川越style「第15回かわごえ環境フォーラム」2017年2月25日ウェスタ川越 | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

川越には、問題意識を持ち、環境活動に従事している個人、団体がたくさんいます。

普段はそれぞれが自分のフィールドで活躍し、一年に一度、一つの場に集まってお互いの活動成果を報告し合っています。その在り様は、まさに「ネット」という表現がぴったり。
2017年2月25日(土)ウェスタ川越で開催されたのが「第15回かわごえ環境フォーラム」


場所:ウェスタ川越(JR川越線・東武東上線川越駅西口から徒歩5分)

主催:  かわごえ環境ネット、川越市
協賛:  パイオニア株式会社、武州ガス株式会社、株式会社環境総合研究所、川木建設株式会社、第一生命株式会社川越支社

 

「かわごえ環境ネット」は、1998年3月に策定された川越市環境基本計画に基づき、2000年8月8日に発足した市民・事業者・民間団体・行政の協働を推進する環境パートナーシップ組織です。今年で設立から17周年となり、170名を超える個人会員・団体会員が、川越の望ましい環境像「みんなでつくる、自然・歴史・文化の調和した人と環境にやさしいまち」の実現を目指して活動しています。

かわごえ環境ネット、2016年の全体事業としては、

2016年2月20日「第14回かわごえ環境フォーラム」、

 

 

(「第14回かわごえ環境フォーラム」2020年に向けて 川越を知ろう・語ろう・伝えよう

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12131127755.html

6月5日川の一斉水質調査、

7月17日郊外クリーン活動、

7月24日エコプロダクツ川越2016への出展

10月15日・16日川越まつり会場クリーン活動、

12月23日中心市街地歳末まち美化活動。

 

 

(川越まつり初日「川越祭り会場クリーン活動」2015年10月17日

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12085364640.html

 

 

 

(川越中心市街地 「歳末まち美化活動」2016年12月23日かわごえ環境ネット

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12234496537.html

 

そして、2017年2月25日、年に一度の「かわごえ環境フォーラム」は、川越の環境に関する活動している個人、団体の成果報告の場として、また、参加者が集い、特定のテーマについて話し合う場として2003年に始まった環境ネットにおける最も重要な行事で、今年で15回目となります。

■午前の部(9:30-12:00)
「環境活動報告会」
場所:南公民館講座室1・2(1階)
内容:
1年間に実施された各自の環境活動について、当日発行する「かわごえ環境活動報告集」に基づいて、活動内容を報告します。
・ふくはら子どもエコクラブ:ヤマと畑はワンダーランドだ-ふくはら子どもエコクラブの活動報告2016-
・大久保彦:川越市民の森のキノコII
・宮﨑誠:「パリ協定」と我々の対応

・武田侃蔵(クリーン&ハートフル川越):ゴミがゴミを呼ぶ 解決への模索と提言
・柏井喜代恵ほか(かわごえ里山イニシアチブ):「人がつながり生きもの育む川越街づくり」~田んぼから広がる共生の輪・豊かな暮らしデザイン~
・(都合により中止)矢口瞳ほか(東京農工大学):落ち葉掃き、下刈り、常緑樹除伐がコナラ二次林の植物種の多様性に与える影響
・成海啓誉ほか(東洋大学):栽植密度・植え付け本数の違いによる稲の生育の変化と収量の比較
・津田麻衣ほか(東洋大学):東洋大学川越キャンパス「こもれびの森」の植生と森林施業による環境の変化
・佐藤加留磨ほか(東洋大学):川越「昭和の街」における街並みの変化と魅力的な要素の把握
・田村浩一(初野建材工業):市民の皆様に向けた住宅に関する環境問題の啓発活動
・板野徹(かわごえ環境ネット):社会環境部会の活動報告
・賀登環(かわごえ環境ネット):自然環境部会の活動報告

 

