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心理コンサルタントの白瀧です。
さて、昔から、『目と目で通じ合う』などとよく言われます。
サッカーなどでは、目で合図を送りながら、選手同士が意思の疎通を図ることを『アイ・コンタクト』と言います。
私たちが目と目で通じ合っているとき、脳の中ではどのような活動が行われているのか、そのことを調べた最近の実験があります。
実験は、二人一組のペアを作り、お互いに見つめ合いながら、一方が目で合図を送ることによって、自分が注意を向けている場所を相手に伝えようとし、二人が同じ場所に共同で目線を向けるときの脳の活動を記録したものです。
健常者同士のペアでは、お互いに同じ場所に共同で目線を向ける、つまり共同注意のときには、脳の右下前頭回という領域の活動が同調していることがわかりました。
下前頭回は、ものまね細胞である『ミラーニューロン』が存在しているところであり、この領域が二人で同調していることから、まさに『目と目で通じ合う』状態が起こっていることがわかります。
一方、高機能自閉症者と健常者のペアでは、そのような脳活動の同調は見られませんでした。
自閉症者は、この下前頭回という領域の体積が、健常者よりも小さいことがわかっており、そのことが、相手の目を見てコミュニケーションすることが苦手なことの原因ではないか、と考えられています。
しかし、このことは、何も自閉症の方たちに限ったことではありません。
自閉症の方たちは、一般的に、他人に関心を示さないと言われていますが、人は誰しも、興味や関心のない相手との間に意思の疎通を図るのは難しいものです。
増してや、目と目で通じ合うことなど、もっと難しいことでしょう。
私たちの社会では、人間関係を支えているものは、他人に対する関心です。
他人への関心があるからこそ、他者との間に共感が生まれるのです。
犯罪や交通事故、あるいは、企業や政治家の不祥事など、この社会におけるさまざまな問題からは、他者への関心を失った人々の姿が垣間見えてきます。
他人に対して関心を持つ、そのためには、まずは、しっかりとした自己を確立する必要があるのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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