松明はいつも(2)
キスもなしに目覚めてしまった彼女は未完成なお姫さま。不完全なお姫さま。童話の主人公らしくなく、ぽうっとしたほのかに揺れる眼差しを厚ぼったいまぶたで閉じ、まるで宿酔いの遊女。眠れぬ夜のお姫さま。安い天使。口癖の悪い天使。下唇の天使。夜空に薄く、半月の女神。うすぼんやりした半身を照らすことなき女神。僕の女神。
安月給の中、月賦屋からおろしたエスプレッソマシンが、うおんうおんといななく。僕がコーヒーを淹れるタイミングで、いつも通り彼女はベッドから身を起こす。
「どう致しましょうか?お姫さま」
「いつものお願いね」
「かしこまりました」
僕の前にやってくると膝をつくお姫様。いつもの儀式。吸い付く唇。口癖の悪い天使。
続
作・ロマンチック小五郎
※この作品は連作です。毎回違う作者によるめくるめくラブロマンスをお楽しみください。
安月給の中、月賦屋からおろしたエスプレッソマシンが、うおんうおんといななく。僕がコーヒーを淹れるタイミングで、いつも通り彼女はベッドから身を起こす。
「どう致しましょうか?お姫さま」
「いつものお願いね」
「かしこまりました」
僕の前にやってくると膝をつくお姫様。いつもの儀式。吸い付く唇。口癖の悪い天使。
続
作・ロマンチック小五郎
※この作品は連作です。毎回違う作者によるめくるめくラブロマンスをお楽しみください。