『私は奇跡を見た』
~ 超能力エネルギーの神秘 ~
政木和三
第三章 第七次元の実験
第七節 念力の科学的測定
ユリ・ゲラーの出現以来、念力によって金属が曲がるということはそうとう知れ渡ったようだが、しかし、その事実を目前にしても、トリックだ、インチキだと言い張る人は多い。
考え方は自由だと言っても、私は、現象を曲解せず、素直にまず認めて、その真理の探究をやってみるべきではないかと思う。
実際に、スプーンを曲げたり、針金で輪を作ったり、画用紙に空中で字を書いたりといった超自然と思われる現象が次からつぎへと起きているからである。
現在の科学的常識においては、理解のできないことだからと言って否定してしまうべきではない。
ことわざにいわく
『一念岩をも通す』
と言うのも、事実であるかも知れないのだ。
筆者は先に、NTVにおいて、関口純君の念力によって、スプーンの曲ることを、科学的測定によって実測し、材料的に理解できない不思議な現象を見い出すことができた。
私は在来の考え方では説明出来ないため、仮説として重力波の伝播用媒質として、
『バクトロン』
の理論を採用した。
これは、精神波である波動性粒子によって、その密度を制御し、それによって、金属の性質を、人間の精神力によって自由にしているというものである。
これらの念力による金属変形現象は、私が実験した、オッシログラフの波形を見れば明確である。
波形①の曲線は、ひずみが一万分の三で、弾性領域であるにもかかわらず、塑性ひずみ(弾性限界を越えた変形)になっている。
オッシログラフ①波形は関口純君が、ストレーンゲージを貼りつけたスプーンを投げたもので、最初の小さな波は投げるときのショックである。
次の大きな波は着地のときの振動である。
校正目盛は、一万分の三のひずみを表わしている。
下の③のオッシログラフ波形は、普通人が投げた場合である。
常人が投げると、どのように投げてもひずみ発生後、必らず零ラインに戻っている。
すなわち、この範囲は弾性範囲であり、前者との間に大きな差が見い出されたものである。
④は手で曲げた場合であって力を抜けば元の零ラインに戻っている。
このオッシログラフを見てもわかるように、念力が金属に入ったとき、金属としての在来の特性が失なわれていることを示している。
もしも一万分の三ぐらいの塑性ひずみが残るためには、最初の弾性ひずみが、その数十倍以上必要であるが、このオッシロの波形では、最初の弾性ひずみが一万分の六ぐらいで、塑性ひずみがその半分ぐらいとなっていて、弾性範囲で塑性ひずみが発生していることになる。
オッシログラフ図形の⑤⑥⑦は、大脇一真君の実験結果である。
⑤の図形の右側の山形のものは、指でスプーンを押して曲げたものであって、押す力を抜くと、零ラインに戻っていることを示している。
次の、Bの位置で、
『曲がれ』
と叫んだ瞬間に、上の方に千分の一曲がっている。
さらにCの点で
『曲がれ』
と叫ぶと千分の一五となった。
次にDの点で、
『反対に曲がれ』
と叫ぶと、一万分の四だけ反対に曲がり、F点でさらに
『反対に曲がれ』
と叫ぶと千分の一・七反対の方向に曲がった。
これらは全て永久ひずみとなって残っている。
後のGは、キャリブレーション用のものでひずみ千分の一を示している。
オッシログラフ波形⑥は、その時の一真君の精神状態によって、ひずみが弾性ひずみであるときと、永久ひずみになるときを記録したものである。
Hの点で、
『曲がれ』
と叫ぶと千分の一の弾性ひずみが発生し、直ちに零ラインに戻っている。
次のIのときも同じである。
しかるに、Jのときは、弾性ひずみが千分の六で、永久ひずみが千分の一・五となっている。
次のK点では、
『戻れ』
の声によって、零ラインに戻っている。
オッシログラフ波形⑦は、ひずみゲージを貼ったスプーンの両側に、一センチメートルほど離れたところに、左右の親指をおき、スプーンには手を触れないようにして、行った実験である。
最初のLは三〇〇マイクロストレーンのキャリブレーション用の目盛である。
Mの点で、
『曲がれ』
と叫ぶと、約一〇〇〇マイクロストレーンだけの永久ひずみが発生した。
次にNの点で、さらに
『曲がれ』
とやると、弾性ひずみが一五〇〇マイクロストレーン発生した。
