ワタミ創業者で自民党参議院議員の渡辺美樹氏がフェイスブックで次のように呼びかけています。
週末27日(日)投開票の川崎市長選挙に立候補されている、ひでしま善雄(よしお)さん。
横浜出身である私にとって、横浜と東京の間にある川崎市はとても身近な街です。ひでしまさんは川崎市の魅力を「単なるベッドタウンでもなく、単なる産業都市でもない。複合的に活力がみなぎる街」とおっしゃっていて、とても共感しました。
ひでしまさんが掲げる経済政策は、中小企業の支援や海外展開の支援など、私の政策と重なる部分も多いのでご紹介させていただきます。
前回の川崎市長選挙は36.09%と非常に低いものでした。4年に一度、自分の想いを政治家に託せるチャンスです。川崎市にお住まいの方は、ぜひ投票へ行きましょう。
川崎から日本を元気に!! ひでしまさん、がんばって下さい!!
このフェイスブックは、渡辺美樹氏のツイッターでも発信されています。↓
https://twitter.com/watanabe_miki/status/393349486116106240
以上が、渡辺美樹氏の呼びかけです。渡辺美樹氏が、ひでしま善雄候補の経済政策に、「とても共感しました」として、「ひでしまさんが掲げる経済政策は」「私の政策と重なる部分も多い」「川崎から日本を元気に!! ひでしまさん、がんばって下さい!!」と明言しているわけです。
そうすると、ひでしま善雄候補の経済政策を理解する上で、「重なる部分も多い」という渡辺美樹氏の経済政策や、それにつながる渡辺美樹氏のこれまでの言動を具体的に見ることは、とても有益になります。なので、渡辺美樹氏の経済政策を以下、紹介します。
まずは、「ブラック企業大賞2013」で「大賞」と「一般投票賞」のダブル受賞をしたワタミのノミネート理由 を紹介します。
▼ワタミフードサービス株式会社
居酒屋チェーンや介護事業を全国展開している同社では、2008年6月に正社員だった森美菜さん(当時26歳)が、厚生労働省が定める過労死ライン(月80時間の残業)をはるかに上回る月141時間の残業を強いられ、わずか入社2カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれた。昨年2月に労災認定されたあとも、同社は責任を認めることなく、創業者である渡辺美樹会長は遺族からの求めに応じず、いまだに面談も謝罪も拒否している。亡くなった森美菜さんは連続7日間の深夜労働、午後3時から午前3時半の閉店まで12時間働かされた。閉店後も遠く離れた社宅には始発電車まで帰ることもできず、休憩室のない店舗で待つしかなかった。ほかにも休憩時間が取れない、休日出勤、強制的なボランティア活動、早朝研修、給料から天引きで買わされた渡辺会長らの著書の感想文提出などで疲労は蓄積した。残業に関する労使協定(36協定)も店長が指名したアルバイトに署名させるという違法行為が労働基準監督署から是正指導を受けた。遺族と支援する労働組合は、森美菜さんの労働実態と原因の解明のために経営者ら責任ある立場の人との面談を同社に求め続けているが、同社は顧問弁護士のみとの面談を除いて応じる姿勢を見せていない。逆に同社は昨年11月、遺族を相手取って同社が支払うべき損害賠償金の確定を趣旨とした民事調停を申し立てた。報道によると、同社が全社員に配布している「理念集」という冊子には「365日24時間死ぬまで働け」と書かれているという(『週刊文春』2013年6月13日号)。
次に、渡辺美樹氏の「ネットで読めるブラック語録」を紹介しておきます。
◆「365日24時間、死ぬまで働け」(中略)10年後も20年後もこの言葉が飛び交う「ワタミ」でありたい。
https://twitter.com/watamism/status/350300781766909952
◆四〇度の熱くらいで心まで逃げてしまうような普通の人間は、ワタミフードサービスの幹部としてふさわしくない。
https://twitter.com/watamism/status/349032548690706432
◆ビルの8階とか9階から、「今すぐここから飛び降りろ!」と平気でよく言う。
http://matome.naver.jp/odai/2137052366612406401
◆営業12時間の内にメシを食える店長は二流だと思っている。命がけで全部のお客様を見てたら命がけで全部のお客様を気にしてたら物なんか口に入るわけがない。水ぐらいですよ
http://hamusoku.com/archives/7903785.html
