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心理コンサルタントのしらたきです。
さて、『直感』と言えば、みなさんがイメージするのは、動物的で本能的な勘、あるいは、霊的で不思議な力のようなもの、を思い浮かべるのではないでしょうか。
『直感』を大辞林で調べてみると、『推理・考察などによらず、感覚的にものごとを瞬時に感じること』とあります。
ただ、私の言う『直感』とは、でたらめで思いつきのような勘のことを言っているのではなく、理由は分からないがそのように感じる、という感覚のことであり、それがほとんどの場合正しいというものです。
この、一見掴みどころのない『直感』についても、最近の脳研究では解明が進んでいます。
『直感力』としてよく引き合いに出されるのが、将棋やチェスなどのボードゲームです。
将棋やチェスなどでは、相手の王を取る「詰み」に向けて、盤面を読み取りながら行う複雑な論理的予測の積み重ねと、飛躍的な一手を生み出す直感力が必要です。
そこで、プロ棋士の協力のもと、次の一手を直感的に選択するときに脳のどの部位が働いているのかが調査されました。
その結果、直感を生み出す脳部位は、『大脳基底核』であることが突き止められました。
この『大脳基底核』は、『直感』の他にも、人間の行動にとってさらに重要な役割を担っていることが知られています。
それは『手続き的記憶』です。
『手続き的記憶』とは、ものごとのやり方の記憶のことで、たとえば、箸の持ち方や自転車の乗り方、あるいは、自動車の運転の仕方、ゴルフのスウィングの仕方など、身体的な動きを伴う記憶のことを言います。
このような『手続き的記憶』と『直感』が、ともに『大脳基底核』という脳の部位によって同じように生み出されている、ということから、両者の重要な類似性が明らかになってきます。
その類似性とは、まず『理由が説明できない』ということです。
将棋の例で言えば、『直感』による次の一手は、なぜそのような一手が思いついたのかうまく説明することができません。まさに感覚的としか言いようがありません。
これと同じように、たとえば自転車の乗り方という『手続き的記憶』では、どの筋肉をどのタイミングでどのように動かせばいいか、というようなことを説明することはできません。こちらもまさに感覚的なものです。
感覚的なものでありながら、どちらも正確である、という点も類似しています。
また、『手続き的記憶』の特徴として挙げられるのは、決して1回や2回やっただけでは覚えない、ということです。
『手続き的記憶』を獲得するためには、何度も何度も繰り返して練習する必要があります。
そして、その練習をすればするほど、その動きは、ますます熟達した正確なものとなっていきます。
つまり、『手続き的記憶』とは、『学習と訓練の賜物』なのです。
それが脳の『大脳基底核』で担われているということは、『直感』も同じことなのです。
要するに、『直感』も日頃の『学習と訓練の賜物』に他ならないのです。
プロ棋士は、日頃から将棋に関して並々ならぬ学習と訓練を積んでいます。それゆえ、飛躍的な一手を生み出す直感力が備わっているのです。
『直感』とは、『学習と訓練の賜物』であり、学習と訓練によって裏づけされていない勘は、たんなるでたらめな勘でしかありません。
それゆえ、直感力を鍛えるためには、常日頃から学習と訓練を積むことが大切なのです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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