ボツ台本おねぇきゃら
「おねぇきゃら」
『ほら最近おネェキャラってあるじゃない』
「ああ、IKKOさんとかね」
『あの人達って恋愛とかモテる為のメイクとかファッションとかのアドバイスするでしょ?』
「するね」
『あれっておかしくないか?』
「なんで?」
『誰にモテたいかって女が男にモテたいわけでしょ?』
「あの人達はそういう人達だからね」
『でしょ!?でもよく考えてみてくれよ』
「なに?」
『あの人達って基本童貞でしょ?』
「まあ中身は女性なわけだからね」
『だろ?おかしくない?』
「というと?」
『だってよ、童貞に恋愛の極意聞いてもしょうがないだろ』
「いやでも処女ではないだろ」
『でも童貞だろ?男じゃないんだからな。女であるあの人達に男にモテる方法聞いてどうすんだってこと。おかしいだろ?』
「でもあの人達は男も女もよく知ってるんじゃないの」
『それは偏見だろ。だって基本的に生まれた時から中身は女なんだから』
「ああ」
『そりゃ男社会の中にいたかもしれないけどさ、女なんだから、あの人達はいまだかつて男だった時なんてないんだよ』
「でも怒った時なんて凄いぜ?てめぇこのやろーって」
『それは外見、身体的特徴が男だから男らしい迫力が出るだけで、てめぇこのやろーなんて誰でも知ってる日本語だよ』
「ああ」
『あの人達は男にモテる為に努力してきた人達なんだよ。女側の視点でね』
「なるほど」
『ということはつまりあの人達のアドバイスってのは男側の意見なんて一切入ってない、あーすればモテるこーすればモテる、てな具合の女同士の妄想恋愛トークなんだよ』
「なるほどねぇ」
『まあ強いて言えばただの女じゃないってことだな。言うなれば女以上に女の道を極めたいと思ってる人達だからね』
「ああ、足りない部分を補う為に」
『足りない部分なんてデリバリーのない言葉使うな!』
「デリカシーな」
『ああ!?女に生まれてもブサイクな奴だっているんだから!』
「そういうことはあまり言うなよ」
『なんだってんだよ!おれなんかちょっとブサイクな女じゃないと興奮しないんだぞ!』
「どうでもいいよ」
『美人に興味がわかないんだ。おれが格好良すぎるからだと思う』
「姿が見えないからって好き勝手言いやがって」
『昔、世界一ブサイクな女、って売り文句の女がサーカスにいたんだ』
「すごいキャッチフレーズだな」
『実際すごいんだ。まあ病気、というか奇形なんだけど』
「あんまりそういうこと言うなよ」
『あの時代、百年ぐらい前かな、あーいった人達がサーカスに入るのは普通のことだよ。見せ物小屋だよね。でもサーカスに入れば、似たような仲間はたくさんいるし、ひどければひどいほど花形になれるんだ。スターだよ』
「そうかもしれないけど」
『彼女もトップスターになった。そしてもうモテモテ』
「モテたの?でもまあブサイクが好きな人達もいるからね」
『おれを含めてな、ってもブサイクのレベルが違う。なんせ世界一だからな』
「そうか」
『でも彼女はモテモテ。しかも言い寄るのはイケメンばかり。そう!おれみたいのな!』
「へー、お前は置いといて、イケメンばかりに言い寄られたの?ふーん、すごいな」
『やっぱり本物のイケメンは相手の容姿なんか興味ないんだよ。美しいもの見たけりゃ鏡見りゃいいんだからさ。そう!おれみたいに!』
「言ってて恥ずかしくならないか?」
『めでたく超イケメンと結婚した彼女。息子を生んだら彼もまた超イケメン。そう!おれみたいに!』
「へー、なんかすごいな」
『だろ!おれってかっこいいだろ!』
「そこじゃねえよ」
『まあ要するに男の視点と女の視点は違うってこと』
「強引だけどな」
『リアルシンデレラみたいなもんだよ。多分彼女は一般社会、女の社会では生きていけなかったと思う。顔がひどいからね。でもサーカスに入ることによって違う世界を見た。男の視線を集めた。しかも惹きつけるのは皆が羨むイケメン達』
