079



今の自分の状況が、人からどう見えるのか。


そこのところをよく考えもせず、正直に事故のことをぺらぺらとしゃべってしまった私。


たいていの方はもらい事故の話に、
「大変やったねー」
と同情してくれましたが


ひとりだけ、切ない方がいらっしゃいました。




「婚約者とデート中に、人の車にぶつけちゃったんだって。そんで骨折。でも保険で入院してるんだって」


うわぁ、人ぎき悪いー(>_<)


でも真実なのです。
そういわれることも覚悟しておかねばならなかったのです。


まったく甘ちゃんな私……。




しかし悪意たっぷりの話し方に、へこむ前に怒りを覚えました。


わざわざ私が通りかかったときに、部屋中に聞こえるようなタイミングで話すか、そんなこと。


(なんで、そんな言われ方しなきゃいけないの。

被害者の方からどうののしられても、受け止めるけど……

実際の事故の様子も知らないで、勝手なこと言わないでよ!)


病室でケンカするのも大人気ない。

素直にしゃべった私がうかつ。


ぐっとこらえて、なにも言い返しませんでした。



でも心の閻魔帳にはしっかり記載。

そしてしっかりブログにも書く私。


いいんだ、根性悪くても。


ちなみに、この悪意の聞き手であっただんなさまである男性は
「そんな言い方あるかい」
といさめてくれていました。


ありがとうだんなさま。

あなたの一言がなければ、キレてましたよ私。(←やっぱりおとなげない)




