統合失調症の患者さんが悩まされる症状には

 

幻聴や妄想など

病気になったことで現れるもの

陽性症状

 

やる気がでないなど

病気になったことで失うもの

陰性症状

 

があります。

 

 

 

《陽性症状に関する記事はこちら》

宝石赤誰かに見張られている、誰かに陥れられる・・言いようのない恐怖

宝石赤悪口を言われる、命令をされる・・でも時に孤独から救ってくれる幻聴

 

 

 

幻聴などの陽性症状に比べ、

陰性症状は

たいしたことないと捉えられがち。

 

 

しかし、患者さんご本人から

「つらい」という訴えが多いのは

 

「やる気が出ない」「眠い」「だるい」

という陰性症状なのです。

 

 

 

 

 

統合失調症の特徴は、症状が多様なこと


 

幻聴や妄想など、

周りから見てあきらかに「病気による症状」に

苦しんでいる場合と違い、

 

陰性症状の苦しさはまわりに伝わりにくいんです。

 

 

 

「性格のせい」「甘え」とも言われやすく、

そのことがさらに患者さんを追い詰めます。

 

 

 

統合失調症は、

患者さんが100人いれば

100通りの形で症状が現れる、

個性豊かで多彩な病気。

 

 

 

その多様さから、

最近は専門家の間でも

 

統合失調症を

ひとつの病気として捉えるのではなく

 

様々な症状や病気の集まりだと考える

 

という見方が出てきているんですよ。

 

 

 

 

陰性症状が強い場合の特徴と辛さ


 

陽性症状が目立たず、

陰性症状が強い患者さんでは、

 

一見すると統合失調症を患っているように

見えない方もいます。

 

 

しかし、

「やる気が出ない」「何に対しても興味がわかない」

などの陰性症状は

 

生活の張りを奪い、

生きる楽しみを奪います。

 

 

 

日々の何気ない生活の中で感じる

つらさ苦しさ、困り感は

 

陽性症状よりも楽であるということは決してありません。

 

 

 

 

 

陰性症状のつらさから将来の不安や孤独を感じる


 

やる気が出ないこと、

何に対しても興味がわかないことは

 

自分から人間らしさがなくなったように

感じてしまうんですよね。

 

 

「何のために生きているんだろう」

と感じてしまう患者さんがとても多いです。

 

 

「性格の問題」「甘えている」「怠けている」

という誤解も受けやすく

 

そのつらさがまわりに正しく理解されることは

ほとんどありません。

 

 

このような状況で、

患者さんはどんどん不安や孤独感が募ります。

 

 

「自分はダメな人間だ」と感じておられる方も

非常に多いんです。

 

 

 

 

 

陰性症状が社会復帰の妨げとなる


 

適切なお薬を服用し、

幻聴などの症状が和らいだ後も

 

陰性症状が持続するケースによく出会います。

 

 

そのようなケースでは

「そろそろ仕事に復帰したい」「作業所に通いたい」

という段階になったとき

 

陰性症状が足を引っ張ることがあります。

 

 

仕事をしようとすれば、

どうしてもある程度の気力や集中力が要求されます。

 

 

やろうと思うのにやる気が出ず、

好きだったはずの仕事に興味がわかず、

集中しようと思うのに気力が続かない。

 

 

このようなつらさを

よく患者さんからお聞きします。

 

 

 

 

陰性症状に効くとされているお薬も

もちろんあるのですが、

 

それを服用したからといって

100%すっきりするものでもありません。

 

 

 

本人のつらさと周りが感じることのすれ違い


 

陰性症状として挙げられる症状は、

人間であれば誰でも感じることがあるもの。

 

 

それゆえ、

誰にでもあるものだから

と軽視されがちで

 

怠けている、気力が足りない、

などと思われてしまいます。

 

 

回復を願う気持ちからよかれと思って

 

善意の励ましや

叱咤激励をしてしまうことって

ありますよね。

 

 

だけど、実はこのことが

一番患者さんを苦しめるのです。

 

 

 

 

統合失調症という病気は、

 

本人がつらいと感じていることと

周りが本人を見て感じることが

すれ違う病気です。

 

 

そのことが患者さんにとっても

支える側にとっても

 

一番の生きづらさとなっているのではないでしょうか。

 

 

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 元精神科看護師で、現在は大阪の公立小中学校でスクールカウンセラーをしています!男の子3人(高2・中3・小5)の母です。3人とも不登校経験あり、通信制高校やフリースクール、在籍校への復学とそれぞれの道へ進んでいますキラキラ

 

矢印野村涼子プロフィール

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