立地適正化計画についての勉強会のその2です。

その1は→コチラ

ポイントは

●連携と誘導

●最初から区域を決めてはいけない。
 (区域ありきではいけない)

●都市の将来の現状と課題を考える。
 また新しい計画をつくれといわれている・・・
 ではダメ


立地適正化計画の計画の重要さが分かったとともに、
これまで作ってきたというか、ほぼ完成する、
総合計画とか地方版総合戦略との兼ね合いをどうするのかってのが、
重要になってきそうです。


ほぼ出来上がっている総合計画・地方版総合戦略と、
これからどう整合を取っていくのか・・・。


====
なぜ立地適正化つくるのか。

都市計画マスタープランの中で。
コンパクト化を位置付けている自治体は全体の75%くらい。

では具体的な施策を何するのかまで書いているのは少ない。
これまでの規制に加えて誘導が加わった


「誘導」がポイント。
DID人口がどんどん下がっていく。
人口密度が下がっていく。

DID地区=人口密集地区。1ヘクタール40人

中心部ほど空き家が増える。
一番高齢化が激しいのが限界集落。
次に中心市街地。
周辺部は人がいる。


中心市街地に
人口誘導したい。

本来人が住んでほしい地域(中心市街地)に誘導していく

人と企業を集積し、密度の経済を実現。

地域公共交通再編実施計画と
立地適正化計画を連動。

●富山市
富山がすごいのは、
公共交通を軸として、そのサービスを維持するというのを取り組んでいる。

富山のようにストレートに引っ越しの補助などをするのも一つだが、
公共交通を残すよというだけでもインセンティブになるのでは。


●熊本市
ゾーンバスサービス
地域拠点と中心拠点。


●大都市郊外
人口自体は横ばい。
生産年齢人口は減り、高齢者が増加。
年齢構成が変わる。

鉄道の沿線を公共交通の軸にして、
住んでもらう・外出しやすい地域をつくれないだろうか。


鉄道各社は乗り気
路線ごとに沿線協議会。

東急電鉄の田園都市線
次世代型の大都市郊外を検討

郊外の住宅団地。高台。
30~40年になると高齢者が増える。
バスの頻度が増える。
外出の頻度も増える。
シニア層は駅周辺。
郊外の住宅団地に若い人に住んでもらう。
というのを試行的に取り組んでいる。


駅ごとにまちの機能を集約していき、
バリアフリー化された家からバリアフリー化した駅に。
駅ごとのポジショニング。


これまでは、広がる都市を計画的に抑制・規制してきた。
市街化調整区域とか。

これからは市街地でスポンジのように空き家が出てくる。
民間の動きをどう誘導できるか。
これまでは都市計画により行政自ら道路下水道などのインフラ整備。
これからは既存ストックを活かした生活サービス施設の立地の適正化。


民間施設の立地に対する規制緩和・経済的インセンティブ。

2つの計画
地域公共交通網形成計画。
従来と違うのは
地方公共団体が中心になる(これまでは事業者)
まちづくりとの連携。

それと立地適正化計画
何を誘導するか決めて、
区域を決める。
民間の施設に対して助成はあったが、
通路、空地など公共部分だけだったのが、
都市機能誘導施設にすると、
床の部分にも助成が入ることになった。
そういう地域に誘導したら税財政上の意義があるという意味。

これは大きな改革。

説明していっている。
立地適正化計画の説明のWEB作った。




2016-02-02 14.24.46立地適正化計画.jpg
198都市が作ると意思表明。
(枚方市も)

意外と大都市でも進んでいる。
2016-02-02 14.24.52交通網計画.jpg

地域公共交通網形成計画の方は149都市。
(枚方市は入っていません)


計画作るのあり気になっている。
本当は「こういうまちにしたい!」というのがあって、
それを計画でフォロー。
何をどう誘導するかを決めないと区域も決まらない。


誘導方針がなくて
区域設定ありき。

良く聞かれるが、
誘導をどうするか決めないといけないですよね。

都市の現状と将来を展望して、
持続可能な都市としてどこを目指すのか?