■午後の部(13:30-16:30)
川越市環境行動計画策定記念講演会
場所:多目的ホールC・D(1階)
内容:
川越市環境行動計画「かわごえアジェンダ21」(平成20年1月)が改定され、新たな「川越市環境行動計画」が今春策定されます。これを記念して講演会を開催します。
基調講演では、「川越の魅力を知る‐雑木林からの発信」という題目で、農家や里山等を題材にしたドキュメンタリー映画を撮り続けている映画監督の原村政樹さんに講演していただきます。また、今年度策定される同計画についての内容の解説と、講演者と飯島希(かわごえ環境ネット理事)との対談を行います。

基調講演
「川越の魅力を知る‐雑木林からの発信」
講師:原村政樹氏(映画監督)

 

■交流会
午後の部終了後、原村政樹氏を囲んで交流会を開催します。会場は川越市西口近く、時間17:30-20:00ごろまで。

 

・「ふくはら子どもエコクラブ:ヤマと畑はワンダーランドだ-ふくはら子どもエコクラブの活動報告2016-」

 

ふくはら子どもエコクラブは、循環型社会を目指し、年間計画を策定して、
異年齢集団で各自の希望を尊重し、各自の自主性を発揮して多様な活動に取り組んできました。

活動をはじめてから7年目、メンバーは25名前後で安定的に推移し、年間15、16回の活動に平均13,4人のメンバーが参加しています。

活動している場所は、個人所有の雑木林で、標高30mの台地上にあり、コナラを中心とした300年以上続いている林です。ここを、5,6年かけてモウソウ竹を刈り、シノ竹を刈って「くずはき」をして、昔の雑木林を再生させることができました。

林には、生態系の頂点にたつオオタカが営巣し、カブトムシやノコギリクワガタ、

林床にはキンランやイチヤクソウなどが生息しており、手入れの行き届いた雑木林にのみ生息するチョウやトゲアリなど多様な生物が生き続けています。

水が乏しい耕作地には、江戸時代から続く畑が広く分布しており、多くの野菜が栽培されて、主要な野菜生産地になっています。

根菜類を栽培する畑が多いのですが、最近、トウモロコシや枝豆も増えてきて、直売所も増えてきました。

地域の中央を流れる不老川は、過去に水質ワースト1の汚れた川でしたが、現在では下水道が普及して鮎が遡上するほどきれいな川になりました。

雑木林は落ち葉を供給するだけでなく、畑の表土を西風から守る役割も担っており、

今は茶の木の代わりに小麦が植えられて、これを収穫して主食にしていた文化が引き継がれ、ハレの日には地粉でうどんが作られていました。

このような自然、社会環境を活かして、循環型農業を支えて、雑木林や不老川の自然を知り、守る活動に取り組んできました。

1、畑での収穫と旬体験

循環型農業の農家で夏にトウモロコシと枝豆の収穫体験をしました。経験を積んできたのと初めての子には親切に教えることで毎年上手になってきています。枝豆も収穫して、林まで運んで、茹でて食べます。地産地消と旬を同時に体験することができました。トウモロコシは茹でてすぐに食べ、枝豆は茹でてから豆を潰し、蒸したもち米とで「ずんだ餅」を作って食べました。

2、林の資源活用

林には活動に使える多くの素材があります。間伐されたコナラを使って木のハシを作りました。また、くずはきに邪魔な細い木はノコギリで切ってナイフで加工してハシ置きにしました。雑木林を再生させる目的で刈ったもうそう竹はキャンプやエコクッキングの皿やハシを作ります。落ちたドングリは草木染に使います。ドングリをお湯で煮だして絹のハンカチを茶色に染めます。

3、自分でできるエコ活動

自分ができる活動はエコ活動として大切です。夏の暑さから守る緑のカーテンに毎年5軒で取り組んでいます。緑のカーテンは林のたい肥を用いて、キュウリやゴウヤで食べても美味しいカーテンをつくります。エコクッキングは埼玉県からカルピカを借りて晴れが多い秋に肉などを焼いて試食します。今年はあいにく曇り空で枯れ木を燃やしてオキ火をつくりサンマを焼くエコな活動に変更しました。

