こんばんは。主宰です。
11月28日~29日にかけて、鹿児島大学水産学部の臨海施設である東町ステーションにて研究会議をおこないました。
東町ステーションは、水産学部だけでなく鹿児島大学他学部や他大学の学生さんが、臨海実習・現地視察をするための教育研究施設です。屋内施設としては、多様な教育研究ができるように多用途仕様な実験室が複数あるだけでなく、宿泊設備なども整っています。屋外施設としては、温度管理できる水槽、現場海水をくみ上げて貯水する大型・中型水槽のほか、洋上での活動も可能な小型舟艇・船舶が1隻ずつあります。
日本プランクトン・ベントス合同大会において、たいへん面白い研究報告されたソニーの研究開発をなさっている高塚さんにおはなしする機会があり、ぜひ本学部の施設にて研究開発された技術をテストしてみませんかと相談したところ、ぜひ現地視察されたいということになりました。今年度から、赤潮監視業務のスマート化を目指した技術開発に着手しようとおもっていたので、その開発に携わっている西海区水研の北島さん、八代海の赤潮に関する研究をなさっている熊本県立大学の一宮さんにもおはなしし、東町ステーションで研究会議をしようということになりここに至った次第です。
こちらが参加メンバー。出港前に記念撮影しました。この付属施設をとりまとめている安樂さんにも来てもらい、施設・設備の説明もしてもらいました。
ソニーのプロジェクトメンバーの方々は、赤潮が発生する海域の様子や養殖の現場をご覧になったことがないということで、東町ステーションの近隣にある養殖施設を見学しました。
こちらが、ブリ養殖をしている生簀です。奥に船が見えますが、クレーンで吊るしているのは足し網というもので、赤潮が発生したときには、養殖生簀の上にこの網を装着して、養殖ブリが赤潮発生している層を避けて、深い所を遊泳できるようにするものらしいです。
一方で、浮沈式生簀というものもあり、こちらがそれになります。生簀の表面に網をはって、赤潮発生時には生簀を沈め、養殖ブリが表層の赤潮に触れないようにするというものです。
東町ステーションには食堂・調理室はありますが、だれかが食事の準備をしてくれるのではなく、この施設に宿泊した人たちが自分で準備・片づけをおこないます。今回は、安樂さんが材料仕入れから調理までしてくれて、養殖ブリのおさしみ・しゃぶしゃぶ・鍋という豪華な夕飯となりました。
こちらが養殖ブリ。痩せたものを安く仕入れたのであまり美味しくないと安樂さんはおっしゃっていましたが、たいへん美味しかったです。非常に厳しい検査をクリアして欧州に輸出している養殖ブリですので、味はもちろん臭みもまったくなし。天然ブリが良いという考えがありますが、当たり外れの大きい天然ブリよりも品質が画一化されている点は養殖ブリの強みとおもいました。
特殊技術の紹介や応用から今後の研究展開まで、多岐にわたる建設的な議論ができました。学会での小さな出会いが、大きな研究に発展しそうです。