「うーん」
『女なんて綺麗になる努力しかしないんだから』
「まあそうだろ。好き好んでブサイクになろうとする奴は男でもいないよ」
『だから駄目なんだよ!今男でもって言ったよな』
「言ったけど」
『そういう考えが片側の考えなんだよ!男の視点からの考え。女もだけど』
「わかんねえなぁ」
『なんでこの男にこんな美人が!?って組み合わせってよくあるだろ?』
「ああ、あるね。美女と野獣というか」
『そういうことだよ!人の好みなんて千差万別、ブサイクだからってモテないわけじゃないどころかブサイクはブサイクになればなるほどイケメンや美人にモテる!ブサイクだって堂々と道を歩けばいいんだよ』
「もう立派に歩いてるよ!」
『嘘だろ!?』
「嘘じゃねえよ!」
『あんな汚ねえ顔して!?』
「ひどいな!さっきまでの偏見のないお前はどこ行ったんだよ」
『おれは偏見の塊だよ!偏見なんてものはなくならねえんだ!お前みたいな奴が体裁よく本音を隠すから偏見がひどくなるんだ!』
「もういいよ、で?」
『要するに女同士の妄想恋愛トーク、童貞の妄想恋愛トークなんてクソの役にもたたないってことを言いたいわけ!役にたたないどころか邪魔!』
「長かったなぁここまでくるの」
『ほら女ってやたら凝った料理作ろうとするでしょ?』
「ああ、付き合い始めとかよくあるよね」
『めんどくせーんだよ!こっちはそんなロールキャベツなんか食いたくねえんだ!』
「ロールキャベツなんだ…でもよく言うじゃない、結局男は肉じゃが、みたいなさ」
『おれ肉じゃがあんま好きじゃないからさ』
「ああ、あっそう」
『男なんて肉と野菜を醤油で適当に炒めたやつが一番なんだよ!』
「あー、確かに、そういうのがっつり食いたい気持ちはわかる」
『だろ!?まず出てこないからね。やれロールキャベツだ』
「ロールキャベツ」
『ビーフストロガノフだ、ビーフシチューだ、ボルシチだ』
「似たようなのばっかだな」
『そんなもん家で食いたくねえよ!大概レトルトだしな』
「ハウス食品かよ!完全に手ぇ抜かれてるじゃねえか!まあでも手をこんだものを作らなきゃって思ってる人は多いかもね」
『だろ!?そこが大間違いなんだよ!手がこんでればいいと思ってやがる、料理も、メイクも、ファッションも、恋愛も、フェラも!』
「フェラとかいらないよ」
『恋愛にルールなんかいらねえしましてや法則なんてねえんだ!フェラだって』
「フェラはいいから」
『男って大概そんなもん望んでないんだから。まあフェラは置いといて』
「いいんじゃねえかよ、フェラ。まあでもそういうのはあるよな、やりすぎだろ!?みたいな」
『どんなフェラさせてるんだよ』
「フェラじゃねえよ!料理とかメイクとかの話だよ!」
『じゃあなんであいつらがそういうことすんのかっていうと、そういうことするのが女社会の常識だからだよ!妄想恋愛トークのなれの果てだよ。それを持ち込まれてもこっちは困るんだよ!だのにあいつらは勘違いするのさ、これだけ尽くしてるのにってな!』
「するのさってお前」
『おネェを参考にするより男に聞けっつうの!女同士のアドバイスなんて童貞の描く万個みたいなもんだぜ!?』
「万個言うなよ」
『結局あいつらは男の目より女の目を気にしてるんだよ!女にモテたいんだ。レズビアンだよ!女は全員レズビアン!』
「でも男だって、男の世界っつうか、女子供にゃわかるまいって言うだろ?」
『男なんて全員ホモなんだよ!男は全員ホモ!』
「めちゃくちゃだな」
『おれなんかゲイのレズだからな』
「ってことは女が好きなのか?」
『そうだよ!中身が女の奴なんて全員レズのゲイだ!』
「あーでもなんとなくわかるというか、男にも女っぽいとこあるし女にも男っぽいとこあるよな、個人差はあれど」
