採血結果 追加事項(妊娠時)



飲み会のついでに先生に色々質問しちゃいました。その隣でかわいい後輩が上の先生から猛アプローチをかけられていたので少し気にはなりましたが、そっちのけで少し賢くなりました。


脂質が増えるのはエストロゲン優位になるからということです。


また抗生物質は使用法として17週以降の器官形成期以降であれば、ほとんどの抗生物質は特に問題ないようです。



また降圧薬の使い方ですが、妊娠時は前回したとおり、通常よりレニン・アルドステロン系が亢進しています。降圧薬としてACE阻害薬・A-II受容体拮抗薬は禁忌となっています。

使用時胎児死亡が増加するようです。

ACE阻害薬(カプトリル、レニベース、セタプリス、アデカット、インヒベース、ロンゲス、タナトリル、エースコール、コナン、など)

AII受容体拮抗薬(ニューロタン、ブロプレス、ディオバン、ミカルディス、オルメテックなど)

基礎体温とは毎朝目覚めてすぐに舌下にいれて測定した体温であり、これをグラフに記入したものが基礎体温表である。


通常卵胞期は低温相を示し、排卵があれば黄体から分泌されるプロゲステロンが視床下部の体温中枢に移行して高温相(黄体期)に移行する。

基礎体温表により①排卵の有無②排卵日の予知③黄体機能不全の診断④妊娠の早期診断⑤次回月経の予測 などが可能になる。

最近では不妊症に治療の際には必須のものとなっています。


一般的に

低温相は1218

高温相は1116日 月経により低温相に移行

高温相・低温相との差が0.30.5

と基本として理解すればいいと思います。


排卵の有無

高温相の形成は排卵を示唆するが、まれに黄体化未破裂卵胞症(LUFS)(排卵しないまま黄体化しプロゲステロンを産生してしまうこと)もあるのでエコーを用いて鑑別しなくてはいけない場合もある。

低温1相性もしくは高温相が7日以内→無排卵周期症を疑う。

低温相20日以上→FSH分泌不全による卵胞発育不全を疑う。

排卵日の予知

ピンポイント予測は難しい。が尿中LHと併用し比較的正確な予測は可能になってきている。一般的には低温相の陥落日がLHサージと一致するといわれています。

黄体機能不全の診断

高温相の長さや形は黄体機能を反映します。10日未満、あるいは高温相・低温相との差が0.3度以内の場合は黄体機能不全を疑います。確定診断は血中プロゲステロン値と子宮内膜日付診を用います。

妊娠の早期診断

高温相が17日以上続く場合は妊娠が示唆されます。しかしプロゲステロン補充療法やhCGによる黄体賦活療法を受けている場合は妊娠に関係なく高温相が持続することがあります。

クラミジアって名前は医者になる前から聞きます.

医者になる前しっていた性感染症なんてクラミジア・淋菌・梅毒くらいです目

不妊の原因として真っ先に名前が挙がるくらいのたいした病原体ですドクロ

病原体はchlamydia trachomatisです.クラミジア保有率は付属器炎などの自覚症状のある女性(20歳未満)で20%と高率です.

じゃあ治療対象は?

抗原検査陽性例

不妊症患者 IgGまたはIgA抗体が陽性

骨盤内感染症 IgG抗体 cut off index2.0

IgA抗体 cut off index4.0

治療法

マクロライド系,テトラサイクリン系,ニューキロノン系を使います.


処方例

ジスロマック(250)4T ×1 7日間

妊婦には有益投与 

クラリス(200)クラリシッド(2002T×2 7日間

大量投与にて胎児毒性認められている.妊婦には使用しない

ミノマイシン(1002T×2 7日間

胎児に一過性の骨発育不全,歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある.

妊婦には有益投与

オゼックス(1503T×3 7日間

授乳婦は授乳中止

注意点

①まず配偶者・セックスパートナーも同時に治療することニコニコ

1クール終了後,自覚症状・抗原陰性化で治療中止  PCR/LAP法は高感度であるため検査は3週間あけてから

③クラミジア抗体は治療後も著明に低下しない点に注意しましょうガーン

研修医時代,産婦人科のない病院で働いていた私は腹痛の鑑別診断として

部位

疾患

右悸肋部

肝炎,胆のう炎,胆管炎,膵炎,胆石,胆嚢茎捻転

下腹部

膀胱炎,腸閉塞

右下腹部

潰瘍性大腸炎,過敏性大腸炎,腸重積,虫垂炎,腸腰筋炎,ヘルニア,大腸憩室炎

左下腹部

潰瘍性大腸炎,過敏性大腸炎,腸重積,虫垂炎,腸腰筋炎,ヘルニア,大腸憩室炎

なーんて本当に浅はかな考え方をしていました.産婦人科に関して注意することとしては妊娠検査,あとは画像で確認できる卵巣茎捻転くらいでした.