◆お客様の奴隷になれ。
https://twitter.com/watamism/status/352565775523000320
◆労災認定の件、大変残念です。四年前のこと 昨日のことのように覚えています。彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理 できていなかったとの認識は、ありません。
https://twitter.com/watamism/status/352429873140219904
◆ワタミは僕が今まで二十九年間つくってきた会社、もう爪の先まで自分のものです。巷では『ブラック企業』と言われているが、本当にふざけやがってと思っている。
https://twitter.com/watamism/status/352428264934998016
◆「ブラック企業」という一人歩きの言葉でユニクロを含めた一部の企業を叩くのは、これは僕は"ペンの暴力"だと思います。
https://twitter.com/watamism/status/351433253741268993
◆家庭があるならば、「これから八年間は俺を死んだと思ってくれ。その代わり、その八年が過ぎたら、お前を絶対に幸せにする」ぐらいの覚悟がなければ、男はダメだ。
https://twitter.com/watamism/status/352293972393213952
◆ニートを持つ親に言いたいのは、働かない者には飯を食わすなということです。そうすれば働きますよ。甘えてるだけです。仕事がない? いっぱいありますよ。ワタミでもアルバイトをたくさん募集しています。仕事を選ぶからいけない。
https://twitter.com/watamism/status/350753968634335232
◆アルバイトとして雇った部下がいましてね。あのころは僕、そいつの頭を何度もスリッパでひっぱたいていました。それでも十数年はついてきてくれましたが、8年ほど前に辞表を出したんです。追い込まれて、潰れたわけです。
https://twitter.com/watamism/status/344550949425119232
◆社員には頭を下げて、「ごめん。今月、給料はゼロです」と言ったことが何度もあります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20111129/224587/?P=1
◆円高で工場が大変なら、2割位のサービス残業をしなさいよ!
http://matome.naver.jp/odai/2137052366612406401
◆ワタミがワタミであるために…。必要な要素がすべて書かれている理念集。ワタミグループに所属する者がどうして摩り切れるまで読まないことがあろうか。(※理念集には「365日24時間、死ぬまで働け」とある)
https://twitter.com/watamism/status/352701649057349632
◆よく「それは無理です」って最近の若い人達は言いますけど、たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理矢理にでも一週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです。そこでやめてしまうから「無理」になってしまうんです。全力で走らせて、それを一週間続けさせれば、それは「無理」じゃなくなるんです。(wikipediaから)
◆ブラックって言われたら一人前じゃないですか。(ブラック企業と批判されても反省)する必要ないでしょ。(過労死なくしたい遺族の願いを「不当な要求」、ブラック企業「なめんなよ」と恫喝するワタミ渡辺美樹氏)
http://ameblo.jp/kirayoshiko/entry-11575196448.html
◆(派遣切りにあった若者たちに対し)「人のせいにしちゃダメ。被害者意識が強い」「なぜ貯金持ってないの? おかしいでしょう」「今まで税金払わないで何考えて生きてきたのか」「マスコミは(若者に)過保護すぎる」(wikipediaから)
◆2010年のプレジデント誌のインタビューで「ビルの8階とか9階で会議をしているとき『今すぐここから飛び降りろ!』と平気でよく言う」「部下の頭を何度もひっぱたいた」と発言。(wikipediaから)
◆《池上彰氏による指摘》
「ワタミグループで過労を苦にした自殺者が出たことについて、私たちの番組のインタビューに『それでブラック企業と言われたら、日本には千や万のブラック企業がある』と開き直っていました」