『もうなんつうかボヘミアン!』
「わけわかんねえよ」
『まあ言いたいことはIKKOがやたら熱く人生とか語ってるのがなんかむかつくってこと』
「そこは大目にみてやれよ」
終わり なーむー
『ほら最近おネェキャラってあるじゃない』
「ああ、IKKOさんとかね」
『あの人達って恋愛とかモテる為のメイクとかファッションとかのアドバイスするでしょ?』
「するね」
『あれっておかしくないか?』
「なんで?」
『誰にモテたいかって女が男にモテたいわけでしょ?』
「あの人達はそういう人達だからね」
『でしょ!?でもよく考えてみてくれよ』
「なに?」
『あの人達って基本童貞でしょ?』
「まあ中身は女性なわけだからね」
『だろ?おかしくない?』
「というと?」
『だってよ、童貞に恋愛の極意聞いてもしょうがないだろ』
「いやでも処女ではないだろ」
『でも童貞だろ?男じゃないんだからな。女であるあの人達に男にモテる方法聞いてどうすんだってこと。おかしいだろ?』
「でもあの人達は男も女もよく知ってるんじゃないの」
『それは偏見だろ。だって基本的に生まれた時から中身は女なんだから』
「ああ」
『そりゃ男社会の中にいたかもしれないけどさ、女なんだから、あの人達はいまだかつて男だった時なんてないんだよ』
「でも怒った時なんて凄いぜ?てめぇこのやろーって」
『それは外見、身体的特徴が男だから男らしい迫力が出るだけで、てめぇこのやろーなんて誰でも知ってる日本語だよ』
「ああ」
『あの人達は男にモテる為に努力してきた人達なんだよ。女側の視点でね』
「なるほど」
『ということはつまりあの人達のアドバイスってのは男側の意見なんて一切入ってない、あーすればモテるこーすればモテる、てな具合の女同士の妄想恋愛トークなんだよ』
「なるほどねぇ」
『まあ強いて言えばただの女じゃないってことだな。言うなれば女以上に女の道を極めたいと思ってる人達だからね』
「ああ、足りない部分を補う為に」
『足りない部分なんてデリバリーのない言葉使うな!』
「デリカシーな」
『ああ!?女に生まれてもブサイクな奴だっているんだから!』
「そういうことはあまり言うなよ」
『なんだってんだよ!おれなんかちょっとブサイクな女じゃないと興奮しないんだぞ!』
「どうでもいいよ」
『美人に興味がわかないんだ。おれが格好良すぎるからだと思う』
「姿が見えないからって好き勝手言いやがって」
『昔、世界一ブサイクな女、って売り文句の女がサーカスにいたんだ』
「すごいキャッチフレーズだな」
『実際すごいんだ。まあ病気、というか奇形なんだけど』
「あんまりそういうこと言うなよ」
『あの時代、百年ぐらい前かな、あーいった人達がサーカスに入るのは普通のことだよ。見せ物小屋だよね。でもサーカスに入れば、似たような仲間はたくさんいるし、ひどければひどいほど花形になれるんだ。スターだよ』
「そうかもしれないけど」
『彼女もトップスターになった。そしてもうモテモテ』
「モテたの?でもまあブサイクが好きな人達もいるからね」
『おれを含めてな、ってもブサイクのレベルが違う。なんせ世界一だからな』
「そうか」
『でも彼女はモテモテ。しかも言い寄るのはイケメンばかり。そう!おれみたいのな!』
「へー、お前は置いといて、イケメンばかりに言い寄られたの?ふーん、すごいな」
『やっぱり本物のイケメンは相手の容姿なんか興味ないんだよ。美しいもの見たけりゃ鏡見りゃいいんだからさ。そう!おれみたいに!』
「言ってて恥ずかしくならないか?」
『めでたく超イケメンと結婚した彼女。息子を生んだら彼もまた超イケメン。そう!おれみたいに!』
「へー、なんかすごいな」
『だろ!おれってかっこいいだろ!』
「そこじゃねえよ」
