少し前の記事で紹介した2400ml角大のタッパー(238×138×117mm)が我が家のヘラクレスとゾウカブトの幼虫飼育のメイン容器に定着していた。

 

 

理由としてはサイズとして十分大きいこと。
ヘラクレスもゾウカブトも成長期には大きなフンがハイペースでマットの表面に溜まっていくので、表面のフンを取り除いてマットを足すという作業がやり易いこと。
ボトルだとフタ部にくびれがあるのでフンの除去が難しい。マット交換にせざるを得ないが、成長期は勢い良くマットが減るので3ヶ月もマットは持たない。交換でストレスかける頻度が高くなってしまう。
細長い長方形なので万が一蛹室作り始めても寸法的には許容範囲内であることだ。

調べてみるとQBOX20と内寸が結構近いようだ。このタッパー自体はメジャーではないかもしれないが実績のある寸法ということになる。


ただ困ったことにこの商品が欠品になったままだったので調べてみたら販売終了になっていた。そして後継商品は価格が大幅に上がったうえで抗菌剤入りということである。
発酵マットの担子菌類を保全させたいのに抗菌剤はデメリットにしかならない。

 

なので2400mlタッパーの新規購入ができない前提で運用を考えなければならない。

まずゾウカブトの幼虫は今のところ生産終了となっていない110円で購入できる砂糖の1900mlタッパー(172×135×116mm)を用いるのが良さそうだ。細長さはそこまでではないが他は2400mlタッパーと遜色ない。

 

 

実測したが1900mlの水を入れるとタッパー満杯になった。最大限に詰め込んで1900mlの容器ということになる。

ゾウカブト幼虫の飼育容器運用として体重90gまでは公称1350ml実測1550mlの味噌タッパーで飼育し、90〜130gは砂糖タッパーで飼育し、それより大きくなったらメガフードコンテナや3.1Lのブロー容器で飼育するのが良さそうに思える。

 

ヘラクレスの幼虫の場合、1900ml砂糖タッパーは使えるケースが限定されるかもしれない。早期蛹化されると寸法的に厳しいので孵化後9ヶ月以降は使用を控えた方がいい。またゾウカブトよりも激しく動くので同じくらいの体重の幼虫でも一回り大きな容器の方がいいからだ。

孵化後9ヶ月以内で70〜100gくらいの時期には砂糖タッパーはちょうどいいのかもしれない。結構限定的な感じだ。それより小さいなら味噌タッパーでいいし、メスはずっと味噌でいい。

90g以上もしくは孵化9ヶ月後以降は2400mlタッパーの家にあるものを使うか、メガフードコンテナを使うか高額なタッパーを用いるしか選択肢が残っていない。

 

パン容器の110円タッパーがあれば一番いいのだが、2400mlも次善の策として具合が良かった。

これもなくなるとなかなか選択肢が厳しくなる。メガフードは中盤では個人的に大きすぎると感じる場合が多いし、砂糖タッパーはヘラクレスには小さすぎる。

少し値が貼るとしても食パン保存容器やQBOXを買い揃えるのがいい気はしてきている。

ちょっと発酵マットについて調べ物をしていたときに紹介されていた「カブトムシ幼虫の腸内環境と微生物の相互作用」という論文を読んで気になる部分とその内容から幼虫期間の長い外国産カブトムシ幼虫へ応用するための仮説を考えたのでここに考えをまとめてみる。

 

国産カブトムシは孵化後3ヶ月程度で急激に大きくなり、その後はマットを食べるにも関わらず大きくならない期間を経て羽化するケースもある。

その期間に炭素/窒素の比率で炭素が多く窒素が少ない発酵マットを用いた幼虫は体重が減少し、炭素が少なく窒素が多い幼虫は体重が増加した。

 

外国産カブトの幼虫も三令に脱皮して数ヶ月で急激に体重が増加する。その後体重増加が鈍化してだんだん黄色っぽい体色になってくる。国産カブトの実験結果が応用できそうな気はする。

 

三令幼虫初期は幼虫→幼虫としての脱皮をすべて終えて、三令期間の間に成虫のボディを構成する栄養と、蛹化→羽化→後食までの数ヶ月もの絶食期間を乗り切るための栄養をすべて摂取しなければならない。

