皆さん、こんにちは。
アムステルダム在住の、MSC講師の竹内広恵です。
本日は、セルフ・コンパッションのやり方についてご紹介させていただきます。
「セルフ・コンパッションとは」にてついて、まず知りたい場合は、
こちらの記事からお読みください。
セルフ・コンパッションのやり方は、たくさんあります。
本日は、簡単で、どの場面でも使える万能な、
「セルフ・コンパッション・ブレイク」を紹介します。
是非日常生活の実際の場面で試してみてください。
やり方は、
セルフ・コンパッションを構成する、三つの要素を具体的な「辛い」場面に応用する、
これだけです。
セルフ・コンパッションの三つの要素については、こちらの記事をご参照ください。
ここから、私が直面した場面を例に出し、
私が実際にやっている方法を、詳細に解説します。
先週末、長男が出かけたいということで、
パパが子供たちを連れて遊びに行くことになりました。
次男は、私が行かないと聞くと、私と一緒に家で休むと決めました。
ところが、パパと長男が家を出て数分せず、「やっぱ、行く」と言い出しました。
急いで外を見たけれども、もう二人の影はなく、
何回も電話をしましたが、自転車で移動中なので電話に気付きません。
号泣が始まりました。
以前のブログでも書きましたが、我が家の次男の癇癪は、なかなかのものです。
一旦泣き出したら、泣き止みません。
これ、一時間は続くんだろうな、、、
心がざわざわし始めていることに気付きました。
お出かけに行けないことを、次男がどうにもできなかったように、
次男が泣いている事実を、私もどうにもできません。
ここで、セルフ・コンパッション・ブレイクの登場です。
私は、いつでも、しかも、瞬時に使えるよう、
セルフ・コンパッション・ブレイクの要を、
10秒で言える簡単なフレーズを準備しています。
まずは、とりあえず、そのフレーズを唱えます。
練習してきたので、勝手に出て来きます。
This is the moment of suffering.
Suffering is part of being human being.
May I be kind to myself.
私は、MSC講座を英語で5講座受講し、文献も英語で読み、
英語で週次の実践グループに参加しているため、
英語の方が楽だから、英語のフレーズにしていますが、
セルフ・コンパッションの3要素を表すフレーズなら、
どの言語でも、どんな言葉でも、何でも構いません。
瞬時に出てくる、簡単なものが良いです。
次に、その3要素を、時間をかけて、じっくりと自分自身に向けます。
以下、詳細に解説します。
①マインドフルネス
まず、次男が号泣しているために、私がストレスを感じていることに気付きます。
「子供の癇癪は辛いよね」「ストレスだよね~」と、
友人に語るような言葉を、自分自身にします。
②共通の人間性
ストレスを感じている時、つい、自分だけがそう感じているように思われますが、
子どもの癇癪でストレスを感じている親は、無数にいることを思い出します。
「親も辛いよね~」と言葉をかけながら、苦しみを通して、他者と繋がります。
③自分への優しさ
癇癪によって、ストレスを感じている自分に対し優しさを向けます。
例えば、「子育ては思い通りに行かないね~」「怒らないで良く寄り添っているよ~」
といったような言葉を自分にかけます。
ここで、上記の言葉がけに加え、
私は、MSC8週間講座のセッション7で紹介する「与えて受け取るコンパッション」を実践します。
呼吸に載せて、優しさを自分に送り、そして子供にも送ります。
ストレスを感じている時、私たちはストレスと闘いがちです。
しかし、ストレスと闘ってもどうにもならないどころか、
ストレスが反って増幅することがほとんどです。
例えば、
「あーーーーうるさい!!!(怒)静かにして~」と怒っても、
静かにする子供は、いないでしょう。
「なんで静かにならないの(怒)」と益々怒りが生じ、ストレスが増えます。
あまりにも怖くて静かになる子供はいるかもしれませんが、
恐怖で子供を操ろうとすることは、短期的には効果抜群ですが、
長期的にみて、子供に与える悪影響は計り知れません。
代わりにテレビや甘いものをあげたら泣き止むかもしれないけど、
そういった方法でストレスを解消することを教えたくないところです。