4、ヤマの自然体験と自然の観察

きれいになった林で5月にキャンプをして子ども達がテント張りから食事作りまでを行います。夏には講師を招いて虫の観察会をして、標本作りにも取り組み昆虫の体の仕組みを勉強しました。秋には林で見つけることのできる生きものなどを探すネーチャーゲームをビンゴ形式で行い林の自然を学びました。

5、伝統的な林の手入れと保全活動

林での活動をしやすくし、林を守るためにも手入れは欠かせません。秋から枯れ木を集め、作業をしやすくします。冬になり落ち葉が落ちたら「くずはき」をして林をきれいにするとともに、循環型農業を応援するために、落ち葉を伝統的な熊手を使って集めて、軽トラにのせて農家の「たい肥置き場」に運びます。1年間寝かせて切り返すと翌年には野菜の肥料となります。

また、雑木林を枯らすモウソウ竹を伐採して、コナラなどに太陽の陽をあて元気にします。今年はコナラの実生を成長させるために、それを妨げる小さな木を切りました。

6、活動を長続きさせるために

私たちは地域子どもエコクラブとして、地元の環境に密着して、循環型社会を目指して、年間計画を作成して取り組んできました。個人の自主性を重んじるために、メンバーが参加しやすいテーマと体験型のメニューを準備して活動してきました。

また、異年齢集団での活動となるので、経験が積み重ねることができます。継続した活動が循環型社会へのささやかな実践となりました。


・大久保彦:「川越市民の森のキノコII」

 

昨年ヒダナシたけ類を中心に発表しました。今年度はハラタケ類を発表。


・宮﨑誠:「パリ協定」と我々の対応

 

「パリ協定」は2016年12月に196ヵ国が参加するCOP21で採択され、

「産業革命前から気温上昇を2度未満に、あるいは1.5度以下にするよう努力する」を目的とするものです。

この目標に向けて各国が自主的に削減目標を設定し、削減計画を実施しますが、

現段階では各国の目標が達成されたのとしても気温上昇は2.9~3.4度となり、目標に達さない可能性があります。

日本の対応としては、本年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、

「2030年度には2013年度比26%削減」、長期的には「2050年に80%削減」を目指すこととなっています。

2030年の電力構成では、再生可能エネルギーの割合を22~24%に増やす事を想定しています。この目標を達成するために、大いに知恵を出し、行政と一緒になって行動しなくてはなりません。

 

・武田侃蔵(クリーン&ハートフル川越):「ゴミがゴミを呼ぶ 解決への模索と提言」

 

市内には、止まない不法投棄、ルール無視のゴミ出しの状況の場所がある。

住民もルール順守を訴え、広報でたびたびPRし、住民が監視して訴えたが効果なし。

自治会役員が所管課に陳情したが状況が変わらず、ゴミの収集所廃止も検討された。

一自治会の問題ではないことを認識、市、警察、住民との連携で解決へ進みたい。


・柏井喜代恵ほか(かわごえ里山イニシアチブ):「人がつながり生きもの育む川越街づくり」~田んぼから広がる共生の輪・豊かな暮らしデザイン~

 

「かわごえ里山イニシアチブ」は、生きものの賑わいと取り戻す活動を行う個人や農家、

団体と連携・協力のもと、無農薬、無化学肥料によるお米づくりやマコモ栽培の支援を行っています。

活動は、環境に優しく安心な農産物作りだけでなく、地域活性化や文化継承、食育、地産地消などにも広がりを見せています。子どもたちが安心して過ごせる、次世代に残せる永続循環的な暮らしの実現を目指して、様々な取り組みや団体と協力しながら地域に根差した里山保存活動を行っています。