http://news.livedoor.com/article/detail/7894560/
◆講演会で「自分を犠牲にしてでも働くべき。残業代のような小さいことを言っているような人間はどうかと思う。少なくとも私は自分を犠牲にしても何事も取り組んでいる」と、残業代未払いを当然のこととする発言もしている。(wikipediaから)
次にネットで読めるワタミの実態です。
◆ワタミ元店長が告発
20時間労働、相次ぐ失踪者
創業者・渡辺美樹氏の著書 感想文を義務づけ
http://ameblo.jp/kirayoshiko/entry-11566847180.html
「どこまでが拘束時間でどこからが自由時間なのか。そんな概念すらなくなっていた」
こう振り返るのは、ワタミグループの居酒屋「和民」で正社員・店長だった20代の女性Aさんです。
ワタミは、タイムカードによる勤務管理が形骸化。1日14、15時間勤務は当たり前で、繁忙期は20時間近くも。月に1回休めるのは珍しいぐらいでした。
「2008年に自殺した女性の場合、1カ月の残業は141時間。私はそれをゆうに超えていました」
日々の利益目標が先にあって、売り上げに応じて、社員の勤務時間=人件費を操作して利益が出るように帳尻を合わせていた、といいます。
勤務中に倒れて救急車で運ばれても、翌日には店頭にたっていました。
Aさんはわずか4時間の睡眠をも削って、早朝からの“研修”出席を強要され、渡辺氏の著書などの感想文提出を義務付けられました。彼の経営哲学を丸暗記して筆記するテストもありました。
勝つまで戦え、できないと言わない――。
筆記テストで、渡辺氏の“哲学”を一字一句正確に記述できないと、再試験を受けさせられました。
「カルト教団のようでした。社員を使い捨てにする人に政治家の資格はありません」とAさん。
「私は退職できたが、会長に陶酔する人ほど精神を病んでいった。周りで失踪者が相次ぎました。政治はこんな企業を野放しにしていいのか」
◆ワタミで残業月140時間働かされたが
タイムカードは月45時間が上限、3分の1以下の残業にされる
http://ameblo.jp/kirayoshiko/entry-11572368832.html
紫野 さて、いま問題になっているワタミはブラック企業だと言われているわけですが、実際の労働環境はどうだったのでしょうか?
イシダ(ワタミ元正社員) いやもう最悪ですね。自分の同僚は残業140時間で月300時間も働かされていました。残業は月45時間が上限にされていて、それ以上残業しても会社からタイムカードを打たせてもらえませんでした。実際の残業どおりにタイムカードを打ったら会社の利益にならないからと言われていました。
夕方5時オープンだとすると、午後3時にお店に入って準備をするんですけど、平日だと午後3時から午前3時まで開店して、翌日の準備などで午前4時半とか午前5時に仕事がやっと終わります。休日前だと午前5時が店のクローズなので、午前6時頃に仕事が終わります。それに加えて休日に出勤して残業140時間にもなるのです。それで残業140時間をそのまま申告したら怒られるので、残業45時間と申告させられる。仕事が残業45時間で終わらないことはワタミの上の方は分かっているはずです。それを黙認して働かせているのです。
吉良 残業45時間で終わらないような仕事を与えておきながら、残業代を払わないなんて許せませんね。
バイトが台風で来られなくなって正社員が穴埋め
残った唐揚げや焼きそばを5万円も買い取るワタミ社員
イシダ(ワタミ元正社員) 会社からは「お前、別に働かなくてもいいけど店が回らないよ」って言われますね。他に頼る人がいないので俺が働かなくちゃいけないのかな、しょうがないのかなぁみたいなことになってしまうんですよ。洗脳みたいな感じで、みんなをそんな発想にする。それから、休日出勤でよくあるのが、バイトの穴埋めです。無理な形でバイトの穴埋めを正社員にやらせる。バイトの人が辞めても、正社員は逃げられないのでその穴埋めをやらされる。「バイトが台風で来られなくなったからお前来いよ」みたいなことも私自身ありました。バイトの穴埋めすると上からは「今度早上がりでいいから」とか言われるんですけど、早上がりっていっても早くて午前0時で、結局、終電がなくなっちゃってずっと働いてるような状況でしたね。
それと、閉店後に残りものを買わされるというのもある。残った唐揚げとか焼きそばとか食材を店の業績を上がってるというふうに見せるために5万円ぐらい買い取っている人もいました。