幼虫として最終的な脱皮を終えたヘラクレスやゾウカブトなどの三令幼虫は150gを超える体重が入ることも可能な外皮を手に入れたことになる。

幼虫も柔らかいとは言え脱皮を行う外骨格生物なので、キャパシティの限定された外皮の二令幼虫時代は大きくなれる範囲は限られている。

ここからは仮説でしかないが、だが大きな外骨格のキャパシティを手に入れ体重制限が大幅緩和された三令幼虫は最初にまず消化能力の許す限りひたすら体重を増やそうとする。

中身はどうあれ、まずはある程度の大きな体がないと外的に襲われるリスクも高いし、今後の栄養の厳選を行っていくにしても大きな体の中の大規模な消化器官があった方が効率的に行えるからというのもあるだろう。

 

種類により多少の程度の差異はあるが、基本的に発酵マットは炭素つまり糖や脂肪が多くタンパク質が不足しがちだ。

だから三令初期の体重急増時、ひたすら食べて血肉としている時期の幼虫は糖分や脂肪分が多くタンパク質は比較的少ないことが予想される。

だが成虫は硬い外骨格にタンパク質を多く必要とする。生殖にもタンパク質は必要になるだろう。マットを食べて得られた栄養をそのまま溜め込んだだけでは甲虫の成虫としての構成要素としてはタンパク質が少なすぎてバランスが悪い。

おそらく食事によって体に吸収されや糖や脂肪は幼虫時代の貯蓄が多ければ多いほど良いというわけではない、成虫にすべて引き継げるわけではないのだろう。

 

その根拠となるのがある程度大きくなった後に体重があまり増えなくなる時期が存在することだ。

この時期には幼虫の体色はだんだん黄色くなる、つまり蛹化に向けて必要な体内のタンパク質を増やしているということなのだろう。

その際に摂食により一緒に糖や脂肪も摂取できるはずなのだが、それはあまり溜め込まない。むしろタンパク質と比較して体内の糖や脂肪が過剰であれば代謝により減少させる必要がある。

だからある程度の体重まで大きくなった時期に、拒食になっている訳ではなく健康そうではあるけれども体重が増えない、むしろ若干減少してしまうというケースが見られるのではないか。

 

だからそういう時期にはC/N比が少ない、糖が少なくタンパク質が多いものを食べさせてやる必要がある。国産カブトムシの場合は論文では腐葉土を食べさせて三令終盤の体重増加を達成しているが、外国産でそのまま適応するわけにもいかないのではないか?食性がもともとメインで腐葉土を食べている訳ではないようなので。

腐葉土がこの場合良かったのは落ち葉にタンパク質が特別多いという訳ではなく糖の分解が進んでいて相対的にタンパク質が多くなっていたという理解をしている。

だから外国産カブトムシの場合はその時期に分解の進んだ完熟系の発酵マットを使うのが幼虫の体重ひいては羽化後の全長や体重の増加のために望ましいのではないか。

これは一般的に言われている幼虫の成熟が近づくにつれて完熟マットを多くした方がいいと言われることが多い傾向と合致はする。

 

そのあたりを理屈として理解して、幼虫の体重増加ペースや体色を見ながら使用するマットの種類を変えたり、完熟系を多少ブレンドしたりすると最終的に大きな成虫になってくれるのではないかと思うので今後に実践してみたいと思う。

 

結論としては、

発酵の浅いマットは高栄養と言われるが、完熟マットは糖が分解されて少なくなっている分だけ同重量あたりのタンパク質が多い。だから発酵の浅いマットは高カロリーかもしれないが、タンパク質の観点から見れば完熟の方が高栄養とも言える。

完熟マットは食性的にそれでないと合わない品種に使うのはもちろんだが、発酵が浅いマットをメインで食べる種にとっても成長のステージの後半には最適なのかもしれない。幼虫の体色や体重増加ペースを参考にマットの種類を途中からシフトすると良いのかもしれない。

おそらく冬〜春に仕込みをしたと思われるアルプスマットを春に購入して使用していた際は2週間程度の攪拌で明確に再発酵が落ち着いてくれて、雑虫もそれほど湧かない、幼虫の食いがよく、すぐ幼虫が落ち着いてくれる使いやすいマットだと思っていた。

 

ただ初夏〜夏に仕込みをしたと思われるアルプスマットを夏に購入したものはそうもいかなかった。

加水攪拌しても発酵臭がなかなか落ち着かずやがて腐敗臭になってしまい細菌の活動が過剰になりすぎてしまう、雑虫も冷凍処理をしても使用開始直後からダニの大量発生が起こる、幼虫も交換後数日は落ち着かずに上の方に出てきてしまうなどかなり使いづらい印象になってしまった。

