ロマンチックじゃないアートのはなし -5ページ目

メジャーSQ前に

明日のメジャーSQ前に日経225は先ほど400円以上の下落。 抵抗線と思われていた15000円をもあっさりと割り込んでしまいました。 年初来安値の更新です。 分かっていたことですがもうチャートを見てテクニカルアナライズなんて無意味ですよね。 ファンダメンタルでジャッジすることもできず、いまいちばん頼りになるのは市場ムードでしょうか。 東証マザーズやヘラクレスなど新興市場はさらに悲惨なことになっています。 死亡者多数なのでしょうか、あれだけ株式投資を喧伝していた週刊誌がこのところの相場の敗者をクローズアップしています。 職業投資家にとっては厳しい時期ですね。 NY市場も米FRBバーナンキがインフレに言及したり景気減速懸念やらで急速に値を下げてきましたし。


そういえば円相場にしても株式にしても役人や官僚の発言がすっかりなくなりましたね。 とくに政治家は興味すらないのでコメントのしようがないのでしょう。 村上ファンドから政治資金を得ていた金融相が手のひら返してバカな倫理観を披露してたけど低脳としかいいようがなくって聞いていて悲しくなった。 清濁併せ呑むのが市場という場所だ。 国際的にもっとも競争力のない分野が金融業界だということをあの男は知っているのだろうか?


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そんななか今週NYギャラリーの雄GギャラリーのLさんが来日。 映画「ウォール街」でマイケル・ダグラス演ずる実在の投資家の娘が運営するギャラリーを離れた日本人アーティストとコンタクトをとった。 オークションでは父から教わった手法なのか見事なパブリック・プライスを形成したのは記憶に新しい。 お目当てのアーティストは先に投機的な相場が終わったと説明したあのアーティストです。 これはトップシークレットだったはずですが先日のサザビーズで彼の作品が妙に強かったこと、海外の早耳筋と言われるセカンダリディーラーから「何か知らないか?」との問い合わせが続いてムードは怪しさ満点でした。 同行したディレクターと会いましたがこの独走する美術界の好景気は世界的に当分続きそうだとか。 来週はバーゼル・アートフェア。 翌週はロンドン・オークションのメインセールが開催されます。 ここしばらくは時流に乗ることと別途やるべきことをやる両建ての活動が求められると思います。 地図の見えない時は大きなチャンスがあるはず。



NYからの御一行に行くように勧めた銀座の寿司屋かねさか にはたいそう感動したようだ。 アートだって。

CHINAJAPANKOREAということらしい

Fondazione Sandretto Re Rebaudengo believes that Asia is the territory in which contemporary art will undergo the major transformations in the next two decades. This geographical context will generate new rules within the artistic creativity. There have been numerous exhibitions about China, but what this institution intends to develop is different, it focuses on analysing the anxiety, the relationships and the similarities that exist between Chinese, Korean and Japanese artists, through a contemporary art exhibition.


The history of these countries, is indeed interlaced in more than one occasion and the consequence is a hybrid language, while at the same time the artworld mirrors the very diversity between these three different identities.


Our project would like to embrace all these diversities, to compare them to the western context.


This exhibition will be as a great trip within the most contradictory and experimental Asian realities.


2094 CHINAJAPANKOREA will be the first exhibition which will compare the works by established and recent generation of Asian artists, grown up within contexts where the feeling of inferiority towards western reality has disappeared, on the contrary they are completely autonomous.


Artists’ works will be developed through all media, in particular through photograph, video, installation, but also painting and sculpture will colonize Fondazione Sandretto Re Rebaudengo spaces with a new, strong and unpredictable aesthetic.


Both artists established on the international art scene as well as others emerging in their own country, will focus on a transforming contemporary landscape.

アジア本

ビジネス本ではアジア関連の本を読んだことがありますけどそれ以外での書籍を初めてよんでみました。



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孫歌(Sun Ge)さんという中国社会科学院の研究員の著作です。 魯迅を研究した竹内好や丸山真男の研究のため来日し、竹内好が見た当時の中国から自国を逆照射することで見えてくる現在の二国間にある文化的なポリティックを実例を挙げながら検証しています。 新書でありがちな「アジアとは?」な~んて知のお遊戯のような内容ではなく、「アジアを」ではなく「アジアで」語ることの困難や障害の実例を挙げています。 ポストモダン以降の思想本が氾濫していますが実践的なジャッジする際に役に立つのはむしろこうした立ち位置で書かれた本書のような書籍でしょう。 魯迅、南京大虐殺から西尾教科書、靖国問題の小泉首相の心情的なロジックや中日においての知識人の働きの違いまで精緻な分析が新鮮でした。


余計なことかもしれないけど、氏が主宰するフォーラム『知の共同体』の受け皿になっていたのが国際交流基金だったとは驚いたよ。

「お詫び」の訂正

先日の「お詫び」で選別の話をしましたがふるい落とされるであろうと思っていたほうにとんでもないサプライズがあるようです。 この観測はほぼ確定的でありまして彼のマーケットに大きな影響を与えるとだけいっておきます。 インサイダーですけど。