・お米作りだけではない田んぼの価値を伝える

・生きもの豊かな日本の田園風景を守る

・田んぼをフィールドにした人と人との結びつき

・生きものに優しい田んぼ活動を支援

平成28年度には、第2回田んぼフォーラム、ニホンミツバチさんいらっしゃい(巣箱つくり)、有機稲作ポイント研修会、田んぼの生きもの調査、マコモでお盆のお道具作り、太陽光パネル発電の田んぼカメラ設置、稲刈り、マコモ注連縄でお正月飾り作り、川越ファーマーズマーケット出店、

 

(「川越Farmer’s Market」14,000人以上の来場者で賑わう2016年12月4日

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12226437606.html

田んぼの10年全国集会in川越&第3回田んぼフォーラム(ラムサール・ネットワーク日本とかわごえ里山共同主催)

・成海啓誉ほか(東洋大学):栽植密度・植え付け本数の違いによる稲の生育の変化と収量の比較

 

東洋大学川越キャンパス西側には、1961年の工学部開設以前から残されている広大な平地林、通称「こもれびの森」が存在している。「こもれびの森」の中には施業が放棄された場所があった。2014年より、この「こもれびの森」内の自然環境を保全する活動を行っているのが「こもれびの森・里山支援隊」と呼ばれる団体。

団体は設立されてから約2年が経過し、森林内の環境も活動開始時と比べ大きく変化している。

そこで研究では、「植生現況図の作成」、「指標植物であるヤマユリの調査」、「コドラートにおける植生調査」、「毎木調査」の4つの調査を行い、こもれびの森の現状を様々な面から把握することで、これまでの施業が森にどんな影響を与えたのかを理解し、今後の活動への基礎資料を得ることを目的とした。


・津田麻衣ほか(東洋大学):東洋大学川越キャンパス「こもれびの森」の植生と森林施業による環境の変化

 

近年、化学肥料などを使った収穫量の増加、薬剤の使用による、収穫までの除草や病害虫防除の作業の簡素化などで農業の効率化が進んでいる。

一方で、これらの影響により生物多様性の現象が起こり、人の健康への影響も懸念される。

そこで、NPO法人民間稲作研究所が開発した効率向上と無農薬・無化学肥料による栽培が両立できる稲作を、現在かわごえ里山イニチアチブと高梨農園と共同で川越市福田の水田で実践している。

この農法では、1粒の種をポットで育苗するポット苗を使用しており、

これを30㎝で植え付けるのが最適であるとされている。そこで、本研究では、

川越市の圃場でもこのことが有効であるか、またどれくらいの収量が得られるのかを定量的に把握することを目的とした。


・佐藤加留磨ほか(東洋大学):川越「昭和の街」における街並みの変化と魅力的な要素の把握

 

川越市の中央通り・立門前通りは、昭和時代初期を代表する看板建築が多く残っていることから、この地区を「昭和の街」として昭和の魅力を発信し、街の活性化に取り組んでいる。

しかし、この「昭和の街」の町並みは、近隣の「蔵造りの町並み」や「大正浪漫夢通り」といった商店街の町並みに比べるとその魅力が十分に街づくりに生かされていないと感じた。

そこで本研究では、「昭和の街」の昭和の景観の魅力を見出すことで、街の活性化のための基礎資料を得ることを目的とした。

実施したワークショップの一つが、

2016年9月蓮馨寺と周辺商店街 で開催された第三回「昭和の街の感謝祭」の中の、
感謝祭の催しとして境内に設置されていた東洋大学による「なつかし写真館」。

 

 

(第三回「昭和の街の感謝祭」蓮馨寺と周辺商店街 2016年9月10日

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12199339321.html

昔と今の昭和の街の様子を定点観測的に写した写真を対比させた展示は、

見比べると、昔とはがらりと変わった景色も多いですが、

名残を残しているところも多く見られ、昭和の息吹は今も感じられる。

 

・田村浩一(初野建材工業):市民の皆様に向けた住宅に関する環境問題の啓発活動

 