それが・・・実はたくさあるんです.当たり前ですよね.もちろん,医師で有る以上どんな疾患も見逃してはいけませんが,専門にはいった以上は専門領域の疾患は何があっても見落としてはいけない!そんな強い気持ちで挑みたいと思っています.

そういう気持ちがなくなったら?と考えると寂しい,いや怖い気がします.

部位

臓器

疾患

右悸肋部

肝臓・胆嚢

Fitz-Hugh-Curtis症候群

下腹部

子宮,卵巣,卵管,膀胱,膣,直腸

流早産,子宮外妊娠,子宮破裂,常位胎盤早期剥離,月経困難症,子宮筋腫変形・茎捻転,子宮腺筋症,子宮内膜炎,子宮留膿腫,骨盤腹膜炎,骨盤内膿瘍

回盲部

虫垂,卵巣,卵管,尿管,腸腰筋,

卵巣嚢腫茎捻転・破裂,卵巣出血,子宮外妊娠,卵管炎,付属器炎

左下腹部

卵巣,卵管,尿管,S状結腸,腸腰筋

卵巣嚢腫茎捻転・破裂,卵巣出血,子宮外妊娠,卵管炎,付属器炎

何個か取り出して記載してみます.たぶんここに挙がっている疾患に関しては一つ一つちゃんと細かく理解する必要があるのでまたブログに更新します.(たくさんやらなきゃいけないことが増えていますが,わからないことが見つかるのはいいことです.)

子宮外妊娠

卵管妊娠や間質部妊娠破裂により腹腔内に多量に出血した場合急性腹症の原因になる.破裂前に経膣超音波で早期に診断された場合や卵管妊娠流産などでは鈍痛や無症状のこともあるが,性器出血を伴うことが多い.

最近の生殖補助医療の普及に伴い発症率が増加しており,自然妊娠ではまれな子宮内外同時妊娠も忘れてはいけません.

⇒子宮外妊娠は大学でもよくみます.エコーではっきりしない場合も多々あるんです

卵巣嚢腫茎捻転

付属器領域に有痛性の腫瘤をみとめる.破裂すると腹膜刺激症状がつよくなる.特に類皮嚢胞や内膜症性嚢胞は内容物が刺激性のため痛みも激烈になる.

WBC,CRPが上昇しない症例が多々あります.その症例に対しOPEの決断を下すのはとても難しい判断だと思います.でもひとつ言えるのは腹腔鏡でも開腹でもすることによって早期であれば卵巣温存できる可能性があるっているのは,患者にとっては本当に意義のあることだと思います.そこをちゃんと理解できるように説明するのが僕たちの使命でもあるのですが.

子宮内膜炎・留膿腫

多くの場合発熱を伴い,下腹部痛,子宮体部圧痛,不正出血,汚臭を伴う帯下の増量が見られる.留膿腫の場合は子宮を圧迫すると,膿性分泌物がでてくる.

治療法としては薬物療法が基本.急性期は子宮内操作は禁忌であるが,流産・分娩後ので胎児付属物遺残が明らかな場合は慎重に除去する必要あり.また留膿腫の場合はヘガール頸管拡張器で頚管拡張することもある.

⇒僕が上級医にがん検診で検査後に内膜炎を起こすことがあるので検査前に説明するように!と一番最初に教わったことです

卵管炎・付属器炎

内診により,子宮頸部の移動痛を認め,患側付属器領域に圧痛を伴う.起炎菌としてクラミジア感染が増加傾向にある.卵管炎は性的活動の高い若年婦人に多い感染症である.慢性化すると卵管閉鎖,卵管留水腫,卵管癒着など不妊症,子宮外妊娠の原因となる.

卵巣出血

若年の黄体期に認められることが多い.患側付属器領域に圧痛を伴う.高度の貧血,出血性ショックをきたしていなければ保存的治療が可能である.性交後や運動後に起こることがある.右側に多い.

