川越style「川越堂 タルトレットパーラー」誰も到達していない前人未到のタルトへ登り詰めていく | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

川越堂のエッグタルトを頬張る。サクリ。
伸びやかな卵のクリームは思わず溺れそうになる滑らかさで、

味はコクがあるのはもちろん、後味がいつまでも残り、すっと消えていく。

卵ってこんなに美味しいんだと、改めて思い知らされるタルトは、

いつの間にか一口一口ゆっくりと噛み締めて味わっていました。

 

川越堂さんは大正浪漫夢通りにあるお店。

 






 

そして川越堂の本店がある地域は、

 

川越の中でも特に残された手付かずの遺産が残る場所と言えます。

川越堂からすぐ近く、路地を曲がったところにあるstudio1925にある

古道具・古雑貨のshabby farmのことを記事にした時に、

建物に辿り着くまでの様子をこんな風に書いてみたことがありました。

『あの建物に辿り着くためには、少しだけ迷うかもしれない。

小さな路地を入って行って、こんなところに本当にあるのかと、周りを確認しながら諦めず進んで行く。

連雀町にある蓮馨寺の裏手の脇道から行くのもいいし、

おおつか花店の脇道を入って歩いて行くのもいい。

すぐ近くに川越一の観光地、一番街があるとは思えないくらい、静かな通りと静かな時間。

ここまでは観光客は入って来ず、地元の人たちの日常の時間が流れています。

奥へ奥へ進んで行きます。

通りを奥に進むごとに街の音が遠くなり、歩く音、息をする音、

小さな音が大きく聞こえる静かな通りの中で・・・

現れたのが一際古い建物。

この建物は「studio1925」と呼ばれています。

なぜ1925なのか。

それは、この建物が1925年に建てられたから。

大正14年に建てられた当時は、ダンスホールに使われていました。

その後、手芸店などに利用されたりと変遷があり、今も当時のままの姿でここにあります。

雰囲気のあるブリキ製の天井や色ガラス窓は、当時のまま残してあるそう。

見るからに、モダンでオシャレな建物じゃないですか?

小さな静かな通りに、この大きな建物が突如現れ、

見る者を一気にタイムスリップさせます。』

「shabby farm http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11584119616.html

 

あの時と雰囲気は変わらず、今でも探索欲を刺激し続けるようなエリアで、

 

だけど以前と比べたらこの脇道も新しいお店が出来て、歩く人も増え、

また違った風情を醸しています。

今一度、あのエリアへ足を運ぶためのルートを紹介します。

連雀町にある蓮馨寺の北側にある山門から、

細道を真っ直ぐ進んでいく、そにあるのが「川越堂タルトレットパーラー」。




蓮馨寺北側山門から細道を歩いて行く。


あるいは一番街の入り口、仲町交差点を左折しNTT前の細道を入っても行けます。



 

 


2014年に颯爽と川越の仲町に現れた川越堂は、

2014年10月、川越の街が祭りでソワソワし出していた川越まつり前に産声を上げました。

古い建物を生かして新しいお店に仕立て直し、

川越の新定番となっていきそうなこだわりタルトを発信しています。

 

 




広々とした店内は、ゆったりとした座席に、通りに面した窓の格子が風情を高める。
メニューはお店の看板であるタルトに、ドリンク、スパゲティが用意されています。

コールドドリンク

アイスコーヒー
アイスカフェラテ
アイスカフェモカ
有機アイスティ
アイスココア
アイス抹茶ミルク
100%オレンジ
コカコーラ
オランジーナ
coedoビール紅赤
coedoビール瑠璃

春・夏の限定として

キャラメルフロスティ
抹茶フロスティ
氷いちごラテ
氷ココアラテ


ただカフェというより、川越堂はやはりタルト屋さんと言いたいお店。
このタルトの衝撃的美味しさは、ちょっと今までの川越のスイーツにはないもので、

川越のスイーツの歴史でもエポックメイキングかもしれない。
このタルトを目当てにする方は多く、地元の方を中心にして自宅用にテイクアウトし、

また、人へのプレゼントにも求めていく。
裏道といっても一番街からほど近くにあるお店、しかし観光客よりも地元客が多いという話しに、
地元の方こそ川越の美味しいものを解っているなと思う。
川越堂の稲垣さんにじっくりお話しを伺いながらも、

