いよいよネルソンスとボストン響、ゲヴァントハウス管との「リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集」も大詰め。これまでリヒャルト・シュトラウスの管弦楽作品集は多くの指揮者とオーケストラによって演奏されてきたが、UHQCD仕様の高音質盤で発売された今回の曲集は間違いなくこの新時代における名盤であると述べても差し支えないだろう。そして今回「ツァラトゥストラ」が収録されている。多くの人々が待ち望んだであろうリヒャルト・シュトラウスの代表作品を楽しんでいく。
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 2021年5月録音
・・・リヒャルト・シュトラウス作品の顔と言っても差し支えないこの名曲は、今日において誰もが一度は聴いたことがある曲である。同時に多くの指揮者、オーケストラが数々の名盤を残してきたが、今回ネルソンスとゲヴァントハウス管が新しい名を刻んだ。冒頭だけでなく、随所に感じることができる重厚的で幅広い深みのあるサウンドには思わず鳥肌が立ってしまう。テンポの緩急もありつつ細かいダイナミクス変化が功を奏していることもあってこの壮大な交響詩がより一層拡大された姿となる。これまでそれとなく聴いていたこの曲の世界観を余すことなく楽しむことができたので個人的には大分満足している。UHQCD仕様の高音質盤であることも非常に良い点であったことは間違いないだろう。
交響的幻想曲「イタリアより」 2021年3月録音
・・・リヒャルト・シュトラウスにとって初の標題音楽となった今回の「イタリアより」。第1楽章「カンパーニャにて」、第2楽章「ローマの遺跡にて」、第3楽章「ソレントの海岸にて」、第4楽章「ナポリ人の生活」からなる。後の交響詩と似ている部分もあればそうではない世界観を楽しむことができるようになっているため、中々に楽しめる演奏となっている。重厚的でなおかつ濃厚なゲヴァントハウス管の音色と響きによって全体のバランスが保たれており、美しさと優美さを味わえる。また、テンポの緩急に伴うダイナミクス変化も各楽章ごとに存在しているため普段この曲はあまり聴かないのだが、たっぷりと味わうことができて聴き終えた今は満足している。
この頃頻繁にリヒャルト・シュトラウス作品のCDをよく聴くようになった気がする。それはそれで別に悪いことではないのだが、各指揮者やオーケストラによって特徴がありそれぞれの良さを味わうことができるのは非常に楽しい。ネルソンスと2つのオーケストラによる「リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集」もいよいよ大詰め、残り2枚のDiscとなったが最後までたっぷりとリヒャルト・シュトラウス作品を味わい尽くしたいと思う。
https://tower.jp/item/5366325/リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集-%5bUHQCD-X-MQA-CD%5d