私は二週間しか入院しませんでしたが、ずっと入院しているのというのは、相当なストレスになるのだ、と知りました。


向かいのおばあさんがモラルある姿勢をつらぬいていたことは、ほんとうに僥倖です。


ストレスがたまると澱のようなものが病室に充満する。

この澱に当てられると、だんだんと自分も染まってきそうで……


とにかく早く退院せねばと思いました。


長く入院していた母の言葉が、ようやっとわかるような気がしました。


「病院にいると、病気になりそう」


ウィルスや衛生面の問題ではなく、心が負けそうになる。

体が病魔にむしばまれると、心までもむしばまれやすくなる。


健康を大事にしよう。

入院を振り返って、そう強く思います。


つい、普段は忘れがちになるんですけどね……反省、反省。




078


入院した病室は、整形外科の患者さんはひとりもいませんでした。


この時期、整形外科の入院病棟がすべていっぱいで、空いてるベッドに放り込まれたのです。



そこは、老齢の女性の園……


年齢の近い人は、ひとりもいません。

酸いも甘いも見極めきった、人生の先輩がたがひしめく大部屋。



後に見舞いにきてくれた母は

「えらいとこに放り込まれたねぇ」

と嘆いてくれました。




でも、10人の大部屋なのに、窓際。

しかも一番奥。


カーテンで仕切ってしまえば、かなり傍若無人に過ごすことができる。

日当たりもよくて、いい場所でした。



たった二週間しかお世話にならないし、ここでじゅうぶん。


そんなことを思って、部屋の変更届けは出しませんでした。



まったく、うかつな私です……。




両壁際に5つずつ並べられたベッド。


私のお向かいさんは、齢90を越したおばあさまでした。


これが、なかなか達者。


高齢による体力の衰えで入院されていたようでしたが、

毎日進んでリハビリルームに通い、一日歩きどおし。


ごはんもすききらい言わず、ほぼ完食。


そしてなによりなのが、ほがらかで、とても人当たりのよいお人柄だったこと。


人の悪口をけして言わず、控えめに他の患者さんを心配することができ、耳ざわりの良いあいさつを口にされる。


沈みがちな病室において、唯一、前向きなことをお話してくださるおばあさま。


とても、救われました。



三日とあげず通ってくれるおじいさんには、言葉ではそっけない様子でしたが、やはりうれしい様子。


おじいさんも杖をついて歩いてらっしゃいましたが、やはりまだまだお元気そうでした。



看護士さんに「長生きの秘訣は?」と問われ


「すききらいせず、同じ時間にちゃんと食事をとること」
とおっしゃられていたのが印象深かったです。


ごめんなさい、朝ごはん、ちゃんと食べるようにしますorz




他の8つのベッドには、さまざまな方が寝ていらっしゃいました。


まだらぼけの入った方。
まったくしゃべらない方。
寝てばっかりの方。
口やかましく、グチばかり言ってらっしゃる方。
そして私の隣のベッドの方。


この人が、くせものでした。


日中は朝もはよから脱走。


お昼の食事にいったん戻り、食べ終えるとまた脱走。


そして夕食遅めに戻ってきて、寝る。


病院にいるのは、寝るときと食べるときだけ。


それ以外はどうやらご自宅に帰ってらっしゃるご様子。


しかも、「今日はよく出たわ~」などとパチンコに興じているらしい。


夜半、携帯電話が鳴り、話しながら部屋から出て行く。


いったい何をしに入院しているのか、よくわからない……。


それでも数日後にはいろいろ話などするようになり、病名を教えてもらいました。


糖尿病。
食事制限付。



自宅にいると誘惑にまけて、いろいろ食べてしまうのだそうです。


毎日インシュリン注射をしていらっしゃいました。


が、それでも数値が安定せず、サラダを食べてはためいきをついていらっしゃいました。



どう考えても、理由はひとつ。


自宅に戻ったときに、がまんできずにおやつを食べてしまうのです。


そりゃ、数値も落ち着かないわ……



「菓子パンひとつつまんだだけよ」


だから、炭水化物食べちゃダメだってば。


そりゃ、家族に強制入院命じられるわ。



食事制限のつらさをよくわかっていない発言かもしれませんが、


もう少しご自分の体をいたわって欲しい。



ちょっと強引なところもありましたが、明るく気さくな方でした。



たった二週間なので、あまりしゃべらず仲良くなったりできませんでした。

というか、できなかったというか……



ずっと入院してらっしゃる方たちの中で、新参者の私は珍獣の扱いでした。


若くてぴんしゃんしている。
もうすぐ結婚。
交通事故の加害者で、骨折中。



うかつに、自分のことをしゃべってしまったことを後悔するには一日あればじゅうぶんでしたo(TωT )。


077



この忙しい時期に、入院。


冗談じゃない。



とっさにそう思いましたが、
実はラッキーな面もありました。



なぜなら、私は結婚式の招待状を手作りしようとしていたからです。



印刷会社に頼むと、結構な料金を取られます。


それ以前に、私はこういうことをなりわいにしていた時期があるので、けして手を抜くことが許されないジャンルだったのです。



フルタイムで働きながら、しかも残業続きの状態で、


週末は予定たっぷりで、


いつ作成すればいいのか……。


頭を抱えていたところでした。



でもでも、

入院している間は、まる一日、時間があいているじゃないですか!


ラッキー!!




……かなり間違っています。



作業のほとんどが、うつむいてしなければならないということをちっとも理解していません。


実際、デザインについては入院中にほぼ終わらせることができましたが、

予定していた裁断までは無理でした。



そりゃそうだよ。

病院のベッドで、B2サイズの紙をカッターで裁断なんて、無謀もいいとろだよorz




それでも、ロゴマークや書体にかなりこだわることができました。


見逃してくれた看護士さん、ありがとう~~。


076



土曜の朝。


ケイタイを持ってからは、めったにならない家の電話が、軽い電子音をならしました。


予定ぎっしりの週末のため、そろそろ起きようとしていた午前中。


電話をとって、目が覚めました。



医「帰っちゃダメです!