地元の方らしいお客さんが数種類のタルトをテイクアウトしていました。

川越堂のタルトは5種類。
定番のエッグに、チーズやチョコ、さつまいもといった他ではなかなか味わえない味もある。
生地もクリームも、もちろん全て手作りです。

エッグタルトは、卵黄と生クリームで焼き上げたもの。

チョコタルトは、絶妙な苦味と酸味のチョコレートを使用したガトーショコラ風タルト。

さつまいもタルトは、スイートポテト風さつまいもペーストの下にあずきを敷き込んだタルト。

ラズベリータルトは、ラズベリーピューレとメレンゲのしっとり甘酸っぱいフィリングに

さつまいもペーストを敷き込んだタルト。

チーズタルトは、乳味と酸味のバランスの良い癖のないクリームチーズを使用した

ベイクドチーズ風のフィリングにレアチーズを敷き込んだタルト。


川越堂のタルトはこの5種類が絶対黄金律で、

これ以下でもこれ以上でもなく完全なバランスが五つの味。
普通に考えたら、いろんな味を追加したり、

期間限定が登場したりという展開もありなんじゃないか?と素人目線で思いますが、
いや、実はそうもいかないんです、と稲垣さんは話す。
タルトは都内の有名店で話題になったり、今やコンビニでも売られえいますが、
生地の多くはクッキー生地。
川越堂のタルトの生地はよく見るクッキーのようなパートシュクレではなく、

サクサクパリパリとしたパイ生地でできています。

それがあのサクリという音に表れます。まずここに難しさがある。


「大きいサイズのタルトならいいんですが、うちのような食べやすい小さいサイズのタルトだと、パイ生地の中にクリームを詰め込んで膨らみをコントロールするのが本当に大変なんです」

そして、ラズベリータルト誕生までの秘話にもタルトならではの難しさが隠れていました。
「ラズベリータルトにはラズベリーピューレを使っているんですが、
季節ごとにピューレを変えようと思っても、いや、ラズベリーじゃないと美味しくならないんです」
単にイチゴやオレンジに変えただけでは満足できない、
自分が納得できる味はラズベリーでしか出せないと、フルーツ系のタルトは一本だけに絞っている。
そしてラズベリータルトの下にさつまいものペーストを敷くという発想は、

完全に稲垣さんが導きだしたオリジナルのもの。
さつまいもを底に忍ばせることで、ラズベリーの酸味と甘みをより際立たせる発見がありました。
ラズベリータルトを頬張る。サクリと生地が音を立てて砕けた先に、
ラズベリーが口いっぱいに広がり、

その酸味と融和するように底に敷いてあるさつまいもペーストがどっしりと受け止めてくれる。

なにしろ稲垣さんのこだわりは半端ない。
ある意味それは、マニアックと言っていいほどのこだわりようです。
タルトの種類ごとに小麦粉の配合、バターや水の量を変え、突き詰めていき、
作る手間に加えて素材に徹底的にこだわり、ありとあらゆる組み合わせを試し、

少しずつ変えてはまた試す。
今の5つのタルトのレシピが出来上がるまでに毎日のように試行錯誤した日々は、
お店をオープンさせるまでなんと一年間も続いたといいます。
お店自体は2014年の5月にはできていた、
しかし10月に正式オープンがずれ込んだのは、オーブンの焼き上がりにどうしても満足できなくて
自分が納得できないものを人に提供することはできないと、開店を遅らせました。
その5ヶ月間も毎日試作し、だんだんとようやく光が射し込み、

思い描いたタルトに近づいていくことができた・・・と手応えを感じていた時に
最後待ち構えていた難関が、チーズタルトでした。

「どうしても上手くいかない。。。」

チーズタルトの出来上がりに満足できず、オープン時のラインナップから外すことも頭をかすめましたが、最後の最後で美味しいチーズタルトを作ることができた。
これ以上開店を遅らせることはできないという2014年の川越まつりの前に、
川越堂は絶品タルトを引っ提げて、川越に登場しました。