『まあ要するに男の視点と女の視点は違うってこと』
「強引だけどな」
『リアルシンデレラみたいなもんだよ。多分彼女は一般社会、女の社会では生きていけなかったと思う。顔がひどいからね。でもサーカスに入ることによって違う世界を見た。男の視線を集めた。しかも惹きつけるのは皆が羨むイケメン達』
「うーん」
『女なんて綺麗になる努力しかしないんだから』
「まあそうだろ。好き好んでブサイクになろうとする奴は男でもいないよ」
『だから駄目なんだよ!今男でもって言ったよな』
「言ったけど」
『そういう考えが片側の考えなんだよ!男の視点からの考え。女もだけど』
「わかんねえなぁ」
『なんでこの男にこんな美人が!?って組み合わせってよくあるだろ?』
「ああ、あるね。美女と野獣というか」
『そういうことだよ!人の好みなんて千差万別、ブサイクだからってモテないわけじゃないどころかブサイクはブサイクになればなるほどイケメンや美人にモテる!ブサイクだって堂々と道を歩けばいいんだよ』
「もう立派に歩いてるよ!」
『嘘だろ!?』
「嘘じゃねえよ!」
『あんな汚ねえ顔して!?』
「ひどいな!さっきまでの偏見のないお前はどこ行ったんだよ」
『おれは偏見の塊だよ!偏見なんてものはなくならねえんだ!お前みたいな奴が体裁よく本音を隠すから偏見がひどくなるんだ!』
「もういいよ、で?」
『要するに女同士の妄想恋愛トーク、童貞の妄想恋愛トークなんてクソの役にもたたないってことを言いたいわけ!役にたたないどころか邪魔!』
「長かったなぁここまでくるの」
『ほら女ってやたら凝った料理作ろうとするでしょ?』
「ああ、付き合い始めとかよくあるよね」
『めんどくせーんだよ!こっちはそんなロールキャベツなんか食いたくねえんだ!』
「ロールキャベツなんだ…でもよく言うじゃない、結局男は肉じゃが、みたいなさ」
『おれ肉じゃがあんま好きじゃないからさ』
「ああ、あっそう」
『男なんて肉と野菜を醤油で適当に炒めたやつが一番なんだよ!』
「あー、確かに、そういうのがっつり食いたい気持ちはわかる」
『だろ!?まず出てこないからね。やれロールキャベツだ』
「ロールキャベツ」
『ビーフストロガノフだ、ビーフシチューだ、ボルシチだ』
「似たようなのばっかだな」
『そんなもん家で食いたくねえよ!大概レトルトだしな』
「ハウス食品かよ!完全に手ぇ抜かれてるじゃねえか!まあでも手をこんだものを作らなきゃって思ってる人は多いかもね」
『だろ!?そこが大間違いなんだよ!手がこんでればいいと思ってやがる、料理も、メイクも、ファッションも、恋愛も、フェラも!』
「フェラとかいらないよ」
『恋愛にルールなんかいらねえしましてや法則なんてねえんだ!フェラだって』
「フェラはいいから」
『男って大概そんなもん望んでないんだから。まあフェラは置いといて』
「いいんじゃねえかよ、フェラ。まあでもそういうのはあるよな、やりすぎだろ!?みたいな」
『どんなフェラさせてるんだよ』
「フェラじゃねえよ!料理とかメイクとかの話だよ!」
『じゃあなんであいつらがそういうことすんのかっていうと、そういうことするのが女社会の常識だからだよ!妄想恋愛トークのなれの果てだよ。それを持ち込まれてもこっちは困るんだよ!だのにあいつらは勘違いするのさ、これだけ尽くしてるのにってな!』
「するのさってお前」
『おネェを参考にするより男に聞けっつうの!女同士のアドバイスなんて童貞の描く万個みたいなもんだぜ!?』
「万個言うなよ」
『結局あいつらは男の目より女の目を気にしてるんだよ!女にモテたいんだ。レズビアンだよ!女は全員レズビアン!』
「でも男だって、男の世界っつうか、女子供にゃわかるまいって言うだろ?」
『男なんて全員ホモなんだよ!男は全員ホモ!』