美術市場はバブル突入

きょう詳細にNYオークションの結果を検証しました。 これはバブルですね。


ただ何でもかんでもというよりもかなり選別を伴う制御の利いた過剰流動性が見てとれます。


9日(火)にクリスティーズで幕を開けた今シーズンですが、金曜、土曜には遠く離れた東京の私のギャラリーにも余波が訪れました。 ある作家の近作が高値をレコードしているのです。 進行中のディールがネゴなしでクローズし、新規問い合わせがニューヨークや香港、パリからあり数件のディールがこの2日で成立しました。 ここで奇妙な現象が起こります。 パブリックな価格を決定するはずのオークションが先物の指標となりプライマリの実態価格に影響を与えるのです。 これもひとつのアービトラージュではないでしょうか。 それもリスクが低く瞬時に含み益が倍増するのですから機動的な動きのできるお金にはもってこいでしょう。


バブルと確認できたならば、いっぽうでバブル収束を想定し次のアクションに備えなければなりません。 私のアシスタントは先のバブル期には小学生と中学生だったそうです。 当時を知るのは私だけ。 同じ轍を踏まぬよう慎重に行動したいです。

円高&株価下落

とうとう@109円だよ。 海外からの被仕向送金をヘッジしてないから10万ドルあたりひと月前と比較すると80万円の差損。 50万ドルだと400万円だ。 105円割ったら 投機で取り返すぞ。 FXに挑戦しよう。 死ぬかも知れんが(笑)。


金曜に日経が暴落したけど新興株ファンにとってはなんてことない。 1月のライブドアショック以降、ずっとダメポだからね。 新興3市場は日経225の上昇には連れ高せずとも下落には律儀に付き合っている。 まさに魅力のない市場になってしまった。 当面、手出し無用だね。 日経新聞に「新興株離れ急速に」という記事があった。 「市場の期待にこたえられるだけの実力を備えているか、企業を見極めようとする姿勢が一段と強くなりそうだ」だと。 まだサラリーマンだったバブル期に故スーザン・ストレンジの「マッド・マネー 」っていう本を読んだのを思い出した。 先の金融犯罪しかりMファンドの国外脱出にしてももはやどうしようも後戻りできない状況なんじゃないの? IPOにしたってもうめちゃくちゃだし下方修正ブームは新興市場全体がその存在を再考したほうがいいと思うよ。 いまのところ希望のサインは見えません。 ゼロですね。






と言っても状況次第で明日は簡単に意見を翻すのだが(爆)。



春のシーズン その2

NYオークションの続報が届いています。 分厚いカタログを見てこれだけの作品を吸収できる地合いなのだろうかと心配していましたが取り越し苦労だったようで。


もう亡くなってすでに戦後美術史にその名を残しているアーティストの作品が多い夜のメインセールに比べ、中堅やまだまだこれからマーケットの伸びが期待されるアーティストのアイテムが多い午後のセッションはさすがに面白い。 奈良 さんや草間 さんの作品が落札予想価格の3倍から4倍で買われるのは愉快です。 ミリオンダラー・ベイビーズチョキ 夜のメインセールは有名作家の評価の微調整とすれば午後はこれからを担うアーティストの将来にどれだけノリシロがあるかを試す実験室といえるでしょう。


日本の週刊誌ではしきりに株式や投信といった金融資産の利殖入門を載せていますが、属性として金融資産的な側面をもつ美術品という現物資産って本当に興味深い存在です。 一般に喧伝されて誰もが手軽に参加できるようになった相場など大きく儲かりっこないですからね。 人がやらない領域でこそ果実を手に入れることができる。


入手したかったクリス・バーデンの飛行機を撃つ写真は出品されなかったようです。 残念(涙)


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お詫び: 4月4日に村上+奈良の高値はすでに過去の出来事と相場が終わったように書きましたがこれは誤認でした。 サザビーズ関係者の秘密のコメントでは(笑)、選別がおこなわれたという。 2人のうちどちらがサバイバルできてどの年代のどういった画風が評価が高いのかが明らかになったわけです。

春のシーズン

プライマリ・ギャラリストの私がセカンダリのオークションなど気にするのもおかしなものですがマーケットの気象情報は気にしなくてはなりません。 現地のプライマリの人たちもこの時期は力を入れた企画で勝負に出ますからねぇ。


