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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

 

流れ藻観測+ブルーム観測の第3弾です。

この乗船ではたいへん幸運なことに、硫黄島を訪れることができました。

硫黄島はたいへん活発な活火山であり、山肌からその様子が伺えます。ミネラルに富む陸水が海に流れ込むため、硫黄島の沿岸水はミネラルが海水と反応して、とても奇妙な色を呈します。緑・赤・茶・黄などなど。黒潮水も沿岸に移流するため、色を呈した沿岸水と黒潮水との境目を明瞭にみることができます。

こちらが、今回の乗船に参加したメンバー。ちなみに、このあたりだと硫黄島のライブカメラで南星丸をみることができます。着岸して時間があったので、天然の露天風呂があるという場所へ散歩にいきました。

少し歩くと、ジャンベスクールという所に来ました。ここでは、西アフリカからやってきた伝統打楽器「ジャンベ」のことについて学べるそうです。

露天風呂までの路では、こんなところも。トトロの世界感があります。電灯もないので、日没後は迷いそうです。運がよかったのですが、地元のかたにそっちの路は通れないよと教えていただき、たいへん助かりました。

ようやく露天風呂のある東温泉に到着。野趣あふれる温泉で、ここから眺める夕陽が最高でした。

こちらで記念撮影。たぶん、もう一生来ないだろう秘境に来れてよかったね。いい経験だったとおもいます。

今回はいろいろとラッキーで、激レアメニューのハンバーガーランチにありつけました。分厚いトマトスライスとパティ―で、口にはいらないほどの厚さでした。これにフライドポテト・チキンナゲット・コーンスープがついた、豪華メニューです。やっぱり、練習船の飯は美味いね~。

こんなことをおしゃべりしてたら、若者たちの口車にのせられて水産飯というインスタグラムを始めてしまいました。ブログだけでもたいへんなのに、インスタもなんてやらねばならぬことが多すぎる・・・・

 

こんばんは。主宰です。

 

前回に続いて、南星丸乗船について報告します。

この観測では北部薩南海域を広くカバーするため、九州南方にある島嶼を訪れることができます。これまでの南星丸では竹島へ訪れたことを報告してきましたが、今回はそれよりも離れた島嶼域を訪れることができました。

幸か不幸か、大時化のためかごしま丸での流れ藻観測が中止となったため、同時期にやることになっていた南星丸での流れ藻観測+ブルーム観測に参加することにしました。時化がおさまって鹿児島湾外に出ると、開聞岳の綺麗な稜線を眺めることができます。以前、娘たちと嫁とで登りましたが、てっぺんからの眺めは最高です。

こちらは黒島。三島村の一番西にある島です。残念ながら、こちらにはまだ訪れたことがありません。

こちらは硫黄島。竹島と黒島の間にある島です。かごしま丸でもよくこの硫黄島の近くを通りますが、まだ寄港したことはありませんでした。

硫黄島周辺は非常に変化に富む地形で、硫黄島の西には奇岩が3つそびえ立つ浅瀬があります。

これらの島嶼域は、日本の水産資源を支える回遊性浮魚類が初期生残・成長するための重要な海域となっており、なぜこれらの魚類が産卵場・索餌場として利用しているのかという謎を解明すべく研究に取り組んでいます。

採取された標本は、船内で速やかに処理されます。実験室に持ち帰って、より高度な分析・解析をするために前処理するからです。この乗船ではけんちゃん・てらちゃんが初参加となりましたが、中盤くらいからはふたりに完全に任せられるほど成長してくれました。私は刻々と変わる海況に応じてベストな観測スケジュールを計画・調整するのでいそがしく、このふたりががんばってくれたので、たいへん有難かったです。

この乗船では、モジャコと呼ばれるブリ稚魚がついている流れ藻の観測も行います。流れ藻を採取して、どのような分類群が付着しているのかを調べます。

また、最も大切なのが魚類仔魚の採取と分別です。大きなネットを曳網して仔魚を採取し、標本の中から仔魚を選別・分別します。雑多な浮遊物の中から、とても小さな仔魚を選別・分別するのはたいへんですが、時化模様の中みんながんばってくれました。仔魚はとてもかわった姿をしているし、まだ生きている生物をみるのは楽しいので、船酔いをわすれることができます。

 

決して穏やかな海況ではありませんでしたが、みんなテキパキと仕事をこなしてくれたし、乗船や余暇をすごく楽しんでくれていたとおもいます。デジタルデトックスして、おしゃべりを楽しむということに没頭できる乗船は、水産学部だからこそ満喫できる貴重な時間だとおもいます。

 

こんばんは。主宰です。

 

海洋ビックデータを使った漁業スマート化技術を開発するための共同研究を実施していますが、この時期になるとモジャコ漁の漁期を決定する協議会が開催されます。この漁期決定に科学的な情報を提供するため、様々な取り組みをわたしたちの研究室では行っています。

 

流れ藻&モジャコ研究プロジェクト【鹿児島大学水産学部 水圏科学分野】

 

これに必要なデータを集めるため、練習船かごしま丸・南星丸を使って流れ藻観測を行っています。例年、両船で同時観測を行うのですが、非常に強い寒波のため流れ藻がたくさんある東シナ海陸棚域は大時化となっており、流れ藻観測を中止せざるをえませんでした。しかし、薩南海域では流れ藻観測できそうなので、ブルーム観測をかねて現在航海中です。

第1日目ですが、鹿児島湾外は大時化のため、湾口部で流れ藻観測・ブルーム観測を行いました。まだみなさん余裕のようで、たいへん心強いです。

昼飯には、カレーうどん+お稲荷さんが出ました。スパイシーな香りと味がとてもおいしくて、船酔いしててもカレー風味で治る私にとっては、ありがたい一品でした。司厨長ありがとうございます!

