ボツ台本おねぇきゃら | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本おねぇきゃら

「おねぇきゃら」


『ほら最近おネェキャラってあるじゃない』
「ああ、IKKOさんとかね」
『あの人達って恋愛とかモテる為のメイクとかファッションとかのアドバイスするでしょ?』
「するね」
『あれっておかしくないか?』
「なんで?」
『誰にモテたいかって女が男にモテたいわけでしょ?』
「あの人達はそういう人達だからね」
『でしょ!?でもよく考えてみてくれよ』
「なに?」
『あの人達って基本童貞でしょ?』
「まあ中身は女性なわけだからね」
『だろ?おかしくない?』
「というと?」
『だってよ、童貞に恋愛の極意聞いてもしょうがないだろ』
「いやでも処女ではないだろ」
『でも童貞だろ?男じゃないんだからな。女であるあの人達に男にモテる方法聞いてどうすんだってこと。おかしいだろ?』
「でもあの人達は男も女もよく知ってるんじゃないの」
『それは偏見だろ。だって基本的に生まれた時から中身は女なんだから』
「ああ」
『そりゃ男社会の中にいたかもしれないけどさ、女なんだから、あの人達はいまだかつて男だった時なんてないんだよ』
「でも怒った時なんて凄いぜ?てめぇこのやろーって」
『それは外見、身体的特徴が男だから男らしい迫力が出るだけで、てめぇこのやろーなんて誰でも知ってる日本語だよ』
「ああ」
『あの人達は男にモテる為に努力してきた人達なんだよ。女側の視点でね』
「なるほど」
『ということはつまりあの人達のアドバイスってのは男側の意見なんて一切入ってない、あーすればモテるこーすればモテる、てな具合の女同士の妄想恋愛トークなんだよ』
「なるほどねぇ」
『まあ強いて言えばただの女じゃないってことだな。言うなれば女以上に女の道を極めたいと思ってる人達だからね』
「ああ、足りない部分を補う為に」
『足りない部分なんてデリバリーのない言葉使うな!』
「デリカシーな」
『ああ!?女に生まれてもブサイクな奴だっているんだから!』
「そういうことはあまり言うなよ」
『なんだってんだよ!おれなんかちょっとブサイクな女じゃないと興奮しないんだぞ!』
「どうでもいいよ」
『美人に興味がわかないんだ。おれが格好良すぎるからだと思う』
「姿が見えないからって好き勝手言いやがって」
『昔、世界一ブサイクな女、って売り文句の女がサーカスにいたんだ』
「すごいキャッチフレーズだな」
『実際すごいんだ。まあ病気、というか奇形なんだけど』
「あんまりそういうこと言うなよ」
『あの時代、百年ぐらい前かな、あーいった人達がサーカスに入るのは普通のことだよ。見せ物小屋だよね。でもサーカスに入れば、似たような仲間はたくさんいるし、ひどければひどいほど花形になれるんだ。スターだよ』
「そうかもしれないけど」
『彼女もトップスターになった。そしてもうモテモテ』
「モテたの?でもまあブサイクが好きな人達もいるからね」
『おれを含めてな、ってもブサイクのレベルが違う。なんせ世界一だからな』
「そうか」
『でも彼女はモテモテ。しかも言い寄るのはイケメンばかり。そう!おれみたいのな!』
「へー、お前は置いといて、イケメンばかりに言い寄られたの?ふーん、すごいな」
『やっぱり本物のイケメンは相手の容姿なんか興味ないんだよ。美しいもの見たけりゃ鏡見りゃいいんだからさ。そう!おれみたいに!』
「言ってて恥ずかしくならないか?」
『めでたく超イケメンと結婚した彼女。息子を生んだら彼もまた超イケメン。そう!おれみたいに!』
「へー、なんかすごいな」
『だろ!おれってかっこいいだろ!』
「そこじゃねえよ」
『まあ要するに男の視点と女の視点は違うってこと』
「強引だけどな」
『リアルシンデレラみたいなもんだよ。多分彼女は一般社会、女の社会では生きていけなかったと思う。顔がひどいからね。でもサーカスに入ることによって違う世界を見た。男の視線を集めた。しかも惹きつけるのは皆が羨むイケメン達』
