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「博多帯は夏冬兼用?」
こんにちは。
着付け講師の世古です。
この写真、お盆前後のものです。
絞りの浴衣に、紗献上の帯。
そういえば、夏帯も今日で最後になりますね。ちょっと寂しいなー
ということで、今日は帯のお話です。
生徒さんから、
かなりの確率で聞かれる質問に、
「博多帯は夏冬兼用ですよね?」というのがあります。
YESかNOかで答えると、NOです。
わたしは兼用しません。
博多帯が大好きで、8本もっていますが、
冬用と夏用(紗八寸博多帯/紗博多/紗献上)は、
6月と9月を境に、明確に使い分けています。
現在の博多織は、
- 平博多
- 献上博多
- 紗博多
- 羅系の博多
- その他の透け感のある夏博多
などがあります。
上でいうと、紗博多以下の3種類が夏帯になります。
「夏帯としての博多帯」が存在するので、
冬帯を、あえて暑い夏にはしめない。というのが、私の考えです。
実際に、紗博多は見た目にも涼しげで、通気性もあり、軽くて楽です。
とはいえ、
どうして、「博多織は夏冬兼用」が、こんなにも広まっているのでしょう?
生徒さんから質問されるたびに、いつも不思議に思っていました。
大好きな博多帯のことをもっと知りたくて、
先日、いろいろと調べてみました。
ここからは、長くなりそうなので、興味のある方だけ、どうぞお付き合いくださいませ。
改めて出典を調べてみると、
着物雑誌で、専門家の方の、「YES」寄りのコメントが掲載されていたり、
呉服店でも、「単衣の博多帯は一年中締められる」と説明しているところがある。
と、ありました。
ユーザー側からすれば、
兼用できる帯。と有名雑誌が太鼓判を押してるのだから、
それを信じたいですよね。
それでは、いろんな角度から「博多織は夏冬兼用」を探っていきたいと思います。
「昔は、夏冬関係なく帯合わせをしてたのか?」
昔から、冬帯、夏帯の区別はありました。
昭和初期の資料を見ると、絽、紗、麻などの夏帯が存在しています。
季節感をたいせつに。と、コーディネートに気を配るのは、今も昔も一緒です。
「昔は自由だった」と一言では片づけられません。
逆に、昔の方が繊細で季節感にも敏感だと感じることも多いです。
一方、よそゆきと日常は、はっきりしていましたから、
日常着は、締めやすさ、緩みにくい、などの実用性を重視していたのではないかと思います。
普段に着る着物は、
「夏だから、夏ものに替えなくちゃ!」よりも、
「締めやすいから、今日もこの帯にしよう!」が優先されていたのでは?
と考えます。
「昔は平織りのしっかりした“単帯”が、季節をあまり問わず使われていた」
「博多帯だけが夏冬兼用だった」のか?
ここは少し修正が必要です。
単衣帯全般が、季節を問わず締められていたのだと思います。
※単衣帯とは、芯を入れずに仕立てる帯のこと。それ以外には、芯を入れて仕立てる九寸名古屋帯や袋帯があります。
博多織は、一枚でも張りと強さがあるために、
昔から、博多織は、芯を入れずに仕立てる=「単衣帯」に向いていました。
つまり、
博多織=夏冬兼用というより、
博多織は「単帯」に非常に向いていた → 単帯は季節を比較的限定せず使われた。
という関係なのかもしれません。
補足ですが、
博多帯は男性の角帯としても一般的です。
博多織が、帯に特化して発展した理由としては、
刀を差しても帯が緩まないように、丈夫さが求められたことが挙げられます。
わたしは仕事柄、
昭和初期やそれ以前の帯を拝見する機会が多いですが、
今のように、袋帯の軽量化がされなかった時代、
帯地も帯芯も本当に厚くて重いです!
特に礼装の袋帯は、単衣帯の3倍~5倍くらいの重さがあるのでは?(私の体感値です)
その時代の感覚でいうと、
単衣の博多帯は、圧倒的に軽くて、
「一年中締められる帯」として、認識されていたのではないかと思います。
実用と好みが混ざった時代は、締めやすい帯をするのが普通のこと。
そして、次第に夏の着物や夏帯が、
ルール化、細分化していったのではないでしょうか。
「現在の紗博多はいつから製造されている?」
昔は、紗献上なんてなかった。という文章が散見されます。
確かに、わたしの大叔母や祖母からの着物に、紗献上はありません。
調べてみると、昭和40年代製の紗献上の現存品が確認できました。
(ですが、その前から作られいる可能性があり、はっきりわかりませんでした。)
おそらく、昭和30年~40年を境に、紗献上などの夏の博多帯が登場し、
現在の着物ルールに当てはめるようになったのではないでしょうか。
人々の「もっと夏らしく、涼し気に」という需要に応えるように、紗献上が登場した、という背景が有力に思えます。
昭和30年代の映画に描かれている帯
ここで、
同じく大好きな小津安二郎監督の映画を紹介させてください!