⇒救急外来によく来ます.若い人に多いのでびっくりしちゃうんでしょうね.特に性交後におこることが多いため,夜間来院されます.こちらとしては辛いことですが,こればっかりは仕方ないですね.

その他もろもろありますが,今日も気づいたら1時過ぎてます.明日も勤務があるのでもう寝ます.

妊婦さんてやっぱりお腹にもう一人生命があるわけですから,体の中のバランスも変わるわけです.病棟で私が関わった出産は,外来で上級医の先生が診断をつけてくれているので何のためらいもなく,当たり前のように治療にはいっていくのですが,これからはそれを見つけていく立場ですから役目は重大です.

まずは採血変化からおさらいしなくちゃと本を片っ端から広げてみました.国家試験のときは覚えていたのに現場に入って曖昧にやっていた自分が情けないです.

臨床検査は個人差があり,体の大きさ,性差で大きく変動があります

じゃあ妊婦さんはどうなんでしょう.簡単ですが,これだけは見逃さないように記載しようと思います.

血球系

赤血球,HtHbは低下します.血球自体(溶質)は増えているのですが,血漿(溶媒)の量の増加率がより多いためです.実は赤ちゃんは多血症ぎみなんです.そうじゃないと小さくうまれてきたりします.白血球はちょい増加します.

生化学

基本は下がります.なぜなら循環血漿量が増加したため溶質濃度がさがるためを思っています.それを踏まえてみていくと

腎機能の正常値は低下します.(BUN 5-20→<12Cre 0.8-1.40.3-0.8)なので初期,軽症変化を見逃すおそれがあります.でも循環血漿量が増えるわけですから腎血流量も増えるのでクリアランスは増えます.

糖代謝

HbA1c,フルクトサミンも非妊時に比べ正常値が低いです.

胎児構造異常を妊娠初期(期間形成期)の糖代謝異常が影響を与えることがわかっています.家族歴・既往歴・妊娠歴時の異常を確認しておきましょう.

検尿で普段は陰性の尿糖も20%の妊婦において陽性になるといわれています.腎血流量が増えるからといわれていますが,経過観察が必要です.

脂質

週数に応じて増加するようです.

ALPLAPは増えます.(胎盤によるえいきょうでしょうか)

GOT,GPTは変わりません.

尿酸・血清蛋白,アルブミンは下がります.

産後に注意すること

甲状腺機能 橋本病は産後1-3ヶ月,バセドー病は産後3-6ヶ月から増悪をみられることがあります.→まだ勉強不足なので後日妊娠合併症ブログで取り上げます.

こないだバイトに行った小さな病院で甲状腺疾患の人でクリーゼになった人がいたそうです.まれなことですが,すぐ対応できるようにしないと怖いですよね.

血圧 レニン,アルドステロンともに妊娠時は上昇します.(レニン 0.1-2ng/ml/hr8-15,アルドステロン <18ng/dl30前後)でも生理的変化としては妊娠初期から血圧は軽度低下を認めます.循環血漿量異常に血管抵抗が減弱するためです.産後も高血圧が続く場合は原疾患の精査が必要です.

また次回分娩の際に注意すること

赤ちゃんが小さかった場合

母体要因として抗リン脂質抗体,抗核抗体など免疫関連検査,凝固線溶系検査

胎児要因として染色体異常に気をつけましょう

まれではありますがALP低値の時には低フォスファターゼ症も注意しましょう.

羊水が多かった場合

筋緊張性ディストロフィーや母体糖代謝異常も精査しましょう.

赤ちゃんが大きかった場合

糖代謝異常を注意しましょう

赤ちゃんが徐脈だった場合

SSA抗体などが影響を与える場合があります.

産後うつ病になった場合

甲状腺機能低下症を見逃さないようにしましょう.

今回勉強した本にいい言葉がありました.

「妊娠は負荷試験!」ごもっともです.でもそれに気づいてあげれるのは僕たち医者の役目なんですよね.

本当に本を読んでいてもわからないことがいっぱいです.たぶん医者を続ける限り日々勉強なんだと思います.

息抜きは得意なほうなんで,めげずに毎日賢くなっていく予定です.

他業種の人にも,受験生の小中高校生たちにも負けないようにがんばろうと思う今日この頃です.