 

製造時も周囲の季節や温度に影響されるはずなので、製造する季節によって雑虫の侵入頻度は異なるだろうし、発酵臭があるため購入後のマットは屋外管理となるが、気温が高すぎて細菌の活動が活発になりすぎるのがあるだろう。

できるだけ冬場にマットを馴染ませて冷凍保存して夏場に解凍して使うか、夏場のみ完熟マットを多少混ぜるなどの工夫が必要に感じた。

 

また、雑虫対策のためマットは基本全交換としていたが、夏場の整っていないマットで拒食される洗礼を味わったことでまた方針の転換を余儀なくされた。

ソリューションを列記してどうするか考えたが

 

①だいたいマットを食べ尽くしたら全交換

これはマットのコンディションがしっかりしてないと拒食や上に出てくるなどの有害事象が出ることがある。

 

②大きなケースで食べ尽くすまで時間がかかるようにして交換頻度を下げる

これはスペースを浪費するし、マットのトラブル時の廃棄量が増える、幼虫の影響が相対的に少なくなり雑虫の増殖に適した安定した環境を与えてしまうため大量発生リスクが増える。

 

①と②のそれぞれの問題から③の手法を採用することにした。

③雑虫が大量発生していないボトルで幼虫がマットをそれなりに食べた時期に上に溜まっている糞を除去して空きスペースに追加のマットを入れる。

 

これだとマットの全交換はしないので拒食や表層に出てくるリスクが低く、大きいボトルを使用しないので幼虫が周囲の環境を自分が都合の良いように攪乱するし、人間によって新しいマットを追加するので雑虫にとって環境が安定せず大量発生しづらい。

 

この方法が一番いいように思えている。ただしこれは大型カブトムシの飼育に限った話にはなる。糞が大きくて明確に表層に浮いてくるからこそマット交換なしで糞を抽出除去できる。

無駄に大きいボトルで幼虫を飼うとマット交換前の最後の方はマットの劣化で栄養も少なくなるし、雑虫にとって落ち着ける環境になってしまうデメリットが最近結構気になっている。

蛹化の心配がない時期であれば、若干小さめかなという容器を使うことで、幼虫の日常生活の移動で中のマットが隅々まで攪拌され、食事が進むことで表層の環境がマット主体から糞主体に短期間で環境が変わり、糞の除去と新しいマットの追加でまた短期間に環境が変化するというのを繰り返すと雑虫にとって都合が悪く増殖が抑制されやすいことが分かってきた。

 

マット交換も交換時にマットを満杯にせず少なめに入れて、少し間を置いた雑虫の活動が活発になりそうな時期に追加することで環境を安定させないなどの工夫もいいのかもしれないので試してみようと思う。

今我が家で幼虫飼育容器として活躍中の味噌ストッカーだが、容量は公称1.35L、1350mlとのことである。

 

 

ただ他の飼育容器として用いられるブロー容器と比較しても1600mlと遜色ない大きさなので、もっと入るだろ!と思っていたので独自の調査を行った。

 

計量カップで大まかに測定した200mlの水が何倍入るかというガバガバな調査である。

それによると満杯になるまで1500~1600ml程度の水が入った。やはり公称よりも多く入るようだ。

 

1350ml分の味噌を無理なく入れられますよという公称のため、ブロー容器の公称とは測定ルールが異なっているようだ。

本日スマトラヒラタの幼虫が羽化しているようだったので掘り出しをした。オークションではオスメスペアの三令幼虫ということで落札したものだが、オスがなんか怪しいと思っていた。雌雄判別の相違補償はないとのことだった。

やはりというかなんと言うか、掘り出しをしたらメスの幼虫が2匹出てきた。

 

今年はこれだけではない。ギラファの三令幼虫雌雄判別なしというものを落札したが数ヶ月前に全てメスが羽化してきた。

雌雄判別なしとされているものとオスメスペアと呼ばれているものの合計6匹すべてがメスだったことになる。確率的には低いながらもあり得るとは言え、確率だけで片付けられるのかという疑問もある。

すべて三令で落札したものなので手慣れている出品者であればオスメスの判別はある程度つくはずだからだ。

 

仮に悪意が無かったとしても比較的育ちの良いものは自分用に確保して、比較的育ちが遅いものをオークションで出品するケースが多いだろう。

そういった抽出をするとオスだと思っていた個体も実はメスだったという可能性は高くなるし、雄雌判別してない4匹だとしても成長が遅めのグループの中から無作為抽出したならばメスの確率は大きく上昇するはずだ。

