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アニメ視聴日記

日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメも折り返し点となり、ここで一旦、個人的な今期アニメの折り返し時点ランキングを整理してみました。5月14日深夜に録画したエピソード分までのランキングです。なお、既に視聴を打ち切っている作品は×マークをつけています。

毎度のことですが、人気や話題性や作品愛、キャラ愛や声優愛とかOPやEDの評価などよりも主にストーリーの出来を重視した評価によるランキングです。

 

 

◆Sランク(大満足した作品)

1位 響け!ユーフォニアム3

2位 ガールズバンドクライ

3位 夜のクラゲは泳げない

4位 ゆるキャン△SEASON3

5位 怪異と乙女と神隠し

6位 花野井くんと恋の病

7位 終末トレインどこへいく?

 

◆A+ランク(満足できた作品)

8位 無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール

9位 狼と香辛料 merchant meets the wise wolf

10位 転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

11位 忘却バッテリー

12位 ワンルーム、日当たり普通、天使つき。

13位 ささやくように恋を唄う

14位 ダンジョン飯

 

◆A-ランク(普通に観れた作品)

15位 死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)

16位 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます

17位 怪獣8号

18位 鬼滅の刃 柱稽古編

19位 変人のサラダボウル

20位 アストロノオト

21位 魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?

 

◆Bランク(退屈だった作品)

22位 アイドルマスター シャイニーカラーズ

×23位 WIND BREAKER

×24位 烏は主を選ばない

×25位 リンカイ!

×26位 Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ

×27位 じいさんばあさん若返る

 

◆Cランク(苦痛だった作品)

×28位 HIGHSPEED Etoile

×29位 Unnamed Memory

×30位 THE NEW GATE

×31位 出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした

×32位 Re:Monster

×33位 喧嘩独学

 

 

 

クール開始当初は全部で41作品を視聴対象にして第1話を観ましたが、8作品を1話切りして視聴対象作品、ランキング対象作品として33作品が残りました。そして現時点では既に途中で視聴を打ち切った作品が11作品あり、現時点で視聴を継続している作品は22作品であり、この22作品というのはクール折り返し時点の作品数としては普通でしょうね。

既に視聴を打ち切った11作品に関しては、視聴打ち切り作品は打ち切りの判断が誤りである場合もあるので、一応は打ち切った後の1話分のエピソードも最終チェックで観るだけは観て確認はすることにしているんですが、現状は8作品は視聴再開した方が良いと思わせるような印象が無かったので、既に完全に視聴を止めています。一方「WIND BREAKER」「烏は主を選ばない」「Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ」の3作品はまだ一応は最終チェックは済んでおらず現時点では視聴再開の可能性は無くなってはいません。

 

今期は世間では「大豊作クール」ということになってるようですが、私はあんまりそういう印象は無いです。それはたぶん私が「転スラ3期」や「このすば3期」を見ていないからなのでしょうけど、私はストーリー重視派なので、そもそもそれらの作品を仮に見ていたとしても今期の印象に変化は無いでしょうね。

私の中での今期の現状の全体的な印象は、割とスロースタートなクールという印象です。有力作品にスロースタートな作品が多めなので全体的にそういう印象になるのでしょうね。SランクはA+ランクの作品数としては豊作クールに近い感じではあるんですが、そういう数字的な印象よりも内容面の印象としてはまだ本領を発揮していない作品が多いので、現状はあまり豊作クールという印象は無いです。最上位の3作品だけが突出しており、もう1つ超安定枠の作品があり、それ以外はまだ調子が出ていない作品がズラリと並んでいるという印象ですね。ただ、そのぶんクール後半は盛り上がってきそうな作品が多いですから、ここからの期待感が高いクールでもあります。

 

現在の視聴継続中の22作品のうち、現時点ではSランクが7作品、A+ランクが7作品、A-ランクが7作品、そしてBランクに1作品となっています。このうちSランクは現状の7作品に今後もう1作品が加わる可能性は高いが、現状の7作品のうち最大2作品はA+ランクに落ちる可能性が十分あり、今後はSランクは6~8作品あたりで推移しそうです。なお、そのSランク作品のうち今期は最終的にはSSランクに上がる可能性のありそうな作品は2作品あるかもしれません。

また現状のA+ランクは7作品ですが、このうち1作品はSランクに上がる可能性は高く、A-ランクに落ちそうな作品はあまり見当たらないが強いて言えば1作品程度でしょう。逆に現状のSランクから最大2作品はA+ランクに落ちてくる可能性はあり、現状のA-ランクから最大3作品はA+ランクに上がってくる可能性はありそうです。そうなると今後のA+ランクは5~12作品あたりで推移することになりますが、現実的には7~9作品の間で推移するでしょう。そして、そうしたSランクとA+ランクの今後の合計作品数の予想としては13~17作品ということになり、最大値の17作品となればSランクの作品数次第では大豊作クールとなり、15作品ぐらいならば豊作クールといえるでしょう。おそらく最も可能性の高そうなのは14~15作品というあたりでしょうから、なんとかギリギリ豊作クールというクールといえるでしょうね。

 

 

 

それで各ランクの現状ですが、まずはSランクの現状の1位は「響け!ユーフォニアム3」、2位は「ガールズバンドクライ」、3位は「夜のクラゲは泳げない」、4位は「ゆるキャン3期」、5位は「怪異と乙女と神隠し」、6位は「花野井くんと恋の病」、7位は「終末トレインどこへいく?」という感じになっています。

ここにA+ランクから上がってくる可能性がある作品としては、やはり最も有望なのは「無職転生Ⅱ」でしょう。それ以外のA+ランク作品はこの段階からSランクに上がるのはかなり厳しい印象ですが、「狼と香辛料」と「忘却バッテリー」あたりは可能性は無いこともないかとは思います。

そして現状Sランクの7作品ですが、第1話からここまでずっと上出来の「響け!ユーフォニアム3」「ガールズバンドクライ」「夜のクラゲは泳げない」の3作品が神作品レベルで飛び抜けていて、クール前半で他の作品にかなり差をつけている。しかも3作品ともここから更にギアを上げてくるのが明らかで、シナリオの安定感も抜群で、しかも今期で完結予定なので、他の作品がこの3作品を今後追い抜くイメージが持てない。

この3作品内の今後の順位予想は、3作品ともずっと面白いだろうから予想は困難だが、ここまで見てきた印象としては、やはり「夜のクラゲは泳げない」は普通に神作品という印象だが、「響け!ユーフォニアム3」と「ガールズバンドクライ」にはそれを更に超えた凄いものを感じる。「響け!ユーフォニアム3」は既存作品の頂点という感じで、「ガールズバンドクライ」は既存作品には無いものを感じる。ただ、これはあくまで印象論であり、実際の評価はこれから先の各エピソードの出来次第ですからまだどうなるかは分からない。

この飛び抜けた上位3作品の下にあるのが安定感が抜群の「ゆるキャン3期」ですが、これは日常系であって、やはり物語として盛り上がりがあるわけではないので上位3作品との差はかなり開いている印象です。通常は「ゆるキャン3期」はSランク下位あたりが妥当な作品であり、最新話がちょうどキリが良く盛り上がったので高めの評価になっているというのもあるが、本来は上位3作品と「ゆるキャン3期」の間に入ってくるべきSランク中堅作品がまだ入ってこれていないという印象。

それが「怪異と乙女と神隠し」「花野井くんと恋の病」「終末トレインどこへいく?」の現状Sランク下位作品と、それと現状A+ランク最上位の「無職転生Ⅱ」あたりです。「怪異と乙女と神隠し」は序盤勢いがついたかに見えたのですが折り返し前にちょっと溜め回が続いたのでやや後退して今の順位となっている。ただこれからは序盤以上の勢いは出てきそうなので「ゆるキャン3期」の上には戻ってきそうです。「花野井くんと恋の病」はクール前半はしっかり盛り上がったが、それでこの順位ですから根本的に上位3作品よりは一段落ちる作品なのだろうと思う。むしろ大健闘のクール前半だったと思うので逆にクール後半は不安がある一方、クール前半同様に上手くやりそうにも思える。「終末トレインどこへいく?」はクール前半は各話の面白さで魅せつつ伏線を張ってきた印象で、そろそろ伏線を回収して本筋を大きく動かさないとマズい状況。そこが上手くいけば一気にSランク中堅に上がる可能性は高い。そして「無職転生Ⅱ」はクール後半が盛り上がれば確実にSランクには入ってきてSランク中堅にまで食い込んでくる可能性も十分ある。

特にクール後半の期待度が高いのは「怪異と乙女と神隠し」と「無職転生Ⅱ」であり、この2作品ならばクール前半の貯金の多さ的には「怪異と乙女と神隠し」の方が優位かと思う。「花野井くんと恋の病」はクール前半でやりきった感があってクール後半の期待度はそんなに高くないが上手くまとめてSランクから落ちる可能性は低いんじゃないかとは思う。「終末トレインどこへいく?」はクール後半の期待度は高いが同じぐらい不安も大きい作品で、Sランクから落ちる可能性もだいぶある。ただ、これらの追い上げてくる作品の中では今期で物語が完結する作品は「終末トレインどこへいく?」だけなので、終盤の展開がバッチリ決まれば最終順位でかなりの躍進は期待できる。

それ以外は追い上げてくる作品の中で今期で物語が完結する作品は無くて、唯一完結する「終末トレインどこへいく?」はSランクでは最も出遅れており、クール後半の上位3作品「響け!ユーフォニアム3」「ガールズバンドクライ」「夜のクラゲは泳げない」の物語の予想される盛り上がりに勝てそうな盛り上がりを期待出来そうな作品がそもそも無さそうな上に、この上位3作品が全て今期で完結するということを考えると、やはり上位3作品の優位は動かないという印象です。

 

現状1位の「響け!ユーフォニアム3」は6話目まで視聴済みであり、北宇治高校吹奏楽部の部長となった主人公の黄前久美子をはじめ吹奏楽部の部員たちのコンクール挑戦を描く群像劇。1話からエピソードの完成度が素晴らしく、特に3話以降はずっと神回で、作画だけでも圧倒的なのに脚本も圧倒的であり、やはり今期最強作品だと思う。どうやらこの3期は単にコンクールを描くだけではなく、久美子の進路問題や、久美子と麗奈の物語、久美子と真由の物語を通して久美子なりの大人になろうとする変化と成長を描く重厚な人間ドラマが描かれるのであり、部活青春アニメの最高傑作になる可能性が十分にある。現状はじりじりする展開が多いが、ここまでの完璧に見えるエピソードは実は前フリであり」、物語はここからが本番なのだと思われ、クール後半こそ更に盛り上がってくるのだと思う。おそらく物語のペース的に全13話で物語は完結する可能性が高く、中途半端に終わるという心配はしなくていいと思う。そうなるとやはり完成度の高さで死角は無いかと思えるが、あとはインパクト勝負になるかも。

 

現状2位の「ガールズバンドクライ」は6話目まで視聴済みであり、川崎でガールズバンドを結成して武道館を目指しつつ自分たちのロックを追求していく少女たちの物語。全編3DCGのアニメ作品だが、ハイクオリティな3DCGゆえに可能な大迫力のライブシーンや印象的な演出、そして楽曲の強さなど音楽面の強さが「夜クラ」に対するアドバンテージになっている。「夜クラ」も楽曲は良いけどちょっとレベルが違う。また脚本はやや古めのテーマでベタな内容だが、だからこそアツくて魂に訴えかけるものがあり、やはり強い印象。キャラもみんな魅力的で、セリフがパワーワードが多めでこれも強い。ストーリーは1話から一貫して同じ物語が延々と描かれており、それゆえにどんどんアツさが増していく。同じ物語で飽きが来ないのはキャラが強烈であるのとライブシーンや歌唱シーン、演奏シーンのインパクトがあるからであり、そういう意味でアニメ作品としての完成度が極めて高い。最新話でようやく5人メンバーが揃い、ここから更に物語は佳境に入っていき凄いことになっていきそうで期待しかない。

 

現状3位の「夜のクラゲは泳げない」は6話目まで視聴済みであり、渋谷で活動するそれぞれ得意分野のバラバラな覆面アーティストの女子高生4人組であるJELEEがフォロワー10万人獲得を目指して奮闘する物語。1話から5話まではJELEEの4人が揃っていき、それぞれが挫折から再起して再び輝きを取り戻そうと立ち上がる物語が描かれつつ並行してJELEEの活動が進化していく過程も描かれ、非常に緻密な作劇と魅力的なキャラ描写で完成度が高かった。今期で最も現代的な最先端をリアルに描いて魅力的な物語に落とし込んでいる神作品だと思う。ただ、この物語の本番は花音とその母親のプロデュースするサンフラワードールズとの絡みが描かれるであろうクール後半なのであり、そこの出来次第で評価が変わってくるだろう。上位2作品と違ってクール前半の物語とクール後半の物語が別ユニットになっているところが少し上位2作品に比べて弱いところのような気はする。まぁ1クール1ユニットの物語を高い完成度で仕上げてしまえる異常な2作品と同じクールでなければ普通に1位になれる作品ですけど。

 

現状4位の「ゆるキャン3期」は6話目まで視聴済みであり、山梨在住の女子高生たちのキャンプなどの野外活動のユルに日常を描く萌えアニメです。唯一無二のユルくてのんびりとした世界観を堪能できる抜群の安定感のある作品であり、世界観とキャラがあまりに強すぎて、話の内容がどういうものでも関係なく常に安らぎを感じてしまい、それが面白さに転化してしまう魔性の作品といえます。ただ今期のクール前半はそういう基本の上に更に話もちゃんと面白くて、特に大井川キャンプ編はキャンプだけでなく旅の面白さに溢れていて、飯テロ要素も大満足で、女子たちの友情の描写も良かった。やはり物語的な起伏は乏しい作品なので普通に考えてSランク下位あたりが妥当な作品なのだが、ちょうどその大井川キャンプが綺麗に完結したタイミングであったので、やや高めの評価となって4位ということになった。クール後半もずっと安定しているだろうけれども、他の作品がクール後半盛り上がってきて相対的に順位が下がってSランク下位あたりに落ち着くと予想はするが、もちろん躍進しても嬉しい。

 

現状5位の「怪異と乙女と神隠し」は5話目まで視聴済みであり、都市伝説を題材とした現代的な怪異と関わっていく超常的なミステリー作品。独特な世界観と難解なテーマと作劇を持った作品ですが、キャラは結構萌えアニメのような可愛げがあり、こんな不気味な作品なのに意外に萌えアニメとしても楽しめてしまう。そして、その萌えアニメ的要素がミステリーにも繋がっていたりする面白さがある。ただやはり最大の見所はミステリー展開であり、それについてはクール前半はまだ本領発揮していないという印象。それでもミステリー描写のキメの場面はかなりのインパクトがあり、更にキャラの背景事情などにも相当の深い部分があるのも分かってきて、かなり壮大で深みのある作品であり潜在力はかなりあると思われる。ミステリーホラーとしての完成度の高さからも、もし全てが描かれたなら神作品となるのだろうと思われるが、おそらく今期の全12話でそれが全て描かれることはないだろうし原作でもそこまで描かれてない模様。クール後半は更に盛り上がるだろうが決定的なものとはならないだろう。

