Talk'n Blues -7ページ目

粗

くたびれた扇風機が唸る部屋で
私は一人ぼっちだった。
いつ止まるのかわからない扇風機が私の替わりに泣いている。

溶けていきそうな夏の日に。
消えていきそうな夏の日に。
汗も涙も蒸発してしまった。
何も残らず消えてしまった。

タオルケットだけを抱き締めて私は眠れない夜に拍手を。
気温が上昇するに従い舞い上がる太陽には憤りを。
決まっていた事柄はどんな障害が生じようとも必ず起こる。
囚われた身代わり。
私ではない誰かが私の替わりに私のすべき事をするのだろう。
拍手喝采。

代替不可能な何かになりたい。
代替不可能な誰かになりたい。

どうやったらなれるのか、
誰か教えてください。
全身全霊誠心誠意、努めます。

夢

惜しまれながら死んでいく
英雄に憧れ。

静かに死が蔓延している。
偉大なる死が猛威を振るう。

今生きている現実とリンクして
終わらない時間がやってくる。

始まって終わる事が
始まって終わる事だけが
平等に襲いかかる。

誰しもがわかっている。
人は死ぬ為に生まれる。
死ぬからこそ、生きる。
死は未知故に恐ろしい。
必ず死ぬから楽しめる。
I WANT DIE。
重要なのは過程だけだ。

それでも英雄は死んだ。
惜しまれながら。
私の喉は歪んで震えた。
私の瞳は潤んで消えた。

唯一なる平等を忘れて。
無限なる不平等が襲う。

何をしたのかなんて事は
知らないよ。
わからない。
覚えてないんだ。
それでもヒーローはいたんだ。
色褪せても笑うヒーロー。
傲慢だけど言わせてもらうよ。
私も行くから待っててくれよ。
遠くはない未来に行くからさ。
私の人生を羨ましがらせるよ。

惜しまれながら死んでいく
英雄に憧れ。
惜しまれながら死んでいく
英雄に憧れ。

英雄に。

限

手のひらを翳したら
手のひらを合わせてくれる
人がいる事は幸せ。

最も過酷なことは現実の認識であると今になり気付く。
溶けない氷を背負っている事に
似ている。
冷たく
重く
溶けていかない。
無くならない。

私が見ていたのは夢か現実か。
わかっているのは今の状況だけが真実であることだけ。
事実を認めることがこんなに困難な作業だと何故、誰も教えてくれなかったのか。
教わっていても今の状況に変化は生じない。

泣きたいのに泣けない。
泣く事も叶わない。
涙すら私を拒絶する。
ポンプは空っぽ。
何も吸い上げられずに空回りして、熱だけが
悲しみとして篭る。
排除されない悲しみは蓄積されていき、それを私は見ないふりで生きるのか。

全ての過去が靄の形をとって
私の周りにひしめいている。
もがいても
もがいても
消えていかない。

写し絵だけが私に微笑む。
私の見た夢は儚かった。
儚い事は不幸ではない。
夢は幸せだった。
それもまた覆せない真実。

夢を見ていた。
繋がっていた。
遠くに居た。
離れていた。

夢は終わった。
繋がりは切れた。
遠くに行ってしまった。
離れて行ってしまった。

心が。