皆さん、こんにちは!
火曜の定例コラム、今週の担当は行政書士の植松和宏です。
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今回は、相続が始まるまでの手続きについて書いていきます。
相続が発生するということは、誰かが亡くなっているわけです。
すると、社会的には通夜、葬儀の準備、親族や友人、会社関係などへの連絡が必要になるわけですが、
法的にもやるべき行政手続きがあります。
まず、「死亡届」を提出しなければなりません。
死亡届は、その名の通り人が亡くなったことを届け出るものです。
この死亡届を提出するのは、戸籍法によって定められていますが、
具体的には、親族、同居者、家主、土地管理人、後見人、保佐人、補助人、任意後見人などが該当します。
そして、死亡届の提出先は、「死亡者の死亡地または本籍地」、または「届出人の所在地の市区役所または町村役場」になります。
ただし、大切な人が亡くなったのにこのような手続きに奔走していられません。
そのため、提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内とされています(国外で死亡したときは,その事実を知った日から3か月以内)。
では、「死亡届」という紙切れを一枚提出すればよいのかというと、ほかに添付を求められる書類があります。
それは、「死亡診断書(死体検案書)」です。
届出用紙は、は,市区役所又は町村役場で入手できますが、
これは親族だからと言って勝手に記入することはできません。
死亡診断書には、死亡時刻、死亡場所、事由などが記された医師の署名捺印が必要ですので、
死亡診断書を書くことができるのは、診断した医師もしくは歯科医師のみとなります。
多くの場合、人は病院で亡くなることが多いので、通常は医師がこうした書類を用意してくれます。
こうして、市区町村の役所に死亡診断書を提出するのです。
しかし、悲しみに暮れる間もないまま、死亡診断書が受理されると、今度は「火葬許可証」が交付されます。
火葬する際には、この火葬許可書がないと火葬できません。
さらに、火葬が執行されると、火葬許可証は火葬場管理者の裏書によって、「埋葬許可証」となります。
これは、納骨の際に必要になる書類です。
人が亡くなると、これだけのことが必要になります。
最近では葬儀社が代行してくれることも多く見られますし、
また、亡くなった方の関係者はこうした手続きを調べて対応する間もないのが現実です。
しかし、大まかな流れや必要書類を知っておくことも必要でしょう。
ではおさらいです。
死亡届出の期間 : 「死亡した事実を知った日から7日以内」です。
死亡届出地 : 死亡届け先は、「死亡地」、「死亡者の本籍地」、「届出人の所在地」の区役所・市町村役場(いずれか1ヶ所)です。
死亡届出人 : 同居の親族、同居していない親族、その他の同居者、家主、地主または土地の管理人が届出義務を負います。
死亡届出に必要なもの : 死亡届書1通(通常、病院で発行させる死亡診断書と1枚の用紙にセットになっています)、届出人の印鑑(認め印で可)
こうして、「死亡届」を役所に提出して受理された時点で、死亡者の財産は遺産となり、相続が開始されることになるのです。
あまり積極的に調べることではないと思いますが、ぜひ知っておきたいことですので、
今回は相続の予備知識として紹介しました。
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先日、福島県喜多方市に行ってきました。東北自動車道は福島に入るとデコボコで、本来ならまだ通行止めではないかと思われるような状況でした。会津地方は地震そのものによる大きな被害はなかったとはいえ、ベランダが落ちているアパートやビニールシートを被せた民家、壁が崩れた蔵などもありました。
だけど、現地の人々は元気です!暖かく迎えてくれました。
地震や津波による被災地も、風評被害による被災地にも、早く笑顔が戻ってくることを願います!