からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜 -121ページ目

ぼくらの7日間ミュンヒハウゼン症候群

某清原が某江原に見える今日この頃、みなさん、ごきげんよう。おれつよしです。夢を見ます。歯が抜ける夢。口を動かせば動かすほど延々と抜け続ける。ご飯の中にたくさん小石が入ってるみたくガリガリだあ。しょっちゅう見る。これはね、この夢はね、不安とか現状に満足してないとかそんなんを示してるんじゃないんだ。ましてや身内の不幸とかあるわけゃない。これはね、おれが小さい頃から「歯に気を使うのがめんどくさいから早く総入れ歯にしたい」と考えていたからなんだ。現状、親知らずさえ抜いてないけど。親知らず、別名知恵歯。生やしてるものの、親はあっても知恵はなし。

冷やし中華始めました、が、冷やし中華始めてみようと思いました、だったらつい注文しちゃうな。まあ店主は始めてみようと思っただけで、実際に作ってねえんだけど。だったらいっそ、冷やし中華を始める夢をみました、にすればいいのにな。いっそってなんだよ。

さて、どうなることやら。

微笑シリーズ。自動車販売店パート2

『お前なんか鳥取に帰れ!』
「だからおれはねずみ男じゃねえって」
『くせえんだよ!』
「お前な、おれが本当にねずみ男だったらお前気絶してるからな!」
『今から気絶すればいいのか!?』
「しなくていいけど!」
『ふん……むむむ』
「いきんで顔を赤くすんな!」
『ぷはぁ、まずい、もういっぱい』
「青汁飲んでたの!?」
『大体な!』
「なんだよ」
『我が車の国のパスポートも持ってねえ奴の言葉に力があると思ってんのか!?』
「あるんじゃねえの!?」
『…あると思います』
「うわあ…」
『この展開、無いと思います』
「連チャンでまあ、今の日本で高校生以上の奴は使っちゃいけない日常語をまあ」
『よろしい』
「なにが」
『あなたを人間と認めましょう』
「お前に認めてもらわなくても人間だよ!」
『人間、それは一体どこから来てどこへ向かうのか』
「何を突然」
『昔、テレビでファンダメンタリストの黒人女性がで言ってました。“人間が猿から生まれたなんて考えられない”と。しかし、なんという神のいたずら、その女性の顔はゴリラと生き写しだったのです。ああ、彼女は神に裏切られた』
「なんなんだよ…」
『見ればあなたも猿顔』
「ほっとけ!」
『ねずみではない』
「結局見た目判断だったのかよ!最初から気付け!」
『ようこそ、車の国へ』
「まあ、それはいいんだけど。もう適当なパンフだけもらえればおれは満足なんだが」
『…ひやかしですか?』
「ひやかしっつうか、車はでかい買い物だしさ。この行為をひやかしととるかどうかはお前らの教育次第だな」
『ひやかしですか?それとも目明かしですか?』
「目明かし!?それって岡っ引きのことだろ?」
『ひやかしですか?目明かしですか?それともお目こぼしですか?』
「なんなんだよ。どれでもねえけど」
『なるほど。ではお客様、冷やし中華始めますか?』
「おれが!?冷やし中華を!?おれ別に中華料理屋経営してないけど!?」
『では、冷やし中華終わりました、ということですね?』
「よくわかんねえけど終わっとけ終わっとけ」
『ええ、ピッピッピッ、プルルルル。あ、大将?今年の冷やし中華は終わりました』
「おい!なにやってんだよおい!」
『ピッ。はあ、なにって電話を』
「そういうこっちゃねえよ!」
『ああ、携帯電話を』
「日本語の使い方にうるさいわけでもねえよ!冷やし中華をどうした!?」
『終わりました』
「終わらすなよ!」
『しかしお客様のご要望では』
「おれが言ったら近所の中華料理屋のメニューから冷やし中華がなくなるの!?」
『はい。車の国は全国の冷やし中華発動の重責を担って』
「全国の!?なにその権限!?しかも一介の車屋が!」
『今年はまことに残念ながら』
「始めて!頼むから始めたげて!店側視点からも消費者視点からも頼むわ!」
『いいんですか?先程は』
「いいからいいから」
『そうですか、承りました。では後程、夕飯の買い出しに出かけたついでにでも』
「ついでにかよ!責務軽いな!さっきみたく、その大将やらに電話すればいいだろ」
『ははは、接客中に携帯電話をかけるなど出来るもんですか』
「さっきは!?さっきのは!?」
『はあ』
「…まあいいやなんかもう」
『は、ではどうですか?』
「なにが」
『せっかく御来訪なされたのですから、当社の車を見ていかれてはいかがですか?』
「当社って、国の概念どこいったんだよ」
『当店は車屋の中の東武ワールドスクウェアと呼ばれる程の、東へ西へ今昔、ありとあらゆる車種が展示及び販売されていますから、お客様のお車選びにきっと役立つと思いますよ』
「…へー」
『東~武ワールドスクウェア♪そこには~るるるるるるる広場がある~♪』
「うろ覚え!」
『東武ワールドスクウェア(笑)』
「半笑いで言うなよ!お前らの異名だろ!」
『言われる身にもなってくださいよ』
「いいじゃねえか東武ワールドスクウェア!」
『東武ワールドスクウェアと云えば、東武に対抗した西武が西武パラレルワールドスクウェアというテーマパークを造ったという』
「造ってねえよ!なんだよパラレルワールドスクウェアって!」
『………西~武パラレルワールドスクウェア♪』
「おどろおどろしい声で早口になるなよ!違和感あるだろ!」
『なんせパラレルワールドですからね』
「おう、どんなテーマパークなんだよ」
『そして西武ですから』
「おう」

