修士論文審査会の彼・彼女は | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

 

昨日は、修士論文審査会でした。

修士課程において探究しようとした研究目的を明らかにするために、いくつかの課題・仮説を設定し、根拠を集めて論証するというものです。さすがにこのレベルになると、学会発表の場においても誇らしい研究成果が多く、聴講していてたいへん面白かった内容が多かったです。審査会なので容易ではない指摘・質問も出ますが、それに対して納得のいく回答もできていたとおもいます。

卒論発表会・修論審査会のいずれもそうですが、よいプレゼンテーションだった感じるのは単に発表者の研究内容(高品質かつ多量のデータ)、聴衆目線での理解しやすい説明、仮説証明に至る妥当なストーリー展開などだけでなく、聴衆からの質問や発表者の回答もたいへん大切だとおもいます。往々にしてあるのですが、質問者が何のことをたずねているのかあるいは発表者が何を言おうとしているのか、会場にいる聴衆にもよくわからない・かなり細かすぎるということがよくあります。今回の審査会でもそういうことがありましたが、限られた時間内で会場から的を得たコメント・質問をする、聴衆目線で質問に対して適切に回答するという人もいて、素晴らしいと感じました。

こちらが、農林水産学研究科環境フィールド科学専攻生物環境科学コースの修士論文審査対象者です。

 

修論を終えるこの時期になって、感じることがあります。修士課程を経た学生さんにとって、この2年間で何が得られただろうという、どんな能力が開発されただろうと大学人として「ふりかえり」をすることがあります。多くの企業において、修士課程修了は学士課程卒業よりも初任給が高く設定されてますが、社会的には卒業生よりも期待される能力があるからだとおもいます。では、その能力とは何でしょうか?個人的な観点ですが、わたしはたとえば以下のようなものがあると考えています。

・限られた時間内で課題完遂する能力

・期待された以上の成果を造る能力

・発展的で波及的な影響を周囲にもたらす能力

翻ってこれらの能力が修士論文研究で開発されたかと考えると、この審査会の質疑応答に如実に表れたかもしれないとおもいました。昔は修士課程への進学はモラトリアムだとみなされることが多かったのですが、せっかく親からもらった時間なので、こういう能力を十分に開発できるように研究という事業に真剣に取り組んでもらいたいとおもいます。

むずかしいことを述べてしまいましたが、たいへん素晴らしい研究内容だったとおもいます。この2年間、私もみなさんからたくさん勉強させてもらったし学びがありましたので、心から感謝したいとおもいます。みなさんご苦労さまでした。