倉山塾東北支部ブログ

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倉山塾東北支部は、読書好きな人たちが集まるグループです。楽しみながら知識を深め、情熱を共有し、新たな友人を作ることを目指しています。
このブログではメンバーが執筆した読書感想文と、勉強会で参加者が発表したおすすめ書籍の紹介などをしております。

 

欲情の文法 (星海社新書)

 

 

「好きな女の子の上履きを黙って借りて

一晩匂いを嗅ぎながら寝た」

という著者の小学生時分の

ヤバい行いを堂々と書いている……。


正直、三度見くらいしましたが、

印字されているんですよね。

(ホント、よく出版したな、と……(褒め言葉))


400点以上の作品を発表した官能小説家が紡ぐ

官能小説執筆のノウハウと哲学が詰まった本書は

表現を志す人にとって

一読の価値がある一冊と断言します。


本書の中で触れられている具体的な話について、

ここで書くと感想文自体が

18禁不可避なので差し控えますが、

自らの欲望と表現への愛情に対して

心に一糸まとわぬ姿勢で書かれた文章には

清々しささえ覚えます。


私自身、時折こうやって

読書感想文を書いていますが

ここまでの執念をもって

文章を書ける時はあまり無いな、と、

自分自身の至らなさを思い知らされる始末。


「この本はとんでもなくいいゾ!」という

圧倒的熱量がある時であれば、

感想文というものは何も意識せずとも

スルッと書けるものなのですが、

そうでもない時はそれなりのものしか

書けないのがしばしばです。


つまるところ、人の心を動かす文章には、

表現したいという強い欲望と

「どうしてもこれを表現するんだ」

という強い意志が必要で

その根源は表現の対象に向かう

「愛」の強さなのでは、と

一般人は思うのでした。





 

 

【編集者後記】

 

私も東北支部メルマガ執筆陣の

末席を汚しているわけでありますが、

書いていて熱量が大きくなってくるものや、

ほどほどにしか熱量が入らないもの、

あります。

そして、気持ちのこもった文章というものは、

本文だけではなく行間からも、執筆者の思い・情熱が

伝わってくるものです。

なかなか全ての文章が、というのは

難しいものですが、

出来るだけ、一つでも多くの自分の“作品”が、

自分もある程度満足し、他人を感動させられるような

ものに仕上がるよう、

精進していきたいものです。