『ライオンのちんことかを展示』
「ただの秘宝館じゃねえか!」


終わり。だけどまた続くのだ!

小さい頃親戚のおじさんに導かれイった記憶もとい行った記憶ありますよ東武ワールドスクウェア。今なお斬新さを保ってるテーマパークですよね。何かテーマパークを造ろうとした時に僕は絶対あんなの思いつきません。多分、たくさんの人は思いつかないと思う。だって、「で、それのどこが楽しいの?」ってなるじゃん。しかし、だからこそ貴重。どの分野でも後世評価されるのは天才、技巧、キャラの3っつのどれかがずば抜けているものなんですよ。ものをつくり出すとき、凡人は得てして平均点を取りにいくような………はっ…あれは楽しませるというより子供達の教育目的という大義名分の………。ちなみに大将ってのは中華料理屋の大将って意味ではなくて階級の大将ね。車の国軍の大将。主に冷やし中華統括における…まあいいか。

微笑シリーズ。自動車販売店パート1

「車かぁ。うーん、とりあえずパンフだけならいいかな」
『いらっしゃいませ。ようこそ車の国へ』
「車の国って、ま、確かに車の国っちゃそうだけど」
『パスポートはお持ちですか?』
「パスポート!?なにここ本格的に異国なの!?」
『パスポートまたは年間パスポートのほうは』
「あ、そっちね。そっちのパスポートね」
『そっちこっちどっちー。こっち!キャッチ!』
「痛い、痛いよ」
『キャッチキャッチキャッチ!』
「痛いってもう痛いよ!人の二の腕を勝手に握るな!」
『不法入国者をキャッチ』
「してねえよ!おれしてねえ!」
『ではパスポートのほうをご提示願います』
「ああ!?…持ってないけど」
『持ってない!?持ってないと!?あなた何しに車の国へ来たんですか?』
「車買いにきたに決まってんだろうが!パスポートが必要だなんて知らなかっただけだ!」
『ということはお車に興味がおありで』
「当たり前だろ!興味がないのに車屋なんか来るか!」
『それを早く言ってくださいよ』
「言う以前の問題だろ。前提しとけよ」
『では改めまして、ようこそ車の国へ』
「わかったからはいはい」
『パスポートの』
「また!?結局そこ!?」
『ああ失礼、お客様はお車に興味があるカモでしたね』
「カモ!?そんな風に見ないでくれる!?」
『カモじゃない?』
「じゃねえな、うん。パンフだけをも」
『じゃあ帰れよ!帰れ!』
「は!?」
『帰れよ!カモじゃないなら帰れ!二度とこの国に来るな!』
「なんなんだよこいつ、じゃあ帰るからパンフレットだけもらえるかな!」
『帰れって言って…パンフレット?』
「ああ」
『お客様、確認ですが、カモではないのですよね?』
「カモじゃないよ。もうここでは買わ」
『お客様、ひょっとして』
「なんだよ」
『ひょっとして人間ですか?』
「人間ですか!?人間ですか!?意味わかんない。え?」
『あなたはカモではないようですが』
「はあ!?それって、そのカモって慣用句のカモじゃなくて本物の、鳥類のカモのこと言ってんの!?」
『人間でよろしいですか?』
「見ればわかるだろ!人間だよ!おれ人間!どこの世界にカモがねぎしょって車買いに来るんだよ!」
『ははは、お客様、自然界のカモはねぎをしょうなどということはしませんよ』
「車買いに来るって部分に注目しろ!」
『いやあしかしお客様が人間で良かった。てっきりあいつらかと思っちゃいましたよ』
「あいつら?お前はおれを人間と何とで迷ったんだよ。カモじゃないんだろ?」
『ええ、お分かりだと思いますが』
「わかんないから続けて」
『ま、ネズミと』
「ネズミ!?ネズミと人間をってお前、カモと人間ならまだしも、全然まだしもじゃねえけど!?とにかくネズミと人間を間違えるなんてお前はどういう目をしてんだよ!」
『はあ、私人見知りで、目線は常にロービームを守って』
「車ネタはいいんだよ!」