ワタミ社員に寄付強制し
自分の功績にする渡辺美樹氏
3カ月に1回、理念研修というのがあって、ワタミの理念を今一度確認しようみたいな研修に参加させられます。4人1組で、どんなふうに働いてるかをそれぞれが話して、ミキティ(渡辺美樹氏)の言ってる通りに働いてたら褒められて、そうじゃなければ批判させる。4人1組で自分の経験談を言い合ったりするんですけど、あるとき、夢について語るみたいになって私は、「自分が店長になった店に、家族を呼んでご馳走してあげるのが夢だ」と言ったら上司に「君の夢は小さいねぇ」って批判されました。
それから、上司から「お前、ちょっと、空を飛べよ」って言われたことがあって、それに対して、「空は飛べません」って言ったら、「お前、それはダメだよ。飛行機をどうやって作るかを考えて、その予算を具体的に考えて、私はこうやって空を飛ぶことを実現すると言わなければ、お前それはダメだよ」と上司に言われました。とにかく、「無理」って言わせてもらえないんですね。ワタミはどんなに人が少なくても、どんなに理不尽なことがあっても「無理」とは言わせてくれないですし、言わせないような教育を受けますね。それで月に300時間も働くやつが出て来たり、数万円も寄付をする社員が生まれるんだと思いますね。
寄付っていうのは、ワタミの森プロジェクト、リターントゥーフォレストというのがあって、それの植林事業が月に1口100円です。カンボジアとかに学校をつくるのもあって、それが月に1口1,000円。あと、みんなの夢をかなえたいというプロジェクトがあって月1口100円。毎月、合計1,200円が半強制で寄付させられます。寄付を断る人はマークされたりとか、上司から「あいつはもうダメだな」みたいに言われる。会議の場でも会議資料に寄付の申込み用紙が付いていて、上司に「きょうはこれを書いて帰れよ」と言われたんですけど、私がそれを拒否したら、仕事しているときでもメールで催促されたりとかとにかくしつこいので最後は折れて申し込んでしまいましたね。これは給料から毎月天引きされます。社員に強制しておいて、自分の功績みたいな顔をされるのがたまんないですよね。
紫野 人に強要しておいて何が夢プロジェクトですかっ!
日本社会全体が「365日24時間働く」ブラック企業化となる
ワタミ渡辺美樹氏の中央政界進出はとにかくやめて欲しい
イシダ(ワタミ元正社員) 渡辺美樹さんが自民党の方から選挙に出ているじゃないですか。それはちょっと違うんじゃないかなと思いますね。それで本人が投票は「自民党」じゃなくて「渡辺美樹」って書いて投票すれば私が中央政界で仕事ができるようになるんだみたいなこと言ってますけど、あの人が中央政界で仕事するなんて考えられないですね。日本社会全体が「365日24時間働く」のが当たり前になったらとんでもないですね。とにかくやめてくださいということです。
紫野 政治家になったら、無理矢理、自分の夢とか言って、みんなの税金を取られそうだよね。
◆ワタミ正社員の時給930円の156倍得る渡辺美樹氏のブラックな持論=下流は野垂れ死にするしかない
http://ameblo.jp/kirayoshiko/entry-11573025543.html
参院選比例代表に自民党から立候補している渡辺美樹氏は、雑誌『PRESIDENT』2006年1月30日号掲載の対談の中で次のように発言しています。
「我々は自由主義を選んだんだから、自由主義社会にすべきで、それはイコール競争社会なんだから下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」
「ひきこもりに三食届けるからひきこもる。飯を与えなければ這い出してきますよ。」
(※いずれも雑誌『PRESIDENT』2006年1月30日号、77ページに掲載されている渡辺美樹氏の発言そのままです)
渡辺美樹氏によると、「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」とのことですが、それでは「上流」にいる渡辺美樹氏はどんな状況にあるのでしょうか? ネット上でも読むことができる日刊ゲンダイ2013年7月12日掲載の「5億円マンション暮らし ワタミ渡辺美樹氏の“巨額蓄財”」という記事 によると、渡辺美樹氏は5億円マンションに暮らし、横浜市内に一軒家も持っていて、「配当は、今年も約2億6000万円。恐らく、株式の売却益と配当などで、これまで渡辺前会長には数十億円が入っているはず」とのこと。
