
 
特に意外だったのが、「浸水域を含む地域」は、「含まない地域」よりも、人口の増加率が高くなっていたことです。
 
「含まない地域」は、3%。これに対し、「含む地域」の5年間の人口増加率は4.2%にのぼっていました。
 
©NHK
 
次の表は、3メートル以上の「浸水域」が含まれる地域のうち、人口が1割以上増えている地区の一覧です。
 
©NHK パソコン画面で拡大してご覧下さい
 
都心に近い東京23区だけでなく、東京の多摩地域や神奈川県でも増えていました。
 
地図やデータを詳しく見ると、人口が増えた地区は、近くに鉄道が通り、公園も多いなど、住むのに便利な場所が多そうです。
 
ただ、データだけでは、リスクの高い場所でなぜ人口が増えているのか、わかりません。そこで、実際に現地を訪ね歩いてみました。

■台風19号で浸水した地域を訪ねてみると

向かったのは、川崎市高津区溝口6丁目。この地区では、台風19号の豪雨で、多摩川の支流の平瀬川が氾濫して大規模な浸水が発生し、マンションの1階にいた男性が亡くなりました。
 
東急田園都市線の二子新地駅に近く、利便性の高いこの地域。ハザードマップで最大7メートル近くの浸水が想定されていましたが、人口は、この5年で17%も増加していました。

地域を歩いてみると、目につくのは、真新しい住宅やマンション。男性が亡くなったマンションのすぐ近くでは、今も、新築住宅の建設工事が進められていました。
 
なぜ、今、人口は増えているのか。
 
地区の近くに40年以上住む男性に話を聞くと、この地区は、堤防などの河川改修が進む前は洪水が頻発し、畑が広がっていました。
 
しかし、この10年ほどで、農地が次々と宅地に変わり、多くの人が移り住むようになったといいます。

(地元の男性)
「昔はとても人が住める場所ではなく、畑や工場ばかりだったのです。しかし、最近は大きな氾濫もなく、水害の記憶はどんどんと薄れていってしまった。昔から住む私たちですらそうですから、ましてや、新しく移り住んだ人たちは知らないでしょう」

■5年で10%人口が増えた地域では

人口増加地区を訪ね歩く中で、印象に残った場所があります。
 
東京・日野市の石田1丁目。人口はこの5年で10%増加しています。多摩モノレールや京王線の駅に近く、住宅地を歩くと、建て売りと思われる戸建て住宅が並んでいました。
 
気になったのは、地区に、ゴミの焼却施設があったことです。「ゴミの焼却施設の近くだと土地が安いから、人口が増えているのかな?」そう思って、この地域に詳しい不動産鑑定士の図子久雄さんに、話を聞いてみました。
 
しかし、図子さんは、ゴミの焼却施設は、人口の増加と関係がないといいます。かつては“迷惑施設”とされてきましたが、処理技術の向上などから、今は、住宅を選ぶ際の障害にならなくなっているというのです。
 
©NHK
 
(図子さん)
「かつての“迷惑施設”はもはや“迷惑施設”ではありません。“迷惑施設”よりも、”浸水リスク”よりも、何より住宅購入の決め手となるのは利便性。つまりは駅からの近さなんです」
 
■“山を下りる高齢者”
 
©NHK
 
さらに、図子さんは、興味深いことを教えてくれました。「高齢者が山を下りる」ケースが増えているのだそうです。
 
高度経済成長期に山あいで開発された多摩ニュータウンなどのマンモス団地。そこで暮らしてきた高齢者が、坂が多い土地を避け、比較的平たんで体への負担が少ない、川沿いの低い土地に移り住む動きがあると話していました。

■なぜ浸水エリアで宅地開発が進むのか?
 
©NHK
 
取材の結果、浸水のリスクが高く、かつては宅地として避けられてきた地域も、便利なため開発が進んで、人口が増えていると言えそうです。
防災と都市開発の関係を研究している、山梨大学大学院の秦康範准教授に尋ねました。なぜ、宅地の開発が進むのでしょうか?
 
©NHK
 
(秦康範准教授)
「住民、開発側、自治体、それぞれにメリットがあるからです。住民は便利な土地を買える、開発側も住宅の需要があるので儲かる、自治体は住民が増えれば税収が増える。3者にとって宅地開発はおいしい話なのです」

■浸水エリアへの対策 どうすればいいのか

それでは、どうすればいいのか。秦准教授は、今後、必要な対策を2つ挙げました。
 
1つは、宅地の開発や建物の建設への規制です。
 
「浸水のリスクが高い地域では、例えば、建設を2階建て以上の住宅に限ったり、マンションでは1階を駐車場などにして、2階以上に住居を作ったりするなど、開発に防災の側面を組み合わせた規制が必要です」。
 
2つめが、住民への周知。
 
山沿いなどの「土砂災害警戒区域」に指定された地域では、法律上、不動産取引の際に説明の義務があるのに対し、洪水のリスクについては義務がありません。洪水のリスクも、積極的に知らせるべきだといいます。