サクリ。このくらいでいい、と妥協することなく、

美味しいタルトを、他では味わえないタルトを、
日本一のタルトを作りたいという一心でここまで突き進んできた稲垣さん。

完璧なレシピを作っても、そこはゴールであり同時にスタートでもある。
レシピの後にはレシピをもとにタルトを作り続けるという日々が続いていきます。
自分を追い込むように完成させたレシピは、完璧だからこそハードルはめちゃくちゃ高く設定され、

日々のタルト作りも大変な仕事となります。
川越堂のタルトは日々、小麦粉にバターを混ぜて伸ばしたら、

折っては伸ばし折っては伸ばしという重労働を経ることで36層のパイ生地を作っていく。

その後に生地を型に入れて冷蔵。というここまでの工程ですでに8時間もかけて作られています。
そこに時間をかけて制作した5種類の中身を入れて焼き上げる。
そこも稲垣さんが見つけ出した黄金比率があり、

焼くのもタルトの種類によって焼く温度と時間を変えています。

チョコタルトを口に運ぶ。サクリ。
ううう、チョコが美味しすぎる!

甘味、苦味、酸味が襲いかかってくるチョコは、チョコだけでも食べたくなる味。

今、川越堂のタルトのショーケースには、
左から順にお店のおすすめを陳列していると話す稲垣さん。

ショーケースの中を見ると、一番左にはエッグタルト。

これは川越堂人気ナンバーワンのタルトであり、
他のお店でも扱われることのある王道タルトをまず味わってもらうことで、

こんなに美味しいタルトがあるのか!と美味しさに目覚めて欲しい、

思いを込めた陳列順になっています。

サクリ。上に記した通り、川越堂のエッグタルトの中身は「卵黄と生クリーム」。だけなんです。
卵白や牛乳は使わずに究極のシンプルといえる二つだけで作るエッグタルト、
卵は川越の井上養鶏場のスーパーエッグを使用しています。
そこからこだわり抜いたチョコを置き、他のお店ではありえないさつまいもを陳列した。

そうそう、このタルトのシンプルなフォルムにも触れないわけにはいかない。
よくあるタルトは生クリームなどで華やかにデコレーションされたものがありますが、
稲垣さんももちろんそれは考えたこと。
しかし、タルト自体の美味しさを考えたら余計なものは加えたくない、
見た目よりも味を優先してシンプルな、でも絶対的な黄金比率のタルトにすることは譲れなかった。
単品勝負だからこそのこだわりでした。


城下町川越は、昔から和菓子文化が定着していますが、
百貨的にいろんなお菓子を扱うお店だけでなく、

単品でこだわり抜いたお菓子を提供するお店も生まれていて、
一番街にあるバウムクーヘンのノリスケさんは川越で人気は定着したものとなり、
これからタルトのお店として川越堂が広まっていくと思います。

(おみやげには特注の箱に詰められます。一個から対応)



タルトと同じ生地から作るパイも川越堂の人気商品。

 

お店はカフェとしてスパゲティを提供しているので、

 

食事しつつ食後にタルトを頂くという流れも川越堂的定番。
ミートソース
カルボナーラ
明太クリーム
バジルソース
カポナータ





 

 


川越堂のこの風情ある建物、
知る人からすると、懐かしいと思うのではないでしょうか。
この建物には、かつて100年続いた老舗蕎麦屋の「寿本店」がありました。



そして実は寿本店は、稲垣さんの曾祖父が始めた蕎麦屋でもあります。
寿本店は母方の実家にあたり、このお蕎麦は馴染みのお蕎麦だったと振り返ります。

そして、
寿本店と聞いて、川越の方ならあの蕎麦屋を思い浮かべるでしょう。「寿庵」。

川越style

 

川越style

 

