他科への研修期間も終え、やっと本業の産婦人科に戻ってきました。


とてもやりがい感じて日々充実した日々を送っていますが、とても大変です。


この一週間本当に私にとってまれな疾患と出会いました。


ここまで充実することってそう簡単にないと思います。


なので近日に更新することにします。


「PIH」「HELLP症候群」「子癇」「Paget病」などなど

詳細に外陰部を確認しても病変を発見できず、しかし患者は外陰の痛みを訴えている。ようなことが時折あるそうです。まだ疾患概念としては確立されていないようですが、何冊が目をとおした中でわかりやすかったものを簡単に記載します。

あくまで前回記載したものの除外診断です。


治療法は鎮痛剤、精神安定剤などを組み合わせて使用し、外陰部に変化がないか経過受診をおこなう必要がありそうです。

1. vulvar vestibulitis

腟前提に触れたり、圧するだけで強い痛みを訴え、タンポンの挿入や性交時に痛みを訴える。比較的若い層におおいようです。


2. dysaesthetic vulvodynia

比較的広い範囲で痛みを訴える。腰痛、打撲後、性器ヘルペスの既往、骨盤内手術後などが多い。50歳以降の女性にみられます。


3. 骨盤底痛症候群

腟口より少し入った肛門挙筋付近に圧痛を認める。

4.糖尿病性神経痛


なぜわざわざこのような区分けした本があるかというと、やはり原因不明と患者に話してしまうと患者様が不安に感じます。なのでこのような疾患概念がある旨をお話することにより気持ちがおちつくという側面もあるような気がします。

外陰の疼痛(皮膚変化あり)

普段、婦人科検診のアルバイトにいっているのですが、やはり多いのが更年期の生理不順や外陰部の痒みです。今日は外陰部の痛みという方がきました。

皮膚病変の変化はなかったのですが、ここで鑑別など勉強したいと思います。

問診

痛みの程度・種類、経過(慢性か急性か?一週間を目処に。また契機となったイベントがないか)、随伴症状(発熱、口内炎、他の部位の皮疹)について知る必要がります。

視診

外陰のどのあたりに痛みがあるのか認識する必要があります。また潰瘍、水泡、白色病変、嚢胞などないかを観察します。

触診

圧痛部位の確認をします。

検査

カンジタ→腟分泌物の鏡検・培養

潰瘍性病変→単純ヘルペスウイルスを疑い、蛍光抗体法(保険内)PCR法(保険外)

化膿性疾患→淋菌、クラミジア、などによることもあるため培養検査を必ずだすこと。

血液検査

炎症反応の確認(WBC,CRPなど)とヘルペスIgM抗体が高値であれば参考になることがある。

生検

長期にわたる白色病変、赤色病変は生検をする。

考えられる疾患を記載します。

分類

急性

慢性

感染症

性器ヘルペス

性器ヘルペス

バルトリン腺炎

バルトリン腺炎

帯状疱疹

性器カンジダ

軟性下疳

腟トリコモナス賞

皮膚疾患

接触性皮膚炎

硬化性苔癬

湿疹

全身的疾患

Lipschutz潰瘍

クローン病

ベーチェット病

刺激物

石鹸・洗浄液・消毒剤

悪性

外陰上皮内癌

外陰癌

Paget

まずは急性疾患です


単純ヘルペスは初感染の場合、外陰に潰瘍や水泡が多発し疼痛が強く現れる。Lipschutz潰瘍、ベーチェット病と鑑別が大事になります。治療法はバラシクロビルまたはアシクロビル 5-10日内服します。


バルトリン腺炎は腟口の4時と7時方向に開口するので、その部位の圧痛と腫脹で診断できます。まず抗生物質治療を開始し、それでも改善見られない場合は切開、排膿を行います。


帯状疱は皮疹が出現する前に神経刺激症状がでます。皮疹は特徴的で一側性で正中を越えず、紅斑を伴う水疱病変で疼痛を伴うことが特徴です。治療法はバラシクロビルを1000mg 7日間投与です。帯状疱疹後神経痛が残ることがあるので経過観察が必要です。

性器カンジダは痒みを主とする重症例でこのように表現される場合があります。抗真菌剤の軟膏、クリームの塗布を行い、また原因検索も必要です。


軟性下疳は日本ではほとんどみられないようなので割愛します。


腟トリコモナス症も痒みのブログでとりあげましたが、重症になると痛みと表現されるようです。治療はメトロニダゾール500mg/day 10日間です。


外陰の接触性皮膚炎、湿疹を疑った場合はステロイド軟こうや抗ヒスタミン軟膏を処方する。


Lipschutz潰瘍は突然に深い潰瘍が出現します。口腔内アフタを同時に発症する。ベーチェットと異なり、目の網膜炎、皮膚の結節性紅斑は認められない。治療としては塩酸アゼラスチンの経口投与と局所にCMP軟膏を塗布する。(Lipschutz潰瘍とベーチェットは知識不足なのでまた勉強して更新します。)先ほども書きましたが、ヘルペスとの鑑別が重要です。