「うーん」
『女なんて綺麗になる努力しかしないんだから』
「まあそうだろ。好き好んでブサイクになろうとする奴は男でもいないよ」
『だから駄目なんだよ!今男でもって言ったよな』
「言ったけど」
『そういう考えが片側の考えなんだよ!男の視点からの考え。女もだけど』
「わかんねえなぁ」
『なんでこの男にこんな美人が!?って組み合わせってよくあるだろ?』
「ああ、あるね。美女と野獣というか」
『そういうことだよ!人の好みなんて千差万別、ブサイクだからってモテないわけじゃないどころかブサイクはブサイクになればなるほどイケメンや美人にモテる!ブサイクだって堂々と道を歩けばいいんだよ』
「もう立派に歩いてるよ!」
『嘘だろ!?』
「嘘じゃねえよ!」
『あんな汚ねえ顔して!?』
「ひどいな!さっきまでの偏見のないお前はどこ行ったんだよ」
『おれは偏見の塊だよ!偏見なんてものはなくならねえんだ!お前みたいな奴が体裁よく本音を隠すから偏見がひどくなるんだ!』
「もういいよ、で?」
『要するに女同士の妄想恋愛トーク、童貞の妄想恋愛トークなんてクソの役にもたたないってことを言いたいわけ!役にたたないどころか邪魔!』
「長かったなぁここまでくるの」
『ほら女ってやたら凝った料理作ろうとするでしょ?』
「ああ、付き合い始めとかよくあるよね」
『めんどくせーんだよ!こっちはそんなロールキャベツなんか食いたくねえんだ!』
「ロールキャベツなんだ…でもよく言うじゃない、結局男は肉じゃが、みたいなさ」
『おれ肉じゃがあんま好きじゃないからさ』
「ああ、あっそう」
『男なんて肉と野菜を醤油で適当に炒めたやつが一番なんだよ!』
「あー、確かに、そういうのがっつり食いたい気持ちはわかる」
『だろ!?まず出てこないからね。やれロールキャベツだ』
「ロールキャベツ」
『ビーフストロガノフだ、ビーフシチューだ、ボルシチだ』
「似たようなのばっかだな」
『そんなもん家で食いたくねえよ!大概レトルトだしな』
「ハウス食品かよ!完全に手ぇ抜かれてるじゃねえか!まあでも手をこんだものを作らなきゃって思ってる人は多いかもね」
『だろ!?そこが大間違いなんだよ!手がこんでればいいと思ってやがる、料理も、メイクも、ファッションも、恋愛も、フェラも!』
「フェラとかいらないよ」
『恋愛にルールなんかいらねえしましてや法則なんてねえんだ!フェラだって』
「フェラはいいから」
『男って大概そんなもん望んでないんだから。まあフェラは置いといて』
「いいんじゃねえかよ、フェラ。まあでもそういうのはあるよな、やりすぎだろ!?みたいな」
『どんなフェラさせてるんだよ』
「フェラじゃねえよ!料理とかメイクとかの話だよ!」
『じゃあなんであいつらがそういうことすんのかっていうと、そういうことするのが女社会の常識だからだよ!妄想恋愛トークのなれの果てだよ。それを持ち込まれてもこっちは困るんだよ!だのにあいつらは勘違いするのさ、これだけ尽くしてるのにってな!』
「するのさってお前」
『おネェを参考にするより男に聞けっつうの!女同士のアドバイスなんて童貞の描く万個みたいなもんだぜ!?』
「万個言うなよ」
『結局あいつらは男の目より女の目を気にしてるんだよ!女にモテたいんだ。レズビアンだよ!女は全員レズビアン!』
「でも男だって、男の世界っつうか、女子供にゃわかるまいって言うだろ?」
『男なんて全員ホモなんだよ!男は全員ホモ!』
「めちゃくちゃだな」
『おれなんかゲイのレズだからな』
「ってことは女が好きなのか?」
『そうだよ!中身が女の奴なんて全員レズのゲイだ!』
「あーでもなんとなくわかるというか、男にも女っぽいとこあるし女にも男っぽいとこあるよな、個人差はあれど」
『もうなんつうかボヘミアン!』
「わけわかんねえよ」
『まあ言いたいことはIKKOがやたら熱く人生とか語ってるのがなんかむかつくってこと』
「そこは大目にみてやれよ」


終わり なーむー