安静に、って言ったでしょう。

入院してください!」



怒られました。



私はどうやら「安静」の意味を取り違えていたらしいです。


「安らか」に「静か」にしていれば、動いても大丈夫。


そう思っていたのですが……




「やっぱり、動いちゃいけなかったんだね。
安静っていうから、おかしいと思った」


センセイよ。
そう思っていたのなら、早めに言ってほしかったorz



「安静に」と言われて動こうとする人はいないらしいです。


えー、立って歩けたもんー。


動けるなら、仕事行くのが社会人だもんー。


ごにょごにょごにょ。



なんで、「安静」の意味がわからなかったのかというと、


普段から丈夫でないため、


痛みとか体のだるさとかの加減がわからないのです。



どれだけ痛いと病院行けばいいのか、

どれだけしんどければ休んでいいのか。


立って歩ける限り、書類がめくれる限りは仕事に行く。


それくらいしか判断基準がない……などといいわけしてみたり。



ちなみに後日判明したのですが、

どうも母親の血のせいのような。



母親は腹水たまってからようやく病院に行って、ガンだと判明。


姉は腹痛をガマンしすぎて歩けなくなり、病院に搬送されてから捻転と判明。



そうか、家系か……
ならば仕方あるまい。




即行、病院に来いというので、でかけました。


たしか、センセイは土曜出勤のため、そのまま仕事に行ったはず。


なのでひとりでてこてこ病院まで歩いていきました。




病院につくなり、お医者様からお小言。


いい年して、職場以外で怒られることなどひさしぶりです。



「動いちゃダメ!」


きつく言われてやっと理解しました。


私、寝ていなくてはいけないのですね。


最低限の生活のため以外、動いてはいけないのですね。


乗り物に乗るなど言語道断、職場に出勤すること事態が無茶なのですね。


嗚呼。




医「入院。それがイヤなら自宅療養」


そんな二者択一。



センセイに相談することにして、一旦帰宅しました。


休日出勤だったため、早めに帰宅してくれたセンセイと相談。


こたつで向かいあって、夕食。



「入院しても、費用は全額保険会社もち。

入院の間の給与保証もOK。

だから入院しても金銭面での問題はないのです。


でもね」



足元には猫。しかも二匹。


入院期間は二週間。


猫は毎日散歩につれていかねばならないような習慣はなく、また、完全室内飼なので外に出してやる必要もない。


でも、ごはんと水は、定期的にあげないといけないのです。


そして二匹のうち一匹は、私にべったりぴっとりな甘えたさん。


寂しさのあまり、ハゲたりぐれたりしてくれる可能性があります。



入院を猫のために渋る私。


センセイはさとすように、私に言いました。



「入院、して。

もし自宅療養していてなにかあったら、後悔してもしたりないと思うから。

それに君は自宅にいると動き回るでしょう」


あう。

そ、そんなことない……と思うんだけどなぁ。



そうか、自分ひとりの問題じゃない。

自分ひとりの体じゃ、なくなってるんだ。


このとき、実感しました。


結婚すると、自分のことが自分だけの問題じゃなくなってしまう、ということ。


長いことひとり暮らしを続けていたため、なんだか家族という関係を忘れていたようです。



「猫は、俺が世話してあげるから。心配しなくていいから」


センセイのありがたい申し出。


さびしいですが、二週間、入院することにしました。


ちなみにこの時点で、二週間、という期限は、最低日数のことだったのです。


定期的にレントゲンをとってみて、骨のくっつき具合によっては、もっと長く入院せねばならなかったのです。


あまり長くなるようなら、自宅療養に切り替えさせてもらおう。


そんな自分勝手なことを考えながら、翌日から入院することになったのでした。




075



”フィラデルフィア”をつけたまま

電車に乗って、職場に行って。



なんというか、どこでも注目の的でした。


そりゃそうだ。


西洋の甲冑みたいなの、上半身につけた女が電車乗ってたら、

私だってじろじろみますとも。



そのとき業務的にはカウンターに座っていたのですが、来る人みんなに驚かれました。



そりゃ驚きますわな。


上半身固定した女性が、カウンターでお出迎え。


どんな会社やねん。





当時の先輩である男性社員の反応がとても顕著でした。


ベテランが入院、しかもアシスタントである私が半日休。


あまりにの忙しさに、机から顔もあげない状態でした。


私が遅れたことを詫びても、返ってくるのは返事だけ。


私は「怒ってるなー。でも仕方ないんだよぅ」と思いつつ、隣に座って書類をくりはじめました。




「M田さんこれワァ!」


まさにそんな感じ。


彼がようやくひと息ついて、私に指示を出そうとし、はじめて隣をみたのです。



「どどどどうしたんですかそれ!」


「ええと、胸椎骨折してまして~」



上司には説明したのですが、あらためて先輩にも説明しました。




自分で見ても笑える姿。


なぜこのとき、写真にとっておかなかったのかが悔やまれます。



”フィラデルフィア”は使い古され真っ黒になった状態で、破棄されたので、お見せすることも叶わず。


非常に残念です。



なんとか一仕事終え、

夜半帰宅し、自宅で待っていてくれたセンセイに報告。


「やっぱヒビ入ってた~」


”フィラデルフィア”に衝撃を受けていたセンセイでしたが、仕事はしてもいい程度なんだと納得すると



「すまないねぇ」
「なに言ってんのおとっちゃん、それは言わない約束でしょう」


などと軽口をたたいて、この日はおしまい。


早々に眠ることにしました。




明日は土曜。


さて、結婚式に向けていろいろやらねばならないことが。


あんまり活発に動けませんが、そうも言っていられないとばかりに、ふたりで計画を練っておりました。



まさか、翌日、あんな電話が来るとは思ってもいませんでした。



とほほのほ(ノ_・。)


074
※首パーツのみ。写真の人物はわたしではありません。




”フィラデルフィア”をつけて、

マジックテープの長さを調節してもらって……


やっぱ、動けません。

このまま三ヶ月過ごすのか……


かなり不安。




ちょっと待って。


お正月までの間、私かなり忙しいんですけども。


これから両家顔あわせして、式場と打合せして、ドレス試着して、家決めて、引越しして、結婚するんですけども!?



