1. はじめに
皆さん、こんにちは。はじめましての方ははじめまして。ますたーです。
普段は英詩を研究している大学院生(M2)をやっております。
2017年の8月に開設した「ますたーの研究室」ですが、この度はてなブログからアメーバブログへと移行します。
何があったかというと、まあタイトルにある通りです。<著作権>に焼け野原にされかけました。
本日は備忘録も兼ねて、「いったい何があったのか」をかいつまみつつも詳細に説明していこうと思います。
最初に書いておきますが、この一件に関しては結構腹が立ちました。普段はなるべく怒らないようにしているんですけどね。
ですが、昨今のネット社会における著作権の在り方について、身をもって考えさせられるいい機会になりました。
2. 「ある日突然書いたものが消される」という恐怖について
私のブログをお読みいただいていた方はよくご存じだと思うのですが、私は詩を専門にしていることもあり、ブログでも歌詞の分析と批評をよくやっていました。
歌詞自体を論じる対象とすることもあれば、アニメ作品を論じる際に、その主題歌等の歌詞を分析して論を補強することもありました。
まあこれがJASRACの目についてしまったわけです。
著作権法では、一定の条件を満たせば著作権が制限されることがあります。その一つが「引用」です。
著作権法第32条第1項は「公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる」(参考:「文化庁ホームページ」)と規定しています。
引用の要件ですが、
・引用を行う必然性があること。
・自分の書いたものが「主」で、引用が「従」であること。
・どこが引用部分なのかがはっきりわかるように区別すること。
・出所をきちんと明示すること。
などを満たせば、著作権者に許可を取らなくても「引用」として他人の著作物を一部利用することができます。
(参考:「公益社団法人著作権情報センター」)
この引用の問題、当然ながら研究に身を置く者として無自覚であったわけがありません。
他人の論文を許可なしにパクることは「剽窃」といって重大な研究不正に当たります。
また、英文学を扱って論文を書く場合は、一般的には Modern Language Association が定めるルール(MLA Style)を守らなければなりません。引用に関してもかなり厳格にルールが定められています。
本ブログに関しても、特に歌詞を扱う際にはこれらの引用ルールを明確に意識し、自分の中では「きちんと」やっているつもりだったのですが、まあ甘かったですね。
はてなブログはJASRACと契約していないので、歌詞を扱う際には注意が必要です。
「プリキュアの数字ブログ」の「歌詞のテキストマイニングと歌詞のテキスト保存」の記事を見て「はー便利だあ!使いたい!」と思った矢先にこれです。
『プリキュアの数字ブログ』「大量の歌詞を一度にテキスト化して保存する方法」
なぜはてなブログからアメブロに移行したかというと、アメーバはJASRACと契約をしているので、JASRAC管理楽曲の歌詞掲載が使用料なしに自由に行えるためです。
今後とも本ブログの方向性を維持していくにあたって、「歌詞の分析」は必要不可欠な行為です。
というわけで、もう二度とJASRACからクレームをつけられたくないので、アメブロに引っ越してまいりました。
それにしても、「ある日突然書いたものが消される」というのは本当に恐怖でしかありません。
幸いなことに、かつて書いてきた記事は全て救出・保存することに成功しましたが、著作権の問題については今後さらに自覚的になったうえで研究活動を続けていこうと思いました。とにかく、今回の経験は身に沁みました。