 

そういったこともあるのでオークションの幼虫は雌雄の割合はだいぶ割り切った方が良いようだ。成虫も幼虫も安い種類の場合は成虫を買った方がいいようにも思えている。

ただ、羽化したギラファがすべてメスだったため、成虫のギラファ♂を急遽落札したのだが、到着初日は元気そうに見えたが翌日には元気をなくして死んでしまった。後食後の個体は成虫なりのリスクもある。

 

満足はしていないが、高額なものではなかったのでトラブルにはしていない。仕方ないとは思っているが初心者の洗礼を受けたような感覚だ。

 

 我が家の昆虫飼育は子供の教育目的で行っているので、基本的に極力お金をかけないようにしている。

おこづかいの範囲内で再現性のある飼育にするというのが1つめの理由で、より多くのお金を払って解決する前に自分で考えて工夫することで解決する習慣をつけてほしいというのが2つ目の理由。

 

 そこで有力な選択肢になるのが2025年6月時点では月夜野きのこ園のきのこマット、完熟マット、黒土マットと言える。

ふるさと納税で注文できるところが何よりの良いポイント。ふるさと納税は経費部分、つまるところ総額に対する送料部分の割合が大きな商品でお得感が強いという特徴がある。

そういう意味では発酵マットは価格が安い割に重量と嵩が大きい。普通に通販で買う場合は本体部分と比較して送料の割合が大きくなる。そのため寄付金額の半額程度の送料込み商品を入手することができる。ふるさと納税で注文するメリットは大きい。

公式通販購入金額(送料込)/ふるさと納税額の割合を計算すると

きのこマット50ℓ:3895/8000=48.6%

完熟マット50ℓ:4564/10000=45.6%

黒土マット40ℓ:3947/9000=43.8%

と比較的高還元率と言える。

 

 ふるさと納税は無限に使える訳ではないため、実際に購入するマットも必要だ。ヤフオクで販売されていて、現時点では実績が多いわけではないがコスパが良くちゃんと使えるという噂があるTENRYUアルプスマットも使用した。50ℓ1000円+送料は地域によるが1300円とすると50ℓ2300円で入手できる。

 

この中できのこマット、完熟マット、アルプスマットを使ってみたので個人的な使用感を記録してみたいと思う。

 

※注意:あくまで個人のレビューであり、母数として貧弱です。長期レビューでもありません。他の人のレビューも横断的に確認して最終的に判断してください。ロット差や保管状態、加水量、飼育温度などによりレビューと異なる結果が他の環境では出る可能性があります。また今回の記事は業者の依頼で広告目的に書いている訳ではありません。

 

きのこマット、完熟マットは開封して1週間〜数週間ガス抜きを行い、必要に応じて加水してタッパーで小分けして冷凍した。冷凍は4〜7日間一般的な冷凍庫で保存した。解凍してから空気穴を開けたタッパーに入れたまま1週間〜数週間は常温で放置してから使用した。発酵に関与した菌が冷凍により一部死滅し菌量が減少した分を取り戻すことを目的としている。検証のため冷凍→解凍して数週間放置→冷凍→解凍と2度冷凍して使用したりもした。

 

TENRYUアルプスマットは封を開けてから加水し1日1回攪拌を続け、臭いや発酵熱が明らかに落ち着くまで2週間程度ガス抜きした。その後タッパーで小分けして3〜4日冷凍し、解凍してから空気穴を開けたタッパーに入れたまま1週間〜数週間は常温で放置してから使用した。マットは最大3ヶ月程度で交換した。

 

 きのこマットは冷凍して使わない場合キノコバエ、線虫、トビムシ、コナダニの発生が見られたが冷凍した場合はキノコバエ、線虫は発生しなくなった。

ただトビムシ、コナダニの発生は冷凍処理を行っても十分は抑えることができなかった。コナダニが多く発生した場合はトビムシは発生しなくなった。ダニがトビムシを捕食したためだと思われる。

2度冷凍すると1度の冷凍よりもトビムシ、コナダニの発生が減少するという印象はなかった。同じような時期に同じような量で発生した。冷凍を2度行うと付加効果が期待できるという印象はなかった。

トビムシ、コナダニともに使用後1ヶ月程度でも大量発生することがあった。サイクルが短いダニはまだしも、世代交代が年に数回のトビムシが1ヶ月で大量発生するということは、到着時もしくは保管時に既に冷凍抵抗性のあるトビムシの卵が多量に存在していた可能性がある。