晩飯はサバの塩焼きと冷や奴と、純和風なメニューでした。寒かったので、焼酎お湯割りと一緒にやりたかったです。

 

明日からは、いよいよ湾外で流れ藻観測とブルーム観測です。今晩から北風が弱まり、海況がよくなることを祈っています。もし観測がうまくいけば、硫黄島に寄港する予定です。とてもかわった島だし、25年ぶりくらいなので、たいへん楽しみです。

こんばんは、主宰です。

 

先日は修士論文審査会がありましたが、たいへんレベルの高い内容の濃い研究が多く聴講することができました。どの研究もたいへん興味深いものだったし、質疑応答も立派だったとおもいます。その晩は、お疲れ様ということで慰労会をしました。

会場は、うちのゼミ定番の「ゆうこ」にて。今回はコース料理をお願いしていたみたいで、続々と美味しそうな料理が並びます。

やっぱり軟骨まで柔らかく味がしっかりと浸みた豚骨は最高!これがあれば、焼酎何杯でもいけちゃう。

次は地鶏刺。鹿児島ならではの料理で、この3月に鹿児島を去る人たちにとっては、思い出の味となりそうですかね。

そして、握りこぶし大ほどの唐揚げ。やっぱり、若者にはこちらが人気であっという間になくなりました。

宴会後には、マスターに記念撮影をしてもらいました。お腹いっぱいたべて呑んでいいきぶん。

まだまだしゃべり足りないので、ここもすっかり定番となった「ゆめみ屋」で二次会。コロナ禍に酒の匂いをかぎながら発見した迷店です。卒業・修了した学生たちの名前が書かれたボトルを眺めながら、思い出に浸って静かに呑むのが私の楽しみです。

スマホを奪われて撮影されたのがこちら。なんでかしらないけど、この画像だけひっくりかえります。

 

頑張ってくれた学生たちとおしゃべりしたくて、深夜すぎまで吞んでました。あまりに帰宅が遅いので、途中でひっくり返って路上で寝ているかもしれないと嫁さんに心配されました。そういうこともなくはないので、深酒はきをつけます。

こんばんは。主宰です。

 

昨日は、修士論文審査会でした。

修士課程において探究しようとした研究目的を明らかにするために、いくつかの課題・仮説を設定し、根拠を集めて論証するというものです。さすがにこのレベルになると、学会発表の場においても誇らしい研究成果が多く、聴講していてたいへん面白かった内容が多かったです。審査会なので容易ではない指摘・質問も出ますが、それに対して納得のいく回答もできていたとおもいます。

卒論発表会・修論審査会のいずれもそうですが、よいプレゼンテーションだった感じるのは単に発表者の研究内容(高品質かつ多量のデータ)、聴衆目線での理解しやすい説明、仮説証明に至る妥当なストーリー展開などだけでなく、聴衆からの質問や発表者の回答もたいへん大切だとおもいます。往々にしてあるのですが、質問者が何のことをたずねているのかあるいは発表者が何を言おうとしているのか、会場にいる聴衆にもよくわからない・かなり細かすぎるということがよくあります。今回の審査会でもそういうことがありましたが、限られた時間内で会場から的を得たコメント・質問をする、聴衆目線で質問に対して適切に回答するという人もいて、素晴らしいと感じました。

こちらが、農林水産学研究科環境フィールド科学専攻生物環境科学コースの修士論文審査対象者です。

 

修論を終えるこの時期になって、感じることがあります。修士課程を経た学生さんにとって、この2年間で何が得られただろうという、どんな能力が開発されただろうと大学人として「ふりかえり」をすることがあります。多くの企業において、修士課程修了は学士課程卒業よりも初任給が高く設定されてますが、社会的には卒業生よりも期待される能力があるからだとおもいます。では、その能力とは何でしょうか?個人的な観点ですが、わたしはたとえば以下のようなものがあると考えています。

・限られた時間内で課題完遂する能力

・期待された以上の成果を造る能力

・発展的で波及的な影響を周囲にもたらす能力

翻ってこれらの能力が修士論文研究で開発されたかと考えると、この審査会の質疑応答に如実に表れたかもしれないとおもいました。昔は修士課程への進学はモラトリアムだとみなされることが多かったのですが、せっかく親からもらった時間なので、こういう能力を十分に開発できるように研究という事業に真剣に取り組んでもらいたいとおもいます。

むずかしいことを述べてしまいましたが、たいへん素晴らしい研究内容だったとおもいます。この2年間、私もみなさんからたくさん勉強させてもらったし学びがありましたので、心から感謝したいとおもいます。みなさんご苦労さまでした。