■「浸水エリアの宅地開発は将来のコストに」

そして、こうした浸水リスクのある土地の開発は、命のリスクだけでなく、将来的なコストにつながると指摘しました。

(秦康範准教授)
「無造作に宅地開発を進めると、災害のたびに、復旧工事が必要になる。災害が頻発する時代には、自治体の財政を圧迫する“コストばかりかかる地区”となりかねません。東京も、今後は人口が減少し、税収の減少も予測されますから、開発のあり方を考え直す必要があると思います」

■「災害弱者」がリスクエリアで増加か
 
©NHK
 
浸水リスクのある地域を、データ、そして現場から分析した今回の取材。印象深かったのが、新築の子育て世帯の姿と、不動産鑑定士が指摘した“山を下りる高齢者”でした。
 
もしかしたら、子どもや高齢者という「災害弱者」が、皮肉にも災害に弱い土地で増えているのかもしれない。どのような人が災害のリスクの高いエリアで増えているのか、今後も取材を続けたいと思います。
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≪NHKの注目のコンテンツ≫
首都直下地震 被害想定 死者約2万3000人
国がまとめた首都直下地震の被害想定。最悪の場合、死者は2万3,000人を超え、被害額は95兆円と年間の国家予算に匹敵するおそれがあります。
 
 
12月5日。台風19号で自宅などで浸水被害を受けた多摩川沿いに住む川崎市の住民グループが5日市役所を訪れ、浸水の原因究明や再発防止策を示すよう要望しました。
 
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台風19号 浸水被害の住民 川崎市に検証や再発防止策要望
2019年12月5日 18時18分 NHK
 
©NHK

台風19号で自宅などで浸水被害を受けた多摩川沿いに住む川崎市の住民グループが5日市役所を訪れ、浸水の原因究明や再発防止策を示すよう要望しました。

台風19号の影響で川崎市では多摩川沿いの市街地に水があふれる「内水氾濫」が起き、市内3つの区で合わせておよそ92ヘクタールが浸水しました。
 
川崎市などによりますと、市が排水路にある水門を閉めず、川の水が逆流したことが原因の1つだとみられるということです。
 
©NHK
 
5日は、自宅などで浸水被害を受けた中原区の住民グループが市役所を訪れ、福田紀彦市長あての要望書を提出しました。
 
要望書では、専門家や市民など第三者による検証委員会を設置することや、排水路に設置された水門の操作マニュアルを見直すなどの再発防止策を示すこと、さらに自宅の修繕など生活の再建にかかった費用を全額、賠償することを求めています。
 
要望書を提出した1人で自宅が床上浸水の被害を受けた船津了さんは「自宅の1階はまだ使えず2階と3階で生活している。市は水門を閉めなかった責任があるのに『マニュアル通りだ』と主張していて、怒りを感じている。こうした被害が二度と起きないようにしてほしい」と話していました。
 
グループでは、市に対して年内をめどに回答を求めているほか、ほかの区の住民も加わった団体を今月19日に正式に立ち上げたいと話しています。
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検証シリーズは少しずつ取り上げております。ご了承くださいませ。最新情報を知りたい方は、下記をご覧くださいませ。今後も続きます・・・。
 
≪NHKのコンテンツ≫
「台風19号 支援」-NHK NEWS WEB
「台風19号 検証」-NHK NEWS WEB
「台風19号」-NHK NEWS WEB
「台風19号 被害」-NHK NEWS WEB
「台風19号 影響」-NHK NEWS WEB
「台風19号 交通」-NHK NEWS WEB
気象・災害ニュース一覧-NHK NEWS WEB
 
≪NHKのスペシャルコンテンツ≫
ニュース特設 大雨・台風19号 豪雨災害
※「台風19号 93人死亡 3人不明 71河川で決壊 8万棟余で住宅被害」となりました。
※「台風 大雨の農林水産関係の被害額 3300億円超」となりました。
※その後、「台風と大雨 農林水産関係の被害3600億円 西日本豪雨上回る」となりました。
※その後、「台風19号とその後の大雨 農林水産被害額 3000億円超える」となりました。
※「JR東日本 台風19号の被害 478億円の見通し」となりました。
 
※今後に役立てるために、昨年の豪雨と同じく、データを取りあげつくして、後でまとめてデータベース化します。
 
 

≪これからの家族のペットのために考えて≫
※別記事で立てる予定でしたが、先に取り上げます。
ももこひめさんより。
ペット入れず、車中泊も 長野市、台風避難所の大半
ペットがいる被災家族の苦悩 避難所を断念、全壊認定家屋2階で暮らす
避難所にペット 千葉県内、対応に差 千葉市「ケージやリードを」市原市「場所ない、屋外で」
『避難所への「ペット同行」どうすれば 「断られた」報告も』-に思うこと。
豪雨災害でペットはどうする? 全国初と言われたペット同伴避難所の実態とは
台風19号 ペットの同行避難問題について
ペット同伴避難が認められず自宅に留まる~筆者の台風襲来時の体験記~
避難所でペットの飼い主苦悩 福島県内は受け入れ認めず
災害から愛する「ペット」を守るのは、避難所頼みでない飼い主のサバイバル力
 
※落ち着いたころ、ペットを守るための防災対策の記事でこれらの記事を取り上げます。
 
 
※取り急ぎ、連続投稿しており、巡回等が大変遅れております。申し訳ございません。
 
 
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