歩いて
近くの就労支援事業所へ着いたとき
彼の表情は、みるみるくもり
・・・ここですか?
と小さな声で、聞いてきました
確かにね
どちらかというと
表通りではなく裏通りにある
古いビルの2F
せまい階段を上がっていきます
こんにちは とドアをあけると
狭いフロアで20人ほどが作業中
ガヤガヤした雰囲気に固まっている彼に
働いている人が近づいてきて
「いつから来るの?」
「何才?」
と、ぐいぐい聞いてきます
さらに固まる彼・・・
事前に
質問は、自分でしてください と
伝えてありました
これはムリかな?
と思ってみていると
タオルを口にあてて絞り出すように
トイレを見せてくださいと
事業所の職員に伝えます
おっ、言えたー!
と喜んだのも束の間
トイレをみた彼が
もう、完全ノックアウト の
表情で戻ってきたので
見学終了
帰り道
あまりにも疲れているので
この日は、感想も聞かずに解散
ちょっと、かわいそうだったかな?
とも思いますが、これが現実です
ここで
夢をみせても意味がない
さあ、どうなるかな?と思いながら
わたしも帰ります
次回: 23 カウンセリングより働きたい!
へつづく