O点で、
『戻れ』
と叫ぶと、零ラインに近づいた。
P点ではさらに一〇〇〇マイクロストレーン曲がり、零ラインに完全に戻った。
Qはプラス・マイナス一〇〇〇マイクロストレーンの、キャリブレーション目盛であり、Rは三〇〇〇マイクロストレーンのキャリブレーションである。
このようにして、金属に手を触れることなく、ひずみを発生させることができた実験である。
オッシログラフの結果は、現実である。
このような実験は、東京電気通信大学においても行なわれている。
電気通信大学の金属疲労の専門家、佐々木茂美教授等のグループは、材料力学では考えることのできない、念力による金属の変形に関する研究実験を継続して行ない、多くの論文を次のように発表されている。
『針金の曲げ変形に及ぼす念力の影響』(日本超科学会誌、一九七四年第一巻第二号)。
『PKによる金属材料の変形現象について』(テレパシー、昭和五十年第九第一巻および超科学、第一巻第二号)。
『アルミニューム板の硬さに及ぼすPKの影響』(電通大PSI研究会)。
『鉄鋼およびアルミニューム板の変形に及ぼすPKの影響』 (テレパシー、第四十五号)
などである。
これらの実験は、超能力者の念力を用いるために、普遍性、客観性に乏しい面が多いので、これらに対する批判や抵抗も多い現状である。
一方、自然発生的ならびに宗教的修業などに依って、特殊な能力をもっている人々がいることは事実なので、このグループの研究者たちは、念力は存在すると信じて、この実験を行なわれたものである。
実験者は電気通信大学機械工学科の教官、大学院生、および学部の四年生であり、超能力の待合せはなかったが、全般的に子供好きであけっぴろげの人柄(楽天的)の人達であった。
そして念力に対して疑問を持っている場合はあったとしても、完全な否定論者ではなく、これらの事象に関して興味を持っている人々であった。
行なわれた実験は、針金を用いて、これにある荷重をかけると、針金は定められた値の曲げが発生する。
その量が測定できる装置を作り、それに念力を加えた場合に、どのような値となるかを知るために、数グループによって観測と測定がなされた。
その結果、クリープ現象の起きやすい状態において、念力の作用があらわれることが確認された、その実験の一例は図の曲線のようである。
図において、○(白丸)で示されているのは荷重を、10グラム、20グラム……50グラムと与えた時のたわみであるが、●(黒丸)の、PKとあるところは、念力を何分間与えたかを示している。
PK3とは念力を三分間与えたことを示している。
念力によって、針金のたわみが大きくなっている。
これが念力によって針金が曲がったことを示していたものである。
なおこの論文の中には触れていないが、筆者の実験室において、念力による金属のひずみの実験中に、明らかになったことは、金属のひずみが、念力によって曲がることは、最初はバクトロン(仮称引力の媒体)の量の変化によるものと物理的に考えていたが、その後の種々の実験(文字の発生や物質の転送等々で)によって、時間の単位の異なる世界での現象ではないかと思うようになった。
たとえば、針金の一端を固定し、他端を自由の状態にして、長期間放置すると、針金の自重によって曲がってくる、これをクリープ現象と称されているが、実験では一年ぐらいの期間には相当な値のクリープ現象のあることを知った。
この事実から類推すれば、スプーンのようなものでも、一端を固定して、数百年、数千年を放置すれば、クリープ現象によって、直角に曲るだろうと思える。
念力によって、金属が曲がることは、異次元の世界へ物体が転送され、その瞬間に、数千年、数万年の時間が経過し、クリープ現象が起きたものが、我々の眼の前にあらわれるのではないかと思われる。
金属曲げ、または切断、文字の発生、あるいは、真珠、仏像の発現等は、時間の単位の異なる異次元の世界の現象と考えれば、説明がつくものではないかと思われる。
私は奇跡を見た
初版発行:昭和53(1978)年1月10日
10版発行:昭和59(1984)年3月15日
著者:政木和三
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