研修医時代,産婦人科のない病院で働いていた私は腹痛の鑑別診断として

部位

疾患

右悸肋部

肝炎,胆のう炎,胆管炎,膵炎,胆石,胆嚢茎捻転

下腹部

膀胱炎,腸閉塞

右下腹部

潰瘍性大腸炎,過敏性大腸炎,腸重積,虫垂炎,腸腰筋炎,ヘルニア,大腸憩室炎

左下腹部

潰瘍性大腸炎,過敏性大腸炎,腸重積,虫垂炎,腸腰筋炎,ヘルニア,大腸憩室炎

なーんて本当に浅はかな考え方をしていました.産婦人科に関して注意することとしては妊娠検査,あとは画像で確認できる卵巣茎捻転くらいでした.

それが・・・実はたくさあるんです.当たり前ですよね.もちろん,医師で有る以上どんな疾患も見逃してはいけませんが,専門にはいった以上は専門領域の疾患は何があっても見落としてはいけない!そんな強い気持ちで挑みたいと思っています.

そういう気持ちがなくなったら?と考えると寂しい,いや怖い気がします.

部位

臓器

疾患

右悸肋部

肝臓・胆嚢

Fitz-Hugh-Curtis症候群

下腹部

子宮,卵巣,卵管,膀胱,膣,直腸

流早産,子宮外妊娠,子宮破裂,常位胎盤早期剥離,月経困難症,子宮筋腫変形・茎捻転,子宮腺筋症,子宮内膜炎,子宮留膿腫,骨盤腹膜炎,骨盤内膿瘍

回盲部

虫垂,卵巣,卵管,尿管,腸腰筋,

卵巣嚢腫茎捻転・破裂,卵巣出血,子宮外妊娠,卵管炎,付属器炎

左下腹部

卵巣,卵管,尿管,S状結腸,腸腰筋

卵巣嚢腫茎捻転・破裂,卵巣出血,子宮外妊娠,卵管炎,付属器炎

何個か取り出して記載してみます.たぶんここに挙がっている疾患に関しては一つ一つちゃんと細かく理解する必要があるのでまたブログに更新します.(たくさんやらなきゃいけないことが増えていますが,わからないことが見つかるのはいいことです.)

子宮外妊娠

卵管妊娠や間質部妊娠破裂により腹腔内に多量に出血した場合急性腹症の原因になる.破裂前に経膣超音波で早期に診断された場合や卵管妊娠流産などでは鈍痛や無症状のこともあるが,性器出血を伴うことが多い.

最近の生殖補助医療の普及に伴い発症率が増加しており,自然妊娠ではまれな子宮内外同時妊娠も忘れてはいけません.

⇒子宮外妊娠は大学でもよくみます.エコーではっきりしない場合も多々あるんです

卵巣嚢腫茎捻転

付属器領域に有痛性の腫瘤をみとめる.破裂すると腹膜刺激症状がつよくなる.特に類皮嚢胞や内膜症性嚢胞は内容物が刺激性のため痛みも激烈になる.

WBC,CRPが上昇しない症例が多々あります.その症例に対しOPEの決断を下すのはとても難しい判断だと思います.でもひとつ言えるのは腹腔鏡でも開腹でもすることによって早期であれば卵巣温存できる可能性があるっているのは,患者にとっては本当に意義のあることだと思います.そこをちゃんと理解できるように説明するのが僕たちの使命でもあるのですが.

子宮内膜炎・留膿腫

多くの場合発熱を伴い,下腹部痛,子宮体部圧痛,不正出血,汚臭を伴う帯下の増量が見られる.留膿腫の場合は子宮を圧迫すると,膿性分泌物がでてくる.

治療法としては薬物療法が基本.急性期は子宮内操作は禁忌であるが,流産・分娩後ので胎児付属物遺残が明らかな場合は慎重に除去する必要あり.また留膿腫の場合はヘガール頸管拡張器で頚管拡張することもある.

⇒僕が上級医にがん検診で検査後に内膜炎を起こすことがあるので検査前に説明するように!と一番最初に教わったことです

卵管炎・付属器炎

内診により,子宮頸部の移動痛を認め,患側付属器領域に圧痛を伴う.起炎菌としてクラミジア感染が増加傾向にある.卵管炎は性的活動の高い若年婦人に多い感染症である.慢性化すると卵管閉鎖,卵管留水腫,卵管癒着など不妊症,子宮外妊娠の原因となる.

卵巣出血

若年の黄体期に認められることが多い.患側付属器領域に圧痛を伴う.高度の貧血,出血性ショックをきたしていなければ保存的治療が可能である.性交後や運動後に起こることがある.右側に多い.

⇒救急外来によく来ます.若い人に多いのでびっくりしちゃうんでしょうね.特に性交後におこることが多いため,夜間来院されます.こちらとしては辛いことですが,こればっかりは仕方ないですね.

その他もろもろありますが,今日も気づいたら1時過ぎてます.明日も勤務があるのでもう寝ます.