トビムシはマット交換後1~2ヶ月程度で大量発生して、2ヶ月過ぎたことに一斉に死亡する状況がよく見られる。死亡するタイミングの一致も既に大量に卵が存在していたと疑わせる因子になっている。

どの時点からあったかは今回の検証では確認できないが、商品に空気穴がある仕様なのでどこにでもいるダニやトビムシがいつ侵入しても不思議はない。

コナダニやトビムシはほとんど幼虫の発育に影響しないと言われ気にしていない方が良いとも言われている。高栄養の発酵の浅いマットには宿命的な存在ではあるが、小規模屋内飼育の場合は家族への配慮もあり、やはり可及的に抑制したい。きのこマットを用いた飼育でダニやトビムシを完封するのは正直自分のスキルでは難しいように感じた。

 きのこマットは実績が多く、データベースの蓄積があるため安心して使える。品切れも少なく安定して入手でき、価格もお手軽でふるさと納税でも入手できるので総合的には良いマットであると感じるが、雑虫を気にする人には使いやすいとは言えないかもしれない。

 またマットを飼育容器に圧接して詰めた時や水分が多めだった時は使用後2ヶ月経過以降に泥状に硬くなることがあり、うまく幼虫が食べられない状態になり体重が落ちてしまうこともあった。水分量を多すぎないようにして圧を加えて詰めることも控えるとその現象は確認されなくなった。スキルがあれば同じような問題は起こらないだろうが、マットの扱いに不慣れの場合そういったことが起こり得ることも留意した方がいいのかもしれない。具体的にはマットに粒状感がなくなり固形化している印象があれば2ヶ月程度で交換すると無難かもしれない。

 

 完熟マットは未冷凍のままの使用は行っていないので未冷凍のレポートはできない。

冷凍処理した完熟マットは3ヶ月で交換であれば雑虫はギリギリ許容範囲内で大量発生で困るほどはなかった。外からの侵入防止が甘い産卵セットの埋め込みマットとして使用した際に一度キノコバエが発生したことがあったが、外からの侵入や産卵木由来であった可能性が高い。

幼虫飼育や産卵セットでかなりの確率でトビムシが発生し、ダニもそれなりの頻度で見られることもあったが3ヶ月に1度でマット交換するのであれば大量発生に至る前に交換できた。線虫も確率はそれほど高くないが見られた。

保管温度によっては幼虫を入れずに放置した際に白カビのようなものが生えることがあった。真菌類がマットの発酵に関与していそうだ。しいたけのような臭いもすることがある。

初令〜3令のどのステージでも食の進みが良く、発酵が浅いマットと比べても思ったほどは栄養が貧弱な印象はなく、しっかり大きくなってくれる印象があり使い勝手が良く感じた。

 

 TENRYUアルプスマットはすべて冷凍処理を行って使用した。未冷凍での使用は行っていないのでそのレポートはできない。

 商品到着時には商品説明にある通り嫌気状態になっている。空気穴は付与されていない。開封すると嫌気発酵臭がするが、糞臭ではなくアルコール発酵のようなポジティブに言えば芳醇系の臭いなのでガス抜きはそれほど苦痛ではなかったが、室内に保管してのガス抜きはやや厳しいと思った。

 空気穴が付与されているきのこマットと比べるとやはりガス抜き期間中の発酵臭は短期間では抜けず、途中で発酵熱もしっかり出る印象。自分は完全に安心して使えるまで夏季では1週間、暑くない季節では2週間程度の攪拌が必要だと感じた。実際はもう少し短くても使えるのだろうが、しっかり馴染んだ状態というのには2週間くらいを要する印象。

 ガス抜きは商品到着時に段ボールの中の大袋にマットが詰められている状態なので、「袋を開ける→水分量を見て必要に応じて加水する→攪拌する→空気をある程度入れて大袋が若干膨らんだ状態で袋の口をねじって封をする」という動作をするとマットの移し替えをせずに雑虫の侵入を極力防ぎながらガス抜きができて具合が良かった。

 

開封前

 

開封

 

加水と攪拌

 

袋内に空気をしっかり入れて、雑虫侵入対策に入り口を再度封をする。

 