知って欲しい、マイホーム建設に伴う6価クロム汚染。

マイホーム建設において「地盤」については軽視されがちですが、今後社会問題に発展するかもしれない重大な問題があります。2011年東日本大震災以降、地盤んを強化する「地盤改良工事」は盛んに行われ、その中でもセメント(セメント系固化材)を使用する工法が広く一般的に採用されています。しかしながらその地盤改良工事によって土壌汚染リスクがあるのです。

一般的に安全と思われているセメントには極めて有害な重金属「6価クロム」が含まれており、セメント使用の地盤改良工事により土壌汚染が引き起こる可能性があります。

初野建材工業さんは、つばさ館で開催されているエコプロダクツ出展でもお馴染みです。

(「エコプロダクツ2015」8月2日環境プラザつばさ館

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12057981974.html )

 

その他にも、この日のために編まれた「かわごえ環境活動報告集」の中には、

社会環境部会の活動報告として、環境施設の見学、環境講演会の開催、

「私のエコ暮らし」と題して会員による投稿、

「果樹を鉢植えで楽しむ」、「頭寒足熱でウォームビズ」、「昭和の家屋と平成の家屋の経済比」、「生ごみを肥料にして10年」、「ごみの減量に向けて」、「水のエコ(下水処理場にやさしく)」、「分かち合い 持続可能な幸せな社会に」、「目薬の木を煎じて飲みました!」、「究極のエコ暮らし体験」、「来季用緑のカーテン育成始動」、「パリ協定発効に思う」などが掲載されていました。

 

自然環境部会の活動報告としては、「(仮称)川越市森林公園計画地 保存再生活動報告」、「池辺公園活動報告」、「仙波河岸史跡公園報告」、「新緑の雑木林観察会」、「キノコの観察会」、「虫の観察会」、「上戸小学校『わくわくタイム』自然学習活動支援」、

福原ファームクラブによる「福田 田んぼ活動2016」の報告、

南小畔親水クラブによる「水辺再生100選と(仮称)河南親水公園について」、「霞ヶ関中学校・川の生き物調査を自然観察支援」、「川越市協働委託儀表『かわごえエコツアー』川越の川めぐり」の報告が掲載されていました。

・板野徹(かわごえ環境ネット):社会環境部会の活動報告

 

・賀登環(かわごえ環境ネット):自然環境部会の活動報告

 

 

ちなみに、かわごえ環境ネット副理事長の横山さんによるウェスタ川越の講座

「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」全4回の様子は昨年伝えたばかり。

 

(「ECO LIFE デザイン 〜子どもと一緒の環境講座〜」ウェスタ川越2016年9月~12月

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12209901115.html


午後の部は、場所をウェスタ川越の多目的ホールに移しての開催。
川越市環境行動計画策定記念講演会と映画監督原村政樹さんの基調講演。
川越市環境行動計画「かわごえアジェンダ21」(平成20年1月)が改定され、新たな「川越市環境行動計画」が今春策定されます。これを記念しての講演会。

「望ましい環境像の実現に向けて‐第三次川越市環境基本計画と川越市環境行動計画」
講師:箕輪信一郎 川越市環境部環境政策課長・小瀬博之 かわごえ環境ネット理事長

 

 

 

基調講演では、「川越の魅力を知る‐雑木林からの発信」という題目で、農家や里山等を題材にしたドキュメンタリー映画を撮り続けている映画監督の原村政樹さんに講演していただきます。また、今年度策定される同計画についての内容の解説と、講演者と飯島希(かわごえ環境ネット理事)との対談を行います。

基調講演
「川越の魅力を知る‐雑木林からの発信」


講師:原村政樹氏(映画監督)

<原村政樹氏プロフィール>
1957年生まれ。上智大学卒業後フリーの助監督としてグループ現代、ドキュメンタリージャパンなどで映像の仕事を始める。1988年桜映画社入社。以後、短編映画、TV番組を監督製作。2004年、長編記録映画「海女のリャンさん」で映画館上映や自主上映の長編記録映画の製作を開始。2013年、NHK新日本風土記「川越」製作。2015年「無音の叫び声」製作を機に、フリーの監督として独立。「無音の叫び声」は各界から高い評価を受ける。2017年秋完成・公開予定の映画「武蔵野」を製作中。約40年前から川越市在住。