今回、わたしがじっくり見直したのが「浮草」です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E8%8D%89_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
小津安二郎監督 「浮草」1959年(昭和34年)
京マチ子さんは、
浴衣を着て、博多帯らしき単衣帯をお太鼓にしめて、とっても素敵。
単衣帯は透けがなくて、冬物の単衣と思われます。
登場人物たちは、広い世代で同じ組み合わせです。
映画の衣装ですので、正確な資料ではありませんが、
リアリティある衣装だとすると、
冬用単衣帯=実用帯として、浴衣に合わせて、夏(盛夏の7月、8月)にも使われていました。
博多織の歴史
江戸時代~
黒田藩の献上品として、献上博多が成立。
「丈夫で締めやすい」という博多織の帯としての性格が確立。
明治~大正
献上柄が一般にも広がる。
博多織は帯産地として発展。
昭和前期~
単帯としての博多帯が日常着に活躍。
昭和30年代~
着物・博多織の大ブーム。
昭和40~50年代
着物が日常着から離れていく。
紗献上の博多帯はこの頃から?
現代
「普通の博多=通年(盛夏除く)」「紗献上=夏」という区別が一般化。
着物ルールについては、
古くは
平安時代に更衣があり、
江戸時代の武家の衣替え、
明治の衣替えを経て、
戦後の着物ルールの定着へと変遷しています。
まとめ
ここまで歴史や流れを見てきました。
着物が日常的な衣服だった時代から、特別な時に着るおしゃれ着に変化した今、
いつ、何を着るかが体系的に整理されていきました。
博多帯は、その制度的な体系から少し離れた別の位置で、
「博多という帯地」として、多くの人に愛されてきました。
「博多は夏冬兼用」という考えは、
戦前からの延長線上にあるような、
生き生きとした、かつての着物文化を今に伝えているような気がします。
そして、
現代でも透けない博多帯の中には「通年使える」ものがあります。
たとえば現在販売されている博多織の帯には、
メーカー自身が「透け感がなく通年通して使える」と説明しているものがあります。
シーズンレスな着尺や帯も増えました。
この流れは温暖化も手伝って、ここ最近よく見ますね。
なかなかに難しい季節の着物ですが、
基本姿勢として、
おしゃれ着の部類は、神経質になりすぎなくとも大丈夫です。
それに、4寸(半幅)の博多帯は、間違いなく夏冬兼用です。
今回は、自分の感覚や経験も含めて、「博多帯」をブログにまとめてみました。
これからもリサーチして精度をあげていきたいと思います!
クルーズ旅行で、着物を着てきました!
こんにちは。
着付け講師の世古です
先日、母と日本一周のクルーズを楽しんできました
この通り、無事に行ってまいりました。
ご心配いただいた方々、ありがとうございます
実は、帰宅したのはちょうど一カ月も前となりますが、
気管支炎からの滲出性中耳炎になったり![]()
サイトトラブルがあったりで![]()
ブログ更新が、なかなかできませんでした。
…と、言い訳をさせてください。
では、仕切り直しまして。
旅行での、着物体験をお伝えします
今回、10日間のクルーズの間、
2回着物を着ました。
衣裳敷代わりに使用してました。)
他のものは変えない方がよいですね。
着物のお話で盛り上がったりして、和気あいあい。
ドレスに仕立ててお召しになっている素敵なマダムも!
マットな落ち着いた着物よりも、
でも、一番豪華だったのが~↓
最後に、着物のパッキングについて✨
普段しないことに挑戦したくなるもの。
わたし、調子にのって、
カメラマンさんの前でポーズしちゃいました。
ホームページのプロフィール写真をそろそろ更新しないとなーと思っていたので…
でも、ちょっと派手かなあ。
なんか、違うかなあ~…
明らかに、クルーズマジックにかかっている、画像の中の私は、なんか別人。
もしHPのプロフィール写真が更新されていたら、
ああ、あの時の写真ね。と温かく見守ってくださいませ。
それでは、また。
着付け師の旅支度(クルーズ編)
こんにちは。
着付講師の世古です。
本日は、単衣の小紋にアヤメの九寸帯です。
来月からは夏帯だから、
締め納めになります~
さて、
この度、初のクルーズ旅行へ出かけることになりました。
ずっと、行きたいと言っていた母が、
先月、83歳になり、
わたし自身も、まとまったお休みを取る決意をして、
出航の運びとなりました。
船内でフォーマルを着る機会があるので、
もちろん、迷わず、和装にする予定です!
