警察で、もらい事故の内容を聞いて、とっさに思ったこと。
センセイ、全然悪くないじゃんか!
前の車も、その前の車も、その前も前も、全然悪くない。
無理やり右折していった、ずっと前の車が悪いんじゃないか!
でも、実際に誰が罪をかぶるのかというと……
おかまをほってしまったセンセイなのです。
納得いかない……。
聴取してくれたのは、けっこう年配の男性警察官でした。
なんにもわからん小娘(?)の私に、理解できるよう、ゆっくり説明していてくれたように思います。
事故で混乱した頭で、私が考えていたことといえば、
「どんなふうに話せば、センセイが有利になるのか」
ということだけ。
事故の流れを説明してもらい、
私が見たこと、聞いたこと、思ったことを警察官に話しました。
話した、というよりも、警察官にききだしてもらった、という表現が正しい……。
いったい調書になにが必要なのか、
なにが必要じゃないのかが
さっぱりわかっていなかったのです。
なんども、会話の中で、センセイは悪くない、ということを繰り返していました。
警察官がまとめてくれた文章に、相違ありません、というサインをして、調書は完成です。
そのサインの前に、警察官が私にたずねました。
「センセイの、なにが悪かったと思う?」
興奮していた私。
とっさに答えましたとも。
「……軽自動車だったから?」
いや、あの。
それは事故の被害が軽くなったか重くなったかの差であって、事故の原因とはなんの関係もないから。
でも、そのとき、私にはそれくらいしか事故について思うことはなかったのです。
だって、悪くないもの。
センセイも私も、前の車も。
悪いのは、ずっと前の車だけなんだもの。
ふきだすように笑った警察官は、もういちどたずねました。
「そうじゃなくて。
今回の事故は、センセイの運転の何かが悪くて起こってしまったわけでしょう。
原因はなんだと思いますか?」
えー。
悪いのは、ずっと前の、右折野郎なんですけど。
「わかりません。センセイは悪くないと思います」
警察官は、迷子の子猫に泣かれた犬のおまわりさん気分だったのかもしれません。
「でも、なにか原因がないと、事故は起こらなかったわけでしょう?」
「だって、センセは悪くないんですよ!!」
なんどもなんどもなんども言ってるじゃないですか。
悪いのはずっと前の車で、センセイに過失はない!
完全に頭に血がのぼった私。
警察署に響き渡りそうな勢いで叫んでしまいました。
半年後、自動車教習所に通いはじめてやっと理解しました。
車間距離をあけていなかった。
前の車がどんなに急ブレーキをかけても、ぶつからない距離をあけて走るのがルールなのだと。
警察官はあの時、一生懸命、私が理解できるようにさとしてくれました。
すっかり興奮して激昂してしまった私は、それが理解できません。
なんども押し問答をした後に、
「これが一番、センセイに有利なのだ」
と説得されて
センセイが車間距離をもう少しあけていればよかった、という一筆をようやく書きました。
でもでもでもでも、普通に前の車が止まってくれていたら、全然ぶつからない距離だったんだよぅ。
どんどん距離がつめられてしまった、連続急ブレーキが悪いんだよぅ。
もう一度同じ状況になったら、やっぱり、ぶつかるとしか思えないんだよぅ。
いまだにそんなことを思っている辺り、かなり問題あるのかもしれません。
事故後、いろいろ考えて普通免許だけはとっておこう、と思い立ち、職場最寄の自動車教習所へ。
入所の際、適正試験なるものを受けるのですが。
ルールを守る概念が希薄。
というあぶない結果をはじきだしてしまいました。
違うねーん、自分がどれだけ気をつけていても事故は起こる、言いたかっただけやねーん。
教官の細められた目が怖かったです。
とほほのほ……。
こんな私にも、やってきましたSDカード。
『あなたは無事故で車を運転してるので、セイフティドライバーです』
免許取得から一年経過した今でも、若葉マークをつけて走りたい今日この頃です……