 

現状6位の「花野井くんと恋の病」は6話目まで視聴済みであり、恋を知らない主人公ヒロインの女子高生が、愛が重い同じ学校のイケメン男子に惚れられて、お試し交際で恋というものを知っていこうとするラブコメです。クール前半はそういう内容が描かれていて、クリスマスやバレンタインなど恋愛イベントが多く、ロマンチックな描写も多かったが、恋愛の進展そのものよりも交際を通じて互いの心情を知って2人が成長していくドラマを描くのがメインとなっていた。それがとても良く出来ていてドラマとして完成度が高かった。ただラブコメとしてパワー不足ではあったかもしれず、クール前半の完成度が高かった割に順位はやや低めといえる。そして最新話で主人公が恋心を知り告白もしてしまったことで当初提示された物語をやりきってしまった感があり、後半クールで何を描くのかという不安もある。ただ予想では、ここからいよいよラブコメが描かれ2人が辿り着いた恋愛が試されることになるのではないかと思う。そうして上手く盛り上がればSランクを維持し更に順位も上昇するかもしれない。

 

現状7位の「終末トレインどこへいく?」は7話目まで視聴済みであり、7G回線の暴走で異常な世界に変わってしまった終末世界を少女たちが電車に乗って池袋に向かい行方不明になった友達に会おうとするという不思議な作品。完全オリジナルアニメであり物語の先行きの予想が全く立たない作品で、今期の作品の中で最も謎めいた作品。ただ、その異様な世界観描写やメインキャラ達の軽妙な会話劇、予想の斜め上を行くぶっとんだストーリー展開などだけでも十分に楽しめる。更に各エピソードの内容も一見ムチャクチャに見えてしっかり完成度は高く、ドラマとして見応えはある。またここまでのエピソード内でも少しずつ伏線描写や謎解き要素も巧みに盛り込んできており、次第に謎も明らかになりつつある。だがそれもクール終盤でちゃんと謎解きが為されてこそであり、そこが納得感あるものであれば神作品になる可能性が高いが、そのためにはじっくり描く必要がある。だから全12話中7話が終わっている現状で謎解きが本格化していないのは不安要素であり、1話空費するたびに評価は下がっていく。

 

 

 

また、現状A+ランクの作品は「無職転生Ⅱ」「狼と香辛料」「転生貴族鑑定スキルで成り上がる」「忘却バッテリー」「ワンルーム日当たり普通天使つき」「ささやくように恋を唄う」「ダンジョン飯」の7作品だが、これらの作品は、安定した日常系作品である「ワンルーム日当たり普通天使つき」以外はどれもクール後半は盛り上がってきそうです。特に「無色転生Ⅱ」は大きく盛り上がることが期待出来る上に現時点でもSランクとのボーダーラインにあるので、クール後半が順当に盛り上がってくれば高い確率でSランクに上がることでしょう。

ただ、それ以外のA+ランク作品は「狼と香辛料」は連続2クール作品の前半クールなので今期はスローペースが予想され、「忘却バッテリー」はクール前半の立ち上がりがゆっくりであったぶん、クール後半がかなりの盛り上がりでなければSランクには届かなさそうであり、それ以外の作品はちょっとSランクとなると力不足な印象であり、そもそも現状A+ランクの作品で今期で物語が完結する作品は1つも無いし、ちょっと「無職転生Ⅱ」以外はSランクに上がるのは厳しいように思う。ただ、どの作品もクール後半に失速しそうな気配は無いのでA-ランクに落ちる可能性も低いと思います。

 

現状8位の「無職転生Ⅱ」の後半クールは分割2クール作品の後半クールであり、その6話目まで視聴済みであるが、今期分の序盤は去年夏クールの前半クール終盤の展開の後日談的な内容から始まった。だが、そこから上手く繋げてナナホシの話やノルンの話などは感動的で非常に素晴らしいエピソードであった。Sランクでもいいかとも思ったが、結局クール前半はルーデウスは常に受け身であまり能動的に動いておらず、学園編はこの作品の本来の持ち味ではないというのは前半クールから認識していたことであり、やはりここからのクール後半の迷宮編の出来を見なければSランク評価をすべきではないと思いました。

 

現状9位の「狼と香辛料」は7話目まで視聴済みであり、連続2クール作品の前半クール分であり、序盤はスロースタート気味で地味な印象であった。それでも中世ヨーロッパの商業や宗教などを上手く絡めた作劇が巧みで見応えが十分にあった。その後、銀貨の買い占めに絡んだ騒動でホロとロレンスの身に危険が迫る緊迫した展開となり一気に盛り上がってクール前半を終えて、それが終わって新展開が始まろうというところが現時点。やや難解で地味ではあるが更に物語が盛り上がっていけばSランクの可能性も出てくる作品ではあるが、まだ物語の先も長いので今後も銀貨騒動ぐらいの話を繰り返していくのだと思う。

 

現状10位の「転生貴族鑑定スキルで成り上がる」は6話目まで視聴済みであり、小領主の跡継ぎに異世界転生した主人公が鑑定シキルで人材登用して家を盛り立てていくという、戦国時代の小領主のサバイバル物語みたいな面白味がある作品。主人公自身は鑑定以外は無能で全くチートでないので物語に緊張感がある。同時に適度なユルさがある。但しギャグは寒い。一番の見所は意外に渋くて重厚な人間ドラマで、毎回ストーリーの完成度は高く、しばしば感動できる。ただ鑑定能力などはご都合主義的設定なのでチープ感はあり、重厚な物語でどこまでそこをカバー出来るかが重要。今後は物語は怒涛の展開となりそうです。

 

現状11位の「忘却バッテリー」は6話目まで視聴済みであり、記憶喪失になった天才捕手とその相方の天才投手が野球が弱小の高校に入学して再び野球をするという異色の高校野球アニメ。クール前半は全体的にギャグアニメとして優秀な出来であったが、笑える部分は声優の演技に依存しているところが多く、今後は次第に飽きてくるとは思う。クール後半は独特のユルくてアツい青春ドラマが盛り上がってくるのだと予想され、そちらがメインとなっていくのだろう。割とスローペースの物語なので1クールをどう締めるのか今は予想がつかないが、チームを再生させて帝徳にリベンジするところまで描けば上出来ではないか。

 

現状12位の「ワンルーム日当たり普通天使つき」は6話目まで視聴済みであり、ごく普通の男子高校生の1人暮らしの部屋に天使が同居するという日常ハートフルコメディ。基本的にバカバカしい設定なのでラブコメとしてではなくキレの良いギャグを楽しめる作品だが、頻繁に挿入されるラッキースケベ描写も楽しめる。キャラもみんな可愛くて、みんなバカで、今後もサブキャラは増えていく予定なのでクール後半も飽きずに楽しめそう。ドタバタギャグも楽しめる作品だが各エピソードは上手くイイ話に纏めてくるので安定感はある。ただ物語は大して盛り上がらず単調だろうから今後ワンパターンになるという危惧もある。

 

現状13位の「ささやくように恋を唄う」は5話目まで視聴済みであり、女子高生同士の初恋が百合の先輩と恋を知らない後輩のラブコメです。お互いウブなので百合恋のねっとり感が無くて普通のラブコメ感覚で清々しく見ることが出来るのは良い。ストーリーはあっさりしていてあまり深みもなくて密度も薄めだが、恋愛心情の描写は緻密で、ライバル的な立ち位置のサブキャラも上手く機能していてエンタメとして出来が良い。バンドや音楽を物語に絡めているのも好印象で、クール後半は軽音部ライブや文化祭ライブなどにラブコメも絡めて盛り上がってきそうで、ここからが物語の本番だと思われ躍進が期待できる作品です。

 

現状14位の「ダンジョン飯」は連続2クール作品の後半クールであり、その7話目まで視聴済みであるが、序盤はファリン救出に向けて一気に物語が加速するのかと思っていたらその後はまた前半クールのようなダンジョン内で魔物を食う話に戻り、現状はそうした日常描写の中で徐々に狂乱の魔術師との戦いに迫っていく感じとなっている。各エピソードの完成度は高いと思うのでそこは高く評価しているが魔法や魔物などの設定にあまり詳しくないのでよく分からないところが多くやや評価は下がりがちになる。それでもクール後半は狂乱の魔術師との戦いで物語が盛り上がってくると思うのでもう少し順位は上がるかもしれない。

 

 

 

そしてA-ランクは現状では「死神坊ちゃんと黒メイド3期」「転生したら第七王子だったので気ままに魔術を極めます」「怪獣8号」「鬼滅の刃 柱稽古編」「変人のサラダボウル」「アストロノオト」「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?」の7作品がある。このうち「鬼滅の刃 柱稽古編」は現状1話のみで実質はA-ランク最上位の評価だが全8話らしいので話数補正で半ランク分順位を下げている。だから今後実質的にA+ランク上位に上がっていかないと見かけ順位でA+ランク入りは厳しい。それでもそれぐらいの地力はあると思います。

それ以外は「死神坊ちゃんと黒メイド3期」「怪獣8号」はA+ランクに上がる可能性は十分あり、「転生したら第七王子だったので気ままに魔術を極めます」はA-ランクで現状維持でしょう。「変人のサラダボウル」「アストロノオト」「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?」の3作品はBランク落ちの危うさは感じるが何だかんだ最後までもちそうに思う。

 

現状15位の「死神坊ちゃんと黒メイド3期」は6話目まで視聴済みであり、貴族の坊ちゃんとメイドが魔女にかけられた呪いを解くハートフルラブコメディの完結編。物語の完結に向けて盛り上がる部分のはずだがクール前半は無くてもいいようなつまらないエピソードも多くて高評価は出来なかった。それでも随所で良い話もありクライマックスに向けての伏線もあったのでそれなりに評価はしている。ただクール後半はクライマックスに向けて盛り上がり綺麗に完結すると思うので期待。

 

現状16位の「転生したら第七王子だったので気ままに魔術を極めます」は7話目まで視聴済みであり、王子に転生して魔力のチートキャラになったサイコパス主人公が無双しまくる作品であり、ストーリーは大して面白くない。だがバカとキチガイに振り切っているのでむしろ清々しさがあって不快感なく笑える。それでも話が面白くないのは否めないが、エロ満載の超絶アクションは刮目すべきものがあり、決してA+ランク以上には評価出来ないがA-ランクのレベルでなら高評価すべき。

 

現状17位の「怪獣8号」は5話目まで視聴済みであり、怪獣が日本を襲ってくる世界観で主人公が怪獣の力を使って怪獣と戦うヒーローアクション作品。基本的にハードに盛り上がる作品のはずで、そういう盛り上がる場面もあるのだが、ここまではちょっとギャグ描写が多くてあまり面白くもなくシリアスな世界観と合っていない印象。話の方も盛り上がりそうで勢いがなかなか続かない印象。世界観の説明も足りてない。ただ次回から実戦が始まるようなので、ここから盛り上がると期待。

 

現状18位の「鬼滅の刃 柱稽古編」は遅めの放送開始なのでまだ1話目までしか放送されておらず、第1話はあまり物語は動いていないが、アニオリも含めて色々と楽しませようという工夫は見えて、全体的にクオリティは高く、魅力的なキャラも多数登場していて、物語も基本的に面白い要素があるので、実質はA-ランクの最上位ぐらいの評価。ただ今期の全話数が8話程度と思われるので、話数補正で順位を半ランク分ほど下げた順位にしている。今後はもう少し順位は上がると思われる。

 

現状19位の「変人のサラダボウル」は6話目まで視聴済みであり、岐阜市を舞台として異世界の姫とか探偵とかがバカなことをやる群像劇コメディ。割と致命的なのはメインの惣助とサラの探偵関連の話が妙に理屈っぽくて中途半端にマトモな話になってしまっていて一番つまらないこと。ただサブキャラのリディアやプリケツや望愛が絡む話は頭が悪くて破滅的で異常に面白い。現状は若干後者の比重が高めなのでやや高評価でこの順位だが、仮に今後前者がメインになれば視聴打ち切りもある。

 

現状20位の「アストロノオト」は6話目まで視聴済みであり、ボロアパートを舞台としたSFラブコメディ。コメディとしてそんなに際立って面白いわけではなくキャラの魅力もそんなに高くないのだが、全体的なバカバカしさは意外とクセになり、結構楽しんで見ている。ストーリーもあんまり見たことがない感じで展開が予想が出来ないので続きは気になる。オリジナルアニメで今期で完結するので最後は綺麗にまとめるのだろうし、最後まで結末は見届けたいので飽きないで完走はしたい作品。

 

現状21位の「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?」は6話目まで視聴済みであり、コミュ症の魔術師が奴隷エルフに一目惚れして買ってしまう話。ラブコメとしてはベタベタで展開は意外性は無く、やたら魔術のウンチクが詳細なところも面白くないのだが、キャラが全体的に可愛げがあっていつもイイ人情話でまとめてくるところは評価できる。この先は飽きてきて視聴打ち切りの危険はつきまとうが、サブキャラを上手く使って何だかんだ最後までもたせるような気がする。

 

 

 

Bランクは6作品あり、1作品を除いては全て既に視聴を打ち切っている作品です。全く面白くないというほどでもなく、見ようと思えば1クール見続けることは出来るレベルだが、わざわざ時間を割いて1クール見る意義を見出せないので視聴を切るというぐらいの作品群ということになります。

 

「アイドルマスター シャイニーカラーズ」は6話目まで視聴済みであり序盤は各ユニットのエピソードを当番制で回したがいずれも話の内容が薄くキャラ設定に合わせたセリフを言わせてるだけという印象。話自体は悪くないが1クール見続ける意味があるか疑問を感じている。次回がフェス回なのでとりあえず様子見。

 

「WIND BREAKER」は町を守るために喧嘩をする不良集団の物語とのことだったが、結局途中から不良チーム同士がどっちが強いかを競って喧嘩する話になってしまい、普通の退屈なヤンキーアニメになってしまった。キャラもドヤ顔最強設定ばかりでワンパターン無個性で魅力も無く6話目で視聴を切りました。

 

「烏は主を選ばない」は人間に化ける烏の世界の王朝物語みたいだが、結局この設定自体に魅力を感じることが出来ず、話の内容もよく分からなかった。若宮と雪哉の掛け合いなどは面白かったので嫌いではなかったのだが、やはりこのまま1クール見続けても仕方ないように思えてきて6話目で視聴を切りました。

 

「リンカイ!」は競輪選手を目指す女子たちのスポ根だが、見てみて競輪自体にあまり魅力を感じることが出来ず、それならよほどキャラやストーリーに魅力が欲しかったところだったのだが、それら要素は決してダメではなかったが競輪への興味の無さをカバーするほどでもなく結局は5話目で視聴を切りました。

 

「Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ」は異世界で転生者がチート能力で無双するという話で、ストーリーは全くご都合主義でどうしたって面白くならないもので、本来Cランクでもっと早く視聴を切るべきだがキャラに魅力があって引っ張ったのだがそれも限度で6話目で視聴を切りました。