癇癪はどうにもできないので、嵐が過ぎるのを、ただ待ちます。
ただし、子供も自分自身も見捨てないで、
嵐が過ぎるのを待ちます。
具体的には、私は、
子どもに対しては、
穏やかに話しかけたり、スージングタッチをしたり、
(この二つも、セルフ・コンパッションの実践で、MSC8週間講座で練習します。)
時には、歌をうたったり本を読んだりすることを提案して注意をそらすことをやりつつ、
自分に対しては、
癇癪をBGMに、セルフ・コンパッションの実践をします。
(上記で解説したもの含め、感情との付き合い方等、必要なものをその時に使います。
全てMSC8週間講座で練習します。)
そして、待ちます。
一時間後、気が済むまで泣いたのか、次男は落ち着きました。
そして、また日常生活に戻りました。
この方法の良さは、
第一に、子供を否定しなくて済むことです。
関係を破壊しません。
第二に、私自身が、疲弊しないということです。
耳が壊れるくらいの癇癪に一時間付き合ったと思えないほど、
私は体力も気力も消耗せず、
また子供たちのお世話を続けることができたのです。
むしろ、
「次男は本当に悲しかったんだろうな~」
「3歳だとわからないことも多いし、癇癪もどうにもできなくて辛いよね。」と、
次男に対する暖かい気持ちが自然と湧き上がっていたのでした。
(その夜、念の為、セルフケアとして、ヨガをして寝ました。
次の日も、引き続き仕事も子育てもあるので、チャージは必要ですね。)
この暖かい気持ちこそが、コンパッションであり、
私たちに安心感を与えてくれ、明日も頑張ろう、
自分の責任を果たしていこうというエネルギーをくれます。
セルフ・コンパッション・ブレイクは、MSC8週間講座のセッション1で練習します。
日常生活の本当の困難な場面で使えるように、まずはガイドに沿って、練習していきます。
なぜなら、頭で理解した知識は、
練習しないと使えるようにならないし、
使わない限り、人生で役に立たないからです。
色々試しながら、自分にあったやり方を見つけていきます。
実際のストレスな状況において、
セルフ・コンパッション・ブレイクを使っていくと、
小さなストレスが蓄積しなくなるようになります。
大きなストレスに飲み込まれないことが、人生で助けになるのは言わずもがなですが、
小さなストレスを、その時に消化することも、私達のメンタルヘルスに大きな影響を与えます。
これは言葉で理解するものではなく、
実際にやった人にしかわかりません。
筋トレと同じですね。
筋トレの方法を理解しても、筋肉はつかないし、
日常生活においても役に立ちません。
私たちの心は、トレーニングをしないと、
つい、ストレスと闘ったり、ストレスから逃げたりしがちです。
例えば、自分に鞭を打って現状を変えようとしたり、
或いは、暴飲暴食やスマホに逃げたり。
これらは、とても自然な反応ですが、
私たちのウェルビーイングを妨げていることは否定できません。
一方で、心を、脳を、トレーニングしていくと、
ストレスと、無理なく付き合う、心の筋肉がついていきます。
そうすると、辛い状況が生じた時にも、
疲弊することなく、現実に向き合い、
人生を生きていく力を得ることができます。
ストレス、困難な状況は、どうにもできないことがほとんどです。
どんなに避けたくても、コントロールしたくても、
生きていれば、誰にでも訪れます。
でも、そのストレスと、どう付き合うかは、選択できます。
そして、私たちのウェルビーイングを高めてくれる付き合い方ができるよう、
心をトレーニングすることができるのです。
練習すれば、練習しただけ、心の筋肉を鍛えることができます。
誰もが。
※練習の量に比例して、セルフ・コンパッションの度数が高まることが、研究で示されています。
この心のトレーニングをするのが、マインドフル・セルフ・コンパッション講座です。
講座で紹介するワークは、全てこのワークブックに記載してあります。
知識を、実際に使えるものにしたい方。
人生で役に立つものにしたい方。
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ウェルビーイングを高めることが研究で示されています。
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