お医者様に相談すると、


「結婚式にはとれるでしょう。


ドレスは……首に負担のないものを、選んでもらうしかないですね」




固定具をつけて安静にしていれば、結婚式の支度はしてもよいとのことでした。




では、仕事は?


医「下、向きますよね。仕事」


向きますね。

下向かないようにするには、ええと、
PCのディスプレイを上げて
書類作成は、書類を立てて書けるようにディスプレイを机がわりに……



私「仕事に行ってもいいんですか?」


重ねてきくと、電車で揺られるのは良くない、ラッシュで人にぶつかるのも良くない、との答えでした。


それじゃ、揺れないように行けば良いのですね。


ラッシュについては、朝早い業種だから、人少ないから問題ナシ、と。




”フィラデルフィア”の装着方法を教わると、しばらく、待合室で待っていてくださいとのことでした。



ソファに座って落ち着いたとたん、なにかがやってきました。


どすーん、と。



えらいことになった。


背骨、骨折ですって。


なんだか大事になっちゃった。



なかなかお呼びがかからないので、ちょっと病院から外に出て、職場に連絡をいれました。


午後から出社することにしていたのですが、この時点ですでに昼一時をまわっています。



「もう少し遅くなります~」



仕事に行ったかって?


行きましたともさ。


だって職場は修羅場状態なんだもん。


半日お休みさせてもらえただけでも、ごっつ迷惑かけてたんだもん。





待合室にて、待てど暮らせど、お呼びがかからない。


持っていた文庫本はとうに読み終わり、


テレビ番組もお昼のまったりしたものに変わっています。



時計を見れば、もう二時。


どうなってるんでしょうか。




この病院、変わった間取りになっていて、待合室はひとつ。


そこから各科に入る扉がある。


いつもなら、看護士さんが待合室を行ったり来たりされていて、呼びに来てくれるはずなのですが。



誰も通らない。


各科の扉は、患者が勝手に開けてはいけない。


仕方がないので、常時人が座っている会計にたずねにいきました。



「あの、診察終わったみたいなのですが、誰も呼びに来てくれないのです」


私がそう言うと、事務的にな事務員さんはこうたずねました。


「精算はどうなってますか~?」


「ええと、事故なので……」


「あ、じゃあ、保険会社とうち(病院)とでやりとりしますからだいじょうぶですよ。

保険会社の方に、今日の診察と病院名を連絡しておいてくださいね」



あ、そういうものなんですね。


私はなにも手続きしなくていいんだ。



もう診察も終わったし、それじゃ、急いで会社に行こう。


もー、早く言ってよ~。



かなり焦っていたのだと思います。


そして、手持ち無沙汰だった。


そしてそして、私は、「安静」の意味をわかっていなかった……。




073



医「首動かすと、痛いですよね?」


お医者様に問われるまでもなく、首は上下左右どこに動かしても痛みます。


でも歩けるよ?
普通だよ?
ちょっと背中あたり痛むだけだよ。


医「安静にしてください。首、動かさないで!」



痛みを確認するために首を動かしていた私。


動かしちゃいけないのかー。


ううん、今までぐるぐる動かしてたなー。

凝りだと思っていたから。





お医者様が人を呼ぶと、看護士さんふたりが来られました。


「フィラデルフィア、用意してもらって」



フィ、フィラデルフィア?
アメリカですか?



看護士さんのうち、先輩の方は、お医者様の単語がよく聞き取れず、なにやら微妙な発音。


「フィデラル……? フィデルフィ……?」


かみかみ。



若い看護士さんが訂正してもなんだかよくわからない様子。


思わず、「アメリカの地名です……」とつっこみ入れてしまいました。



笑うと背中痛いのですが、思わずみんなで笑いがこぼれた一瞬でした。



「痛たたた……」


笑いながら痛みを訴えると、レントゲンを見た看護士さん、苦笑がもれていました。


病院関係者が笑うようなケガって、どうなんでしょうorz




やがてやってきた技師が持っていた”フィラデルフィア”をみて、思わずあ然としました。


ちなみに正式名称は頚椎フィラデルフィアカラー。



なんですかコレは。

西洋の甲冑ですか?

なんのファンタジーですか?



”フィラデルフィア”なる固定具<アーティファクト>。


首を前後からがっちり固定。


背骨にそってものさしみたいな棒がのびていて、胸部下でマジックテープにて固定。



ひぃ。

動けません、これ!