次は慢性疾患です。


バルトリン腺嚢腫はバルトリン腺の管口の閉鎖により管腔が拡張したもので、普段は無痛性である。感染が併発した場合や拡張した場合など性交痛を訴えます。急性期には抗生物質投与や鎮痛剤にて経過観察とし、必要に応じて開窓術など施行します。


硬化性苔癬は長期にわたる痒みを主症状とし、外陰の白色病変を特徴とします。白色病変は外陰癌や上皮内癌のこともあり、生検により鑑別が必要となります。


クローン病の潰瘍はナイフできったような深い潰瘍になるようです。ほかに消化器症状など多彩な症状がでますので注意が必要です。


外陰部の悪性疾患は長期にわたるかゆみと痛みをうったえます。白色病変の場合が多いですが、paget病などでは赤色病変となります。いずれも長期なる場合は生検が必要です。

当初考えていたより鑑別は多かったです。やっぱり疑問に思ったことはその日のうちに処理しないと必ず新しい医療から取り残されちゃいそうですね。

次のブログで外陰部病変がない場合も記載しますね


膣分泌物異常(かゆみ、おりもの、悪臭)

年齢によって主要な原因疾患は異なるため問診が大事です。


問診内容としては

性状(色・粘調度・量・匂い)

外性器にかゆみ、下腹部痛、性交痛などの随伴症状の有無

発現のきっかけ・抗生物質の使用との関連

月経周期との関連

ピルの服用歴。セックスパートナーの数

ステロイドの使用などです。

じゃあこんだけ問診をして何を疑っているのか?てことですが、

悪性腫瘍

感染症:カンジダ、クラミジア、トリコモナス、淋菌、細菌性膣症、子宮卵管留膿腫など

子宮頸部病変:びらん・ポリープなど

異物:子宮内・膣内異物

外傷

です。

検査としてですが、(女性疾患の診察は見て、嗅いで、さわります。)

膣鏡診、エコー、

細胞診

感染症検査

直接鏡検・・・トリコモナス

グラム染色・・・カンジダの仮性菌糸、細菌性膣症のclue cellなど

培養検査・・・淋菌、カンジダ、細菌性膣症

PCREIA・・・クラミジア(頸管より)、淋菌

血清・・・クラミジア抗体

その他

BBTやホルモン検査

これらの中で疑わしい検査をおこなっていくわけです。全例にすべての検査を行うと、医療費がばかになりませんから問診などから絞っていく必要があるのです


HRT その2

前回した内容に付け加え、HRTで用いられる製剤と禁忌に対して記載します。

以前は「よーしくわしく書いたな!ラブラブ」と思う内容が、物足りなく感じたり、要点がずれてんじゃないの?ドクロとか感じたりします。知識が増してきたせいであることを祈ってます。べーっだ!

結合型エストロゲン製剤(プレマリン)

最もよく使われているみたいです。欠点として中性脂肪をふやすこと。血管の炎症を促進させることなどです。

副作用軽減のために隔日投与や半量投与されることがあるようです。


17βエストラジオール製剤

エストラダーム、フェミニストなどです。

プレマリンに見られたような副作用は多くありません。貼付剤であり、血中濃度を50pg/ml前後に維持できるようになっています。(昨日書いた子宮筋腫のadd back療法でもやりましたよね。)使用法は薬によって違うので確認が必要です。


エストリオール製剤

エストリオール、ホーリンなどです。

排泄型エストロゲンで作用は上記2つに比べ弱い。このため単独療法をおこなうことがあります。子宮内膜癌のリスクがないわけではないので子宮内膜のモニターを必ず行う必要があります。萎縮性膣炎でよく膣剤をよく使うようです。

またHRTの禁忌ですが

1絶対禁忌

乳がん

原因不明の子宮出血

急性の血栓静脈炎

重症肝障害

2相対的禁忌

血栓性静脈炎の既往

子宮内膜癌の既往

子宮筋腫・内膜症の既往

重症高血圧

糖尿病

3注意して投与

高度肥満

胆石症

片頭痛

ヘビースモーカー

※子宮内膜癌の既往者に対してのHRTについてですが、筋層浸潤1/2以下、リンパ節転移陰性、腹水細胞診陰性など再発リスクが少ない症例にかぎります。

HRTでは経口避妊薬で使用するエストロゲン量の1/5ですので禁忌もやや緩めになっているのですかねー?