ヤンソンスはすでにベートーヴェン、マーラーやブルックナー、ショスタコーヴィチなどの交響曲も録音を行っている。シューベルトの交響曲はバイエルン放送交響楽団録音されている数はそれほど多くないようだが、今回の「ザ・グレート」は非常に素晴らしいライヴであることは間違いない。
シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレート」、2018年2月1,2日録音
・・・私自身シューベルトの交響曲でいえば「未完成」と同じくらいに「ザ・グレート」を聴いている回数は多い。後の交響曲に大きな影響をもたらしたこともあってか私がよく聴く交響曲との共通点が多くあって非常に聴きやすいのだろう。今回の演奏もテンポの緩急が明確なものとなっており、豪快さとは違う推進力からくるエネルギーを全楽章共通して体感することができるというのが特徴といえるだろう。そして、弦楽器や木管楽器、金管楽器といったそれぞれの群でまとまっているため統一感が随所より感じることができる。ダイナミック・レンジも通常CD盤ではあるが、SACDハイブリッド盤に負けないくらいの高音質となっており、第2楽章と第3楽章での明瞭な音色と輝きすら感じる美しい響きは非常に聴きごたえがある。もちろん第1楽章ではこの曲が始まる瞬間ではあるのだが、壮大ではあるが重さがないというバランスの取れたサウンドを聴くことができる。また、「緩→急」へとテンポが変化する際の盛り上がりや切り替えが素晴らしいので聴いているだけで驚いてしまうだろう。
ヤンソンスとバイエルン放送響によるシューベルトは他の録音もあれば探してみたいと思うくらいに素晴らしく、ピリオド楽器や室内楽編成とは違うエネルギーを体感することができる素晴らしい名演だった。「マリス・ヤンソンス・エディション」にはまだまだ聴いたことがない名演が多数収録されているので今後も取り上げていきたいと思っている。そのうちブルックナーやマーラーを取り上げたいのだが、また時間があった時に取り上げる。
https://tower.jp/item/4756573/シューベルト:-交響曲-第8番-ハ長調-D944「グレート」
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