(寿庵新富町本店)
マルヒロ百貨店横の新富町本店や一番街、喜多院近くにある寿庵と寿本店。

名前が似ている二つの蕎麦屋は、親戚同士であり、

寿庵は辿っていくと稲垣さんのお祖父さんの弟さんが始めたお店。

さらに札の辻交差点近くにある「えぷろん亭」は稲垣さんの親戚にあたりと、
川越堂の話しからどんどん川越の歴史が広がっていくのが面白い。

この場所で蕎麦屋として100年も続いていた寿本店の足跡を大事にしたいと、

店内に掲げられた書に、実はこっそりその印を残しています。

名店とうたわれたかつてのお店を知る人がそれを見つけると、思わず歓声を上げるのだそう。

 

 


川越堂周辺は、知る人ぞ知る川越の穴場スポット。
蓮馨寺の前は「昭和の街」と呼ばれる地域で、昭和初期から続くお店が建ち並び、

手付かずの昭和が今も残ります。

(中央通り昭和の街)

この中央通りから脇道に入っていくと、さらに世界は深くなり、ここにこんなお店が!と発見が続き、

脇道散策欲を刺激されるようなお店があちこちに佇んでいる。

川越堂から路地を曲がったところにある、sudio1925の建物も別の世界にいざなうような力がある。

さらに、この事実に意外な感を受ける方もいると思いますが、

川越堂の道を北に進んで、NTTの横の道に入って松本醤油商店さんをさらに北に進むと・・・そこは・・・

落ち着いた風情の寺町通りへ。そう、今川越の話題のエリア「うらいち」へと繋がっているのです。

 

 

寺町通りへ入れば、今の川越を代表するお店と次から次へと出会えることができます。

「ギャラリーと手しごといろいろ Hamano-ya

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12054035319.html 」」

「カゴ&帽子と雑貨「KIKONO 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12011070379.html

「ベトナム小粋雑貨サニーサイドテラス

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11799004874.html

「MIMI DINER 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12046468987.html

そして通りをさらに進めば菓子屋横丁に繋がり、

川越ベーカリー楽楽やはるりKINUMOも待ち構えている。

つまりどういうことかというと、

一番街周辺の観光地と川越堂がある場所とは、実は細道から細道へと繋がっていて、

うらいちの延長線上にあるということなんです。

観光客の方は、一番街の表通りの蔵造りの町並みを

そこだけを観光地として区切って見ているところがあるかもしれませんが、

それだけでは勿体無い。

一番街に平行するようにある裏道が、さらに裏道へと続いて、

どんどん川越のディープへと入っていくことができる、

こういう裏道こそ川越の楽しみでもあります。

昔から、いや昔は地元の人が多かったですが、

川越人は細道で思わず発見する場所やお店を愛でるような感性はずっとありますが、

今そのようなお店が新しい人の新しいお店で発見できることが新しい。

うらいちがある裏道から川越堂がある裏道へ、

繋がっているところが冒頭でも紹介した細道なんです。

この先に川越堂やshabby farmなどがあるエリアへと繋がっていく。

川越散策の途中に、ぜひ絶品タルトを。

川越堂のタルトは、
まだまだ改善の余地があると話し、「日々進化しています」とこれからも試行錯誤は続いていきます。
サクリ。

濃厚な卵、そして尾を引く余韻が伸び、いつまでも続く。

日本一を目指した道のりは、間違いなく頂点へ登り詰めようとしている。

サクリ。

最後の一口を、噛み締めていた。

 

「川越堂タルトレットパーラー本店」
住所: 埼玉県川越市仲町5-19
営業時間: 11:00-16:30 Lo.16:00

 

土日祝日のみ営業

TEL: 049-222-2280

http://kawagoedo.com/

※売れ切れの場合、営業時間内でも閉店することがございます。
定休日: 水曜日、月曜日が祝日時の火曜日
駐車場: なし
禁煙・喫煙: 全席禁煙(喫煙コーナー店内にあり)

 

「川越堂大正浪漫夢通り店」
営業時間11:00~17:00
定休日:水曜 
FB:https://www.facebook.com/kawagoedou

 

 

外の看板にも、端には・・・あの刻印が。確かめてみてください♪

 

 

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