一般質問2つ目です。

 

 

ソーシャルインパクトボンドの導入と、

官民連携による健康ポイントの導入についてです。

 

 

 

【質問】

最近、健康政策・医療費抑制に向けた提案をしております。高齢者が増えていく中社会保障費が増えていくのは承知していますが、このままでは財政構造が成り立ちません。増え続ける社会保障費への対応は待ったなしです。いくつか提案をしていきたいと思いますが、まずはソーシャルインパクトボンドの提案についてです。


官民連携による社会的課題を解決するための手法として、民間資金を活用して実施する成果連動型の民間委託事業SIB(ソーシャルインパクトボンド)の導入が進められています。

 

SIBは、社会的インパクト投資の仕組みの一つ。 行政と民間事業者が連携して、社会問題の解決や行政コストの削減を図るために導入されています。民間資金で社会的コストを削減する優れた事業を行い、事前に合意した成果が達成された場合、事業費と成果報酬を支払う仕組みで、イギリスでは、受刑者の再犯・有罪判決率の削減をめざすなど更正分野の施策をはじめとして、成果をあげているようです。

 

社会・ソーシャルに対して影響・インパクトを与えること、例えば受刑者の更正であるとか、医療費の抑制などのソーシャルなインパクトの債権・証券という意味のボンドでソーシャルインパクトボンドです。

 

日本においては、現在経済産業省では、ヘルスケア分野におけるSIBの導入を推進し、昨年度、がん検診の受診率向上に向け、「民間のマーケティング的視点を取り入れた大腸がん検診の受診勧奨」として実証事業を実施した八王子市や、枚方市も今年度から実施した糖尿病の重症化予防を神戸市はSIBのスキームを使い実施します。

 

また、大阪府内においても、がん検診の受診勧奨領域において、SIBの実証事業を高石市・和泉市が取り組んでおります。高石や和泉で導入する際、大腸がんの医療費は初期のステージ①と進行したステージ4では約500万円の差があるともされております。早期発見早期治療をすることで医療費の抑制にもつながります。

 

そのためにもがん検診の受診率を上げていく必要がありますが、SIBの導入を含め、民間事業者のノウハウを活用した、がん検診の受診率向上に向けての取り組みについてのお考えをお伺いします。

 

 

【答弁】

官民連携による健康政策についてお答えします。

がんを早期発見するためには、がん検診受診率向上は市の重要な課題と認識しております。

 

民間事業者のソーシャルマーケティングのノウハウを踏まえ、対象者が検診受診に関心を持つことのできる内容を記載した圧着葉書を送付し、本年度、市では、一定年齢層の子宮頸がん検診対象者に対し、受診勧奨を実施する予定としています。

 

ソーシャルインパクトボンドにつきましては、平成27年度以降、日本でもヘルスケア分野での取り組みとして、幾つかの自治体で試行事業が実施されているところであり、その成果や課題を注視し、検診受診率向上の取組での活用可能性について、研究してまいります。

 

今後も、民間事業者のノウハウを活用するなど、受診率の向上に向けて、様々な角度から、新たな取り組みについて検討してまいりたいと考えております。

 

 

【質問】

ソーシャルインパクトボンドは日本ではまだ導入が始まったばかりで課題があるのも承知しておりますが、これまで通りの取り組みをやっていてもなかなか効果が上がらないので新しい方法にもチャレンジしていくべきです。市長もフロムTO170号の中で、「これまでの手法にとらわれることなく国や府の最新モデルや外部有権者の知見を活用するなど新しい手法を取り入れていく必要があると考えている」とおっしゃっていますので是非前向きにお願いします。

 

SIBの課題としては資金調達や成果報酬型の契約ができるのかという課題がありますが、仮に民間からの資金調達ができないにしても例えば、成果を出した事業所には、成果報酬を与えるなどの委託契約形態の検討をするなど、あらゆる方面から民間事業者のノウハウを最大限活用し、がん検診の受診率向上に努めていただくよう要望します。

 

 

 

次に、官民連携によるポイント事業についてお伺いします。

高齢になっても地域で元気に暮らせる社会の実現に向けて取り組みを行っている「スマートウェルネスシティ首長研究会」に昨年11月に参画したと伺いました。SWCでは最新の健康政策の実証事業やエビデンスに基づく政策検証などもされており、加入することで新しい知見が得られると思いますので加入されたことはよいことだと思います。スマートウェルネスシティの実現のための要素に、「健康増進インセンティブによる住民の行動変容促進」が掲げられており、その中のひとつとして、健康ポイント事業の取り組みが進んでいると聞いています。以前にも、健康ポイント事業ついて質問させていただきましたが、改めて健康ポイントに関する取り組み状況について伺います。

 

 

【答弁】

健康づくりに係るポイント事業としましては、一例ではございますが、保健センターで実施しています「ひらかたカラダづくりトライアル事業」があります。この事業は、健康ウォーキングマップのモデルコースを巡るスタンプラリーとなっており、全スタンプを集めた場合やがん検診等を受けた場合にポイントを付与するものです。

 

 

【質問】

現在の取り組みは分かりましたが、もっと多くの参加者が見込まれる事業や、この他の取り組みについてもポイント事業を拡大すべきだと思います。そのために、以前も質問させていただいたスマートフォンのアプリを活用したポイント事業について検討をお願いしたいと思っています。これだと市民にとっても利用しやすく馴染みのあるツールだと思いますし、コストも比較的安価で済むのではないでしょうか。また、ポイント事業を行うにあたり、他市ではポイントの景品を民間事業者に提供してもらったり、市の事業に係るポイントと民間のポイントを共通にすることで民間から原資を募っている事例もあり、民間を巻き込んだ取り組みが進んでいます。こうした官民連携によるポイント事業については、健康分野をはじめ、さまざまな分野で活用できると考えますが、市の考えをお聞かせください。
 

 

 

【答弁】

ポイント事業については、市民の健康づくりの活動など、さまざまな取り組みに対し、インセンティブ、いわゆる動機付けを行う上で、効果的な手法の一つと認識しております。対象となる事業の選定やポイントの交換方法、システムや原資等について検証した上で、実施に向け、今後、組織横断的に検討を進めてまいります。

 

 

【要望】

本市で既に行われている介護予防ポイント事業をはじめ、ポイント事業にはいろんな分野で活用できる可能性があると思います。検討すべき事項はいろいろあると思いますが、他市では、健康増進、医療費抑制に効果があるという事例も報告されていますので、まずはできるところからスタートして、取り組みを積極的に進めていただきたいと要望しておきます。

 

 

 

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枚方市議会議員 木村亮太(きむらりょうた)

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未来に責任

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