『まあ、ネズミのやつらは人間と見分けるのが難しいもんですから』
「そんなことあるか!まず形!いや、大きさ!?というか全部違うだろ!」
『鳥類と違って同じ哺乳類ということでですね』
「類!?お前類しか識別できないの!?最近の車についてるセンサーだって人とカピバラぐらい識別するぞ!」
『すみません。私昭和生まれですから』
「おれもだけど!?そんな問題じゃねえだろ!年式の問題じゃねえ!」
『さっきからお客様、ここがいくら車の国だからといって車にたとえられても』
「あ、ついな」
『つまらないこと言うのはご遠慮願います』
「つまらないってそもそもの発端はお前が言い出したからだろ。おれはついのせられちゃっただけだ」
『またあ、私はお客様をどこにも乗せて行きませんよ』
「お前がそんなこと言うから、そのなんだ、玉突き事故が起こるんだろ!」
『…お客様』
「な、なんだよ」
『そんなにつまらないということは』
「ほっとけ」
『お客様やっぱり』
「おれは人間だよ!カモでもネズミでもねえ!」
『疑わしや』
「なんでだよ!こんな直立二足歩行してる大きなネズミがいるかよ!?」
『私、犬はないがしろに扱いますよ』
「はあ!?」
『ネズミの国のやつらは歩きますし人並みにでかいですが』
「ネズミの国!?ネズミってあのネズミの国のやつらのことだったの!?つうか犬は何!?」
『ずばりお客様、やつらでしょ?』
「違うよ!」
『虫酸が走るわ!車の国に何のようだネズミが!』
「だから違うって!おれネズミじゃねえよ!特にというかあのネズミ様の一族じゃねえよ!」
『ごまかしてんじゃねえ!ネズミ臭いんだよ!』
「おれもあっちもネズミ臭くないはずですけど!?」
『一端にスーツなんか着やがって!』
「向こうはタキシード着てますが!?」
『それで化けたつもりか!』
「いや、化けるもなにも。ていうかさ、ネズミの国嫌いなくせよ、出迎えの言葉なんかパクリじゃねえか。それになんだよこれ、マスコットかあれ?クルマのブーだ?宇宙生物のクラッチだ?犬の4WッDだ?人魚王パーキングだ?怪物のロナウドだ?なんだよこれらは!…一人実在のブラジル人が入ったが、まあ、まあいいよこいつらは、こいつらはネズミが元ネタじゃないからいいとして、そのやっすいつくりの人形、なんだよ、耳のところが…ヘッドライトかあれ、なに!?」
『ああ!?クルマッキーだけど!』
「クルマッキーって!ある意味石景山遊園地以上にたち悪いよ!完全にネズミの国パクってるっつうかもはや崇拝すらしてるよな!」
『お前如きが文句たれてんじゃねえ!』
「なんなんだよてめえは!」
『このネズミが!』
「だからなお前、お前あのネズミ好きなん」
『このネズミ男め!』
「そっちのネズミだったかあ!」
『鳥取の国に帰れ!』
「ああ、そっちのネズミのことだったかぁ…」




終わり。だけど次に続くのだ。

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松明はいつも(2)

キスもなしに目覚めてしまった彼女は未完成なお姫さま。不完全なお姫さま。童話の主人公らしくなく、ぽうっとしたほのかに揺れる眼差しを厚ぼったいまぶたで閉じ、まるで宿酔いの遊女。眠れぬ夜のお姫さま。安い天使。口癖の悪い天使。下唇の天使。夜空に薄く、半月の女神。うすぼんやりした半身を照らすことなき女神。僕の女神。

安月給の中、月賦屋からおろしたエスプレッソマシンが、うおんうおんといななく。僕がコーヒーを淹れるタイミングで、いつも通り彼女はベッドから身を起こす。

「どう致しましょうか?お姫さま」

「いつものお願いね」

「かしこまりました」

僕の前にやってくると膝をつくお姫様。いつもの儀式。吸い付く唇。口癖の悪い天使。





作・ロマンチック小五郎

※この作品は連作です。毎回違う作者によるめくるめくラブロマンスをお楽しみください。