 

「じいさんばあさん若返る」は年寄りが若返るというギャグ作品なんですが途中から真面目なイイ話っぽいエピソードが増えてきて、確かにイイ話ではあるんだがショートコーナーでやるせいでやたら教訓めいた内容が目立ってきて面白味が無くなり短いので深みも足りずつまらなくなり4話目で視聴を切りました。

 

 

 

Cランクは6作品あり、全て既に視聴を打ち切っている作品です。これらの作品はつまらなくて視聴自体が辛かったので視聴を打ち切った作品群ということになります。大抵は早期に視聴を切っているので後で面白くなっている作品もあるかもしれない

 

「HIGHSPEED Etoile」はレースシーンがつまらなくて4話目で視聴を切ったが、そこは視聴を切った後で改善されたらしい。だがドラマ部分もつまらなく視聴復活の必要は感じなかった。

 

「Unnamed Memory」は何を見せたい物語なのか序盤ではサッパリ分からなかった。スロースタートも限度というものがある。もともと興味のあるジャンルでもないので4話目で切った。

 

「THE NEW GATE」はまずゲーム世界みたいな設定が嫌いで、ありきたりな主人公最強設定もつまらないしキャラにもストーリーにも全く魅力を感じられず視聴が苦痛で4話目で切った。

 

「出来損ないと呼ばれた元英雄は実家から追放されたので好き勝手に生きることにした」はありきたりな転生主人公最強モノであり、作画も酷く話もつまらないので4話目で視聴を切った。

 

「Re:Monster」は主人公がゴブリンに転生して最強になっていくのだが目的もなく強さを求めて他者を食いまくるだけで倫理観も希薄でどんどん不快感が増して4話目で視聴を切った。

 

「喧嘩独学」は動画配信で弱者が下剋上していく話だが全体的に陰湿で卑屈な雰囲気が充満して気持ち悪く、韓国ではこれがウケるのかもしれないが個人的には全く合わず4話目で切った。

2024年春アニメのうち、5月14日深夜に録画して5月15日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

忘却バッテリー

第6話を観ました。

今回は要が野球について分からないことがあるとか言うので藤堂の家で勉強会をしようということになり、皆で行ったところ、団地にある藤堂の家には美人な姉と可愛い妹がいて、要は自分の家の母親と比較してショックを受けます。しかし千早からマドレーヌを貰って立ち直った要は分からないことを質問する。それが「左打ち」というものが分からないということだったので、あまりに初歩的な部分での躓きに一同は愕然とします。

ただ、素人目線で冷静に考えると、確かに「左投げ」というのは分かりやすいけど「左打ち」って何だかよく分からない。だから記憶喪失の要がそこに素朴な疑問を覚えるというのは、いかにもありそうな話だとは思います。ここで千早の説明が分かりやすくて奥が深くてかなり良かった。基本的には「左打ち」というのは打席の位置の話であって、投手から見て左側の打席に立っている打者のことを指すわけですが、要は「左利き=左投げ」と同じように「左利き=左打ち」なのかと誤解していたようです。

これが非常に良い着眼点で、それは基本的には正しくて、大抵は左利きの人間は左打ちになるのだそうです。ただ厳密には間違っているのは、右利きの人間でも左打ちになることがあるからです。実は要自身が右利きなのに左打ちだった。記憶喪失の要は自分が左打ちになった経緯を知らないので「どうして自分は右利きなのに左打ちなんだろう」と疑問に思う。

これがまた非常に良い着眼点だと千早は言います。一見すると初歩的な部分での躓きのように見えますが、どうして右利きの人間なのに左打ちになっている者がいるのか、逆に左利きの人間で右打ちになっている者はどうしてほとんどいないのか、そこに野球というスポーツの特性がある。本来は右利きの人間は右打ちの方がやりやすいはずなんですが、左打席に入った方が一塁ベースに近いのでそのぶん早く一塁ベースに到達します。また、スイングした後に身体の向きを変えなければいけない右打ちと違って、スイングした後の身体の向きのまま一塁ベースに向けて走り出せる左打ちの方が余計な動作が無いぶん第一歩が早く、そのぶん早く一塁ベースに到達します。

だから、そうしたアドバンテージを得たいがために右利きの人間でもあえて左打ちに自分を矯正する場合はあるのだそうです。逆に左利きの人間がわざわざ不利な右打ちに自分を矯正するパターンというのはほとんど無い。まぁどうしても右の方が打ちやすいから右打ちをしている左利きというのも皆無というわけではないし、相手投手が右投げか左投げなのかによって打席も右打ちの方が有利とか左打ちの方が有利という相性の問題もあるので、そこを臨機応変に対応できるように右打ちも左打ちも両方出来るように自分を矯正する「スイッチヒッター」という選手もいて、千早は実はそのタイプだそうです。

とにかく、ここで重要なことは、右利きなのに左打ちに自分を矯正した選手というのは、少しでも早くホームベースに到達して1点をもぎ取るために辛い練習を重ねてバッティングフォームを矯正した「勝利に貪欲な人間」だということです。記憶喪失になる前の要圭という男はそういう野球選手だった。今の要とは全く違います。それを聞いた要は、そういう自分に戻ってほしいかと清峰に質問します。しかし清峰は戻らなくていいと意外な返事をする。今の要のままでいいと言う。それで要も自分らしく少しずつ上手くなって帝徳にリベンジすると誓います。

しかし、ここでそれを聞いて藤堂が、もし本気で帝徳にリベンジするのなら自分以外のショートを探すようにと奇妙なことを言い出す。そして、実はイップスで一塁への送球が出来ないのだと藤堂は衝撃の告白をします。2年前のシニアの夏季大会で当時中学2年生だった藤堂は好守強打の大型ショートとしてチームを牽引しており、チームは快進撃を続けていて帝徳を筆頭に有名高校のスカウトからも注目されていた。とてもまとまりの良いチームで、藤堂は先輩たちが有名高校の野球部にスカウトされるよう願って勝利を目指していた。だが清峰と要のチームに敗れてその夢は潰えてしまった。

ただ、確かに藤堂をはじめ全員が清峰の球に抑え込まれてしまったが、清峰の調子が悪かったので1点は取ることが出来たし、接戦に持ち込むことは出来ていた。ところが藤堂の一塁への悪送球で失点してしまい試合の流れが大きく変わり、藤堂のチームは敗れてしまった。そうして先輩たちの最後の大会を自分のミスで終わらせてしまい、謝罪して自分だけ楽になろうとして、先輩たちに気を使わせてしまったことで自己嫌悪に陥り、そんな自分にだけ帝徳からのスカウトが来て、先輩たちにはスカウトは来ず、大好きだった先輩たちの人生を狂わせてしまった自分だけが先輩たちに祝福されてしまい偽善者のまま栄光の道に進むことの罪悪感に耐えられず、藤堂は壊れてしまい、あの清峰のチームに敗れた原因となった一塁への送球ミスの感覚に囚われてしまい、一塁への送球がマトモに出来なくなってしまった。

それで気を使われてしまった野球部に行きづらくなり、毎晩エラーした時の夢にうなされて不眠症になってしまい、疲れて眠るために走り込みをするだけのヒマな生活の中で野球のことやエラーのことを忘れるために、エラーの時に感じた痛み以上の痛みを求めて喧嘩に明け暮れる生活を送るようになり、そんな最低な生活も野球部の無い小手指高校に行けば抜け出せると思っていた。帝徳の推薦を断っていたのはそもそも野球を続ける自信が無くなっていたからに過ぎない。しかし、そうして小手指に入学した藤堂は清峰と要に出会ってしまい、思わず野球部に入ってしまった。もうシニアの先輩たち以外と野球をする気など無かったし、出来るとも思っていなかったのに、どうしてか「やらない?」と誘われて「やる」と答えてしまった。今回はここまでであり、次回はそんな藤堂がどう立ち直っていくのかが描かれることを期待したいと思います。まぁイップスは普通はそう簡単に治らないんですけどね、清峰と要みたいな非常識な奴らだったら何とかしてしまいそうにも思える。

2024年春アニメのうち、5月13日深夜に録画して5月14日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

アイドルマスター シャイニーカラーズ

第6話を観ました。

今回はWING出演を目指して283プロの4つのユニットが申込みを行い、審査をパスして出演が決まり、その後はWINGでの好成績の獲得を目指して準備していくというお話でした。レッスンや仕事をこなしていくだけでなく、各ユニット単位で自分たちで撮影をし合って活動の動画を残していくようにしていき、更にプロデューサーがテレビ局と交渉して、WINGへの出演に向けて頑張る283プロの4つのユニットのドキュメンタリー番組を作ることになり、4つのユニットはそれぞれ活動の様子を撮影してもらうことになり抱負などもインタビューで語ったりします。そして自分たちで撮影した動画の素材もドキュメンタリーで使ってもらえることになる。大体そういう内容で、今回はいよいよ彼女らがWING本番当日を迎えたところで終わり次回に続きました。全キャラが決まり文句を喋ってばかりいる印象でストーリーはかなり薄くて、既存ファン向けな内容に思えてかなり退屈でした。ただ次回はWING本番みたいなので様子見はしようと思います。

 

 

終末トレインどこへいく?

第7話を観ました。

今回は清瀬のゾンビ騒動の続きで、ゾンビ騒動から脱して再び電車で池袋を目指して出発するまでが描かれました。ゾンビ騒動としては奇想天外な展開の連続で、笑える場面も多くてかなり楽しめました。最後はちゃんとイイ話で締めましたし、前回ラストの一見意味不明な「ゾンビになっても友達になれる」という言葉とも繋がってオチが付きましたし、完成度は高かったとは思います。ただ物語全体としては未だに謎だらけでイマイチまとまりがついていない状態が続いており、前回までは細かな伏線が配置されていって考察も進む内容であったので評価はしていましたが、今回はあまりメインストーリーに絡む描写も無く、本筋は放置されていた印象でした。前回でクールの折り返しは過ぎて、今回からクール後半に突入していますので、そろそろメインストーリーが進まなければ厳しく評価していこうかと思います。今回あたりからそうしようかとも思っていたんですが、今回はエピソード内容が面白かったので、ギリギリ今回まではSランク評価して、次回はとにかく基本的にはメインストーリーが動かなければA+ランクに一旦落とすことにします。まぁ話の内容がムチャクチャ面白かったりすれば考えも変わるかもしれませんが、それにしてもそろそろ物語の核心に踏み込んでいかなければさすがにSランク評価するのは厳しくなるでしょう。

そういうわけで、まず今回の冒頭は、ゾンビの群れに捕まってしまった静留が丸太に縛られてゾンビの群れによって何処かに運ばれていくのだが、手足を丸太に縛られて宙吊り状態なのでミニスカートの中のパンツが丸見えになってしまいそうで静留は股の間にスカートの裾を挟んで必死でパンツが見えないように耐えているがもう限界になってしまい、ゾンビの女王の黒木にこのままだとパンツが見えるのでどうにかしてほしいと懇願します。すると意外にも黒木は何やらちょっと慌てて、静留が逃げないという条件で縄を解いてくれて歩いて連行する形に変えてくれた。

一方で撫子と玲実と昌の3人は電車アポジー号を停車させて、3人で線路を外れて静留を探しに行くことにします。周囲の森の中にはゾンビが潜んでいる可能性があったが、そこは晶の本でかじったゾンビ知識で対策を立てることにする。それで晶がゾンビの注意を惹くための人間の脳みそに模したものを銀紙を丸めて作りますが、どう見ても人間の脳みそには見えない。こんなので大丈夫かと思っていたら、晶が昼間は出ないとか言っていたゾンビがいきなり出てきて、その銀紙の脳みそもどきをいきなり掴んでくる。それで玲実が悲鳴を上げると周囲からゾンビの群れが涌いてきて、3人は逃げようとしますが、晶が素早く動いてはいけないと言う。ゾンビはゆっくり動くから、こっちも動かなければ目が悪いゾンビは仲間だと思って襲ってこないはずだというので、3人はゾンビの群れに囲まれてじっと耐えます。ゾンビ達は3人を怪しんでジロジロ見てきて3人は恐怖に耐えて叫ばないようにしますが、このままではバレそうです。そこで晶がさっきの銀紙の脳みそを投げてゾンビ達の気を逸らしているスキに3人は顔を絵の具で塗ってゾンビっぽくして誤魔化す。

これで何とかゾンビの仲間だと思われて危機を脱した3人だったが、ゾンビの1人が静留のリュックを背負っていることに気づき、もう静留はゾンビに捕まってゾンビにされてしまったのではないかと心配になる。だが、とにかくそのゾンビの一団についていけば静留のところに辿り着けると思い、ゾンビの演技をしなからついていくことにした。

するとゾンビの群れはご神体のある丘の上に集まっていき、それについていった撫子たち3人は、丘の上のゾンビの一団の中に静留とポチさんが居るのを発見した。だが遠目なので静留が人間のままなのかゾンビ化してるのかよく分からず木の陰から観察していると、静留の方も3人に気付いて、3人が顔を絵の具で塗っているので3人がゾンビ化したのかと心配してジェスチャーで色々とサインを送って確認しようとする。その動きが黒木にバレてしまい、3人の存在もバレて黒木はゾンビ達に命じて3人を捕らえてしまいます。

そうして3人は黒木の取り調べを受けることになるが、黒木も3人がゾンビなのか人間なのか分からないので、3人の前で自分がうどんを食うのを見せて3人が空腹の反応を見せたら人間だとか、ゾンビのシューティングゲームをやらせて反射速度を見たりとかしますが、最終的に3人が誤魔化し笑いをしたので「ゾンビは笑わない」という理由で3人を人間だと判定してゾンビ達に襲わせる。それに対して静留が立ち向かい奮戦し、ポチさんでもゾンビ達を倒しているのを見て撫子たちもゾンビが意外に弱いことに気付いて参戦して、ゾンビ達を倒しまくります。しかしゾンビ達は不死身なので倒しても復活してきてキリがない。

そこで撫子がクロヒョウ便のネコ兄さんに聞いていたゾンビ対策を思い出した。それは「ゾンビはエロに弱い」というもので、あくまで噂だという話だったので聞き流していたのだが、この際試してみようということになった。だがみんなエロいことがよく分からないので博学の晶に何かエロい言葉を言ってもらうことにする。それで晶が記憶していた「チャタレイ夫人の恋人」の克明なベッドシーンの一節を朗読すると、それを聞いたゾンビ達は爆発していった。

そうして隙を作って4人とポチさんはご神体の丘から脱出に成功し、追いすがってくるゾンビ達に思いついたエロい言葉を浴びせて撃退して、何とか逃げ切ってアポジー号に戻ってくることに成功した。そして電車内で落ち着いて、静留はエロワードの連想ゲームの流れで変な熟語で3人に助けに来てくれたことを感謝して、酷いことを言ったことを謝るが、3人はそれは池袋で葉香に言えばいいと言う。そうして4人は一緒にアポジー号で池袋に向かうことで再び一致団結するが、進行方向の線路のあたりはゾンビ達の巣であり、そこを突っ切らなければいけない。それで吾野の善治郎にモールス信号で連絡してエッチな歌を教えてもらう。