首動きません。

特に上下。

足元見えないんですけど。



怪我した猫が、患部をなめないようにするアレに似てます。

エリザベスカラー。




医「動いちゃダメなんですよあなたは。

特に首、下に向けないでください」


向けようとしても向きません。



医「骨がくっつくまで、つけていてください」


センセイ、いつくっつくんですか骨。

いつまでつけてりゃいいんですかコレっ。



医「二週間から一ヶ月は、最低でも、安静に。


完全に骨がくっつくまで、半年はかかります。


完治するまでフィラデルフィアつけてなくてもいいので……


そうですね、三ヶ月くらいでしょうか」



それは、年内いっぱいくらいですね。



お正月、コレつけて過ごすんですね……


072




ちょこちょこ病院に通ってしっぷをもらいながら、痛みをこらえて仕事。


四日ほど、月曜から木曜まではなんとかだましながら働いていたのですが、

金曜朝にだましがきかなくなりました。



ぜんぜん痛みがひかないのです。


むちうち、と言っても、筋肉痛とかわらない。



数日たてば症状はやわらいでくるはずなのに。


むしろ、痛みが増しているような気がするのは何故?




金曜の午前中、お休みをもらって、家の近所の病院で診てもらいました。


救急指定のあるその病院は、先日腰の筋を痛めたときにお世話になっていたためカルテがあったのです。


受付から整形外科にまわされて、お医者様に事情を話しました。



「うーん、指のしびれや頭痛はないんですよね?


だいじょうぶだとは思いますが……


念のため、レントゲン、とってみましょうか」



お願いします。



レントゲン室で胸部をぱしゃりととってもらい、現像されてきたフィルムを持って再び整形外科へ。


いつもどおり、混みあっている待合室で本を読みながらぼーっと待っていると、お医者様に呼ばれました。


若い青年医は、なんだか微妙な顔つきです。



トレース台(? なんていうのかしら、これ)に照らされたレントゲンをみて、笑いをふくんだ、わずかにあきれた声で告げられました。



医「折れてますね、コレ」



コレ。


お医者様がさししめした骨には、小さなヒビが三箇所。



ええと。コレ、なんの骨なんですか。


私には背骨にしか見えないんですが。




医「これは、肋骨、つまりあばら骨の一番上の二本を支えている胸椎という骨です」



第一胸椎、骨折。


やっぱり背骨じゃないですか!


背骨折れてるって、ちょっと、なんですかそれ……!?


重体っぽい怪我じゃないんですか!?




071



さて事故の翌日。


いつもの私なら通院と痛みを理由に、仕事を休ませてもらうのですが(ダメ社会人め……)


どうしても、この日は仕事に行かねばなりませんでした。



なぜなら、

ベテランの先輩が、椎間板ヘルニア(腰)の手術とリハビリのため、この前日から長期入院してしまったから。


そしてそれを補う人手は、笑っちゃうくらい足りないから!



もう泣きそうに人がいない状態の職場は、先日、やっとこさ新しい女性が派遣されてきたばっかりでした。


私がいなければ、女性は、経験値の低いその子ひとり。


午前中にはパートの女性もいるのですが、午後からは確実にひとりぼっち。



お茶くみはどうするの
ファックスは誰がチェックするの
来客の対応はどないしたらいいの
掃除は。


あかん、なんにも教えてへん。


這ってでも仕事にいかねばなりません。




胸や背中は痛むけど、歩けないわけじゃないし。


たかだかむちうち、一週間もすれば治るからだいじょうぶ。



会社には、事故のことをちゃんと報告し、病院に行きたいので早めに帰らせてくださいという旨報告していました。


事故のことは、もうとにかく笑っていただくために、オープンに話しました。



だって笑いはとらないと。
関西人なんだから。

(↑横暴な……)

070




事故で結婚前に私にケガをさせてしまったことを、センセイはとても真摯に考えていました。


それはもう、従来の性格から来る生真面目さで。


それは思いつめているとも言う……




そんなセンセイのもとに、一通のメールが届きました。



私の父から。


メールを開けるときのセンセイの心境は察してあまりあります(^^;)




父からのメールは、こんな感じの内容でした。




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センセイへ


事故のこと、大変でしたね。

保険や賠償などでいろいろあると思いますが、がんばってください。


話は変わりますが、

この事故を機に、娘に手綱を握られないよう、ご注意ください。


事故は事故、結婚生活は結婚生活。


けして負けてはなりません。


なにかあれば、相談に乗ります。
必ずご連絡ください。

それでは。

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父よ……orz


息子が、仲間ができることがそんなにうれしいのか父よ。


このメールで、センセイの気がずいぶん軽くなったことは否めません。


感謝の念はある。


あるのですが、イマイチ感謝しきれないのはなぜなのでしょうか……。