一方で、ワタミは正社員でも時給930円。 役員報酬を1億円以内に巧みに抑えている渡辺美樹氏の1年間で得られたお金は、役員報酬は1億円以内なので、配当の2億6000万円をあわせて、とりあえず3億円としておきます。ここでは話を分かりやすくするために単純化し、得られた3億円で比較するとすれば、渡辺美樹氏の年間労働時間をワタミ社員の年間労働時間の2,064時間と同じとして計算すると、時給14万5348円となります。渡辺美樹氏の時給14万5348円は、ワタミ正社員の時給930円の156倍になります。これが渡辺美樹氏が言うところの「下流にいれば飯が食えなくなって野垂れ死にするしかない」社会の現実だということなのでしょう。
◆ブラック企業徹底追及
ワタミの介護 入所者の死亡事故相次ぐ
夜勤続き 人手不足
明け番のサービス残業常態化
http://ameblo.jp/kirayoshiko/entry-11602876881.html
社員の過労自殺などを理由に、弁護士らが選ぶ「ブラック企業大賞2013」で大賞を受賞した居酒屋チェーン「ワタミフードサービス」。問題は居酒屋だけでなく、有料老人ホームなどを運営する「ワタミの介護」(東京都大田区)にも…。
介護付き有料老人ホーム「レストヴィラ」を全国90カ所以上に展開している「ワタミの介護」。外食事業を上回るワタミグループ最大の営業利益(44.2億円、13年3月期)をあげています。創業者は、今回の参院選で自民党から立候補し、当選した渡辺美樹氏。各ホームの銘板には渡辺氏の名前で「自分の両親にして欲しいと思うことをすべてさせていただこう。自分の両親にして欲しいと思わないことは絶対にするのはやめよう」と書かれています。
司法も「不適切」
ところが実態は、言葉通りではありません。同社の施設では、入所者の深刻な死亡事故が相次いでいます。
―― 女性入居者(73)が入浴中に溺死(5月、大阪市港区)
―― 職員が約1時間半目を離している間に入浴中の女性入所者(74)が水死(昨年2月、東京都板橋区)
両事故については、業務上過失致死容疑で警察が捜査中。司法も不適切な介護を認定しています。
06年に川崎市高津区の施設で男性入居者(87)が床ずれを悪化させ敗血症で死亡し、遺族が同社に損害賠償を求めました。横浜地裁は昨年3月、施設側に債務不履行と注意義務違反があったとして約2,160万円の賠償を命じました。
表面化したこれらの事故のほかにも…。
編集部は、「ワタミの介護」の神奈川県内の介護付き有料老人ホームが職員に配信した業務連絡メールを入手しました。そこにはこの施設での数々の事故が記載されています。
―― 浴室で転倒、頭頂部を打ち3センチ大の裂傷、出血で病院受診。頭頂部10針ホチキスで固定(11年10月21日)
―― 入浴時、手すりに顔面をぶつけ、左眉上に5センチ×4センチの血腫、左上腕と前腕に皮膚剥離で病院受診(同31日)
安全管理を問われかねない事故がわずか10日間に相次いでいます。
同施設は、介護保険法にもとづく条例で、事故発生時には市町村などに連絡を行うよう定められています。また市町村は、さらに「要領」で速やかな第一報と後日に再発防止策などを盛った本報告の提出を求めています。
しかしホームを所管する自治体の担当者によれば先の2件について、第一報がなく本報告のみ提出されたといいます。
「第一報も本報告もない」(担当者)ケースも――。12年5月29日、朝食時に入所者の容体が急変し、救命センターに運ばれた後、死亡した事例です。
事実なら重大な事故隠し。自治体担当者も「本報告をしていなければ条例に抵触する。確認したい」と話します。
「眠い、きつい」
なぜ、事故が相次ぐのか…。その背景にブラック的な労働者の働かせ方があるのです。
問題の神奈川県内のホームで働いていた看護師が強烈に覚えている光景があります。
―― 疲れきった職員が入所者の口に食べ物をさじで突っ込んだまま寝ていた。
看護師は「ホームでは夜勤明けのサービス残業が常態化していたからだ」と明かします。
「夜勤明けはタイムカードで午前10時ごろに退勤と打刻した後、お昼の配膳や食事介助、フロア担当、レストランへの誘導を日常的に行っていた。職員はいつも眠い、きついとこぼしていた。女工哀史のような働かせ方から『あゝ野麦峠』とささやかれていました」
編集部が入手した同ホームの今年7月の勤務表があります。正社員9人の出勤日が25日前後で、公休日は6~7日。夜勤にいたっては2人が9回、5人が7~8回という異常な多さです。
同ホームの求人広告では、正社員は1日実働8時間で休日は月9日、夜勤は平均月4回程度としています。