そうして夕方になり、線路の上に山のようにゾンビの群れが積み重なって進路を塞ぎ、更に多くのゾンビがアポジー号に向かってくる中、アポジー号の屋根に上がった静留たち4人は善治郎から教えてもらった変なお座敷小唄みたいな下品な歌を合唱して、それによって電車に近づいてきたゾンビ達は爆発していく。

だが黒木はそれ以上はゾンビ達を突撃させなかったので線路の上で山積みになったゾンビはそのまま残り、結局はアポジー号は前に進むことが出来ない。そこで静留はゾンビの女王の黒木と話をつけると言い出す。ゾンビと話し合いは無理だと皆は反対するが、静留は黒木はたぶんゾンビじゃなくて人間だと言う。1人だけ他のゾンビと生態が違うし会話も出来るし、「女王だから」というのは嘘で、本当は人間がゾンビのフリをしているだけに違いない。おそらくバレたら食べられてしまうからなのだろうと静留は言い、もしゾンビだったらやっつければいいという計画で黒木めがけて突撃することにして、撫子も同行する。

そうして線路の上のゾンビの山のてっぺんにいる黒木のもとに辿り着いた静留が黒木の顔に触れると、やはり顔には緑色のコンシーラーを塗っているだけで、素顔は人間だった。それで黒木に事情を聞くと、黒木は2年前の7G事件の際にゾンビの群れに襲われて殺されそうになったが、たまたまスカートがめくれてパンツが丸見えになってゾンビが爆発したので、パンツを見せつつゾンビ達を撃退しているうちにゾンビ達が黒木に調教されたような形で懐いてくるようになったのだという。冒頭の場面で黒木が静留がパンツが丸見えになると訴えてきた時に丸太に縛るのを止めさせた理由は、パンツが見えるとゾンビが爆発してしまうことを知っていたからだったのですね。

とにかく当初はゾンビたちに懐かれるのを迷惑に思って追い払って自分の故郷に戻ろうとした黒木であったが7G暴走の結果変わり果てた世界の中、故郷に辿り着くことを断念して仕方なく元の町に戻ってきた。するとゾンビ達が身体がカビに蝕まれながら黒木の帰りをずっと待っていて、その姿を見て黒木は共に行く当ても無い者同士としてゾンビ達の面倒を見てやろうと決意して、顔をコンシーマーで緑色に塗ってゾンビの女王として振る舞うことにしたのだという。そうしてゾンビ達がカビたり身体が崩れたりしないようにケアしながら旅を続けてきたらしい。黒木は仕方なくそうしたのだと言うが、静留たちはそうではないと言い、黒木のことを良い女王だと褒める。

そして静留たちは黒木のことも友達として一緒に池袋に行こうと誘う。黒木は一瞬「友達」と聞いて心が動いた様子であったが、ゾンビ達の方を見て、やはり自分はゾンビ達の女王としてゾンビ達と共に居ると言う。黒木は「友達」が欲しかったようだが、「良い女王」と言われたことで自分はとっくにゾンビ達と友達だったのだということに気付くことが出来たようです。そんな黒木を見て、たとえゾンビになっても友達にはなれるのだと撫子たちも改めて実感した。

静留たちはアポジー号に積んでいた食料を黒木に分けてあげて、黒木はもうゾンビ達には人間を襲わないように命じると言ってくれる。それでも黒木やゾンビ達が人間たちに嫌われて迫害されるのを心配する静留たちに対して黒木は「慣れている」と応えて、続けて「今の私はかつての私ではない」「仲間のゾンビ達もいるから」と言い、アポジー号の出発を見送ってくれた。それを聞いて、静留たちは黒木が7G事件の前はきっとイジメられっ子だったのだろうと思う。そんな黒木だからゾンビ達のことを放っておけず救いの手を差し伸べて、これからも強く生きていけるのだと思った。「これまでのことは今に繋がっていて、これからのことになるんだよ」と黒木のことを言う静留は、それは自分たちや葉香にも当てはまるのだと思い、やはり皆で池袋に行って葉香に会わなければいけないという想いを強くするのであった。

今回はこういうところで終わり次回に続くのですが、今回の別れの場面で黒木が「池袋にも女王がいるらしいから気をつけろ」と言っていたのが少し気になる。もしかしたら葉香が池袋で女王になっているのかもしれませんね。そろそろ次回あたりから物語の核心に迫っていってほしいものです。あと、どうして黒木は普通の人間のままなんだろうと不思議にも思ったりするが、それについての静留たちみたいに年齢制限なんかもあるパターンかもしれないし、詳細には分からないですね。

 

 

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます

第7話を観ました。

今回はロイドが暗殺者ギルドの刺客であるレンと戦い、レンの毒のノロワレの能力によって毒を食らいレンに逃げられますが、実際は暗殺者ギルドのアジトを見つけるためにワザと泳がせたのであり、ロイドは暗殺者ギルドのアジトに1人で乗り込みます。そこで軟体のノロワレのバビロン、呪詛のノロワレのクロウ、傷のノロワレのタリア、糸のノロワレのガレリアらと戦います。みんな面白い能力なのでロイドはとても面白がって探求心が掻き立てられ、いつものサイコパスな感じになって暗殺者ギルドの面々を圧倒して怖がらせる。そして暗殺者ギルドの4人はロイドに倒され、レンもロイドに襲われますが、ロイドは魔法によってレンの毒が制御不能に身体からまき散らされるノロワレを封じて自分でコントロール出来るようにしてやりました。そして他の4人のノロワレも同じように封じてやり、暗殺者ギルドの5人はロイドと仲良しになります。

そしてガレリアはロイドに自分たちのこれまでの話を聞いてもらいたいと言い出し、ロイドは全く興味を持たなかったが、その話が神隠しのノロワレの空間転移能力を持つ暗殺者ギルドのリーダーであるジェイドの話になると聞き、空間転移能力に興味津々のロイドは急に聞く気満々となる。空間転移能力を自分で制御出来ずに勝手に色んな場所に行ってしまうジェイドは今はロードスト領に居るという。それでロイドは暗殺者ギルドの皆と一緒にロードストに行くことにした。一方、そのことを知ったロイドの兄アルベルトやシルファ達はロイドが暗殺者ギルドに連れ去られたと誤解してサルーム王国の軍を出撃させて敵国ロードストに向かいます。今回はそういうところまでで終わり次回に続きます。相変わらず話は別に面白くないんですが、ロイドの性格が決して好きではないんですがキチガイすぎて見てて面白く、アクションは良いし絵面がエロくて、とりあえず良い仕事をしています。

 

 

Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ

第6話を観ました。

今回はフェンリースがやられたことでフリオが激怒してヒヤをボコボコにして殺してしまいそうになるが、時間を巻き戻す魔法で生き返ったフェンリースがフリオの優しさを守るためにヒヤを殺すのを制止して、フリオは思いとどまります。そしてヒヤはフリオの従者となります。一方、ヒヤを使ってのフリオの暗殺に失敗した金髪勇者は城の宝物庫で復活したダマリラッセによって魔物に変えられてしまう。そしてフリオはヒヤの魔法を受けたことで更に多くの魔法を使えるようになり、元の世界に戻ることも出来るようになったかもしれないのだが、フリオはこっちの世界にとどまることを選び、フェンリースに正式に結婚を申し込む。まぁだいたいそういう内容だったのですが、キリの良いところでもうこれぐらいでいいかなと思いました。基本的につまらないので前回で切ってもよかったんですが、フェンリースがどうなるのか見届けようと思って今回も見ました。そういうわけで今回で視聴は打ち切らせていただきます。

 

 

狼と香辛料 merchant meets the wise wolf

第7話を観ました。

今回はロレンスとホロが立ち寄った町の商会で胡椒を売りつけようとしたところ、ホロが喉が渇いたと言い出して水を貰い、それで胡椒の量を天秤で計って取引が終わろうとしたところで、わざとホロがテーブルの上で水をこぼして、テーブルの上を水が流れていったを見せて、テーブルが傾いていたことを証明してみせた。つまり商会側が傾いたテーブルの上で天秤での計測を行って不当に胡椒の値段を安く買い叩こうとしていたのです。

その不正行為を暴いて見せて、ホロは自分がここで飲んだのは水か葡萄酒かどちらなのかと商会側に問いかける。実際にはホロとロレンスが出されて呑んだのは水なのだが、そうなると2人はこの商会側の不正行為を告発せねばいけなくなる。この天秤による計測は神の名のもとに行われており、そこで不正があったとなれば大問題です。しかし、もし2人が呑んだのが葡萄酒であったとするなら、2人は酔っぱらってテーブルをこぼれた葡萄酒が流れたように誤認したと言える。つまり、商会側が2人が呑んだものが葡萄酒だったと言うのなら2人はこの不正行為を黙っておいてもよいと言っている。もちろん実際は不正行為は行われているのだから、神を偽る共犯者となる以上はロレンス達も無条件で商会に協力するというわけにはいかない。要するに脅迫しているのであり、商会側は「葡萄酒です」と答えてロレンス達の要求を吞まざるを得なくなった。

そこでロレンスは胡椒の正当な代金を商会に支払わせた上で、信用貸で高級武具を多く仕入れることが出来て、それを次の目的地である教会都市ユビンハイゲンで売りさばくことにしました。ユビンハイゲンで武具を売る理由はユビンハイゲンが異教徒討伐隊の前線基地になっていて武具の需要が高いかららしいが、ロレンスがユビンハイゲンで胡椒や金銀などを売ろうとしないのは関税が高いからだそうです。教会都市ユビンハイゲンでは不当に高い関税で教会とそれと結託した一部の特権商人だけが関税特権で私腹を肥やすようになっているようです。だからロレンスのような行商人は日用品では儲けることが出来ない。

しかしユビンハイゲンに行く道の途中で行商人たちが立ち往生していて、行く道の先に傭兵団が居て通れないとのこと。迂回路もあるが、そこには狼を召喚する魔術師が出没しているとかいう噂もあって皆怖がっている。しかしホロは狼ならば平気だと言ってロレンス達は迂回路を行く。ホロの言うのは、確かに行く先に魔術師が居るという。だが進んでみると、そこに現れたのは羊飼いの少女だったというところで今回は終わり次回に続きます。

2024年春アニメのうち、5月12日深夜に録画して5月13日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

響け!ユーフォニアム3

第6話を観ました。

今回は府大会に出場するメンバーを選ぶ部内オーディションの話でした。時期としては6月後半であり、前回のあがた祭りから1ヶ月近く経ってのことで、前回のお話と今回のお話の間に吹奏楽部では全体練習、パート練習、個人練習を重ねてきているであろうし、学校行事としては久美子たち3年生は修学旅行も済ませているようです。そうして迎えた今回の部内オーディションを終えて一気に府大会に向けて練習の密度は増していき、今回のラストシーンでは7月の府大会当日を迎えることになりました。そうした一気に部内が一致団結していく展開のはずなんですが、今回のサブタイトルは「揺らぎのディゾナンス」となっている。「ディゾナンス」とは「不協和音」という意味ですから、「揺らぎの不協和音」ということであり、どうも不穏な感じです。実際、今回はかなり不穏な感じの内容でした。

この6月の部内オーディションから7月の府大会に至る流れは、久美子1年生編ではアニメ1期で描かれ、久美子2年生編では劇場版「誓いのフィナーレ」で描かれました。そのいずれも最初は揉めますがそれがきっかけで部内がまとまり勢いがついて府大会に臨むという形になっていた。ところがこの3期で描かれている久美子3年生編においては、オーディションで揉めてからスッキリまとまらないまま府大会に臨むという形になっています。もちろんそれで府大会で敗退するという形にはならないのでしょうけど、モヤモヤしたものを持ち越したまま次の関西大会に向かっていくということになってしまいそうです。

もちろん今はまだクール折り返しであり、クール終盤には皆が1つにまとまって最後の演奏に臨んでいく姿が描かれるのだろうとは思います。だから折り返し点の今はモヤモヤしたままでもいいという考え方も出来ますが、例えばアニメ2期の時はクール折り返し点で関西大会が描かれており、この関西大会の前にも揉め事がありましたが、それが綺麗にまとまって皆が一丸となって関西大会に臨むというカタルシスがありました。あれは久美子1年生編の時のこととなりますが、それに比べると久美子3年生編が描かれるアニメ3期はモヤモヤした感じが強調されている印象です。

特に今回のエピソードを見て、正直「1年生編や2年生編は楽しかったなぁ」としみじみ思いました。ただ誤解無きように言っておきますが、それは決して3年生編がダメという話ではない。むしろ逆で、だから3年生編は1年生編や2年生編よりも面白いと私は思っています。結局のところ、1年生編や2年生編の久美子はまだ子供で、やっていることがシンプルで、だから単純に話が楽しかった。それに比べて3年生編は久美子も大人になりつつあって、1年生編や2年生編の時はシンプルに信じ切っていたものが本当に正しいのか分からなくなって迷っている。単純に楽しい話ではなくなっている。だからこそ1年生編や2年生編の楽しさが際立って懐かしく感じられたりもするんですが、同時にこの3年生編の揺らぎや不協和音が人間ドラマとして深みがあって非常に素晴らしく感じられる。この楽しくない感じが面白いのです。このモヤモヤがキャラの成長の証なのだといえます。

今回のエピソードなんかはもう何が正しいのか分からなくなり、見ていてかなり感情がグチャグチャになりました。そうして異様な緊張感の中で振り回されているうちに終わったという印象です。分かりやすいカタルシスは全く無かったですけど、素晴らしいドラマを観させてもらったと思います。

今回はまず最初は、6月後半の部内オーディションが迫る中、真由が低音パートの仲間たちにあがた祭りの時や修学旅行の時に撮った写真を見せている場面から始まります。真由の使っていたのは今時珍しいフィルムカメラですから、印画紙に焼き付けた写真を皆に見せていることになり、写真が欲しい人に対してはネガから焼き増しすることになるという面倒なことになります。他人に写真を提供するということを考えると、どう考えてもデジタルカメラの方が便利です。それなのにフィルムカメラを使っているということはよほどフィルムカメラが好きなのでしょう。実際、前回のあがた祭り前の場面でも真由はフィルムカメラが好きだと言っている。もちろん写真を撮ることも好きなのでしょう。ただフィルムカメラといっても真由の持っていたのはそんな本格的なタイプのカメラではないので、特にカメラに凝っているというわけでもない感じです。単に「フィルムカメラで写真を撮る」ということが好きみたいですね。しかし、特に凝った写真を撮るわけでもない人が使う分には絶対にデジタルカメラの方が良いのであり、フィルムカメラを選ぶ理由はよく分からない。何か特殊なこだわりがあるように思える。

