大分県内の有数の観光地であります由布市の由布院(「湯布院」とも言いますがこちらではそういう形で紹介します)では、連日多くの観光客が訪れておりまして、「コロナ禍」以前の賑わいを再び見せております。
その割合も、インバウンド客が非常に多く、今回訪問時も韓国の方や中国の方、さらにはヨーロッパ方面の方までも見られておりまして、言葉やスタイルで見分けを付ける事になります日本人の方を見つけるだけでも大変なくらいでした。それほど多くの方々がこの地に訪れていると言ってもいいかとも思います。
その由布院へは、以下画像にあります久大線の特急列車では「ゆふいんの森」あれば「ゆふ」も運行されておりまして、今回訪問時では「ゆふ」も所定の3両編成から5両編成で運行されておりまして、それだけ多くの方々が利用されている事をも伺わせておりました。また、「ゆふいんの森」の発車前には専用の列までも見られておりまして、混雑をある程度防ごうとする策さえも見られていたのが印象的でもありました。
(キハ72系気動車「ゆふいんの森」)
(キハ185系気動車「ゆふ」)~この日は5両編成、しかも大分方に運転台があるキハ185形が3両連なっていました
さて、今回訪問しておりましたゴールデンウィーク時には、その久大線では以下画像にあります8620形蒸気機関車58654号が牽引しておりました「SL人吉」に使用されておりました50系700番台客車を使った臨時列車が運行されておりました。今回は、その臨時列車に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
これまでもご紹介しておりますように、「SL人吉」は、令和2年秋以降は「熊本豪雨」によりまして、肥薩線の運行区間が寸断した事で熊本~鳥栖間を運行してまいりましたが、3月23日の運行を持ちまして運行を終了しておりまして、画像のようなSLを牽引する姿を見る事はできなくなっております。
それでも、専用客車であります、以下画像の50系700番台客車3両編成に関しましては、運行終了後も団体臨時列車で運行する姿が見られておりまして、今回ご紹介します臨時列車であります快速「ゆふいん号」に関しましても、ゴールデンウィーク時に久留米~由布院間で運行されておりまして、その下の画像にもあります、かつて運行されておりました久大線客車列車の再来とも言われておりました。
【車両画像は令和3年2月団体臨時列車運行時撮影】
(1号車、オハフ50-701)
(2号車、オハ50-701)
(3号車、オハフ50-702)
(昭和60年時刻表より、下り時刻)~赤枠が客車列車、上が久留米、下が大分を表します
50系700番台客車の車内です。前任の「あそBOY」のウエスタン風から、大正風の車内に改装されておりまして、画像のような形となっております。この時は、1月に運行されておりました八代→熊本間の団体臨時列車に乗車した際(NO.2989他参照)の画像ではありますが、58654号引退前に乗車する事ができていたものでありました。
(3号車車内)
(1号車、黒色の革シート)
(同、茶色の布シート)
(2号車、緑色の布シート)~写りで青くなっています
一方、こちらが4月中に運行されておりました団体臨時列車での画像でありまして、当ブログでもNO.3031でご紹介しておりました。
この団体臨時列車は「50系客車で行く!豊肥本線の魅力発見旅」と言う名称で運行されていたものでありまして、去る4月19日夜(20日未明)から4月20日朝には「夜行列車で行く!50系客車豊肥本線の旅」として熊本駅から大分駅まで、さらに4月20日日中には「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」の企画で、「50系客車特別運行!門司港への旅」として大分~門司港間を往復した後に運行されていたものでありまして、2(3)日間にわたって熊本~大分~門司港間を運行しておりました。
この時の牽引機でありました、50系700番台客車と同じ熊本車両センター所属のDE10形ディーゼル機関車であります。この時は 1206号機と1207号機のプッシュプルで運行されておりまして、結果機回しは不要と言う事になっておりましたが、「SL人吉」からさかのぼりましても、そうした機回しが不要でもある分、こうしたプッシュプルでの姿が見られている事が伺わせているのではないでしょうか。
(DE10 1206)
(DE10 1207)
ここまで、50系700番台客車のこれまでの経緯をご紹介しましたが、ここからは今回由布院駅などで撮影しておりました快速「ゆふいん号」をご紹介してまいります。
快速「ゆふいん号」は、ご紹介しておりますようにゴールデンウィーク中の4月27日から5月6日まで久留米~由布院間で運行されておりまして、計8日間にわたりまして運行されておりました。尚、途中停車駅は日田駅のみでありまして、快速名目ではありますが、田主丸やうきは・天ケ瀬などの特急停車駅には停車しませんでした(但し、運転停車は途中駅ではありました)。
今回私は、世間のゴールデンウィーク最終日にあたります5月6日に訪問、収める事ができておりましたが、この編成にとりましては上の画像にもありました4月以来の拝見となりましたが、再びこのように稼働する姿が見られただけでも良かったかなと思ったほどでした。尚、この時50系700番台客車の姿は以下画像の1号車しか収められず、2・3号車を含みます全体の姿は収める事ができなかった事に関しましては正直悔やまれる所ではありました・・・。
今回の牽引機2両です。大分方にDE10 1207号機、久留米方にDE10 1206号機と、4月の団体臨時列車運行時の2両が今回入っておりました。ちなみに、この日と4月27日はプッシュプルでの運行ではありましたが、それ以外は機回しが必要な1両のみの運行(この場合はDE10 1207のみ)であったとの事でありまして、正直機回しも見る事ができていた分、1両の時を見たかったなと思いました・・・。
(DE10 1207)
(DE10 1206)
この後、由布院駅から日田方の所にあります踏切で、快速「ゆふいん号」を収めておりました。本来でしたら、この踏切ではバックに由布岳の姿も収める事ができておりますが、この時は雨も降っておりましたので収める事はできませんでした。それでも稼働シーンを収められただけでも良かったとは思っております。
今回は、久大線を運行しておりました、元「SL人吉」用の50系700番台客車を使用しました快速「ゆふいん号」に関しましてご紹介しましたが、利用率は高かったとの事で、元「SL人吉」の客車を使用した効果や、久大線の客車列車の再来が見られていたのは良かったでしょうか。ただ、利用者もインバウンドの方の割合は少なかったそうですし、マニアの方が多く利用していたとの情報もあったそうですが、それでもゴールデンウィークの目玉列車としての姿は見られていたのではないでしょうか。とにかく、この客車もあとどのくらいの活躍があるかわかりませんが、こうした形で引き続き運行していただく事を切に願う所ではあります。