 マットを到着時の段ボール内でガス抜きをする場合、最初は底の方のマットは攪拌用のスコップが届かず、うまく攪拌することができない。そのため上から半分程度しかガス抜きできないが、消費していく内に深い位置にあるマットも攪拌できるようになるので問題はなかった。むしろ直近で使用しない底部のマットの無駄な劣化を防げたので、底部のマットの攪拌が最初は届かない現象が逆に都合が良かった。

 寒い時期に仕込んだと思われるマットは冷凍処理と侵入対策をすれば3ヶ月に一度の交換なら雑虫の大量発生は回避できることが多いようだ。

白くて小さめのダニが高確率で飼育容器内で1ヶ月弱以降から見られるようになり、それなりに増殖はするが3ヶ月程度でマット全交換するのであれば大量発生までには至らずに済む印象。

1.5ヶ月程度でトビムシもそれなりの確率で見かけるようになるが、こちらはそれほど心配なレベルではない。ダニが先に増えるためダニの捕食対象とされることもありライフサイクルが短くもないので、トビムシはあまり勢力の伸ばさない。

線虫は低確率ながら確認された。増えるようなら交換だが、確認できたのが2ヶ月経過後であったため3ヶ月弱は持たせることができた。

 

 最初に注文したマットは印象としては良かったので夏季に再注文したのだが、おそらく春季〜夏季に発酵を行っているせいか、大きめのダニが大量発生してしまい、また発酵臭が落ち着くまで時間がかかったり、幼虫が上に出てきやすかったりと一転して扱いづらい印象を受けた。

 

このマットはダニにとっても好物で増殖するのに適した食材であることは間違いないと思われるので処理方法や使用期間や許容閾値に応じてある程度は覚悟すべきだろう。

 実績はネットに上がっている報告はそれほど多くはないが、添加に強く発酵が浅いマットを好む種であれば良く食べてくれる印象。ヘラクレス、ゾウカブト、ニジイロ、ノコギリ辺りは検証することができた。基本的にはきのこマットでなじむ種は同じ感覚で使えるのではと感じている。

 

 自宅での使用感は上記のような印象だったため、現在では完熟マットとアルプスマットを併用している。個人的に具合良く感じたのは底に3〜4割程度完熟マットを入れ、幼虫を引越しさせてから、その上にアルプスマットを6〜7割入れる方法である。

 引越ししたばかりの幼虫はまだ割り出し直後の場合は若齢であったり、アルプスマットが完全に馴染んでいなかったり、幼虫が引越し直後で環境の変化に適応できていなかったりする。

 引越し直後は大抵は食べやすい完熟マットを優先して食べる(底にあるマットを優先して食べているだけかもしれないが)。ある程度幼虫が大きくなって環境にも馴染んできた時期に追熟して食べやすくなったアルプスマットの方もしっかり食べてくれる。

 よく古いマットやフンを混ぜておくと交換後も幼虫がなじみやすいと言われるが、ダニやトビムシが増え始めているマットを引越しすることになりかねない。マット交換後に雑虫が指数関数的に大量発生するリスクがあるのを無視できなかったので、よほど雑虫を完封できている自信がある時以外は古いマットの混入は行っていない。

 ヘラクレス♂やゾウカブト♂のように3ヶ月経過もたずにマットが激減する種類は浮いてきた糞を捨てて上にマットを継ぎ足すことでそもそも全交換せずに済むようにしている。

 

 完熟マットとアルプスマットの組み合わせで使用してもその2種類であれば雑虫が大量発生するというのは現時点では見られず、幼虫もよく食べてくれるので育てる種類にもよるが当面はこれを自分のメインマットとして使用していくつもりである。

 

長期的な使用レポートができればまた書きたい。1年を通じて使用する場合には今以上の内容が書けるとは思うので。

ヤフオクでBIGマットなど同系統のマットが他の業者からも出ているようなのでそれもいつか試してみたい。

 

階段下収納で保冷剤のみで幼虫飼育の温度管理を行っていることを以前記事に書いたが、若干改良して1日に一度の保冷剤交換で2025年の暑い夏を乗り切れたので変更点を記録しておこうと思う。

 

保冷剤を入れるのは水切りかごを利用するのは同様。大量の結露水が出るため処理のためにはこれがいい。

ただ水切りかごの下部に冷たい結露水が溜まるので水切りかご自体も多少は結露水が生じる。そのためかごの下に発泡スチロールの水受けを置いている。もっと良いものがあればいいのだが、断熱性の低い水受けを使った場合そこにもまた結露水が発生してしまう。