職業安定法は、虚偽の広告、虚偽の条件提示で労働者を募集した場合の罰則(第65条8号)を設けており、それに抵触する可能性もあります。
前出の看護師は語ります。
「過酷な勤務で、離職率も高く、慢性的に人手不足だった。介護福祉士も1~3人程度で、介護の未経験者も即採用だった。多忙と経験不足の職員による介護で、食事をのどに詰まらせる、薬を飲ませ忘れるなどは日常茶飯事だった」
編集部の取材にワタミの広報担当は、「事実確認をしている」と回答しています。
過重労働は法違反の疑いも
東京介護福祉労働組合前書記長 田原聖子さん
もともと介護付き有料老人ホームの人員配置基準はけっして高いものではありません。しかもこの施設は要介護1や2の入所者の割合が高く、より手厚い介護体制が必要とされます。
この施設に介護福祉士が3人しかいないのだとすれば、介護事故が頻発し、安全が守られないのは必然でしょう。これでは命の保障すら困難です。
連続勤務や夜勤・明けの繰り返しなど過重労働も大問題です。夜勤明けで午後まで勤務するような状況が常態化していれば、労働基準法に抵触する可能性があります。
2012年の介護保険法改定では、事業者に対する労働法規の順守の徹底が新たに加えられました。労基法等に違反して罰金刑を受けている介護事業者について、事業指定の取り消しなどを行うことになりました。
厚生労働省と都道府県は、労働基準監督署と協力して、ワタミをはじめ他の介護事業所の監査を強化し、利用者や労働者の就労先を確保しつつ、悪質な事業所については指定取り消しを行う必要があります。
根本的な問題としては、営利目的の株式会社による介護施設増設を進める国の施策があります。国・自治体の公的責任が問われています。
――最後に、父親を過労自殺で亡くした小学1年生の詩と、森美菜さんが残された手記を紹介します。
僕の夢
大きくなったら、ぼくは博士になりたい。
そしてドラえもんに出てくるようなタイムマシーンを作る。
ぼくはタイムマシーンにのって
お父さんのしんでしまう前の日にいく
そして「仕事に行ったらあかん」ていうんや
そして、2008年6月にワタミの正社員だった森美菜さん(当時26歳)が、厚生労働省が定める過労死ライン(月80時間の残業)をはるかに上回る月141時間の残業を強いられ、わずか入社2カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれました。森美菜さんが残された手記です。
体が痛いです
体が辛いです
気持ちが沈みます
早く動けません
どうか助けて下さい
誰か助けて下さい
http://matome.naver.jp/odai/2132988293285468601
森美菜さんの過労自殺は、昨年2月に労災認定されました。しかし、ワタミは責任を認めることなく、創業者である渡辺美樹会長(当時)は遺族からの求めに応じず、面談も謝罪も拒否しました。
「川崎から日本をブラックに」されては困ります
――以上、見てきたように、これが渡辺美樹氏の経済政策のブラックな実態です。こうした渡辺美樹氏に「とても共感」され、「重なる部分も多い」ひでしま善雄候補の経済政策によって、「川崎から日本を元気に!!」どころか、「川崎からブラック企業を元気に!!」してしまい、「川崎から日本をブラックに!!」されてしまっては大変です。
君嶋ちか子さんは、
川崎からブラック企業をなくし
6,000人の雇用を創出します
君嶋ちか子川崎市長候補は、公共職業安定所で職業相談、事業所への指導など雇用にかかわる仕事の第一線で36年。働く人を守る立場で人材派遣会社に指導したり、学校や企業の依頼で労働基準法や労働者の権利などの講義も多数おこない、裁判所の労働審判員もつとめた、雇用・労働問題の専門家です。働くもののまち川崎の市政を安心してまかせられる人です。
君嶋ちか子さんが川崎市長になれば、川崎からブラック企業をなくすとともに、市民の暮らしと福祉応援の市政に切り替えて、福祉・教育・防災分野で6,000人の雇用を創出します。保育園の増設で1,100人、特別養護老人ホームの増設で4,200人、教員の欠員の解消、中学校までの30人学級の実現で600人、中学校給食の実現で200人、消防職員の増員で135人。そして、最低賃金を時給1,000円以上にし、電機・情報産業の大リストラ計画の中止を求め、高校生の就職支援を強化したり、市長を先頭に求人開拓・正規雇用拡大の大作戦を実施するなど、働く人が安定した雇用でまともに暮らせる賃金を得られるように行政が川崎市内の企業に積極的に働きかけていきます。