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土曜の朝。


ケイタイを持ってからは、めったにならない家の電話が、軽い電子音をならしました。


予定ぎっしりの週末のため、そろそろ起きようとしていた午前中。


電話をとって、目が覚めました。



医「帰っちゃダメです!

安静に、って言ったでしょう。

入院してください!」



怒られました。



私はどうやら「安静」の意味を取り違えていたらしいです。


「安らか」に「静か」にしていれば、動いても大丈夫。


そう思っていたのですが……




「やっぱり、動いちゃいけなかったんだね。
安静っていうから、おかしいと思った」


センセイよ。
そう思っていたのなら、早めに言ってほしかったorz



「安静に」と言われて動こうとする人はいないらしいです。


えー、立って歩けたもんー。


動けるなら、仕事行くのが社会人だもんー。


ごにょごにょごにょ。



なんで、「安静」の意味がわからなかったのかというと、


普段から丈夫でないため、


痛みとか体のだるさとかの加減がわからないのです。



どれだけ痛いと病院行けばいいのか、

どれだけしんどければ休んでいいのか。


立って歩ける限り、書類がめくれる限りは仕事に行く。


それくらいしか判断基準がない……などといいわけしてみたり。



ちなみに後日判明したのですが、

どうも母親の血のせいのような。



母親は腹水たまってからようやく病院に行って、ガンだと判明。


姉は腹痛をガマンしすぎて歩けなくなり、病院に搬送されてから捻転と判明。



そうか、家系か……
ならば仕方あるまい。




即行、病院に来いというので、でかけました。


たしか、センセイは土曜出勤のため、そのまま仕事に行ったはず。


なのでひとりでてこてこ病院まで歩いていきました。




病院につくなり、お医者様からお小言。


いい年して、職場以外で怒られることなどひさしぶりです。



「動いちゃダメ!」


きつく言われてやっと理解しました。


私、寝ていなくてはいけないのですね。


最低限の生活のため以外、動いてはいけないのですね。


乗り物に乗るなど言語道断、職場に出勤すること事態が無茶なのですね。


嗚呼。




医「入院。それがイヤなら自宅療養」


そんな二者択一。



センセイに相談することにして、一旦帰宅しました。


休日出勤だったため、早めに帰宅してくれたセンセイと相談。


こたつで向かいあって、夕食。



「入院しても、費用は全額保険会社もち。

入院の間の給与保証もOK。

だから入院しても金銭面での問題はないのです。


でもね」



足元には猫。しかも二匹。


入院期間は二週間。


猫は毎日散歩につれていかねばならないような習慣はなく、また、完全室内飼なので外に出してやる必要もない。


でも、ごはんと水は、定期的にあげないといけないのです。


そして二匹のうち一匹は、私にべったりぴっとりな甘えたさん。


寂しさのあまり、ハゲたりぐれたりしてくれる可能性があります。



入院を猫のために渋る私。


センセイはさとすように、私に言いました。



「入院、して。

もし自宅療養していてなにかあったら、後悔してもしたりないと思うから。

それに君は自宅にいると動き回るでしょう」


あう。

そ、そんなことない……と思うんだけどなぁ。



そうか、自分ひとりの問題じゃない。

自分ひとりの体じゃ、なくなってるんだ。


このとき、実感しました。


結婚すると、自分のことが自分だけの問題じゃなくなってしまう、ということ。


長いことひとり暮らしを続けていたため、なんだか家族という関係を忘れていたようです。



「猫は、俺が世話してあげるから。心配しなくていいから」


センセイのありがたい申し出。


さびしいですが、二週間、入院することにしました。


ちなみにこの時点で、二週間、という期限は、最低日数のことだったのです。


定期的にレントゲンをとってみて、骨のくっつき具合によっては、もっと長く入院せねばならなかったのです。


あまり長くなるようなら、自宅療養に切り替えさせてもらおう。


そんな自分勝手なことを考えながら、翌日から入院することになったのでした。