というわけでニューヨークで春のオークションが始まりました。 9日にまずスタートをきったのがクリスティーズ。 先行して印象派&近代が始まっていましたがふたつは違う市場と考えていますのでこれは割愛。 9日のクリスティーズ・イヴニングセール はジャッド、バスキア、デ・クーニングなど戦後のアメリカ現代美術の巨匠たちのアイテムが目立ち落札価格を見る限りほどほどに熱を帯びたセールだったのでは。 私の姉はどうしてトタンの工作が5,000万とか8,000万円もするのかと訝しがっていますが、それはさておき、ひとりマルレーネ・ディュマがbought inでかわいそうだったけれどもこれはオークショナーの演出ではないの? まあよくできたシナリオのオークションじゃないの。 ドイツ写真の巨匠作品が直前にリムーブされたあたり写真の凋落を見てしまいますがいかがなもので。


プライマリ・ギャラリストとしてはこのあと続くよりプライマリに近い午後のセッションのアイテムに気を払わなければなりません。 サザビーズとかフィリップスとかね。 そういえばフィリップスにはニコライ先生の素敵な初期ドローイング が出品されます。 コンディション・レポートを取り寄せたらエクセレントらしい。 エスティメートの下あたりでビッドしてみようか。 フランクフルトのミグロ美術館でのレトロスペクティブではこのドローイングをさらに前進させた半立体作品は出品されているのだがこの作品のポジションはいかがなものでしょうか。 安物買いにならなければよいのですが(笑)。


ニューヨークのあとバーゼルのアートフェア、そしてロンドンのサザビーズ&クリスティーズへと春のシーズンは続きます。 10年ほど前に安値で買った3点を出品するのですが、うち2点はごく最近有力ななセカンダリのディーラーが取り扱いを始め2月の小さなオークションでも目だった価格でして、この時期に価格がどう跳ねるのかをこの目で見たくてロンドンには行くつもり。 ANAの友人が強く薦めるヴァージン・アトランティックに乗ってみようと思っています。

Asia is One?

GWのお休みに台湾に行ってきました。 昨年の夏に関係する若いアーティストが参加するグループ展が台北MOCA であり久しぶりに台北を訪れた折に蒋介石の中正記念堂 を見てからこの国がずっと気になっていました。


今回は観光目的の家族旅行だったのですけどちょうど3月あたりから同じアーティストをリプレゼント(代理)しているニューヨークのギャラリーとビジネスで揉めていることもありまして、台湾という小国(私)が中国やアメリカという大国(NYの競合ギャラリー)とどう対峙したのかに興味がありました。 いまはやりの交渉術の書籍を読み直してみてもそれは技術以上ではなく、解決のためなかなかいい方法は見つかりません。 日本というプアな国内市場では飽き足らず海外にも市場を求めようとこれまで努力してきましたが、NYの代理ギャラリーにとっては彼らの戦略を遂行する上でノイズのような存在であったり、あるいは敵対勢力に見られることもあります。 彼らが自分たちの土俵とおもっている場所でぶつかるのです。 eメールで手軽に商取引ができる現在ではスペイン・ポルトガルが世界を二分したような構図は難しい。 NYの顧客が東京に来日せずとも作品を購入することは可能ですから。 また顧客が複数の住所を持っている場合もあり、彼がどちらのテリトリーに生きているのか誰にも判断できません。 インドに住居を構えるロシア人のIT経営者にとっては、たとえばローレックスの国内正規代理店など意味はありませんからね。


私にはリベラルで反ブッシュであるはずのNYのギャラリーが南部のコンサバに見え、NYのギャラリーにとっては私など北朝鮮の瀬戸際外交のような商売をしているように見えるでしょう。 あるいはタリバンのような存在なのかもしれません。


ちょうど今夜、NHKで岡倉天心の番組を見ていてポジションの違いが世界の風景までも変えてしまう例を学びました。 天心にとっての中国やインド。 脱亜論を説く福澤諭吉とのコントラストやタゴールとの出会い、そして国家の状況にヴィジョンまでも翻弄されてしまう天心の苦渋を鮮明に解説した番組でした。 衝突の現場というのは政治でも文化でもマーケットでもそれは熾烈なこところです。


前にも話しましたがアジアの現代美術マーケットはまだまだですが徐々に拡大しつつあります。 美術館のような研究機関やマーケットを律するレギュレーションはまだ確立されていませんが、これがそのまま助長すればアートマーケットの本家本元の欧米にとっては嫌な存在になります。 先に行われたサザビーズのオークションやグッゲンハイムやテイトに新設されたアジア・セクションもこの流れに先手を打つものでしょう。


これまでのらりくらりとNYギャラリーとの衝突を避けてきましたがどうやら応戦せざるをえない状況のようです。 先の敗戦と台湾がいかにサバイバルしたかに多くのヒントが隠されているように思えてなりません。



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話は変わりますが台北でちょうど台北アートフェアが開催されていてKuo I-Chen の作品を買い損ねました。 ふたつのスクリーンでプロジェクションされるエディション12の2枚のDVD作品「Lose Contact」(2005)が3500ドル。 いい作品でしたけど買えませんでした。 他、台北市美術館の館長さんに展覧会のオファーをし、パブリックアートを手がけるコンサルタントと有意義なミーティングができました。


もういっちょ!