ここで1つ不審な点を美玲が発見します。真由が撮った写真には1枚も真由本人が写った写真が無いのです。自撮りが出来ないタイプのフィルムカメラで真由が撮っているのだから真由が写っていないのは当然といえば当然ですが、普通は多人数で遊びに行って写真を撮る場合は他の人にもカメラを渡して自分も写ろうとするものです。つまり真由があえて他人に一度もカメラを渡して撮ってもらおうとしていなかったということであり、真由自身の意思で自分が写らないようにしていたということになる。しかし真由のカメラで撮っているのですから真由が一度も写っていないというのは奇妙です。せっかく皆で遊んでいるのに他人ばかり撮っていて楽しいものでしょうか。ここにも妙なこだわりを感じます。

それで美玲のツッコミで皆が不思議がると、真由は「撮るのは好きだけど撮られるのは好きじゃないから」と理由を言いますが、どうもこれは本心ではなさそうです。シンプルに変な言い訳ですし、ここで真由が自分の髪を触っているのも気になる。第1話で真由が登場して以降、真由が自分の髪を触っている場面は2回あり、1つは沙里たちが部活を休んで久美子が心配した際に「辞めたい子は辞めればいい」的な発言を真由がして、その発言が過激だと奏にツッコまれた際に取り繕った時であり、もう1つは全体ミーティングで久美子に真由もオーデイションを受けるべきと言われてその場だけ納得した時です。この2回とも真由は本心を隠して取り繕おうとしている。だから、ここで髪を触りながら「撮られるのが嫌い」と言っているのはたぶん本心では言っていない。おそらく、ずっと北宇治にいた皆の中に自分も混ざることに抵抗があるのでしょう。

ただ、真由自身が皆と仲良くしたくないと思っているわけではない。何故なら、真由はむしろ積極的に皆と仲良くしようとしているし、そういう言動をしている時の真由は自分の髪を触ったりしていないからです。皆と仲良くしたいというのは間違いなく真由の本心なのであり、どちらかというと真由は皆が新参者の自分を疎外しているのではないかと不安を持っていて、遠慮しているのでしょう。思い出の写真の中に自分のような部外者が入っていて、写真を見て誰かに「なんでこの子が入ってるの?」なんて思われるのが怖いのでしょう。それで気が付けば他人の写真ばかり撮って終わってしまうのでしょう。ただ、見た感じでは皆とかなり上手くやっているように見える真由がどうしてそんな疎外感を被害妄想的に持っているのかは謎です。

とりあえず真由に関しては謎が残ったまま、あがた祭りと修学旅行が終わって府大会まで1ヶ月となり、その前に府大会に出るメンバーを選ぶ部員全員参加のオーディションがあるという状況で、それに向けて練習に励む北宇治の吹奏楽部の部員たちの様子が描写されます。ただ低音パートの今年の1年生たちは全員が初心者であり、本人たちもオーディションといっても自分たちがメンバーに選ばれるとは思えない様子です。彼女らにとってはオーディションよりもまず基礎を学ぶことの方が大事であり、基礎を色々教えてくれる上級生に対しては、オーディションで競い合うライバルという意識は無く、ただ尊敬と憧れの対象として見ているみたいです。

それに比べると去年の1年生であった今年の低音パートの2年生たちはもともと経験者が多く、初心者はさつきだけでした。さつきも1年前に新入部員で入ってきた頃は低音パートで1人だけ基礎が全く出来ておらず、今の1年生たちと同じように苦労していました。いや、同じ初心者が他に居ない状況でしたので今年の1年生たちよりも辛い気持ちだったかもしれません。そんなさつきも今では先輩として1年生たちに基礎を教えることが出来るようになっています。まだコンクールメンバーに選ばれたことはないですし、教えられるのも基礎だけなのですが、今年こそはコンクールメンバーに選ばれようと燃えています。そこまで上達したのはさつきの1年間の地道な努力の成果です。そして、1年前の自分と同じ苦労をしている1年生たちの気持ちが誰よりも分かるさつきは同じチューバ担当の1年生のすずめ達に親切丁寧に教えていて、すずめ達からも信頼され慕われています。

一方、同じ2年生でもユーフォニアム担当の奏はもともと経験者として去年入部してきて1年生時にもコンクールメンバーにも選ばれました。今年も当然コンクールメンバーに入るつもりですが、同じユーフォニアム担当には部長の久美子という上級者が居て、更に今年になって3年の転校生として真由という上級者も入ってきて、奏としてもウカウカしていられない。それで焦って練習中に細かいところでミスをしてしまった奏に久美子がミスを指摘して教えてくれたところ、奏がちょっとふざけて「敵に塩を送るとは流石ですね」と茶化したところ、真由が「敵?」と反応してきて、奏はオーディションで競い合う以上はバチバチやりあう敵なのだと強調します。

すると、それを聞いて真由が表情を曇らせて、やはり自分はオーディションを辞退した方がいいのではないかとまた言い出す。自分が選ばれて他の誰かが外されたら申し訳ないという真由の言葉を聞いて、奏はちょっとイラッとする。何度も同じことを言う真由のしつこさもウンザリだったが、外されるのは自分だと言われているようで腹が立ったのです。それで奏が真由に突っかかり、真由は自分が何を言っても奏に反発されてしまうと思ったのか、久美子に助けを求めるような視線を送る。自分が個人的に何を言ったところで奏は反発するだけだろうけど、久美子が部長として何か言ってくれれば奏も納得させることは出来るのではないかとでも言いたげな真由の様子でした。それはつまり、真由は久美子なら部長として自分の意見に理解を示してくれるはずだと期待しているということを意味していた。

真由の言いたいことは要するに「部内の和を重視すべき」ということであり、部長の久美子ならそれは理解してくれるはずだと真由は期待している。そもそも沙里たちの練習ボイコットの一件の時は、真由が「辞めたい子は辞めればいい」と言ったのに対して久美子は反対して脱落者を出さないように行動した。そんな久美子ならばまず部内の和を重視してくれるはずだと真由は思ったのです。

しかし久美子から見れば、真由のオーディション辞退というのはいくら何でも極論すぎて受け入れられるものではなかった。オーディションで実力主義でコンクールメンバーを選ぶというのは滝先生が顧問に就任して以来の北宇治の伝統であり、久美子は1年生の時からその方針の中でやってきた。真由の意見はそれを否定するものであり、それは久美子としては受け入れられない。確かに同じ部員同士で軽々しく「敵」などという表現をした奏にも感心しなかったが、だからといって真由がオーディションを辞退することを許容することは出来ない。

それで久美子は真由にどうしてそんなに「申し訳ない」などという言い方をするのかと尋ねた。すると真由は北宇治でずっと吹いてきた人を押しのけて自分が吹くのは申し訳ないという意味だと従来の主張を繰り返す。それに対して久美子はオーディションで実力のある人を選ぶのが北宇治の方針だと繰り返し、それに反対なのかと真由に尋ねる。すると真由は反対ではないと言う。ただ自分が選ばれて心から喜ぶ人がいるのだろうかとこぼす。別に真由は北宇治の実力主義そのものに反対しているわけではなく、ただ自分が部内で嫌われることが不安みたいです。

それに気付いて、久美子は真っ先に1年生の時の麗奈と香織先輩のことを思い出した。あの時も3年の香織先輩を押しのけてトランペットのソロに選ばれた麗奈は部内で嫌われた。でも、そこで麗奈が実力で香織先輩に勝るからソロを吹くべきだということを皆が認めたことから現在の北宇治の実力主義の伝統は始まった。自分たちはその延長線上に立っている。そしてあの時、自分は真っ先に麗奈が選ばれたことを喜び麗奈の味方になった。だから今回も真由をそんなことで不安にさせてはいけないと思い「喜んでくれる人はいるよ」と言葉をかける。

だが真由に真顔で「誰?」と問い返されると、久美子は言葉に詰まった。具体的に名前が浮かんではこなかった。1年生の時に自分が麗奈の味方をしたのは中学が同じで親友だったからだった。だが真由が例えば自分を押しのけて選ばれたとして、他の部員たちがそれを心から喜ぶかというと、あまりそういう想像が出来なかった。もちろん押しのけられた久美子自身が喜ぶわけもなく、仮に喜んだりしたらウソっぽく見えるだろう。それは奏が押しのけられた場合でも同じで、久美子だって奏が外れて真由が選ばれて心から喜べるかというと自信は無かった。

それでも1年の時の麗奈が最終的に皆を納得させることが出来たのは、麗奈が喜んでくれる人が少ない状況でも折れなかったからだ。再オーディションで潔く引き下がった香織先輩だって当初は心から麗奈のソロを喜んでいたわけではなく、優子先輩を筆頭に面白くないと思っていた部員の方が多かったはずだ。でも麗奈が折れずに自分を貫いて努力を重ねて実績を残していったからこそ、最終的には部員全員が麗奈が吹くことを心から喜んでくれるようになった。そうして北宇治はその年、初めて全国大会にまで進出した。だから、あの方法が正しいのだと久美子は信じてきた。

だが、それは麗奈が特別に強い人間だったからだった。麗奈が嫌われることを恐れずに自分を貫き通せる人間だったから可能だったのです。しかし、実際は真由のように嫌われることが怖い人間の方が普通なのです。そう考えると、久美子は今の北宇治の方針はもしかして麗奈のような特別な人間の存在を前提とした特殊なものであり一般的ではないのかもしれないと自信が無くなってくる。そうした不安を振り払うように、久美子は真由の「誰?」という質問に「部員全員だよ」と言い返し、北宇治は全国で金賞を目指すために実力主義でやっていこうと皆で決めたのだから、実力のある人が吹くことを全員が喜ぶのは当然だと力説する。そうして力説しつつも久美子自身が何となくその言葉に空虚さを感じていた。

その久美子の心中の苦しさを察したのか、真由が「ごめんね、久美子ちゃん部長だもんね」と苦笑して気遣ってくれるが、久美子はまるで自分が部長として建前論を言っているかのように思われているようで心外で「部長とか関係ない!」と反駁する。真由は実際に久美子が部長として建前論を言っているのだと思ったのでしょうけど、久美子は別に部長としてそういうことを言っているつもりはなかった。1年生の時から心から正しいと信じてきた北宇治の方針をただ擁護したかったのです。それは自分の北宇治における高校3年間の全てと言ってもいい。それを最近外からやってきた真由に否定されたくなかった。

すると、そこで奏が口を挟んできて久美子を擁護しようとして、久美子が部長ではない時から実力主義にこだわっていて、オーディションで手を抜くとすごく怒っていたという話をする。これは実は怒られていたのは奏本人であり、1年前の久美子が2年生時の部内オーディションで当時1年生だった奏が3年生の夏紀先輩を押しのけて選ばれて部内で嫌われることを恐れてワザと下手に吹いて夏紀先輩と久美子に咎められた事件のことです。

あの時は夏紀先輩が奏がちゃんと吹かなければ自分が辞退すると言って奏を脅したうえで、久美子が奏を必ず守ると約束して奏を納得させたことで奏は考えを改めて真面目にオーディションに臨んだのだが、結果的に3人とも選ばれたから上手くいったのであり、もし仮に副部長の夏紀先輩が外されていたらやはり部内で何らかの問題は生じて奏は苦しんでいたと思う。何故なら奏は麗奈ほど強い人間ではなかったからです。だから久美子としてはあの一件を持ち出されてもやはり自分の心に生じた揺らぎは収まるわけではなかった。だが真由の方は久美子が過去にも実力主義を貫いて、オーディションで実力を発揮したことで部内で嫌われた者も擁護してくれたのだと知って、ちょっと安心したような表情になる。

久美子の方は真由とのやり取りで調子が狂ってしまい、改めて1年生の時の麗奈と香織先輩の一件のことを思い返して、結果的にあれで正しかったのだと思い、全国で金賞を目指すために北宇治はあの方針で行くのが正しいのだと自分に言い聞かせる。ただ、それを真由やその他多くの普通の感性の新入部員たちにどう納得させるかはかなり難しい問題だと思った。そうした迷いの中で別教室でトランペット組を指導している麗奈の姿を見て、麗奈はブレないから指導も堂々としていて羨ましいと思い、自分も見習わねばいけないと久美子は思います。

そして部活が終わり帰宅することになり帰り路の途中で久美子は立華高校の吹奏楽部の部長の佐々木梓と久しぶりにバッタリ会う。中学時代の親友である梓と久美子は途中の公園で寄り道して進路の話をしたりする。そこで久美子は梓が音大を目指しているがプロ奏者になりたいと思っているわけではないと聞いて、ちょっと驚く。音大を目指す人はみんな麗奈みたいにプロ奏者になろうと考えているものだとばかり思っていたのです。しかし梓に言わせれば麗奈のようなケースの方がレアなのだという。梓は音楽に関わる仕事に就きたいから音大を目指すのだという。むしろ今音楽をやめて普通の大学に行ってしまったら音楽と縁が切れてしまうかもしれない。それが怖いからとりあえず音大に行って、将来何らかの形で音楽に関わって生きていく余地を残しておきたいのだ。そんな動機で音大を目指してもいいのだろうかと久美子は思うが、梓は音楽を続けていけば何かやりたいことが見つかると思っているのだという。そう言われると、久美子は今やりたいことが見つからないからといって音楽を辞めてしまうのは間違っているような気がしてきた。少なくとも麗奈のようにプロ奏者を目指すだけが音大進学の理由ではないのだということは分かった。そして梓の言葉を聞いて、子供の頃から音楽に関わってきた自分にとって音楽を縁を切ることはそう簡単な決断ではないということも分かった。

そうして遂にオーディションの日がやってきて、久美子は真由のことが心配だった。あんなふうに部内で嫌われることを恐れていた真由が去年の奏のようにワザと下手に吹いて自分が外されるように仕向けるのではないかと不安だったのです。もしそんなことになれば自分は去年の夏紀先輩みたいにオーディションの部屋に乱入して中止させるべきなのだろうかとも考えたりしていた久美子だったが、そうした心配は杞憂に終わった。真由はいつも通り上手に吹いたのです。

それで久美子は安堵したが、先だって揉めた時はあまり納得した様子でなかった真由が考えを改めたとは思えず、どういうことなのだろうかと困惑もした。だが、よくよく考えると真由は最初から何も変わっていなかったのではないかと思えてきた。そもそも最初から手を抜くつもりだったなら去年の奏みたいにオーディションの時に急に手を抜けばいいのであり、前もってやる気の無さそうな素振りなど見せたら逆効果です。だから真由は最初から手を抜くつもりなどは無かったのです。つまり自分が手を抜かずオーディションで高く評価されることは分かった上で、その後で部内で嫌われることを本気で心配していたのです。

「真由が本心を偽るときは髪を触る」という癖があるとすると、つまりこれまで真由の言っていたことはほぼ全て本心だったということになる。沙里の一件の時に口にした実力主義や結果主義的な考え方も本心であり、同時に皆と仲良くしたいというのも本心だったのです。また、真由のその「皆と仲良くしたい」という心理の背景には「自分が皆に疎外されるだろう」という被害妄想的感情があるということも考え合わせると、真由は「自分は手を抜かず実力主義を押し通すゆえに皆に嫌われやすい」「だから皆と仲良くしておいて嫌われないようにしておきたい」という心理を抱いているように思える。