「めちゃくちゃだな」
『おれなんかゲイのレズだからな』
「ってことは女が好きなのか?」
『そうだよ!中身が女の奴なんて全員レズのゲイだ!』
「あーでもなんとなくわかるというか、男にも女っぽいとこあるし女にも男っぽいとこあるよな、個人差はあれど」
『もうなんつうかボヘミアン!』
「わけわかんねえよ」
『まあ言いたいことはIKKOがやたら熱く人生とか語ってるのがなんかむかつくってこと』
「そこは大目にみてやれよ」
終わり なーむー
しゃららしゃかしゃか
昨日マクドナルドでシャカシャカチキンを買った。ていうか二岡残念!んで持ち帰ってシャカシャカチキンをシャカシャカしたんだけどさ。なんかシャカシャカしてたらそれだけでお腹一杯になっちゃってさ。びっくりしたね。夏バテってやつ?まあ結局食ったんだけど。食った食った。おかずにしてごはんも食った。おれはポテトで飯を食えるからね。多分ガム以外だったら飯食えるよ。うん。嘘ついたね。多分ガムでも食える。でも百円は安いね。ていうか二岡残念!百円は安いよ。なんだろうね。クソだ。このブログ。多分夜中に耳から妖精虫が脳内に入ってきていて おれの味覚やらなんやらを狂わしてるんだ。頭を振って出そうとすんだけどあいつら脳のシワというシワにこびりつきやがってよぉ、とれないよぉ、こうなったらカタツムリの出番だよ。あいつらはコンクリート食ってるからね。どんだけこびりついていてもひっぺがしてくれるでしょ。もしくはコリドラス。チュクチュク掃除屋さんは食い尽くしてくれるでしょ。妖精虫ってなんだよ。妖精虫だよ。ほら、今お前が自我だと思ってるものは妖精虫の尻から出てる甘い液の中に棲んでるちっちゃい虫の糞を栄養にしてる
虫の死体を栄養にしてる虫の触角で操られてるものなんだぞ。カタツムリ負けるな一茶ここにあり。妖精虫をやっつけろ!妖精虫ってなんだよ。だから妖精虫だよ。妖精虫ってのは今お前が自我だと思ってる…………………………………………………………………………クソが
虫の死体を栄養にしてる虫の触角で操られてるものなんだぞ。カタツムリ負けるな一茶ここにあり。妖精虫をやっつけろ!妖精虫ってなんだよ。だから妖精虫だよ。妖精虫ってのは今お前が自我だと思ってる…………………………………………………………………………クソが
読んだら損する「運命はテイクアウト」(4)
「だからさぁ、名前を呼ぶだけじゃなくて用件も言ってくれる?」
「やぁ健一君」
「あ、どうも」
完全に家族モードだった僕は少し恥ずかしくなった。母親の隣に、というかもうはみ出さんばかりに、巨大な小山さんがいた。
「いやぁ寝ていたかい?悪いね。少し用事があってね、健一君に」
「はあ、僕に」
「健一、ほら、たーくんのこと…」
母親はコーヒーを出しながら気まずそうな顔をする。
「ああ、いやぁ、これから健一君とちょっと外に出ようと思ってるんですよ。近所に私のお気に入りの喫茶店がありましてね。おっと、健一君、都合はいいかな?」
僕はコーヒーに伸ばした手のやり場を失い後頭部をポリポリ。
「大丈夫です」
「じゃあ、早速行こうか。…着替えはしなくていいのかい?」
僕の格好は、下着か上着かわからない襟がよれよれのくたびれた白いTシャツに黒い短パンジャージ。僕の寝間着兼部屋着兼地元着。小山さんはかなりオシャレに気を使う気質。いつもシャンとしてる。
「構いませんよ」
「そうかい。じゃあ行こうか」
ちゃんとした格好をしろ、小山さんの気遣いというか圧力というか、とにかく小山さんは嫌な気持ちになったに違いない。だけどそんなことおくびにも出さず、母親に丁寧に挨拶をすると僕を車に乗っけた。その車がまた軽自動車なのだ。小山さんの営業車。体を3回ぐらい折りたたんで運転している。
「いやぁ、用というのは他でもない、たーくんのことなんだけど」