今日は、クルーズパーティで着る着物とその荷造りについて
お話しようと思います。
…今、準備中です。
私のと、母のと。
2セットの着物を準備しているところです。
さて、何、着ようか…?
ずいぶん悩みました。
着用するのは6月なので、
夏単衣のセミフォーマルでまとめるのが無難ですが、
ちょっとつまらない、かなあ?
限定された場所ですし、
式典ではなく社交の場なので、
あえて、堅苦しくとらえずに…
数日前、いくつか候補を並べてみました。
候補1:レースの色無地
外国船なので、洋寄りのテイストにしてみる。
母用にベージュの正絹紋紗、
わたし用に、ポリエステルレースの紺色レース。
夏物の紋紗をレースの着物に見立てます。
帯もキラキラした洋風の柄に。
格や季節感にこだわらない、ドレス風の着こなしに。
候補2:濃紺と黒の紬の訪問着。
周囲は、ブラックフォーマルが多いのでは?という予想のもと、
母が黒をよく着てるので、
気持ちが落ち着きそうなダーク系。
フォーマル過ぎない、紬地の訪問着。
候補3:単衣のセミフォーマル
単衣仕立ての訪問着と色無地。
淡い、爽やかな色目。
帯は古典柄。
悩んだ末、
候補3の、単衣のセミフォーマルにしました。
母は単衣の訪問着。
私は、色無地。
帯は、写真映りを考えて、冬帯にしました。
これらを、スーツケースに詰めています。
着物、帯、長じゅばんは50㎝四方くらいにたたんで、
風呂敷に包みます。
(たとう紙のままスーツケースはNGです。)
紐などの和装小物は、ジッパー付きのトラベルケースに。
クルージングは、荷物の配送サービスがあります。
自宅へ集荷にきてくれて、客室まで届けてくれるのです。
なんと、便利!
サイズは、三辺の合計が160㎝以内、
ですが、重さは20キロまでと、上限があります。
20キロの荷物って、ピンとこないですけど、
和装二式を含めると、
すぐに超過しちゃうんですよね。
だって、他にも
水着やトレーニングウェア、10日分の衣服。
乗客を楽しませるために、夜ごと行われる、テーマ別のパーティがあり、
これも、ぜひとも便乗して楽しみたい!!
和装は一晩しかないので、
ここをスリム化しました。
本命の帯は諦めて、
軽い帯に変更。
小物類もいつもの出張着付けで代用している技を駆使して、
簡略化しました。
伊達締めはガーゼで代用。
帯板は厚紙で代用→使用後に処分。
衿芯も厚紙(自作)→使用後に処分
帯枕は、客室内のタオルで代用。
衣裳敷代わりの大判の紙→使用後に処分
着物は単衣、長じゅばんを夏物にすることで、かなりコンパクトになるなあ、と思いました。
袷だったら、もっと苦労していたでしょう!
(旅行には、やっぱり、単衣と夏襦袢がいいですね!)
さて、初のクルージング、どんな発見があるのか、楽しみです!!
次回のブログでは、
コーデの正解率(主観)を含め、
フォーマルパーティの様子をお伝えします!
あとは、出航までに、母が転んだり、風邪をひいたりしないことを祈って…
それでは、また♪
単衣に合わせる帯
おはようございます!
着付け講師の世古です。
寒暖差激しい日々ですが、みなさまお変わりありませんか?
毎日の着物も、単衣にしたり、袷に戻したり、
長襦袢も常に、冬用、夏用を出していて、
気温に合わせています。
もう、忙しい!!
上の画像の日、
最高気温は、25℃でした。
もちろん、単衣のキモノです、大島紬です。
帯は、母の九寸名古屋帯。
長襦袢は、夏の長じゅばんでした。
小物は冬物です。
最近、単衣に合わせる帯が変わってきました。
以前、
「単衣のキモノ」+「夏帯」=6月のコーディネート(夏単衣)
「単衣のキモノ」+「冬物八寸名古屋帯」=9月のコーディネート(冬単衣)
と、習いました。
22度超える期間が長くなり、
単衣の季節が長くなった昨今でも、
この帯の組み合わせは、ずーっと守ってきました。
何となく、単衣に厚い帯をするのは、野暮ったいかな、という感覚があったからです。
しかし!