これは何だか矛盾した心理のように思えるが、実際に矛盾しているのでしょう。真由は小心者で皆と仲良くしていないと不安な人間なのでしょうけど、同時に音楽に関しては全く妥協が出来ない人間なのでしょう。真由は吹奏楽部に入った時に「合奏が好き」と言いながら、北宇治を選んだ理由は「このあたりで一番吹奏楽のレベルが高かったから」とも言っていた。それでいてコンクールメンバーになることは望んでいなかったのだから、単純に合奏がしたくて吹奏楽部に入ったのでしょう。そして合奏をするならレベルの高い部活が良いと言っている。コンクールは関係なく合奏を楽しむだけならば自分のレベルを落として楽しむことだって出来るはずなのに、レベルの高い合奏をあくまで望むということは、真由はおそらく周りに合わせて自分のレベルを落とすということが出来ないのです。それで自分だけ上手で浮いてしまうことを恐れて出来るだけレベルの高いメンバーで合奏することを望んでしまうのでしょう。つまり音楽に関しては妥協したくても妥協が出来ない非常に不器用な性分なのでしょう。

これは真由本人も持て余している性分なのだと思います。ここで真由がフィルムカメラを好んでいる理由について考えてみると、特に凝った写真を撮るわけでもなのにフィルムカメラを好む理由はおそらく「一発勝負が好きだから」なのでしょう。フィルムカメラはデジタルカメラと違ってどういう写真が撮れるかは現像するまで分からないし、下手したら撮れていないかもしれない。撮り直しも出来ない。だから一発勝負なのです。つまり真由はイチかバチかの勝負が好きな勝負師なのであり、それは写真を撮る時とユーフォニアムの演奏をする時だけの傾向なのでしょう。普段の真由は温厚で心優しくて気が小さくて皆と仲良くしていないと不安な人間なのだが、いざ音楽となると妥協が出来なくなり、いつでも全力で一発勝負に出る。それゆえに嫌われてしまうこともあって真由はそんな自分の性分を嫌っているのだが、それでもその性分を変えることは出来ない。もともと居た聖良女子では周囲はみんな真由の実力も努力も認めていたし慣れてくれてもいたので大丈夫だったが、北宇治に転校してきて真由は自分がこの性格のせいで皆に嫌われてしまうのではないかと本気で心配して、それで出来ればオーディションを辞退したいとまで言っていたでしょう。オーディションを受けたら自分が絶対に妥協しないことは真由自身が分かっていたからです。

だが、真由は久美子が実力主義を建前だけではなく心の底から信じているのだと聞いて、少なくとも久美子だけは最後まで自分の味方をしてくれるのだろうと安心することは出来たようです。それで爽やかな気持ちでオーディションに臨み、いつも通りの見事な演奏を披露した。そして、その演奏を聞いて、だいたい真由という人間を理解できた久美子は、真由が全力で勝負するに足るライバルだと知り、恐ろしさを感じながら、同時にとても気合が入った。

そうしてオーディションの結果、ユーフォニアムのメンバーは久美子と真由と奏の3人が選ばれ、ソロは久美子が吹くことになった。この結果に真由も安堵したようであったが、それは皆と仲良くしたい小心者の方の真由の話であり、音楽に妥協しない勝負師の方の真由の見方はまた少し違っていたことでしょう。真由は久美子の言っていた「北宇治は実力主義」という話を信じたのだが、その信頼は少し裏切られたように感じたかもしれない。

まずチューバのパートでは葉月が3年目にして初めてコンクールメンバーに選ばれたのは葉月本人の努力の賜物であったと見ていいですが、さつきが落ちて1年生のすずめが選ばれたのは意外な結果でした。これに関しては発表時は低音パートの全員が驚きの反応を示し、すずめ本人も全く予想外であったようです。そして、さつきは可哀想なほど落ち込んでいたが葉月に今年はこれが最後のチャンスじゃないと励まされて元気を取り戻した。だが、去年の関西大会での敗退後に葉月とさつきと3人で来年はコンクールメンバーになろうと誓いあっていた美玲はこの結果に納得がいかず久美子に抗議してきた。

実力は明らかにすずめよりもさつきの方が上でした。そしてそれは積み重ねてきた努力の量の差でもある。久美子が実力主義が皆に受け入れてもらえると思っている根拠は「実力を評価することは努力を評価することと同義」と考えるからです。努力が正当に評価されている限り、文句を言う者は出ないはずだと久美子は思っていた。真由の件は「北宇治で重ねてきた努力」ではないから見えにくいというだけのことであり、真由はしっかり努力はしてきているのだからその実力は正当に評価されるべきだと思えた。だが、さつきとすずめの件は別だった。さつきの積んできた努力の量はすずめの遥か上であり、これですずめの演奏がさつきよりも遥かに上手かったのならともかく、オーディションの演奏自体がさつきの方が上手かった。だから、それですずめが選ばれてさつきが落ちるというのは、さつきのこれまでの努力の否定であり、美玲が不満を言うのも仕方ない。久美子自身も不満を感じていました。これではさつきが吹奏楽を嫌いになってしまうかもしれないとも思えて、1人も脱落者を出したくない久美子にとっては大問題でした。

久美子は美玲に対して「滝先生は常に全体を見て、どうしたら良い演奏になるか考えてると思う」と言って美玲を宥めようとしたが、美玲は久美子の判断を信じると言ってくれて意外にあっさり引き下がった。美玲も府大会の前に揉め事を起こしたくはないのだという。但し、美玲は「ずっと指導を受けてきた今の3年生と違って、1、2年生は滝先生をそこまで神格化していません」と言い残した。それを聞いて、久美子は自分たちの学年だけが特殊なのかもしれないと思った。

よくよく考えれば、滝先生が赴任してきてから3年間ずっと指導を受けているのは久美子の学年だけだった。あすか先輩たちの学年は半年ほど指導を受けただけだったし、優子先輩たちの学年も1年半ほど指導を受けただけだ。そして奏や美玲たちの学年はまだ1年ちょっとしか指導を受けておらず、新1年生たちはまだ滝先生とは出会ったばかりのようなものです。「滝先生を信じてついていけば間違いない」なんて言っているのは自分たちの学年だけかもしれないと久美子は思った。そう考えてみれば、あすか先輩たちや優子先輩たちからそんなセリフはあまり聞いたことがないように思えた。そんなセリフを吐いていたのはよくよく考えたら麗奈だけであり、いつしか久美子も麗奈の影響を受けてそんなふうに考えるようになっていただけかもしれない。

実際、久美子は今回の滝先生の決定を不可解だと思っている。久美子でさえそうなのだから、美玲やさつきが不可解だと思うのも無理はない。そして滝先生を神格化するほど長く指導を受けていないという意味では真由も同様であり、真由の目から見れば、今回のオーディション結果は久美子が言っていた「北宇治は実力主義」という言葉とはズレがあるように見えたかもしれない。また、真由は今回の曲ならばユーフォニアムは2人編成だと思っていたが結果は奏も含めての3人体制となった。それは真由には何らかの配慮が働いたように見えたかもしれない。また、ユーフォニアムのソロは久美子になったが、それはあくまで麗奈のトランペットとの相性を考えての結果かもしれない。久美子の言うような完全実力主義で選んだならば真由がソロだったかもしれない。こうした結果は真由に「久美子に裏切られた」と不安に思われても仕方ないものだったかもしれない。しかも、そうしたモヤモヤした不信感は実は久美子自身も感じていたものでした。

そうしたモヤモヤ、3年間信じてきたものが揺らぐ気持ちを落ち着けようとして久美子がいつもの1人練習の校舎裏であすか先輩から貰った楽譜を開いて「響け!ユーフォニアム」を吹いていると、そこに真由がやってきて何の曲なのかと聞いてくる。真由としてはオーディション結果に何かと思うところはありつつも、それでも久美子は自分の味方になってくれると信じて距離を詰めようとしてきているのだが、久美子の方は「響け!ユーフォニアム」について詮索されることは自分の3年間を詮索されるような気がして、そこが揺らいでいる今、真由にそこをかき回されるのは勘弁してほしいと思ってしまい、つい真由に冷たい態度をとってしまい、真由はちょっと傷ついた様子で去っていきました。

その後、久美子は部活終わりに鍵を返しに行った際に滝先生にさつきとすずめの件について質問した。すると滝先生はさつきの方が上手いことは認めつつ、すずめの音量が全体の完成度を高めるために必要なのですずめの方を選んだのだと説明したが、それを聞いて久美子はモヤッとしてしまった。それはつまり結果を出すためにさつきの努力を否定したということになる。しかもすずめは高度な技術が必要な高音域は吹かない方がいいとも滝先生は言うが、何だか勝つためにすずめを駒のように使うだけですずめを演奏者としてちゃんと見ていないように思えて不快だった。

それでも久美子は滝先生を信じたいと思った。滝先生を信じてついていけば全国に行けるのだと思いたかった。実際、滝先生は勝つために一生懸命なだけでそこには善意しか無い。滝先生の戦略通りにやれば勝てるだろう。久美子たちにとって最後の年なのです。絶対に勝たなければいけない。そのためには滝先生を信じるしかないと久美子は思った。それで久美子は滝先生に「先生は私たちを全国に連れていってくれるんですよね?」と問いかける。久美子は滝先生に「そうです。私を信じていれば大丈夫です」と言ってほしかった。だが、滝先生はそれは違うと言う。「皆さんの力で行くんです」と言われて久美子はハッとして「すみません」と謝り、滝先生はニッコリ笑ってユーフォのソロを楽しみにしていると言って久美子を送り出してくれた。

滝先生は確かにある意味では間違った判断をしている。確かに勝つためには必要なことなのかもしれないが、そのために生徒たちに犠牲を強いている。それは間違っている。でも、それは滝先生だって分かっているのです。以前に滝先生は自分のやっていることが「子供の延長線上」と言っていたが、こういうのがまさしく子供の延長線上なのです。結果を出すために人を犠牲にしてしまう傾向が滝先生にはある。だが滝先生は自分にそういう悪い傾向があることを自覚した上で、「俺を信じてついてくればいいんだ」なんて傲慢な態度ではない。特にずっと指導してきた久美子たちに対してはかなり自主性を重視しており、滝先生を神格化して頼り切りになるのではなく自分たちの力で全国に行くという意識を持たせようとしてくれていた。滝先生の足りないところは久美子たちが補えばいいのです。それを滝先生は受け入れてくれる。

そういう意識を勝手に無くしていたのは久美子たちの方だったのであり、特にそれを主導してきたのは麗奈だった。そんな麗奈と一緒に下校しながら、自分と久美子のソロと滝先生がいればきっと全国に行けると無邪気に笑う麗奈を見ながら久美子は複雑な心境になる。久美子も1年生の時や2年生の時はそういう真っすぐな気持ちでただひたすら勝つことが全てだと思うことが出来た。しかし部長になってから、勝つことだけが全てではないと思うようになって迷いが生じてきた。府大会を目前に控えて、むしろ久美子はそんな麗奈の真っすぐさが羨ましくも思えた。だが、その麗奈の方も、何やら進学コースの担任と進路について何か話をしていたようで、それについて何故か言葉を濁す。麗奈の音大一本かと思われていた進路にも何か変化があるのかもしれません。それでもとにかく久美子は最後の年にどうしても全国に行かなければいけないのだから前を向いて吹き続けるしかないとの思いで練習に励み、遂に府大会当日を迎えたところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

鬼滅の刃 柱稽古編

第1話を観ました。

今回は柱稽古の開始のお話。最初はアニオリで風柱の不死川と蛇柱の伊黒の鬼狩りの話。廃城に集まった鬼たちを討伐していったところ無限城を垣間見るというもの。この戦闘シーン自体は特に面白くもなかったが最後に無限城を見せるというアニオリは良かったと思う。その後は刀鍛冶の里編の後の療養中の炭治郎の様子を描き、そこでの会話劇で刀鍛冶の里編の後日談などを語っていく。柱会議では痣の問題が議論され、柱稽古をすることが決定され、柱稽古が始まる。柱たちは痣の発現が急務となりますが、皆が前向きになる中、どういうわけか水柱の富岡の様子がおかしい。というか、いつも通りだが、1人だけ打ち解けようとせず非協力的です。一方、刀鍛冶の里編のラストで太陽の光を克服した禰豆子を無惨が狙ってくるだろうと予想され、禰豆子について研究している珠緒のもとに病気で動けなくなったお館様からの使いが来て、手を組もうと持ち掛けます。

今回は大体そういう内容で、実質的には話は大して進んでいません。まぁ今回はほんの導入であって次回以降に期待ですね。といっても柱稽古編はそんなに盛り上がるわけでもないので過度に期待はしていませんけど、まぁ普通には見れると思ってます。過去編なんかで盛り上がればもうちょっと評価も上がっていくでしょう。ただおそらく7~8話で終わるでしょうから話数補正で順位は半ランク分下げますので実質の面白さよりは地味な順位にはなると思います。

 

 

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

第6話を観ました。

今回は前回のエピソードの2年後、アルスが11歳になって父親レイヴンが病気が重くなりアルスが若くしてローベント家の跡を継ぐ可能性が高まりアルスは焦ります。そんな中、ミーシアン州の総督が暗殺されてしまい残された息子兄弟の跡目争いが本格化することになり戦争の可能性が高まる。ローベント家の治めるランベルクの属するカナレ郡の郡長のルメールは兄のクランの側につくと思われ、その場合はローベント家もそれに同調することになる。

そんな中、ルメールからカナレ郡内の領主たちに招集の呼びかけがあったがレイヴンが病気で動けないのでアルスが出向き、そこでアルスは初めてルメール郡長やその他の領主たちと顔を合わせるが、皆温かく迎えてくれた。その中にはリシアの父親のハマンドも居て、リシアがアルスと出会ってから明るくなったと言い、最近アルスが多忙でリシアへの手紙が滞りがちであったのでリシアが不機嫌になっているのはよほどアルスに惚れているからなのだろうと認めてくれて、アルスはハマンドに娘を幸せにしてほしいと頼まれる。

ルメールの話は戦争は必ず起きるので備えておいてほしいというものであり、アルスは期待に応えようと張り切ります。このあたり戦国時代の小領主の物語っぽくて面白い。それでアルスは剣術の稽古にもこれまで以上に励みます。鑑定スキルを持ってはいるもののアルス自身は特に取柄もない人間であり、先だっての模擬戦で初めて部隊の指揮をしてみた時も結果は散々であり、アルスは戦争が迫っていて父親も動けない中、自分がもっとしっかりしなければいけないと焦っていた。

アルス自身の力がまだ足りないのは子供であり経験も少ないので仕方ない面もあったが、アルスの場合は鑑定スキルのせいで戦場での敵兵士のスキルが見えてしまい、それが全て自分を上回っているのでどうしても怖くなってしまう。実際にはリーツ達が守ってくれるので自分の身に危険は及ばないであろうけど、そうやって自分が怯んでしまい堂々と出来ないままでは兵士たちの士気が上がらない。それでアルスは自信をつけるために実戦での経験が必要だと考えていた。

