渋谷申博『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社 2015年)読了。
全国で8万社以上にも上るとも言われる神社。
その膨大な数の神社には「一宮制度」という制度がある。
令制国に一つずつ置かれた一宮は、基本的にその国で最も社格の高い神社とされるものである。
この制度は全国で実施されたものであり、神道の歴史に大きな影響を与えたものである。
しかしそれにも関わらず、「一宮制度」についてはこれまできちんと説明されてこなかった。
なぜか。
いつ、誰が、何の目的でこの制度を制定したのか、ということがよく分からないからである。
誰が制定した制度なのかよく分からないのに、制度自体は存在する。
全く不思議なことではあるが、これが事実のようである。
本書は諸国の三宮までを網羅しているが、これもまたよく分からないところであるが、一宮しか存在しない、あるいは二宮までしか存在しない国もあれば、一宮が2つある国などもあり、国ごとにその実体も様々。
だが、実態が様々ということは、そうなるに至った経緯があるわけで、その国・地域の歴史を知るという点では非常に興味深いものである。
かく言う私も、出羽国の一宮は知っていたが、二宮・三宮までは知らなかった…。
昨今は御朱印をもらいに寺社を訪れる人も多くなっているということであるが、そのついでに自分が行く先の神社についてもう少し調べ、神道や神社の歴史、あるいは神道・神社を通しての地域の歴史などに触れてみるのもいいのではないだろうか。
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