台風19号は、東日本を縦断しました。 

猛烈な雨の影響で、多くの 河川の堤防が決壊して、住宅地など、洪水の被害が各地に出ています。

被災された方、心からのお見舞いを申し上げます。

 

体調を崩すのは人間だけではありません。

対処が必要な犬や猫も多くいると思いますので、いま何を注意すべきか。

洪水などの災害時でもいかにペットを守るかを、順を追って考えてみましよう。

 

 

下三角台風対策

地震は、予測するのが難しいですが、台風は前もってある程度わかるので、準備ができます。

・預かってくれるところがあるのでしたら、台風の進路ではないところに、その時期だけ犬や猫

・外で飼っている犬や家の中にいれましょ う。

室内では、ちょっと嫌だと思う飼い主は、玄関でもいいです。

洪水で水に溺れてしまうと、泳げない犬や猫もたくさんいるので、家に閉じ込めましょう。

逃げてしまうと、 戻ってくる確率はかなり低くなります。

・フードなどは、10週間以上はストックしておきましょう。

・内服薬を飲んでいる犬や猫は、10週間以上余分にもらっておきましょ う。

動物病院が閉まったり、飼い主が取りにいけない場合もあるので。

そのときは、薬の名前なども聞いておきましょ う。

(他院でもらえるように)

・薬やフードは、水に濡れる可能性があるので、ビニールのチャック がついているものに、入れておきましょうね 。

・水は、10日分ぐらいストックしておきましょ う。

(5キロの犬で、1日300mlなので、3000mlは入ります)

どんなミネラルウオーターでも飲めるわけではないので、ミネラルの成分を見ておきましょ う。

(猫だとマグネシウムが多いと尿石症の可能性が高くなります )

・マイクロチップをつける。肩甲骨の辺りに埋め込むので、水に濡れる心配はありません。

(獣医師である著者の愛家・ラッキーには入れています。迷子になって保護されたときに探せるように。)

 

下三角台風通過中

・雨や風の音が強いので、抗不安剤のサプリメントから内服薬まで動物病院にはあるので、事前にもらっておきましょ う。

そして、飲ませて、不安にさせないように。

・スキンシップを多くして、安心させてあげましょ う。

・窓に近づかせない。

窓などが割れて、犬や猫が逃げると困るので。

 

下三角避難所

・まずは、犬や猫が一緒に避難出来 るか調べてからいきましょ う。

・普段から、ゲージに入れる訓練をしておきましょ うね。

・リードなどは目に着くところにおいておきましょ う。

・狂犬病、混合ワクチンの証明書

 避難所に、多くの犬や猫が集まるので、伝染病が発生しないように、狂犬病、混合ワクチンを打っておきましょう。

・リード

 避難所でストレスにならないように、リードをつけて散歩をしてあげましょう。

・敷物

 家族のニオイがついた敷物だとペットは安心します。

・ペットの首輪に鑑札と狂犬病予防注射済票や迷子札

 災害時に、飼い主と放れることもあるので、つけておくと、迷子になりにくいです。

・キャリーケース

 移動のときにあると便利です。

・トイレ用シーツ

 室内で排泄させるとき、それで促すことができます。

・排泄物のために、小さいビニール袋やペットシーツなどゲージの近くにおいておきましょう。

・避難所に行けない場合は、災害がひどくない知人に犬や猫だけを預かってもらえるところを普段から見つけておきましょうね。

 

下三角台風が通過したら

・洪水などで、家の周りが不衛生になっているので、下痢をする子が増えます。

精神的なものだと下痢止めで割合に早く治ります。

・台風の後に、難治性の下痢が続く場合は、ウイルスや細菌に感染している場合がありますので、動物病院にウンチを持って行き、下痢パネルという検査をしてもらってください。

・洪水の後に、毛が濡れて、皮膚病になる子もいるので、濡れた毛は洗える場合は、よく洗い、無理な場合は、タオルなどでよく拭き取ってあげましょう。

・洪水の様子を見に行く場合は、犬や猫と一緒に行かない。何かの拍子で、水に落ちる可能性もあるので。

・洪水があった地域を散歩させるときは、帰宅したら足を水でよく洗う。

(毎回、シャンプーをすると、必要な油分を取ってしまい、皮膚病になる場合もありますので、注意が必要 )

・普段見ない風景を見たり、雨脚の強い音や風の音を聞いているので、少しデリケートになっている子もいますので、スキンシップの時間を多くしてくださいね。

 

下三角まとめ

犬や猫をよく観察して、体調不良の傾向があれば、病院に連れて行きましょう。

避難所に連れて行くには事前のリサーチや準備が重要になります。また、台風などの災害は、数日前から予測出来るので、飼い主は、知識を持って対処してあげましょう。

ちょっとした気のゆるみで、犬や猫が濁流に飲み込まれることになるので、注意です。

災害があっても、備えがあれば、心強いものです。

 

 

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らす。

 

 

 

 

Yahooニュースより抜粋