そうしていると、ミーシアン州の内紛に付け込んで隣のサイツ州の軍勢が攻め込んできて、ローベント家は出陣することになる。そこでアルスは自分が軍を率いることにして初陣となりますが、そこにレイヴンが割って入ってきて自分が軍を率いると言い出す。まだアルスには早いと言うレイヴンにアルスは父は病気だと反論しますが、レイヴンは家や領地の安寧のために死ぬのは本望と言い、更にアルスに「お前はまだ戦士の顔になっておらん」と言う。そして死刑囚の斬首をアルスの目の前で執行して、それを見て動じなければ今回の戦の指揮を許可すると言う。しかしアルスは死刑囚の首が飛ぶのを見て嘔吐してしまいます。

レイヴンは最初は自分もそうだったと言ってアルスを慰めつつ「この程度で動転する者に軍勢の指揮は出来ない」と、まだアルスには時期尚早であったことを告げ、軍勢はレイヴンが率いることになり、アルスは城に残されてしまう。そして取り残されたアルスは、周辺情勢の悪化や父の病気という事態は明らかであったというのに戦争に対する覚悟が足りていなかった自分がいかに未熟者であったか思い知らされて打ちのめされるのでした。

 

 

無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール

第18話を観ました。

今回はまずラノア魔法大学に通いながら平穏で幸福な日々を過ごすルーデウスの様子が描かれる。妹のノルンとは和解してすっかり仲良くなり、かねてから恩人ルイジェルドのためにやろうと思っていたスペルト族の名誉回復のための著作に取り掛かったりしたり、アイシャと一緒に買い物に行ったり甘えてもらったりして嬉しく思う。ノルンは健気で不器用なのが可愛いし、アイシャはあざといのが可愛い。

ナナホシの研究の方は順調に進んでいたが、召喚実験の新たな段階に進むためにナナホシは召喚魔術を教えてくれたという人物に会いに行かねばならないのだという。この人物については未だにルーデウスは全く知らないのだが、おそらく物語の上で重要キャラなのだと思われる。とにかく現時点ではルーデウスは会う予定もないが、この人物が作ったという魔法陣をナナホシから報酬として貰うことは出来た。ザノバの人形やフィギュアの研究も順調で、クリフのエリナリーゼの呪いを解く研究も一歩ずつ進んでいる。ルーデウスはそれら友人たちの研究に協力しながら充実した日々を送っていた。

そんな中、シルフィが妊娠したことが分かり、ルーデウスは感涙する。シルフィはアリエル王女から2年間の休暇を貰い、その間はエリナリーゼがアリエルの護衛を引き受けてくれるという。ルーデウスは幸せの絶頂を感じて、父パウロや母ゼニスやリーリャ達も戻ってきてこの屋敷で暮らしてもらい、パウロ達に初孫を見せてやるという未来を夢見る。ところがその幸せの絶頂に水を差すように「ゼニス救出困難、救援求む」という手紙がギースから届く。

それでルーデウスが愕然としていると、その夜にルーデウスは久々に夢の中でヒトガミに会う。以前にヒトガミに「ベガリット大陸に行くと後悔するから行かないように」と言われていたルーデウスは、母ゼニスが飛ばされたのがベガリット大陸であることから、今回の救援依頼についてどういうことなのかとヒトガミを詰問する。自分がベガリット大陸に行かずに母をこのまま助けられなかったら後悔するに決まっており、それならヒトガミの言っていたことはデタラメだったのではないかとルーデウスは怒り心頭です。

だがヒトガミはルーデウスが今ベガリット大陸に行ったら後悔するという自分の言葉は間違っていないと言う。ベガリット大陸に行くには片道1年かかる。つまり今の幸せな生活を捨てなければいけない。だから後悔することになるというのがヒトガミの理屈です。その理屈にルーデウスも納得し、一応ヒトガミが嘘を言っていないと信じることにした。しかし、私はやっぱりヒトガミは何か隠しているように思う。ルーデウスはベガリット大陸に行くことによって、現在の幸せを捨てること以外に更に重大な災難に見舞われることになるのではないか。それをヒトガミは知っていてルーデウスには隠しているように思えてならない。

まぁそれはともかく、ルーデウスはヒトガミに対する怒りを一旦収めて、夢の中に現れたヒトガミが自分に何か助言をしようとしていることは分かっているので、ひとまず今回の助言を聞いてやることにした。ところがその内容が「リニアとプルセナのどちらかと肉体関係を持て」というワケの分からないものだったのでルーデウスは困惑する。とりあえずそれは置いていおいて、ルーデウスは妊娠したばかりのシルフィのためにベガリット大陸には行かないことにした。だが、その代わりにエリナリーゼがゼニス救出に向かうと言い出しクリフとは別れると言う。ザノバには不安なら行くべきと言われる。そして、ルーデウスが行かないのならばノルンが母の救出に行くとまで言い出し、ルーデウスは遂にゼニスを救い出すためにベガリット大陸に行くことを決断する。今回はそこで終わり、次回からはいよいよ「転移迷宮編」が始まるみたいです。ただ来週は特番でお休みみたいですね。

 

 

死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)

第30話を観ました。

今回は舞踏会のお話の続き。まずダレスが恥ずかしがっていなくなったのでウォルターが探しに行き、舞踏会場ではヴィオラがバイオリンを弾くことになったが緊張して弾くことが出来ないところを、甲冑の中に入って舞踏会場に来ていた坊ちゃんがピアノで伴奏をして助け舟を出して、兄と妹のセッションで奏でられた曲でお客様たちは踊ります。そんな坊ちゃんの姿を見て母ガーベラは坊ちゃんの頭を撫でてやりたくなるが、呪いのせいでそれは叶わない。

一方屋根の上に逃げていたダレスを見つけたウォルターはダレスに思っていることを何でも言ってほしいと言い、ダレスはキスしてほしいと頼む。あくまで人間になるための千の行程の最後の仕上げとして人間にキスしてもらわねばならないという意味で頼んだのだとダレスは言うが、ウォルターは数多い人間の中で自分をキスの相手に選んでくれたことに感謝しつつも、それは出来ないと断ります。ダレスはやはり自分ではダメなのだと絶望しますが、ウォルターは自分は貴族なので結婚相手以外とはキスをしないと決めているのだと言い、ダレスに結婚を申し込み、もし自分と結婚してくれるというのならキスをしようと言う。そして2人は屋根の上で手を取り合って踊り、更に舞踏会場に戻ってダンスをします。

そして舞踏会が終わり、そこでニコがやってきて、1週間後に過去に戻ってシャーデーに会いに行くことが決まったと坊ちゃんに伝えてくれた。そして坊ちゃんは帰り際に母ガーベラに挨拶し、1週間後に呪いを解くために過去に行くことを伝え、改めて自分のことをどう思っているのか尋ねる。ガーベラは長男として坊ちゃんに跡を継いでもらいたいと思っていること、そしてアリスとの結婚は身分違いなので認めるわけにはいかないことを伝え、坊ちゃんは更にガーベラの真意を聞こうとするがガーベラは疲れて寝てしまう。それで坊ちゃんは子供の頃にガーベラに優しくしてもらったことを今でも大事に覚えていると眠ってしまったガーベラに伝えて立ち去っていくが、ガーベラは起きていて坊ちゃんが去った後に自分も坊ちゃんを大事に思っていると本心を言う。そして本邸から馬車に乗って帰ろうとした時、旧友のフィリップと再会の約束をして和解し、ヴィオラはピアノを弾いて助けてくれたことの礼を言ってくれる。

帰りの馬車の中ではアリスが母シャロンから聞いた話をする。シャロンはシャーデーに眠りの呪いをかけられた時に、眠りにつく代わりにアリスの病気を治すという約束をしたことを思い出し、シャーデーは約束を守ってくれたのだと感謝し、だからこそシャーデーの気持ちを分かってやれなかったことを悔いているのだという。そして坊ちゃんにシャーデーを救ってやってほしいとも願っているのだという。アリスもシャーデーを救えるのは坊ちゃんしかいないと言ってくれる。しかし坊ちゃんは結果がどうなろうとも、あと1週間でアリスと共にいられる時間が終わってしまうのではないかと感じていた。呪いが解ければ跡継ぎとなりアリスとは引き離されてしまう。呪いが解けなければ家を追い出されてアリスとも一緒にいられなくなると思ったのです。それでもあと1週間を大切に過ごしながら前に進むしかないと決意する坊ちゃんでありました。そういうところで今回は終わり次回に続きます。いよいよ最後の作戦が迫ってきてようやく盛り上がってきましたね。

2024年春アニメのうち、5月11日深夜に録画して5月12日に視聴した作品は以下の5タイトルでした。

 

 

ワンルーム、日当たり普通、天使つき。

第6話を観ました。

今回はとわの妹分のしうちゃんという幼女天使が天界からやってくる話から始まります。ずいぶんととわを尊敬して慕っているようで、とわが地上に降りてきてまだ1週間しか経っていないのですが、とわと離れて暮らすのが耐えられないようで、とわを天界に連れ戻すために地上に降りてきたようです。どうして森太郎の家にとわが居ると分かったのかというと、とわの気配がわかるからみたいです。

それでしうちゃんはとわがあばら家に住んで家事をやらされていると知って、もともと人間の男はエッチで変態だという偏見を持っていたので森太郎に対して激怒して殺すとか物騒なことを言い出す。まぁ人間の男がエッチで変態なのは間違ってはいないが。とにかくとわは家事は自分が好きでやっているのだと言い、ミルクを飲ませるとしうちゃんの怒りは落ち着いた。

しかし、とわを連れ帰るというしうちゃんの意思は変わらず、とわは自分は人間界のことを勉強しなければいけないので帰るわけにはいかないと拒否します。だが、せめてこの狭い部屋から少し外に出ようと言うしうちゃんに対してとわが自分は森太郎に勝手に部屋を出ることを禁じられているのだと説明すると、しうちゃんは「外に出ることも出来ずにどうやって人間界のことを勉強するのか」「そもそもどうやって人間界のことを勉強するのか」と矛盾点を突いてくる。

そしてとわが閉じ込められていることに怒り、やはり天界に戻るようにととわを説得しようとするが、とわは自分が人間界に来たのは神様の意思だと言ってあくまで拒否する。それでしうちゃんはせめてとわと森太郎を引き離そうとするが、森太郎が天使であるとわの人間界での不慣れゆえの変な行動も全て善意に基づくものとして理解し受け止めていることを知る。それでもとわを連れ帰りたいしうちゃんは森太郎の言っていることは嘘だと決めつけるが、とわは森太郎を信じると言う。

森太郎はただ家に置いてくれただけではなく、自分のことを心配して色々と親切にしてくれた。だからその親切のお返しをするために、自分は森太郎のそばにいて幸せにしたいのだととわは力説し、プロポーズみたいなことを言われて森太郎は照れる。だがしうちゃんは拗ねて部屋を出ていってしまい、屋上の菜園に行ってみると、そこでションボリしていた。とわはしうちゃんの無礼な発言を森太郎に詫びるが、森太郎はしうちゃんはとわのことが好きなだけなんだろうと言い、気にしないと言う。それを聞いてとわはしうちゃんが自分を想って会いに来たのに優しくしてあげなかったことを反省して、しうちゃんを抱きしめてあげます。それでしうちゃんも大泣きして、そこで神様が決めたしうちゃんの地上での行動の制限時間が終わり、しうちゃんは天界に強制送還されてしまう。その去り際にしうちゃんはとわを信じて森太郎のことを悪い人間ではないと認めると言い残すが、同時にとわに悪いことをしたら許さないとも言って去っていきました。

こうして一件落着とはなりましたが、とわは確かにしうちゃんに言われたようにこれまでどうやって人間界の勉強をするのか深く考えていなかったことを反省し、森太郎もトラブルを避けるためにとわを家から出さないようにしたままでは確かにとわの人間界の勉強の役に立たないことに気づき、改善しなければいけないと思った。それで今後は夕食後に2人で外を散歩して、とわを人間界に慣れさせていき、いずれは昼間に森太郎が学校に行っている間は1人で外出して人間界の勉強が出来るようにしていこうということになった。それでとわは人間界に来て森太郎に出会えて本当に良かったと思うのでした。

そうして森太郎はとわと一緒に夕食後に散歩するようになり、とわも次第に人間界の習慣などを覚えていったが、それでもまだまだ1人で出歩かせるには不安がいっぱいであったので森太郎は慎重姿勢です。そんな中、テレビで近場のフルーツサンドの店の紹介をしていたのを見た森太郎の話を聞いて、これまでテレビの中に映るものは全て架空の存在だと思い込んでいたとわはビックリして目を輝かせて、その様子を見て森太郎は一緒に店に行こうと誘う。

そうして初めてとわは電車に乗って、自動改札機で苦戦したりするが店のある場所まで行き、2人でフルーツサンドを食べて、その後は街を散策して色々と店に寄ったりする。そして公園に行きスワンボートに乗り、とわがはしゃいで足でボートを漕ぐとスカートがめくれてパンツが見えそうになったりする。そうして楽しくデートみたいな時間を過ごしますが、イライラして歩いている女性がとわにぶつかって、とわが転んでしまうが女性は謝りもせず立ち去っていき森太郎は憤る。そして人間の身勝手のせいでとわが傷つくことを申し訳なく思うが、とわは「自分のことを大切に出来なければ他人を大切には出来ませんから」と言って人間の身勝手さを肯定してくれる。その優しさに接して、森太郎はとわに出会えて良かったと思うのでした。

 

 

怪獣8号

第5話を観ました。

今回はカフカとレノに防衛隊の試験の合否結果が届き、レノは合格し、カフカは不合格となりますが3番隊の保科副隊長の預かりで隊員候補生として防衛隊の一員となることが出来た。保科は表向きは二次試験の際のカフカの献身的な働きを評価したのだと言いますが、内心では二次試験後の怪獣復活事件の際に謎の強力な怪獣反応の出現と同時にカフカの生体反応が一時的に消えていたことに違和感を感じており、その違和感の正体を確かめるためにカフカを手元に置こうと考えていた。

そうして入隊式に臨んだカフカやレノであったが、そこにやってきたキコルに呼び出されて、二次試験の後の怪獣復活事件の際にカフカが怪獣に変身した件について内密に問い詰められて、カフカは真実を全てキコルに打ち明けて、このことは内密にしてほしいと頼む。キコルはそれを了承するが、同時にもしカフカが人類の脅威となるのならその時は自分がカフカを殺すと宣言し、カフカもその時は頼むとキコルに誓います。

その後はカフカも含む新入隊員たちの訓練の様子が描かれ、カフカがずっと夢見ていた仲間たちとの充実した時間を過ごす様子が描かれます。またカフカがミナと幼馴染であることやミナとの約束を果たすために防衛隊を目指していたということも仲間たちには知られるようになり、そのことを耳にした保科副隊長にはカフカは自分はレノの隣に立つために副隊長の座を奪うぐらいの覚悟で頑張ると誓う。そうした中、遂に新入隊員たちの初の実戦が開始されるところで今回は終わり次回に続きます。