保冷剤は2段重ねにして密集させている。24時間維持させるため保冷剤の数は6.5ℓ程度に増加させてある。保冷剤を密集させることで保冷剤の数を増やしても冷やしすぎになりづらく、持ちがよくなる。

そして保冷剤の横部に1箇所だけ発泡スチロールの断熱壁を作った。扉側の冷却対象がない部分に冷気の遮蔽板を設置することで冷却効率がよくなった。

 

これを使うことで真夏でも1日の中の温度変化が23.0~24.1度程度で維持することができている。もちろん収納空間の断熱力や部屋の温度や収納空間の大きさが違えば勝手も多少は違ってくるだろうが、温度を下げられるだけでなく変化もそれほど大きくないというのは良かった。

ギリギリ低温を好む種も飼育できない訳ではないという実績は残せた訳だが今後そういった種を始めるかどうかは少し悩んでいる。

 

カブクワの幼虫飼育って業界標準としてはネジ蓋式のブロー容器が標準だと言っていいとは思うのだが、これネジ蓋の隙間を伝ってダニやトビムシという極小の雑虫が出入りするのがちょっとこれ勘弁して欲しいなと思い始めてきた。

 

引用:ドルクスオーナーズショップ

 

ダニやトビムシは栄養が豊富なマットで幼虫が好む湿度を与えると気をつけていてもそれなりの確率で大量発生してしまう。発生率を抑える努力はしているものの、それでも増える時は増えてしまう。

コナダニやトビムシは幼虫に悪影響がないとは言うが、著しい大量発生の場合だと幼虫がマットから出てきてしまったりと必ずしも無害とも限らないと思っている。

 

人間相手だと所詮は腐植性の雑虫なので害虫とは言い難いが、室内飼育の場合、専用室がない初心者の環境であれば快適に共存できるとは言い難い。それに周囲の雑虫がいないボトルにもダニ・トビムシが移入してしまう可能性がある。

 

ネジ蓋に新聞紙やキッチンペーパーでフィルターをすると減るとは言うものの、なんだかんだでそれなりの数のダニ・トビムシが通り抜けてしまう。雑虫が小さ過ぎるのと、ネジ蓋という構造が凹凸が多過ぎて完全に密封することが困難という2つの難題が解決を難しくしている。

 

タッパーの方がダニやトビムシが出てくる頻度が低く、経路も換気口か蓋の締めが甘くなっている部分に限られるのでよっぽど対策しやすい。

 

クリアボトルは幼虫の中の様子が観察しやすく、標準的なグッズを使っている安心感があり最初は好んでいたが、タッパーの方が気に入ってきている。

味噌ストッカーで飼育を始め、1周回ってまた味噌ストッカーに戻ってきている。

 

今年の2月か3月にエリンギ栽培セットというものがホームセンターで見切り品で販売されていたので購入した。

菌床で実際にキノコを栽培してみたかったのと、使用済みの菌床をクワガタ飼育に利用できるのではないかと考えてのことだった。

 

 

キノコ栽培について無知だったため栽培して初めて知ったのだが、エリンギは15度くらいまで気温が下がらないと子実体を出さないので室温でエリンギ栽培をする場合は基本的には冬季しか収穫ができない。暖かくなり始める頃に栽培セットを安く販売するのはこれが原因のようだ。

結局1回はエリンギを収穫できたが、その後に本格的に春が来てしまったので2回目以降は収穫できなかった。

 

エリンギはヒラタケの仲間なので使用済みの菌床を使えばドルクス系の菌床産卵や幼虫飼育ができるのではないかと考えた。

クワガタの産卵スイッチが入る初夏まで保管しておき、頃合いを見計って3.5ℓタッパーが大きさ的にちょうど良かったのでそこに使用済み菌床をビニール皮膜を剥がして投入した。形を崩すつもりはなかったが、移動と皮膜剥がしの際に崩れてしまった。

 

 

菌床入りタッパーの中に野生採集のコクワガタ♀を入れてみる。

 

だがあまり産卵行動に出る気配がない。持ち腹でないのか使用済み菌床が産卵に適した環境ではないと判断したのかは分からないが、様子をみている内に菌床の上にみるみると青カビが生えてしまい、手に負えなくなったのでコクワガタのみ救出し、菌床はあえなく廃棄となった。

 

 

