●韓国に「そば」はなかったのか?
麺好きの私は、そばも大好きで、干しそばを常備しておいてはよくゆでて食べるのですが、今日はあらたまって韓国そば事情などをご紹介してみたいと思いました。
そばの実のことを韓国語では「メミル」あるいは「モミル」といい、お茶や麺の材料として古くから親しまれてきました。でも一般に日本でいう麺類の「そば」、いわゆる「メミルククス(そば麺)」は、韓国では日本料理ということになっています。
それなら、韓国には「そば麺」は存在していなかったのか。実は、存在していたどころか、基本的に昔の韓国では麺というものはすべて「メミル(そば)」の麺でした。朝鮮時代の調理書である『飮食知味方』や『酒方文』には、そば粉で作った麺がそのまま「麺」とだけ記録されています。
すなわち、私たちが韓国料理として知っている「冷麺」や「温麺」(冷麺の温かい版)というのが、基本的にそば麺だったわけです。北朝鮮の「平壌冷麺(ピョンヤンネンミョン)」は、今でも私たちのそばと同じ麺ですよね。
それが、そば粉と混ぜるいわゆる「つなぎ」に小麦粉ではなく、じゃが芋でん粉を使った、歯ごたえがある「咸興冷麺(ハムンネンミョン)」のほうが人気になって、日本のそば麺と違った印象を与えるようになっているわけですよね。
江原道名物の「マッククス」もメインはそば粉で、ソウルにも、手打ちの麺がそば粉85%にでん粉15%などで作られている美味しいマッククス屋さんがありますよね。
そのように、韓国人は昔からそばを麺として好んできたし、今も韓国の麺類を代表するネンミョンやマッククスの主要材料はそば粉でした。でもそれをあえて「そば」と呼んだ日本料理が入ってきた時に、そのそば粉と小麦粉のつなぎでつくった柔らかい麺がすでに珍しく、しかも韓国人が使わないカツオだし+醤油のつゆで食べるということで、それをそのまま「メミルククス(そば麺)」と訳して、日本料理として愛されるようになったわけですね。
ちなみに、韓国では「メミルククス(そば麺)」というとほとんどがざるそばのことになります。韓国人の好みなんでしょうね。
●価格競争でそば粉の割合が減少
ところで、そんな韓国のおそばですが、最近は、日本でも韓国でも同じでしょうが、そばの麺からそば粉の割合がとても少なくなってますよね。つなぎの小麦粉のほうが多くなっていて、そばというのは、そば粉が入っている麺という概念になりつつあります。
昔ほどそばの実が大きくなくなったといううわさもありますが、何よりも値段を安くする競争になってしまっているためであり、韓国ではそば粉30%くらいのものが主流になっていて、もっと少ないものも多いため、30%でも「そば30%含有」とか書いて宣伝しているくらいです。(T^T)
もちろん、ネットなどでよく探せば、いわゆる日本で「十割そば」といっている100%のそばも売られてはいますが、高いですよね。ちょっとネット上で比較しても、そば粉30%のものは700gで5000ウォンなら、100%のものは同じ量で18000ウォンもします。4倍近くなるわけですね。
ということで、ちょっと寂しいですが、でも近所のスーパーで売っている「30%」でも美味しいし、日本を懐かしがりながら食べています。(*´ヮ`)/
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