 

 

烏は主を選ばない

第6話を観ました。

今回はまず若宮のもとに来た長束歯の側近の敦房が若宮の即位を後押しする代わりに即位後は長束を守ってほしいと頼んでくる。もともと長束派は穏健な集まりだったが最近になって過激派が入り込んで困っているのだという。長束の真意は山内の安寧であるそうです。それで若宮は敦房の申し出を受け入れ、その代わりに敦房に何事かを依頼する。

一方、桜花宮では藤波の意思を承けてあせびが琴を披露することになり、見事な演奏で皆を魅了しますが、その琴が宗家のものであることから本来中立であるべき藤波があせびに肩入れしていることが分かり、あせびが不正を働いたかのように非難され、更にあせびの亡き母親のことまで侮辱される。それで藤波はあせびに詫びて、あせびに入内してほしいと伝える。

そして七夕の日になり若宮は初めて桜花宮に出向くことになるが、敦房からの報せが来て、急遽若宮は南家の屋敷に行き、雪哉は代わりに桜花宮に行き若宮が来られなくなったことを詫びますが、その際にこれまで若宮が桜花宮の姫たちに出していた文が何者かに妨害されて届いていなかったことが判明する。そんな中、桜花宮では白珠は浜木綿の秘密を知っていると詰め寄り、入内を辞退して自分の入内を助けるようにと要請する。一方、若宮は南家の屋敷に押しかけて、その場に来ていた長束と対面するというところで今回は終わります。ただ、そろそろ視聴も限界かなと思います。原作は名作らしいのですが、若宮と雪哉のやり取りは面白かったけど、それ以外は結局どういうことを描きたい話なのかここに至るまでよく分からないままでした。見たまんま王朝の権力争いだとするならあんまり興味も無いですし、そういうわけで今回で視聴は打ち切らせていただきます。

 

 

夜のクラゲは泳げない

第6話を観ました。

今回は地下アイドルのみー子のお話でした。前回はまひるが再び本格的に絵を学び始めるお話で、各メインキャラが集まって再起して成長していく物語が完結した感があり、中締めという印象でした。おそらく次回からのクール後半戦はサンフラワードールズや花音の母の雪音なども絡んできてJELEEのフォロワー10万達成を目指しての怒涛の展開が始まるのだと思われ、クール前半戦と後半戦の間の今回はちょっと小休止のエピソードであったと思います。

それは第1話の花音とまひるの出会いの場面に絡んでいた地下アイドルのみー子が再登場して、みー子の楽曲をJELEEが提供することになるというお話で、JELEEの4人に関するメインストーリーは特に進展は無く、みー子がメインの物語が描かれたものであり、JELEE4人の出番はガッツリと多いので「夜のクラゲは泳げない」のスピンオフとまでは言わないが、サブストーリー的な位置づけと言っていいでしょう。ただ、みー子とその娘アリエルのキャラがムチャクチャ良かったので、1話完結のギャグ多めでちょっと感動できるエピソードとして完成度が高くて非常に良回でした。

まず冒頭は、「渋谷アクアリウム」がバズって活動も順調のJELEEですが、その次の曲は花音の歌詞作りが少し行き詰ってしまい、歌詞待ちで少し皆がヒマになる。そこでキウイの提案で、JELEEのDMに届いていた依頼を引き受けることになるが、その依頼というのはトップアイドルを目指して上京したけど上手くいかなくて地下アイドルをやっている人からの依頼で、JELEEに楽曲制作を依頼したいというもの。しかし、その依頼人の名前は「みー子」といい、花音がハロウィンの夜に地下アイドルのゲリラライブを乗っ取った時のあの地下アイドルでした。

会ってみると、驚いたことに普段は17歳と自称しているみー子は実際は31歳であり、もう地下アイドルを14年も続けていて、次の曲がバズらなければ事務所を退所させると宣告されてしまっているのに誰も楽曲を作ってくれないという崖っぷちの状況で、それで変な縁のあるJELEEに縋ってきたようです。花音たちは想像以上に重い状況に尻込みして依頼を断ろうとしますが、ハロウィンの時にみー子に迷惑をかけてしまっているという負い目もあって、依頼を引き受けることになった。

それでまずは楽曲制作の参考にしようと考えて、みー子の日常に密着取材することにしたが、みー子は地下アイドル活動をやりながら焼き鳥屋でバイトをしているという世知辛い状況。しかもSNSに上げている情報は嘘ばかりであり、底辺アイドルのリアルすぎるリアルに元トップアイドルの花音は自分の知らないアイドルの世界の実態にタジタジとなります。しかし、こんなのはまだ序の口で、なんとみー子はバツイチで小学生の娘が1人いた。これはさすがにアイドルとしてあり得ない。しかも娘の名前はアリエルという名で、思いっきりキラキラネームでした。

しかし、みー子は娘がいることを全く恥じることなく、母親であることを誇りに思っていて、娘がいることを公開しても構わないと思っている様子。娘のアリエルの方が「応援してくれるファンの人たちに申し訳ないから」と自分の存在を隠して母親のアイドル活動を応援しようとしている。アリエルはアイドル活動をしながらバイトもして生活費を稼いでくれる母親のことを尊敬していて、アリエルの着る服もみー子の自作で、可愛い服ばかりだが、アリエルは自分が似合っているかどうか気になる様子。そんな仲睦まじい母娘の様子を見て、花音は自分と母親の雪音との関係と比較して複雑な心境になります。

花音はトップアイドルをやっていて、母親の雪音はそのプロデューサーだった。一方でみー子は母親でありながら地下アイドルをやっていて、娘のアリエルは母親のアイドルの仕事を心から応援していたが、それはみー子がアイドルをやりながら良き母親であったからだった。しかし自分はアイドルをやりながら母親にとって良き娘だったのだろうかと花音は思う。母の雪音は自分にとって良き母親だったのだろうかとも思う。そんな自分と雪音は、みー子とアリエルのように心から繋がることが出来ていたのだろうか。良き家族でなかった自分たちは仕事上だけのパートナーだったのではないか。ならば、もうアイドルではなくなった自分は母親にとってどうでもいい存在なのだろうかと花音は思ったりします。

それでみー子の楽曲が完成した時に、花音はアリエルに母親のアイドル活動についてどう思っているのか詳しく聞いてみる。すると、アリエルは以前は学校で友達が出来なかったりして悩んでいたのだが、母親がいつもあまりに楽天的に深く物事を考えずに自分に接してくるので、自分も気楽に生きられるようになったのだと言う。それを聞いて花音は、自分は母親と接する時に色々と難しく考えすぎていたのかもしれないと思ったりする。一方、そうやって母親の影響で明るくなったアリエルが友達が出来るようになったという話を聞いて、めいは感激して共感し「一人ぼっちを救ってくれるのはいつだって推しですよね」と言う。

それを聞いてアリエルは自分にとって母親が「推し」なのだと思い、めいにも「推し」がいるのだと理解した。それでアリエルはめいと2人きりになった時に、自分の「推し」の良さを周囲に分かってもらえない時にどうしているのかと質問してくる。実はアリエルは学校の級友たちから地下アイドルをやっている母親は変だとよくからかわれるのだそうです。そうしてからかわれてアリエルは、変だと言われている母親を好きな自分も変なのだろうかと悩んだりするのだという。周囲が「変だ」と言ったとしてもアリエル自身は決して母親のことを「変だ」と思ったりはしない。だが、そんな自分が「変だ」と思われることが不安にはなっていたのです。

それを聞いて、めいは「誰かを好きになることがおかしいなんて絶対に無い」と力説する。そして、花音の2年前の暴力事件のことを念頭に、自分も好きな人が世間から叩かれたことがあったが、自分はその相手に大切な言葉を貰って救ってもらったから、だから相手のことを好きな気持ちだけは絶対に間違っていないのだと信じたのだと言う。そしてめいはアリエルはみー子の「トップオタ」なのだから大丈夫だと太鼓判を押す。

それを聞いてアリエルは元気づけられて、それまでは周囲にからかわれるので友達に会う時は着ていくのを躊躇っていたみー子の作ってくれた可愛い服を着て友達と一緒にみー子のライブに行こうとします。ところが途中で学校の男子たちに絡まれてみー子のことでからかわれて足止めされてしまいライブ会場に行けなくなってしまう。そしてその男子たちの悪質なSNSへの投稿でライブ前に事態を知ったみー子は、自分が変なせいでアリエルがイジメられているのだと責任を感じて、もうアイドルを辞めてもいいという覚悟でライブを放り出してアリエルを助けに行く。それで穴が開いてしまってステージを、仕方ないのでその場に残されたJELEEの4人が「JELEEのコピーバンド」という名目で即席ライブをやって何とか穴を埋める羽目となる。

そして、みー子は駆けつけた先でアリエルが男子たちに反論して母親がどれだけ嘘つきでも最高にカッコ良くて可愛いのだと力説し、自分は「お母さんのトップオタ」だと宣言するのを聞いて嬉し涙を浮かべ、アリエルのもとに現れると男子たちは気まずそうに逃げていった。そして、みー子はアリエルの言葉で再びアイドルとしてやり直そうと思い、アリエルを連れてライブ会場に戻り、ステージに立つと、自分は31歳のバツイチで子持ちだと告白し、これからは自分はアリエルのためのスーパーアイドル馬場静江として活動していくと宣言したのでした。

これが大反響を呼び、みー子改め馬場静江の新曲「サーティワン・ロリポップ」は大いにバズって静江は事務所退所を回避してアイドルを続けることが出来るうようになり、その再生回数はJELEEの「渋谷アクアリウム」に追いつき追い越すかの勢いとなったのでした。JELEEの4人は静江に負けたくないと焦りつつも、この楽曲提供によってまたJELEEの名前も有名になり、こうしてまたフォロワー数10万人の夢へと一歩前進したのでした。

 

 

ささやくように恋を唄う

第5話を観ました。

今回はひまりが亜季に「依のことを好きだ」ということを打ち明けられてしまった場面から始まります。この作品の世界観では百合恋のハードルが現実世界よりはちょっと低い印象はありますが、それでも「女性しか登場しない世界観」というほど極端でもなく、一応男女の恋愛が普通という世界観のようですから、亜季はもともと依のことが好きではあったが依に百合恋が受け入れてもらえるとは思っていなかったのでしょう。それで亜季は依に自分の想いを押し付けようとはせず「依のことは見ているだけで十分」という感じで見守ることに徹していたようです。

ところがずっと恋愛感情とは無縁に生きてきた依が初めて恋愛をした相手が女性であるひまりであったことで、亜季は依が百合恋を受け入れるタイプであったことを初めて知り、自分の百合恋も受け入れてもらえたのだと知り、見守ることに徹していた自分の姿勢をちょっと後悔したことでしょう。それでも依の気持ちを尊重して、依の恋が成就するのを見守ろうと考えて、依とひまりが結ばれるよう応援してきたようです。

ところが、依がひまりに告白して、ひまりが返事を保留したということを聞いて、亜季はモヤッとしてしまい、応援する気持ちが揺らいだのだという。ひまりが返事を保留したのは「依を好きなのかどうか分からないから」なのであり、もし「好きじゃない」という結論が出た場合は依は振られてしまうことになる。それは依が可哀想だと亜季は言う。まぁ恋愛というのはそういうものであり、いつか別れがあったり上手くいかなかったりして悲しい想いもするものなんですが、依が百合恋を受け入れることが出来ると知ってしまった亜季としては、自分ならば依を幸せにすることが出来ると思ってしまう。

既に3年生になっている依や亜季は一緒にいられるのはもう残り1年も無い。この限られた時間の大部分をこのまま依がひまりの返事を待つことに費やした挙句に振られて悲しむことで終えてしまうぐらいなら、さっさとひまりとの関係を終わらせてもらい、残された時間を自分との恋愛に使ってもらった方が自分にも依にも有意義ではないかと亜季は考えるようになったのです。だから、ひまりが自分の家に妹の未希に会いに来た機会に、ひまりに「このままひまりちゃんの気持ちが動かないのなら、私が依を幸せにしたい」と伝えた。依から身を引くようにというほど強い圧力というわけではないが、とにかく依への返事を早くするようにという圧力であり、ゆっくり依のことを好きになっていければいいと前向きに考えていたひまりにとっては、そうした自分の気持ちに冷や水を浴びせられたようなショックがありました。

それだけならば、単に亜季が自分の気持ちを優先して依とひまりの平和な関係に波風を立てようとしているようにも見えるのだが、しかし亜季は「最近、依が落ち込むことが多い」とも言い、ひまりが返事を保留にしていることで依が不安になっているということもひまりに伝えた。それが亜季が依とひまりの仲を応援する気持ちが無くなってきた最大の理由だといえます。そして、ひまりもそれを聞いて、自分が良かれと思って出した最善の結論が実際は依を苦しめていたのだと知り、落ち込みます。それで自分が身を引いたり、依のことが好きではないと早く結論を出した方が依のためになるのだろうかとも考えますが、その場合に依が亜季と結ばれて幸せになって自分との関係を忘れてしまったりするのは凄く嫌だと思ってしまう。そんな自分が身勝手だと思ってひまりは更に落ち込むのでした。

それでひまりは料理研究部で作ったお菓子を失敗してしまい、恋愛で悩んでいるのだろうと先輩の百々花に見破られてしまう。それで悩みを相談すると、百々花は相手に美味しい料理を食べてほしいと思えているのならひまりはその相手に恋をしているはずだと言ってくれて、ひまりは勇気づけられた。それでひまりは自分が不安になっていたのは「自分が恋愛感情が分からないから」であったことに気づき、自分の今の気持ちをもうちょっと信じてみたいと思う。

それでひまりは依と2人で下校して、帰り道で自分が依に返事を待たせてしまっていることで悩んでいることを打ち明けますが、依は確かにひまりの返事を待って不安になったりもしているけど、ひまりが前向きになってくれたことの方が嬉しかったのだと伝えてくれます。それでも3年生の依を待たせることが申し訳ないと言うひまりに対して、依りは軽音部のライブが終わった後で返事を聞かせてほしいと言う。その時点で結論を出せるかどうか分からないと不安がるひまりであったが、依は必ずひまりが惚れる演奏をしてみせると約束する。それでひまりは安心して、ライブまでにもっと依のことを知りたいと思い、もっと多く一緒に下校したいと言うのでした。

そうして依はひまりへの想いを込めた新曲を完成させ、それを聴いた亜季は依がひまりのことをどれだけ深く想っているのかということを思い知らされる。そして、そんなひまりを傷つけるようなことを言ってしまったことを反省し、ひまりに謝りますが、ひまりは亜季のおかげで色々と考えることが出来たと感謝の意を伝え、ライブの後で依に返事をすることにしたと打ち明ける。それで亜季は依とひまりのことをまた応援することにした。一方でひまりは依と亜季の距離が近いのを見てモヤモヤしてしまい、また依とデートをすることにした。そんな感じで軽音部のライブの日が近づいてくるというところで今回は終わり次回に続きます。次回はいよいよライブということになりそうですね。