人口分布、高齢化の推移、空き家、施設集約の再配置。
を考えればおのずと。



もうちょっと具体的に言うと。

いろんな分野の計画との連動が必要。
公共交通
中心市街地活性化
公共施設等総合管理計画
地域包括ケア


など関連計画の棚卸し。

次に大事なのは人口。
メッシュ(or町丁目)ごとに人口が増えてる減ってるを見てください。

空き家の分布と合わせると、
どう空家増えていくかもわかる。
それで空き家をどう埋めていくか。

今回の空家法は問題の空家をどう除去するかだが、
その後の活用。

という分析。

増えてるのは工場跡地のマンション。
駅から離れた住宅団地は減り方が激しい。

誘導したい地域が見えてくる。
そこに公共交通を重ね合わせていく。

大事なのは希望的な目標と実態は分けて考えていく。
箕面市の立地適正化計画では、
素の人口推計と希望が書いている。

立地適正化で200ページ
人口推計のページだけで7~8P


実態を見て考えないと物が進まない。


都市計画マスタープランはできているところは多いが、
誘導の仕方。

誘導する機能、行政でやるもの民間でやるものの整理をしていく。

そうすると区域が見えてくる
こういう策定の流れ。


居住誘導区域
市街化の札幌3割、熊本4割、箕面85%
一貫しているのはこのプロセスを踏んでいる。

最後に目標値を設定する。
居住誘導区域の目標値。
目標値は積み上げで出てくる。

新しく調査しなくてもネットでとれるようになっている。
出典が書いているようになっている。

以上が作り方。

====
これからが横断的な取り組み方。
都市計画担当だけではできない。

2016-02-02 14.24.09PJ概念図.jpg
コンパクトシティ形成支援チームの設置。
国もリーダーは国交省


2016-02-02 14.24.17PJ一覧.jpg
構成員に内閣官房(まちひとしごと)、総務省(公共施設)文科省(学校)、厚労省(福祉)、金融庁(住宅ローン)・・など


連携施策例①公的不動産の再編との連携。
公共施設等総合管理計画。
まちづくりと公的不動産の連動。

情報の一元化

基本方針の策定(床を○%にする)

具体的に再配置の計画。
秦野市はこまで。

第二段階までは管財課だったが、
第三段階は建築都市局がやっている。


連携施策②福祉医療との連携。
・地域包括ケア。
身近な地域で福祉サービスを受けられるように


・健康日本21(健康増進の計画)
1500歩増やしましょう、のはずが1000歩下がったという・・
まちづくりから考えないとねとなっている。


健康教室やっても興味ある人だけしか来ないので、
コミュニティ活動を増やし、外出活動を増やし、歩く機会を増やして・・の方向性。


スマートウェルネスシティ住宅・シティの展開。
まちの中に立地して歩きやすいように。

連携施策③ライフステージに応じた住み替えの促進
ライフステージに合わせて、広さや場所一番いいところに住んでもらうように。
住宅局で取り組みを進めている。

地域の活動というのは立地適正化計画を考えるうえで、
重要なファクター。
誘導の方策はいろいろあって、
土浦市、常陽銀行と住宅ローンの金利を優遇。
とか。
なんでコンパクトシティのチームに金融庁が入っているかというとこういうこと。

連携施策④中心市街地の活性化に関する法律の改正
中活、大規模施設、地域の同意があれば予算措置、低融資など。

連携施策⑤農業振興施策との連携。
誘導区域の外ってどうするの?
法律作るときに外の名前を考えなかった。

中は誘導するところ。
外は外で外の方針を定める。ので名前を付けていない。
ネガティブな名前を付けていない。
「広く住む」地域にするというのも一つ。
そういう実態に合わせて名前考えていくのも一つ。
市民農園、福祉の植えんなど。

連携施策⑥災害リスク情報を考慮したまちづくり
ハザードマップ見てゆるやかに誘導していく。

ということでいろんなところとの連携。
国も連携してやるから、自治体も連携してやってね。
という話。

どの部署も、もう単独では無理。
というのがわかっているから。

じゃないと霞が関(中央省庁)連携しません。



コンパクトシティの概念も変わってきている。
これまでは閉じ込め。

これからは持続可能性。
都市のイノベーション。

そういう意味ではコンパクトシティという範囲にとらわれず、
広い概念で、名前も考え直した方がいいという話もある。



====
1週間たつとだいぶ記憶が薄れてしまいますね。