原村政樹監督作品
2005年「海女のリャンさん」
2008年「いのち耕す人々」
2009年「Little Challengers 小さな挑戦者たち」、「里山っ子たち」
2011年「里山の学校」
2013年「天に栄える村」
2016年「無音の叫び声」

 

川越在住の記録映画監督、原村政樹さんは、

以前撮ったドキュメンタリー映画「天に栄える村」が、

2015年3月に川越市民会館で行われた第4回「福島復興まつり」で上映会が催されたことがありました。

福島第一原子力発電所の事故で放射性物質にさらされた福島県天栄村の農家の人々が、
農業復興のため苦境に立ち向かう姿を描いたドキュメンタリー映画。

 

(天栄村の天栄米栽培研究会3人と原村監督

第4回「福島復興まつり」川越市民会館大ホール

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11999760644.html

大ホールのロビーには天栄村の人たちの出店もあり、

街の魅力を、「米も野菜も美味しい、温泉もスキー場もある、ペンションもたくさんあってリゾート地なんです」と話していました。

このブースは特に人気で、見る見るうちに米も野菜もなくなり、あっという間に完売。
 

福島第一原から70㎞離れた福島県天栄村は、里山に囲まれた人口6000人ほどの小さな村です。恵まれた自然環境を大切にしながら、村の人たちは農業を営んできました。
日本一美味しい米作りを目指す農家グループ「天栄米栽培研究会」は、

米の美味しさを競うコンクールで5年連続金賞を受賞という成果を残しました。

しかし・・・2011年3月の原発事故で放出された放射性物質は、

この村にも降り注ぎ、田畑は汚染されてしまいました。。。
震災と、放射能汚染による二重の苦難、それでも、農家は米作りを諦めるわけにはいきません。

この土地で生き、田畑を未来へ引き継ぐために、

農家の人々は、出来ることは何でもやろうと立ち上がり始めました。
科学的調査をもとに未曾有の環境破壊を乗り越えようとする農家の苦闘する姿を追った映画です。

監督の原村さんが天栄村に始めて足を踏み入れたのは2009年のことでした。

当時はNHKのETV特集の撮影のために天栄村に入り、

耕作放棄田を再生させる動きを取材し番組を作りました。

原発事故の後も、農家が米づくりに取り組む姿をETV特集で作った。

そして、ETV特集という仕事を離れても、もっと撮影したい、と

個人的に天栄村、天栄米の取材で現地に足を運び、カメラを回し続けた。

2013年に完成した映画が、「天に栄える村」です。映画はこれまで各地で上映されてきました。



映画上映の後は、監督を努めた原村さんのお話しがあり、また、

映画にも登場し、ロビーで天栄米を販売していた天栄米栽培研究会の方のお話しもありました。今回の上映は本編の縮小版となっていましたが、
なんと、この復興まつり開催を契機として、川越スカラ座での完全版上映も決まった。

 

2016年には、山形県の小さな村に暮らす79歳の農民詩人・木村迪夫の生き様を追ったドキュメンタリー「無音の叫び声」を撮り、

そして、2017年秋公開を目指しているのが、武蔵野の雑木林を舞台にした「武蔵野」。

取材を通して現場を見つめた話しなどは、自然・農を考えさせられるものでした。

 

 

映画公開が決まったら、川越でも盛り上がっていくと思います。

かわごえ環境ネットのかわごえ環境フォーラムが終われば、

また、それぞれの団体などは、川越の自然・社会環境活動に取り組んでいく。

この一年も大きく前進していくことでしょう。

問題意識を持ち、現場で動く市民がいること、

一年後にどんな報告が見られるのか、川越は変化し続けています。

 

「かわごえ環境ネット」

http://kawagoekankyo.net/news/