神速の周倉
周倉さんの記事を書いたので、今回はそれに関連した小話を、
周倉は赤兎馬と同じ速さで走り、絶妙のタイミングで関羽に青龍偃月大刀を
手渡したので、関羽は万人に抜きん出た武勇を発揮することが出来た。
という民間説話があります。
民間説話では、周倉の土踏まずには三本の飛毛があって、これが神速の秘密
であったとしています。
この説話のあらましは次の通りです。
関羽に手をやいて、悩んでいた呂蒙の枕元に華雄が立ち、計略を授けた。
計略というのは、周倉と同郷の者を買収し、周倉を酔わせ、神速の秘密を
聞き出す。
周倉から秘密を聞き出した男は、酔っ払って寝てしまったところを見計らい
飛毛を剃って逃げた。
これで周倉は、早く走れなくなってしまった。
後に関羽が麦城から逃げた時、大事の時に周倉が持つ大刀が間に合わなかった
ので捕まったのだ。
ということだそうです。
漫画では、関羽はよく青龍偃月刀を抱えたまま、赤兎馬に乗っていますが、
なるほど、これでは疲れてしまいますよね。
日本でいうところの刀持ちが周倉なんだと思います。
麦城から逃げる途中で待伏せに会った関羽に、周倉の持つ武器が間にあわ
なかったので、簡単に捕まってしまったんだという関羽最強説を補強する
説話の一つだったのでしょうか?
そういえば、蒼天航路の作者も関羽ほどの者がなんで名もしらない下っ端に
捕まったのかと、自説をとなえてましたね。
私は、単に五十過ぎのオッサンがそんなに強いわけないだろうくらいにしか
思ってませんが…。
当時の五十歳以上の人というのは、個人差はあるんでしょうけど、そうとう
ヨボヨボだったらしいです。
関羽も、そうそう壮年期のような強さはなかったと思います。
信長は人生五十年と詠ったなんて話がありますが、それより千何百年も前の
人ですから、五十歳で大刀をブンブン振り回し、バッタバッタと敵兵を
斬りまくったというのは、僕には、ちょっと想像できないです。
漫画は年をとらないので、勘違いしやすいということでしょうか。
陸遜と孫権
陸遜は、孫権の股肱の臣と言っても差支えがないくらい呉にとっては
重要な人物です。
しかし、その遍歴からすると呉とは、というより孫氏とは敵対しても
おかしくない経歴を持っています。
陸遜の父は早世したので、陸遜は廬江太守であった従祖の陸康のもとで
役人をしていたとあります。
その陸康は、袁術から兵糧の供給を拒んだため、袁術から逆恨みをかったとある。
袁術は、その時身を寄せていたいた孫策に陸康をたおしたら、代わりに
太守にとりたててやるとか何とか言って丸め込み、孫策に陸康を攻めさせたとある。
陸康は、一門を守るため、自分の息子の陸績より年長であった陸遜に
一門を率いさせて、出身地の呉に帰らせたとあります。
なので陸康はたぶん孫策に殺されたんじゃないでしょうか、
その後の記述が無いんでよくわかりませんが…。
その後、陸遜は、孫権が孫策の後を継いだとき、年二十一で仕官したとある。
孫氏からすれば、有力な豪族である陸氏を敵にまわしたくないのみならず、
味方に引き入れたいと思うのは当然ですね。
陸遜の方も、その後の行動から観ますと、誠心誠意孫氏に仕えている。
ここら辺の陸遜の深層心理というのはよくわからん…。
孫氏というのは、陸氏の敵ではないのか?
一方陸績の方は、自分が正しいと思ったら、言いたいことを言う性質だった。
なので、地方に左遷されて愚痴ばかりたれてたとある。
こちらの方は、陸遜と違って自分の父親を害した人の弟に仕えたということに
なるので、嫌味を言ってないと、やってられんといった感じだったのでしょうか?
陸遜に一門を率いられたことに嫉妬してたという可能性もありますね。
納音(ナッチン)とは何ぞや
日本における占いというのは、たいがいが中国の陰陽五行を確認していけば
そのルーツというか典拠みたいな物が確認できる。
納音(ナッチン)というのも、そのひとつである。
万物は変動すれば必ず音声をあらわすという考えに発し、五行干支も合して
五音を生ずる、そのことから木火土金水が干支より生ずる五音を納めるとして納音という。
内田正男 著『暦と時の事典』
とある。
納音というのは、前漢の京房が音律からこじつけた物であるらしい。
一言土を得て宮と曰う、三言火を得て微と曰う、五言水を得て羽と曰う、
七言金を得て商と曰う、九言木を得て角と曰う。
今按ずるに、
庚午、辛未、戊寅、己卯、丙戌、丁亥、庚子、辛丑、戊申、己酉、丙辰、丁巳
此の歳生まれの人は皆宮音を得、故に気を土に受けて生まれる人なり。
『暦林問答集』
とこんな調子で六十干支を五行に配当して説明している。
五行というのは、ご存知、木火土金水ですね。
宮微羽商角というのは五音。
一言、三言、五言、七言、九言というのは、陰陽上の陽数(一三五七九)を言っている。
私は丁亥の生まれなので、土気を受けた宮音ということになるんでしょうかね。
さらに後の時代になると形容詞がついて、
甲子、乙亥は海中金
丙寅、丁卯は炉中火
『頭書長暦』
という具合に納音五行なるものが生まれたのだそうだ。
形容詞は文献により多少の異同があるらしい、ここでは田中先生の挙げておられる物に拠る。
昨今はこれにいろんな方々が肉付けをして、占っておられるんでしょうね。