お元気様です。
司法書士の木藤です。

$「不動産金融に強い司法書士・木藤正義」のブログ

ただいま成年後見申立の案件を2件ご相談頂いております。まずはどちらの件もご本人様(ご高齢の女性の方)にお会いしました。お二人ともチャーミングなおばあさんでした。元来、おばあちゃん子だった私はご高齢の女性の方と雑談をするのは結構好きです。実務はまだまだ知らないことばかりで不安でいっぱいですが、頑張っていこうと思います。

ところで、

昨日、申立に必要な戸籍謄本等の収集作業をしておりました。たまたま中央区役所と千代田区役所という抜群に近い管轄(ホームグラウンドですね!)であったため、夕刻にもかかわらず出頭交付申請をしました。

※ちなみに千代田区役所さんは19:00まで証明書の窓口が開いております。とても助かります。


中央区役所に行きますと、「保存期間経過」で取得できず。はい、しょうがないですね。

続きまして、千代田区役所に行きますと「大正3年以前は関東大震災により・・・」。はい、焼失しておりまして発行不可です。しょうがないですね。

私は古い司法書士(祖父と父)の話をよく聞いていたので、これらの証明書が発行できない事由は慣れております。東京の場合は、戦災や関東大震災で戸籍が消失しているケースがよくあります。

ちなみに余談ですが、戸籍謄本は皆さん市区町村で交付申請をしますよね。○○区役所であったり、○○市役所であったり。しかし、元々の管轄と言えば法務省民事局でして、昔は法務局に備え置いてありました。ということで、焼失している戸籍については「法務局にも無い」という一文が謳われております。

話を戻して、保存期間経過や焼失の話。

歴史を感じます。色々と思うところがあります。

<思うところ、その1>
保存期間経過は確かに理解できます。簿冊を残すと場所をとりますから、期間を区切って処分をすることは分かります。しかし、最近はデータの保管も電子化が進んでいますね。弊事務所もエビデンスはPDFファイルでサーバに保管しております。電子化による保管が主流になれば、保存期間経過による処分という制度も無くなってしかるべきかもしれません。

<思うところ、その2>
戦災や関東大震災による焼失は時代を感じます。現在が2010年、終戦が1945年。ついこの間と言えなくもない年月です。半島では不穏な動きもありますが、日本の政治家ものらりくらいとしながらも、1945年から戦争をしなかったことは成果ですね。戸籍を遡って取得していく中で、途中で焼失により取得不可と言われると、なぜだかその方の人生も断絶されたかのような錯覚に陥ります。これからも戦争のない世の中を強く望みます。


ちなみ昔は本籍地は自宅(実家)でした。今は住所という表記と別の取り扱いになっていますので、本籍地は単なる記号ですね。ですから、申請人が自由に記号を選ぶことが出来ます。埼玉県在住の私が本籍地を皇居にしたり、尖閣諸島にしたり、手続上は全く自由です。とは言え、各種手続の際に管轄の市区町村に交付申請が必要となりますので、お勧めは住所地と合わせることと思います。

戸籍を眺めながら色々と思いを巡らしつつ、最後は我が家にも子供の行がもう1つ増えるといいなあと思った1日でした(笑)。