2020年も最後の日となった。
日常や価値感が大きく変わった1年であったが、本もかなり読んだ1年でもあった。
数えてみたら100冊以上読んでいた。学生の頃以来ではないか。
このブログでもいろいろ紹介させていただき、
https://ameblo.jp/kotobuki5430511/theme-10093674176.html
それをきっかけにその本を読まれた方も何人かいらしたのは嬉しかった。
特に印象に残っているのは、
伝え方が9割
https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12579578504.html
道路の日本史
https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12587969639.html
日本人にとって聖なるものは何か
https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12622139233.html
君の膵臓をたべたい
https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12639873754.htm
あたりかな。いろんなジャンルを読んだが、面白くない本は1冊もなかった。
さて、今年最後にもう一冊紹介する。
これは一生で一回しか出来ないであろう紹介体験である。
28年前に世に出た「ぶらり日本歩き旅」。
著者は誰であろう、私である。
22歳の時、日本国内を歩いて旅した紀行文である。
●以下出版社HP本紹介
http://rengo-shuppan.on.coocan.jp/bunyabetu/outdoor/outdoorshokai/burari.htm
出版前は校正で何度も読んだのだが、翌年あらためて客観的に読んだ際、ファンだった人気作家の文体をあまりにも似しすぎているのと、観光地とアベックを軽蔑視しているなどワンパターンで短絡的な思考による文章にとてつもなく恥ずかしくなり、途中で読むのをやめてしまった。
お金を払って読んでいただいた方には本当に失礼だと思うが、それ以降、実はあまり世の方に知られたくないと思っていたのだ。
10余年前、「本のソムリエ」と呼ばれる東京の書店「読書のすすめ」の清水店長と出会った際、友人がこの本の存在を話したことで清水店長が購入して下さり、えらく気に入ってあちこちで推薦して下さったことがきっかけで再度売れ始めて、在庫が微妙になったタイミングで出版社から新装版として改めて出すという話になったのだ。
その再校正の時も、恥ずかしくて読み込もうとせず、表面上の文字の間違いや文章のおかしなところがないかを流し読んだだけであった。
以来10余年。少し前に何人かの知人が読んで下さってとてもお褒めいただいたのがきっかけで、28年ぶりに「ちゃんと」読んだのだ。
長い月日が経つと旅中にどんなことがあったかの記憶もぼんやりしてくるので、まるで自分の体験とは思えない感じで読めたのだ。
これが面白かった。
恥を承知でいうが、とても面白かったのだ。(家の中で読みながら「面白い!」を連呼する私に妻や娘は呆れていたが)
詳しい解説をすると本当にアホみたいなのでしないが、インターネットも携帯電話もない時代にテントで寝ながら徒歩旅行というだけで、現代ではありえないような旅を味わえた気がする。
本当に「え?そんなことあったっけ?」と思うエピソードもかなりあって、「忘れる」っていいことだな、と真剣に思った。
自分の書いた本を30年近く読まず、すっかり忘れた頃に感想を書くなんて、一生に一度しか出来ないのである。
自画自賛ならぬ自文自賛である。
10年前に日本テレビの「DON!」という番組で清水店長が紹介下さった時の映像。
とはいえ社長さんがお一人でやっていた出版社で、すでに新たな出版や書店での販売は昨年で終了し、ネット販売でも中古品しかないようだ。
ちゃんちゃん。
みなさま佳いお年をお迎えください。