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心理コンサルタントのしらたきです。
さて、かなり以前になるのですが、このブログで『直感力を鍛えるには』と題して、人の直感力に関する記事を書きました。
(この記事の詳細は→コチラ )
ただ、このときにも書いたのですが、ここで言う『直感』とは、でたらめで思いつきのような勘のことを指しているのではなく、理由は分からないがそのように感じる、という感覚のことであり、それがほとんどの場合正しいというものです。
このことを哲学では『直観』という漢字を当て、『推理を用いず、直接的に対象をとらえること』としています。
言うならば、無意識に行われている論理的思考、とでも言えるでしょうか。
そこで、今回はわかりやすくするために、『直観』という漢字を用いたいと思います。
正確な次の一手を瞬時に導き出す必要があることから、将棋のプロなどは、特にこの直観力に優れていると思われ、プロ棋士の協力の下に行われた実験により、この『直観力』には、脳の『大脳基底核』という部位が関係していることがわかりました。
そして、この『大脳基底核』は、ものごとのやり方、たとえば、箸の持ち方や自転車の乗り方、あるいは、自動車の運転、ゴルフのスウィングなど、身体的な動きを伴う記憶である『手続き記憶』に関連している部位でもあります。
このことから、『直観力は、長年の学習と訓練の賜物である』ということを前回の記事で書いたのですが、今回、このことが研究により実際に明らかとなりました。
研究では、将棋の経験のない20人の被験者を対象にして、将棋を単純化した「5五将棋」の詰め将棋の訓練を4カ月間行い、訓練の初期のときと訓練後の脳の働きを測定し比較しました。
その結果、学習と訓練を繰り返すことによって、直観的思考能力が向上するとともに、プロ棋士と同じ直観的思考の神経回路が発達することが確認できたのです。
直観力には、大脳基底核の中でも特に『尾状核』という部位が大いに関連しているのですが、訓練初期には見られなかった尾状核の活動が、訓練後には活発化していることがわかりました。
そして、さらに、その活動の強さと正答率には明らかに相関関係があったということです。
このことから、素人でも、一定期間集中的に訓練すれば、プロ棋士が使っているような直観的思考の神経回路を発達させることが可能なことがわかったのです。
(この研究の詳細は、コチラ をご参照ください。)
このような直観的思考は、将棋などの勝負の世界以外にも、熟練した医師の正確な診断や技術者のシステム故障の的確な診断など、さまざまな分野で重要な役割を果たしてくれます。
そして、今回の研究では、この直観力が、学習と訓練という地道な努力の賜物で養われることを示したものであり、これは人の脳が、その人の努力に対して必ず答えてくれることの証明でもあります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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