昨年から、少しずつ変えました。
こんなに単衣を着ているのに、
合わせる帯が少ない!
バリエーション狭くてつまらない!
注意してみてると、みんなけっこうおしゃれ袋とか締めている!
ということで、
おしゃれ着に限り、
塩瀬帯やおしゃれ袋を単衣に合わせるようになりました。
単衣のキモノに芯の入った帯を合わせています。
見た目には、たいして差はないと思うのですが、
わたしの中では、大きな変化!!
もちろん、
寒色、暖色の使い分けや、
見た目の軽重感も重要だな、と感じています。
話を戻しますが、
上の画像の日は、
今から二週間前です。
今よりも、まだ緑が淡くて、
日差しも、もう少しやわらかくて、
でも、気温は高くて。
そんな日に、
普段は着ないイエローベースのコーディネートに心が揺れました。
思い切って、合わせてみたら、気分があがり、
自分の中で、「アリだな♡」と思いました。
もう処分しようと思っていた母の帯も、復活しました。
(よかったね♪帯)
おしゃれ着だから、こんな風でいいと思います。
礼装は、ある程度、ルール通りにしています。
日本は、はっきりとした四季がありますが、
境目となる、季節の変わり目は、
三寒四温みたいな、
行きつ戻りつの揺らぎの期間を通過して、
季節が変化します。
揺らぎの期間は、きもの、むずかしいです。
でも、
その日の気温や自然を取り込んで、
コーディネートに反映しようと、試みて…
そして、心にぴったりくると、なんか嬉しい。
小さい幸せですが、
こんな喜びは、着物がもたらしてくれている、と思っています。
それでは、また。
和装と姿勢
こんにちは。
着付け講師の世古です。
今日は、白地のぜんまい紬。
ほっこりしていて、春先に着やすいタイプ。
帯も絣柄で合わせました。
…やっと繁忙期が終わりました。
この数週間は、いつもより早起きして卒業着付けに出向いてました。
季節が良いので、前撮やお宮参りのお客様もいらして、日々にぎやかでした。
先日のお客様、
予定の半分の時間で振袖着付けが終わりました。
こんなに楽に、スムーズに、
お仕度させてもらえたのは、お客様の姿勢のお陰です。
左右差がなくて、
均整の取れた体型の上、
まっすぐに立ってくださる。
お着付をする際、
一番気を使うのは、「補正」ですが、
いくら足したり、押さえつけたりしても、
実際の骨格や筋肉にはかなわないのですね。
そのことに、改めて感じ入りました。
今日の話題は、
「和装と姿勢」についてです!
洋装も、和装も、
姿勢がよい=シルエットが決まる=美人度が上がる!ですよね。
和装は、体型カバーされるようで、
実は、まとうものを支える骨格や体幹がとても重要です。
昨日の、お宮参りでお着付したお母様も、
モデルさんのように、細いのにしっかりした体幹。
慣れていないながらも、歩行がちゃんとされていて、
お見送りしながら、遠目で見たときに、美しい!と思いました。
このお客様たちへ
「何かスポーツされてますか?」と、伺うと、
ずっと続けていることがある、とのこと。
(特に、前述のお客様は空手、ということで、深く納得しました。)
自装の場合も同様と思います。
最近、同世代の生徒さんが、
「衿元がゆるんでくる」
「帯を締めても、だんだん下がってくる」
と言われて、
補正を見直したり、着物サイズを測り直したりしているのですが、
原因のひとつとして、
骨格の歪みや筋肉の衰えにもありそうです。
若い時と同じ補正をしてるのはNGなのは、もちろんのこと、
気を付けるべきは、姿勢と体幹だと思います。
もうひとつ。
最近、なるほど~と思ったことですが、
ChatGPTに、
大人世代の「美容コスパ」優先順位をきいたところ、
1. 髪
2. スキンケア
3. 歯、口元
4. 体型、姿勢
5. サプリ
と言われました。
サプリよりも、姿勢なのです!
(ちなみに、第三位の歯は何かというと、歯のホワイトニングなど、とのこと。)
かくいう私は、ですが…
よい姿勢からは、ほど遠く、
「和装と姿勢」については、深く悩んでいます。
整体通いと、筋トレが、かかせません…
今年のわたしの目標は、
散歩を日課にする。
トレーニングメニューを増やす。です。
着物をきれいに着るために!
日々失うものを、少しでも補えるように!
それでは、また。