助手席の僕は出来るだけ窓側に体重をかけている。
「たーくんの家では君のことを警察に話してないけど、まあ話したところで何もないがね、しかし私がヘマをしてしまってね。君の存在を会社の上の人に知られてしまったんだ。もちろん別に大した問題はないよ。だけど、厄介なことになるのは避けろ、事実は確認しておけ、なんて言われてしまってね。まったく。気のきかないものだよ、会社なんてのは。そこで悪いのだけど、あの時のことを話して欲しいんだ。……だけど、事実じゃなくてもいいよ。なんならふたりでバレない程度の嘘を作ってしまってもいい。健一君の好きにしていいから」
右折、左折、直進ブイーン、器用にハンドルを切り、アクセルブレーキ操作もスムーズ。
「…自殺幇助ってやつですか」
一応知ってる。自殺を手伝うことは罰せられる。「…まあそれはちょっと言い過ぎだけどね。証拠もあるし」
遺書のことだろう。
「いや、別に、ちゃんと話しますよ。別に犯罪…あいつの両親にはちゃんと話しましたし」
僕は道助のおじさんおばさんには一緒に屋根に上ったことは話した。背中を押したことは流石に言えなかったのだが。しかしあれは…僕の力で転げ落ちたわけではない。道助が自分で飛んだのだ。だが、犯罪を犯したわけじゃないと言おうとした自分を、背中を押したことを隠している自分を、僕はそんな自分に反吐が出る思いだ。いっそのことゲロにまみれてしまいたい。この自己嫌悪、どうしてくれるんだ道助。
「そうかい。悪いね。何度も言葉にすることじゃないだろう…。ほら、あそこだよ。知ってたかい?なかなかどうして、うまいコーヒーを飲ましてくれるんだ」
車を停めて店に入る。小山さんは車を降りる時5回は体を折りたたんでは伸ばした。お前はアコーディオンか、息づかいの音色は気持ち良いものではない。
この店の存在は知っていたけど中に入るのは初めてだ。あまり広い店ではないが、店内の広さに比べて客席が少ない。空間を贅沢に使い、おそらく店主が吟味に吟味を重ねたであろう、野暮ったくないシンプルな装飾、照明。なにより椅子がでかい。小山さんが気に入るのも無理はない。そして僕の格好はこの店の雰囲気を台無しにしている。
「じゃあ適当にふたつ」
小山さんはなれた様子で注文をした。適当に、とはおそらくコーヒーの豆なりブレンドなりを店主に任せたということだろう。専門店かよちくしょう。コーヒーの味の違いなんかわからない。知ったこっちゃない。どうしようもない。僕は出来ればコーラが飲みたかったが僕にも見栄はある。ブラックで飲んでやる。なしなしだ。ちくしょう。
運ばれてきたコーヒーを香る小山さん。なにか聞いたことない言葉を2、3店主と交わす。僕はただじっとコーヒーを見ている。小山さんが飲み始めた。僕はまだコーヒーを見ている。猫舌なのだ。それに出来ればやっぱりありありで飲みたい。
「ミルクもおいしいよ」
そんな僕に小山さんは静かに言った。僕はこの人に全てを見透かされてるような気がした。
ミルクを入れたコーヒーを三口程飲んだところで、
「じゃあ、本題に入ろうか」
口の中から苦味が消えた。
「やぁ健一君」
「あ、どうも」
完全に家族モードだった僕は少し恥ずかしくなった。母親の隣に、というかもうはみ出さんばかりに、巨大な小山さんがいた。
「いやぁ寝ていたかい?悪いね。少し用事があってね、健一君に」
「はあ、僕に」
「健一、ほら、たーくんのこと…」
母親はコーヒーを出しながら気まずそうな顔をする。
「ああ、いやぁ、これから健一君とちょっと外に出ようと思ってるんですよ。近所に私のお気に入りの喫茶店がありましてね。おっと、健一君、都合はいいかな?」
僕はコーヒーに伸ばした手のやり場を失い後頭部をポリポリ。
「大丈夫です」
「じゃあ、早速行こうか。…着替えはしなくていいのかい?」
