指揮者としても活躍したリヒャルト・シュトラウスはボストン交響楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とも共演している。そんなオーケストラとネルソンスがリヒャルト・シュトラウス作品を演奏しているのは非常に聴きごたえがあるというもの。ぜひオペラも録音してほしいのだが…それが叶うかは今のところわからない。
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「死と浄化」、2021年10月録音
・・・テンポの緩急が激しい「死と浄化」。死の危機に直面したことがあるリヒャルト・シュトラウスだからこその曲であることは間違いない。UHQCDによる高音質フォーマットのためダイナミック・レンジの幅が広く、細部まで聴き込むことができることはもちろんのこと、ダイナミクス変化やテンポが変わった瞬間の衝撃はこれまでに感じたことのないような衝撃を味わえる仕様となっている。それもあって音楽的に頂点に達した際には鳥肌が立つくらい気持ちいい瞬間を味わえるといってもいいだろう。また、テンポの軸にブレがなく安定感もあるためバランスの良い作りとされている。
家庭交響曲、2019年9月、10月録音
・・・リヒャルト・シュトラウスが作曲した作品の中でも難曲の部類に属する名曲である。といってもリヒャルト・シュトラウス作品のほとんどは各楽器ごとに高い技術力を求めるものが多い。「喜怒哀楽」が演奏に反映されたと言ってもいいこの曲は私自身頻繁には聴かないが、割と好きな曲の一つである。そのためたまに聴きたくなることが多い。今回聴いたのはいつぶりか正直覚えていないが、今回の演奏ではテンポの緩急が頻繁に変わるこの曲をうまく乗りこなしていると同時に、各楽器ごとに統一されたサウンドによって変化するダイナミクスでメリハリが生まれている。なんと言ってもホルンや木管楽器の安定感あるサウンドと存在感は注目できる重要な役割と言えるだろう。
「死と浄化」、「家庭交響曲」を収録したDisc 3を聴き終えて7枚のCDを収録している「リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集」も中間地点となる。次回取り上げるのはDisc 4、ついに「英雄の生涯」を聴くことができる。「リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集」をここまで楽しみながら聴くことができるのはいつ以来のことだろう。いずれにしても最後まで全身全霊で楽しみ尽くしたいと思う。
https://tower.jp/item/5366325/リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品集-%5bUHQCD-X-MQA-CD%5d
![](https://ssl-stat.amebame.com/pub/content/9477400408/amebapick/item/picktag_autoAd_301.png)