惨めな失敗例で菌床を有効活用できなかったケースではあるが、こうした失敗例もネットの世界にあると何かの役に立つかもしれないと思い、今回の記録に残した。

ビニール皮膜は無理に剥がさない方がカビ対策的には良かったのかもしれない。もしくは皮膜を剥がすとしたら発酵マットで空きスペースを充填してカビが入る隙間を埋めておいた方が良かったのかもしれない。

 

元々が昆虫飼育用に設計されていないものを転用するのはやはり難しいなと思ったが、また来年も機会があればチャレンジしたい。

初心者でも飼いやすい(累代飼育しやすい)クワガタの種類というのはネットの様々なところで紹介されているが、

温度管理や幼虫の菌糸やマットの種類や寿命、羽化ズレなど総合的にハードルが低い種類が選ばれることが多い。

 

その中でも産卵セットに関して、「産卵木を入れても入れなくても、マットだけでも産卵するから飼いやすい」というのが累代飼育しやすい要素の一つとして存在する。ニジイロ、ノコギリ、ヒラタあたりがそういった種類にあたる。

産卵木があってもなくても産卵セットを作れるのであれば飼いやすいのは事実ではある。そして慣れている人はマットだけで産ませている実例も多い。

 

ただそこで自分のような初心者が誤解しやすいのは、「産卵木を入れなくても産む」というのであれば「マットだけで産卵させるのが一番良いだろう」と考えしまうところだ。

確かにマットも産卵木も入れるとなると必要なグッズが2種類に増える分セッティングが複雑に感じるし、上級者の実例がマットだけでこれだけ取れたというものが多いので、お手本があるとそれに倣いたくなってしまう。産卵木の分コストも上がってしまうのが初心者には気がかりではある。また材の場合には割り出し時に幼虫を傷つけずに無事に回収できるのか不安なってハードルが高いものと感じてしまいがちである。

 

ただ実際は他の人の実例を見ると、全体的な傾向として産卵木なしで産む種類だとしても産卵木を入れた方がよく産んでくれる傾向がある。

さらに初心者にとってマットだけで産ませる場合には硬さや水分量の調整が難しい。上手な人のマットの状態を再現できているとは限らない。それに比べて産卵木は○時間くらい水に浸して○時間程度陰干しにするなどの再現性が比較的高いプロセスしかない。硬さ調整も必要ない。

また産卵セットは組んでメスを入れてから1ヶ月以上そのままにしなければならないことが多く、その間に産卵セットのコンディションが変化してしまうというのもある。通気性が良すぎると容器によっては水分が抜けて産卵に適さないマットの状態になってしまうし、だからと言って蒸れすぎてしまうと雑虫の発生やマット劣化などに手を焼かされてしまう。その点で言えば産卵木は水分量をマットと比べると安定して維持しやすいので初心者でも産卵成功できる可能性が高くなる。

 

価格が高くなってしまうというイメージも必ずしもそうとも限らない。

もちろん上級者が安いマットを使って産卵セットを組んで、使用済みマットも再利用するというのが一番コスト的には安く済むだろうが初心者はそうもいかない。

送料の計算を避けるために一定額以上送料無料のペットショップのチャームで販売されているもので考えるが、産卵用マットとして定番の産卵一番で産卵セットを組むとして2025年6月時点では10ℓで1200円なので1ℓあたり120円。実際はマットを押し固めて使用するため、押し固めると半分の容積になるとすれば固めた産卵一番は単純計算で1ℓ240円ということになる。

産卵木はクヌギ産卵木 中目 良材が1本230円で同サイトに販売されている。直径:7~9cm未満、長さ:約14cmとのことなので、直径8cm長さ14cmの円柱と考えると、容積は約0.7ℓとなる。概算で産卵一番より約1.3倍高額ということにはなるが、それほど価格差があるとは言えないだろう。

もちろん産卵木のグレードを落とせば価格の逆転現象もあり得るが、それはマットのグレードを落とせば同じことだ。どちらが高いかというのを厳密に比較したいわけではなく、特殊な産卵木が必要ないような種の場合、産卵木を入れても入れなくても価格に大きな差はないということが結論である。

 

産卵木を入れて産卵させると割り出しの時に材の割り出しがあるため、安全に幼虫を取り出すのが難しいことがあるというのは欠点ではある。

だが初心者の場合はサイズよりも羽化まで確実性を高めて持っていくことが優先されるので割り出しは幼虫がある程度大きくなるまで待つことが多い。その場合は材も柔らかくなっていることが多く、幼虫も大きいので避けやすい。

サイズを追求する上級者よりもその点はリスクは大きくならないことが多いと思われる。