僕の格好は、下着か上着かわからない襟がよれよれのくたびれた白いTシャツに黒い短パンジャージ。僕の寝間着兼部屋着兼地元着。小山さんはかなりオシャレに気を使う気質。いつもシャンとしてる。
「構いませんよ」
「そうかい。じゃあ行こうか」
ちゃんとした格好をしろ、小山さんの気遣いというか圧力というか、とにかく小山さんは嫌な気持ちになったに違いない。だけどそんなことおくびにも出さず、母親に丁寧に挨拶をすると僕を車に乗っけた。その車がまた軽自動車なのだ。小山さんの営業車。体を3回ぐらい折りたたんで運転している。
「いやぁ、用というのは他でもない、たーくんのことなんだけど」
助手席の僕は出来るだけ窓側に体重をかけている。
「たーくんの家では君のことを警察に話してないけど、まあ話したところで何もないがね、しかし私がヘマをしてしまってね。君の存在を会社の上の人に知られてしまったんだ。もちろん別に大した問題はないよ。だけど、厄介なことになるのは避けろ、事実は確認しておけ、なんて言われてしまってね。まったく。気のきかないものだよ、会社なんてのは。そこで悪いのだけど、あの時のことを話して欲しいんだ。……だけど、事実じゃなくてもいいよ。なんならふたりでバレない程度の嘘を作ってしまってもいい。健一君の好きにしていいから」
右折、左折、直進ブイーン、器用にハンドルを切り、アクセルブレーキ操作もスムーズ。
「…自殺幇助ってやつですか」
一応知ってる。自殺を手伝うことは罰せられる。「…まあそれはちょっと言い過ぎだけどね。証拠もあるし」
遺書のことだろう。
「いや、別に、ちゃんと話しますよ。別に犯罪…あいつの両親にはちゃんと話しましたし」
僕は道助のおじさんおばさんには一緒に屋根に上ったことは話した。背中を押したことは流石に言えなかったのだが。しかしあれは…僕の力で転げ落ちたわけではない。道助が自分で飛んだのだ。だが、犯罪を犯したわけじゃないと言おうとした自分を、背中を押したことを隠している自分を、僕はそんな自分に反吐が出る思いだ。いっそのことゲロにまみれてしまいたい。この自己嫌悪、どうしてくれるんだ道助。
「そうかい。悪いね。何度も言葉にすることじゃないだろう…。ほら、あそこだよ。知ってたかい?なかなかどうして、うまいコーヒーを飲ましてくれるんだ」
車を停めて店に入る。小山さんは車を降りる時5回は体を折りたたんでは伸ばした。お前はアコーディオンか、息づかいの音色は気持ち良いものではない。
この店の存在は知っていたけど中に入るのは初めてだ。あまり広い店ではないが、店内の広さに比べて客席が少ない。空間を贅沢に使い、おそらく店主が吟味に吟味を重ねたであろう、野暮ったくないシンプルな装飾、照明。なにより椅子がでかい。小山さんが気に入るのも無理はない。そして僕の格好はこの店の雰囲気を台無しにしている。
「じゃあ適当にふたつ」
小山さんはなれた様子で注文をした。適当に、とはおそらくコーヒーの豆なりブレンドなりを店主に任せたということだろう。専門店かよちくしょう。コーヒーの味の違いなんかわからない。知ったこっちゃない。どうしようもない。僕は出来ればコーラが飲みたかったが僕にも見栄はある。ブラックで飲んでやる。なしなしだ。ちくしょう。
運ばれてきたコーヒーを香る小山さん。なにか聞いたことない言葉を2、3店主と交わす。僕はただじっとコーヒーを見ている。小山さんが飲み始めた。僕はまだコーヒーを見ている。猫舌なのだ。それに出来ればやっぱりありありで飲みたい。
「ミルクもおいしいよ」
そんな僕に小山さんは静かに言った。僕はこの人に全てを見透かされてるような気がした。
ミルクを入れたコーヒーを三口程飲んだところで、
「じゃあ、本題に入ろうか」
口の中から苦味が消えた。
