2024春アニメ 5月15日視聴分 | アニメ視聴日記

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日々視聴しているアニメについてあれこれ

2024年春アニメのうち、5月14日深夜に録画して5月15日に視聴した作品は以下の1タイトルでした。

 

 

忘却バッテリー

第6話を観ました。

今回は要が野球について分からないことがあるとか言うので藤堂の家で勉強会をしようということになり、皆で行ったところ、団地にある藤堂の家には美人な姉と可愛い妹がいて、要は自分の家の母親と比較してショックを受けます。しかし千早からマドレーヌを貰って立ち直った要は分からないことを質問する。それが「左打ち」というものが分からないということだったので、あまりに初歩的な部分での躓きに一同は愕然とします。

ただ、素人目線で冷静に考えると、確かに「左投げ」というのは分かりやすいけど「左打ち」って何だかよく分からない。だから記憶喪失の要がそこに素朴な疑問を覚えるというのは、いかにもありそうな話だとは思います。ここで千早の説明が分かりやすくて奥が深くてかなり良かった。基本的には「左打ち」というのは打席の位置の話であって、投手から見て左側の打席に立っている打者のことを指すわけですが、要は「左利き=左投げ」と同じように「左利き=左打ち」なのかと誤解していたようです。

これが非常に良い着眼点で、それは基本的には正しくて、大抵は左利きの人間は左打ちになるのだそうです。ただ厳密には間違っているのは、右利きの人間でも左打ちになることがあるからです。実は要自身が右利きなのに左打ちだった。記憶喪失の要は自分が左打ちになった経緯を知らないので「どうして自分は右利きなのに左打ちなんだろう」と疑問に思う。

これがまた非常に良い着眼点だと千早は言います。一見すると初歩的な部分での躓きのように見えますが、どうして右利きの人間なのに左打ちになっている者がいるのか、逆に左利きの人間で右打ちになっている者はどうしてほとんどいないのか、そこに野球というスポーツの特性がある。本来は右利きの人間は右打ちの方がやりやすいはずなんですが、左打席に入った方が一塁ベースに近いのでそのぶん早く一塁ベースに到達します。また、スイングした後に身体の向きを変えなければいけない右打ちと違って、スイングした後の身体の向きのまま一塁ベースに向けて走り出せる左打ちの方が余計な動作が無いぶん第一歩が早く、そのぶん早く一塁ベースに到達します。

だから、そうしたアドバンテージを得たいがために右利きの人間でもあえて左打ちに自分を矯正する場合はあるのだそうです。逆に左利きの人間がわざわざ不利な右打ちに自分を矯正するパターンというのはほとんど無い。まぁどうしても右の方が打ちやすいから右打ちをしている左利きというのも皆無というわけではないし、相手投手が右投げか左投げなのかによって打席も右打ちの方が有利とか左打ちの方が有利という相性の問題もあるので、そこを臨機応変に対応できるように右打ちも左打ちも両方出来るように自分を矯正する「スイッチヒッター」という選手もいて、千早は実はそのタイプだそうです。

とにかく、ここで重要なことは、右利きなのに左打ちに自分を矯正した選手というのは、少しでも早くホームベースに到達して1点をもぎ取るために辛い練習を重ねてバッティングフォームを矯正した「勝利に貪欲な人間」だということです。記憶喪失になる前の要圭という男はそういう野球選手だった。今の要とは全く違います。それを聞いた要は、そういう自分に戻ってほしいかと清峰に質問します。しかし清峰は戻らなくていいと意外な返事をする。今の要のままでいいと言う。それで要も自分らしく少しずつ上手くなって帝徳にリベンジすると誓います。

しかし、ここでそれを聞いて藤堂が、もし本気で帝徳にリベンジするのなら自分以外のショートを探すようにと奇妙なことを言い出す。そして、実はイップスで一塁への送球が出来ないのだと藤堂は衝撃の告白をします。2年前のシニアの夏季大会で当時中学2年生だった藤堂は好守強打の大型ショートとしてチームを牽引しており、チームは快進撃を続けていて帝徳を筆頭に有名高校のスカウトからも注目されていた。とてもまとまりの良いチームで、藤堂は先輩たちが有名高校の野球部にスカウトされるよう願って勝利を目指していた。だが清峰と要のチームに敗れてその夢は潰えてしまった。

ただ、確かに藤堂をはじめ全員が清峰の球に抑え込まれてしまったが、清峰の調子が悪かったので1点は取ることが出来たし、接戦に持ち込むことは出来ていた。ところが藤堂の一塁への悪送球で失点してしまい試合の流れが大きく変わり、藤堂のチームは敗れてしまった。そうして先輩たちの最後の大会を自分のミスで終わらせてしまい、謝罪して自分だけ楽になろうとして、先輩たちに気を使わせてしまったことで自己嫌悪に陥り、そんな自分にだけ帝徳からのスカウトが来て、先輩たちにはスカウトは来ず、大好きだった先輩たちの人生を狂わせてしまった自分だけが先輩たちに祝福されてしまい偽善者のまま栄光の道に進むことの罪悪感に耐えられず、藤堂は壊れてしまい、あの清峰のチームに敗れた原因となった一塁への送球ミスの感覚に囚われてしまい、一塁への送球がマトモに出来なくなってしまった。

それで気を使われてしまった野球部に行きづらくなり、毎晩エラーした時の夢にうなされて不眠症になってしまい、疲れて眠るために走り込みをするだけのヒマな生活の中で野球のことやエラーのことを忘れるために、エラーの時に感じた痛み以上の痛みを求めて喧嘩に明け暮れる生活を送るようになり、そんな最低な生活も野球部の無い小手指高校に行けば抜け出せると思っていた。帝徳の推薦を断っていたのはそもそも野球を続ける自信が無くなっていたからに過ぎない。しかし、そうして小手指に入学した藤堂は清峰と要に出会ってしまい、思わず野球部に入ってしまった。もうシニアの先輩たち以外と野球をする気など無かったし、出来るとも思っていなかったのに、どうしてか「やらない?」と誘われて「やる」と答えてしまった。今回はここまでであり、次回はそんな藤堂がどう立ち直っていくのかが描かれることを期待したいと思います。まぁイップスは普通はそう簡単に治らないんですけどね、清峰と要みたいな非常識な奴らだったら何とかしてしまいそうにも思える。