外陰の疼痛(皮膚変化あり)
普段、婦人科検診のアルバイトにいっているのですが、やはり多いのが更年期の生理不順や外陰部の痒みです。今日は外陰部の痛みという方がきました。
皮膚病変の変化はなかったのですが、ここで鑑別など勉強したいと思います。
問診
痛みの程度・種類、経過(慢性か急性か?一週間を目処に。また契機となったイベントがないか)、随伴症状(発熱、口内炎、他の部位の皮疹)について知る必要がります。
視診
外陰のどのあたりに痛みがあるのか認識する必要があります。また潰瘍、水泡、白色病変、嚢胞などないかを観察します。
触診
圧痛部位の確認をします。
検査
カンジタ→腟分泌物の鏡検・培養
潰瘍性病変→単純ヘルペスウイルスを疑い、蛍光抗体法(保険内)PCR法(保険外)
化膿性疾患→淋菌、クラミジア、などによることもあるため培養検査を必ずだすこと。
血液検査
炎症反応の確認(WBC,CRPなど)とヘルペスIgM抗体が高値であれば参考になることがある。
生検
長期にわたる白色病変、赤色病変は生検をする。
考えられる疾患を記載します。
分類 |
急性 |
慢性 |
感染症 |
性器ヘルペス |
性器ヘルペス |
バルトリン腺炎 |
バルトリン腺炎 |
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帯状疱疹 |
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性器カンジダ |
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軟性下疳 |
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腟トリコモナス賞 |
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皮膚疾患 |
接触性皮膚炎 |
硬化性苔癬 |
湿疹 |
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全身的疾患 |
Lipschutz潰瘍 |
クローン病 |
ベーチェット病 |
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刺激物 |
石鹸・洗浄液・消毒剤 |
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悪性 |
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外陰上皮内癌 |
外陰癌 |
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Paget病 |
まずは急性疾患です。
単純ヘルペスは初感染の場合、外陰に潰瘍や水泡が多発し疼痛が強く現れる。Lipschutz潰瘍、ベーチェット病と鑑別が大事になります。治療法はバラシクロビルまたはアシクロビル 5-10日内服します。
バルトリン腺炎は腟口の4時と7時方向に開口するので、その部位の圧痛と腫脹で診断できます。まず抗生物質治療を開始し、それでも改善見られない場合は切開、排膿を行います。
帯状疱疹は皮疹が出現する前に神経刺激症状がでます。皮疹は特徴的で一側性で正中を越えず、紅斑を伴う水疱病変で疼痛を伴うことが特徴です。治療法はバラシクロビルを1000mg 7日間投与です。帯状疱疹後神経痛が残ることがあるので経過観察が必要です。
性器カンジダは痒みを主とする重症例でこのように表現される場合があります。抗真菌剤の軟膏、クリームの塗布を行い、また原因検索も必要です。
軟性下疳は日本ではほとんどみられないようなので割愛します。
腟トリコモナス症も痒みのブログでとりあげましたが、重症になると痛みと表現されるようです。治療はメトロニダゾール500mg/day 10日間です。
外陰の接触性皮膚炎、湿疹を疑った場合はステロイド軟こうや抗ヒスタミン軟膏を処方する。
Lipschutz潰瘍は突然に深い潰瘍が出現します。口腔内アフタを同時に発症する。ベーチェットと異なり、目の網膜炎、皮膚の結節性紅斑は認められない。治療としては塩酸アゼラスチンの経口投与と局所にCMP軟膏を塗布する。(Lipschutz潰瘍とベーチェットは知識不足なのでまた勉強して更新します。)先ほども書きましたが、ヘルペスとの鑑別が重要です。
次は慢性疾患です。
バルトリン腺嚢腫はバルトリン腺の管口の閉鎖により管腔が拡張したもので、普段は無痛性である。感染が併発した場合や拡張した場合など性交痛を訴えます。急性期には抗生物質投与や鎮痛剤にて経過観察とし、必要に応じて開窓術など施行します。
硬化性苔癬は長期にわたる痒みを主症状とし、外陰の白色病変を特徴とします。白色病変は外陰癌や上皮内癌のこともあり、生検により鑑別が必要となります。
クローン病の潰瘍はナイフできったような深い潰瘍になるようです。ほかに消化器症状など多彩な症状がでますので注意が必要です。
外陰部の悪性疾患は長期にわたるかゆみと痛みをうったえます。白色病変の場合が多いですが、paget病などでは赤色病変となります。いずれも長期なる場合は生検が必要です。
当初考えていたより鑑別は多かったです。やっぱり疑問に思ったことはその日のうちに処理しないと必ず新しい医療から取り残されちゃいそうですね。
次のブログで外陰部病変がない場合も記載しますね