枚方市の平成29年度の決算速報値が出ていますので、私が気になるポイントも含めて書いていきます。

 

 

 

 

毎回決算の数値を見ると悩ましいなぁと思います。

決算上は今年は黒字になっていますが、

ギリギリのところでの黒字ですし、そもそもこの黒字もランニングコストが不足している部分を借金をしての黒字です。

 

 

■黒字といっても借金をしての黒字

何度もしている説明になりますが、借金にも2種類あります。

1つ目は建設時の借金(建設地方債)

2つ目はランニングコストの借金(赤字地方債)

 

 

家計で例えると、

1つ目はマイホームローンとか、マイカーローンです。

家を一括では買えないけど20~30年住むので30年間で分割して払う、のようなものです。公共施設も30~40年使いますので、30年間で分割して支払っているような形です。

 

2つ目は日々の生活費、食費が足りなくて借金をしているようなものです。年間の住民サービスを維持するためのお金が足りず、借金を発行しております。

 

正式名称は臨時財政対策債といいます。

臨時的にお金が足りないので対策するための借金(債)という名前なのですが、臨時的な期間とはどれくらいでしょうか?

 

当初は平成13~15年の3年間だけの臨時的措置の予定でしたが、それ以降も財源が不足しているため、今年度も発行しております。臨時の期間が15年以上続いています。

 

 

この赤字地方債はない方がいいのですが、この借金をしていない自治体の方が全国的に少なく、枚方市と同様に多くの自治体でこの借金をしています。みんなで渡れば怖くない」というつもりはありませんが、枚方市が突出して財政状況が悪いというわけではないということだけはお伝えしておきます。(むしろ全国的にはそこまで悪くない方だと思います)

 

毎年枚方市は一般会計で100~110億円の借金をしていますが、そのうちの6~7割が赤字地方債(臨時財政対策債)です。

 

 

 

■病院会計が非常に厳しい。

6.36億円の純損失を計上する予定でした(もともと赤字予定・・・)

しかし、結果は9.67億円の損失。

 

 

新病院になってから、収入は旧病院よりは増えているものの、当初の予定よりは下回り、入院患者数の指標となる病床稼働率は80%を超えることがなく、収入よりも支出が多くなっています。

自治体の財政が厳しくなる原因の1つとして公立病院が挙げられますが、その可能性を否定できません。

もちろん公立病院として地域の医療・いのちを守ることも大事なので、財政の健全性と医療・いのちをどう守るかを合わせて議論していくことになります。

 

枚方市は民間の病院も多いですので、その中でも公立病院を運営していくのであればそのあり方も問われてきます。

 

 

■増え続ける扶助費(福祉費)

義務的経費がどんどん増えています。

その中の扶助費(ざっくり福祉費)の割合が多いです。

 

具体的には何かというと、

社会福祉費、老人福祉費、児童福祉費、生活保護費です。

社会福祉費は具体的にどういうのかといいますと、

障害者自立支援事業で7割程度。他にも障害福祉関係の経費。それと、臨時福祉給付金が9億。

 

老人福祉費はこの中では微々たる額ですので言及をしません。むしろ老人福祉に関係する費用は別会計(国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険)になっております。

 

児童福祉費の中には待機児童対策のための保育所の運営費等も入っております、児童福祉費も待機児童対策を強化していっているので増えていきます、それと放課後等デイサービスの増加に伴い費用が増加しているということです。

 

障害施策は国2分の1、府4分の1、市4分の1で財政負担をしていきます。

 

 

■社会保障関連経費でいうと国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療保険も。

 

一般会計の中の福祉に社会保障に関係する経費は扶助費の中に入りますが、別会計でも社会保障関係経費はあります。

医療保険である国民健康保険、介護保険、75歳以上が加入する医療保険の後期高齢者医療保険、この3つの予算規模もどんどん膨らんでいます。

 

※国民健康健康保険は高齢者だけの保健ではないのですが、実態としては加入者のうち、50%以上が60歳-74歳になっております。

https://ameblo.jp/kimura-ryota/entry-12064586873.html

 

別会計ではありますが、これらのところには私たちの税金(繰出し金として)や保険料が入っています。

3つ合計で平成29年度決算では約130億円。

 

先ほどの扶助費(約440億円)と合わせると570億円です。

 

 

 

ということで、黒字といっても決していい状況ではありません。

公立病院については自治体によっては公立病院がないところもありますので、この件については当てはまらないところもあります。しかし、残りの3つの借金をしての黒字であるとか、膨らみ続ける扶助費(福祉費)、別会計も含めた社会保障関係経費は数少ない財政に恵まれた自治体を除いて全国共通の課題です。

 

このままの制度で持続可能なのか?と思わずにはいられません。

 

 

ただ、悲観的になり過ぎてもどうかとも思いますので、

 

じゃあどうするの?

については

大きい枠組みでいうと

 

■歳入を増やす

└税率を上げる

└成長戦略による税収増

■歳出を減らす

 

の中で、できることから少しずつやらなければいけません。もちろん国の制度に左右されることも多いですが、私の立場としてできることを。

 

ということで、どうしても、いわゆる行財政改革、持続可能な自治体経営という観点での発言が多くなります。

 

具体的には、最近はこういうことを提案しております。

病院の経営健全化について

人件費の適正化

健康寿命の延伸

生活習慣病の予防・重症化防止

介護予防で重症化防止

税(などの公的料金)の徴収率アップ

 

 

現状広く伝えることも大事なんだろうなと思いますので、そういう意味も含めてこの記事を書いております。

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