今回ご紹介するツーリングアイテムのレビューは、

新商品ではありませんが

BMW-R1200GSに取り付けている

 



バイク専用に開発された多機能アマチュア無線機


「YAESUスタンダード FTM-10S」



標準価格はFTM-10S本体54,800円(税込)

ネットの最安値で本体は39,800円ぐらいかな

発売されてもう10年近く経つと思いますが

車載タイプのバイク用(防水タイプ)としては今も不満なく使える

機能満載で人気なロングセラーのアマチュア無線機です。

詳しくはメーカーのHPこちらからどうぞ

使用する場合は無線従事者免許、基地局免許、識別信号(コールサイン)が必要



無線従事者免許は一度取得すれば一生もの(更新手続き無し)

私は30年程前にBHツーリングメンバーと一緒に試験を受けて合格

一応受験勉強しましたが意外に簡単だったような気が・・・?


 



無線局免許は5年毎に更新する必要があります。

コールサインは一度取得したものを申請すれば継続使用できます。

但し開局中は、たしか年間300円の電波利用料が掛かります。


 



FTM-10Sレビューの前に少しアマチュア無線を使うメリットでも・・・



携帯電話が普及してからは移動車同士の連絡用に

アマチュア無線を使う人は四輪車を含め激減。

特にアマチュア無線は前出のように免許取得と

少しの無線機器の知識が必要なことがネックとなったのでしょうね


しかしバイクに乗っていて携帯電話で特定の番号に電話を掛けるのは

ほぼ不可能であり、危険なためまずマスツーリング中の会話には使えません。


そこで最近はバイクツーリング専用のコミュニケーションツールとして

タンデム用インカムから発展したライダー間のインカムが主流ですが

でもインカムは通信距離(見通し500m位かな)は短く、

通信できる人数も2~6人位と限定されるのと

相互の通信機器が限定されるので

マスツーリングにはイマイチパワー不足ですよね



アマチュア無線を使ったライダーコミュニケーションの利点は

<<無線機器のメーカーや機種に関係なく>>

<<同じ周波数で電波受信可能な範囲内であれば>>

●人数制限なく不特定多数に向けて情報を同時発信ができる


そして、マスツーリングの時には

・使用する周波数だけ確認できればすぐに仲間に入れる
・後続の遅れ、信号停止、トラブルを先頭を含む全員に通知したり
・ブラインドコーナーの対向車有無を先頭から後方グループへ通知したり
・先頭を特定コールして給油やトイレ休憩のお願いをしたり
・取締り情報を後続グループへ緊急連絡したり
・ちょっとした打合せをグルーブ会議のようにしたり

と、まぁ~これ以外にもいろいろな連絡用には使えるし

インカムとは比較にならない距離で送受信会話ができます。

車載でも無線機器や条件次第では数10Kmでも届く場合があります。


ということですが

アマチュア無線や通信機器についてはもっと詳しい方もいらっしゃるし

無線機としての多機能を紹介しても使わない方には

何の参考にはならないと思いますので



このFTM-10Sの無線以外の便利な機能を紹介します。



この無線機は本当に基本機能からオプション機能まで満載です。

■iPODやナビからの音楽データの入力(もちろんステレオ)
■ブルートゥースでハンズフリーが可能 (オプションBluetooth®ユニット要)
■AM・FMラジオが聞ける(FMはもちろんステレオ再生)
■外部ステレオスピーカーで高音量出力ができる。(純正スピーカーは防水仕様)
■外部拡声スピーカーで拡声器やホーン機能が使える
■タンデム時のインターコム機能


普段はアマチュア無線機としては使ってなく

本体のラジオ受信機能と外部機器接続機能を使って

ナビの音楽再生と音声案内を

オプションの防水外部スピーカーで聞くことができるようにしています。


下の写真がBMW-R1200GSの取付例です。

スピーカーのステーは自作でガッチリと取り付けています。(ホームセンターで部材購入)

本体のアンプパワーとスピーカー出力は

バイクで聞くには十分な出力で高速道路でも不自由しません。

音質も想像以上にいいですよ


但しこの純正スピーカーの取付には

スクリーンやハンドルの干渉を回避する工夫が必要でした。


GSのスクリーンを最大に倒せなくなるのをガマンすればよいですが

私は干渉することが納得できずに対策を考えました。


そこで以前よりやろうと思っていたポジション改善と合わせて

一石二鳥でハンドルブラケットをアールズギア製に交換。

ハンドルを少し手前にオフセットして干渉しないようにしてます。







そして基本切替モードは4種類、

LINE-IN

ここで音楽再生やナビ案内音声をスピーカーやインカムで聞くことができます。

(今はB+COMのミクスチャーを入れてレーダー探知機音声も同時出力)





FMラジオ放送

このモードのメモリーに九州・山口の主要放送局を登録してます。

音楽だけでは飽きるので市街地に入った時はラジオに切り替えています。

FMの受信は良好で車と変わらない。もちろんアンテナ次第ですが・・・


 




AMラジオ放送

これはさすがに受信できるアンテナを選びます。

純正のFM・AM対応アンテナがありますが受信性能がイマイチ悪いので

バイク用では今のところ一番良さそうなダイヤモンドのアンテナを使用してます。





アマチュア無線430MHz(UHF帯)

今バイクで一番使用されているバンドです。

短いアンテナを使うことができるのでバイクには都合がいいのでしょうね

音楽を聴きながら、無線を受信待機状態で使用できます。





アマチュア無線144MHz(VHF帯)

昔はローカルバンドの主流でしたが

最近バイクで使うグループはほとんどいないようです。


 
 



本体の取り付けはシート下に押し込んでいます。

何とか入りましたがシート下に配置する時は

ケーブルが断線しないように取り回しを考えた方がいいですね。

本体も防水仕様になっているので安心ですよ


 


スピーカーはBMW純正のナビ取り付けステーにガッチリ取り付けてます。





コントローラーも防水仕様なのでハンドルに純正ブラケットで取り付けています。

PTTスイッチとモノラルスピーカーがついているのでこれで送受信もできます。

またこのマイクには周囲音を感知して自動ボリューム調整する設定もできるので

信号待ちでいちいち音量を落とすことも少しは回避できるので便利です。


ただこのコントローラーひとつ言わせてもらえれば

メインスイッチやモード変換スイッチ類が右側にあります。

私は操作を左手でするため見たいモニターが隠れてしまいます。

改善してほしいところですね

 


アンテナは半分がフレキシブルタイプの長さ0.92m

ダイヤモンドのスリムゲインAZ510FM(ノンラジアル)を使用してます。

これはFM・AM共に純正オプション品より受信状況が良好ですね

 




そして一世代前のBMW純正のナビ(Zumo550)

音声出力を分配器で分けて

一系統はFTM-10Sの外部入力端子へ

もうひとつはミクスチャー経由でオーディオトランスミッター(Bluetooth)に接続して

レーダー探知機と共にインカムでも聞けるようにしてます。





これ以外に送受信用のヘルメット用マイクとスピーカーが必要です。

それについてはまたご紹介したいと思います。


尚、このFTM-10Sを取り付ける場合に2つ注意が必要です。

1.無線機はバッテリーに直結するのが基本ですが、
 このFTM-10Sはなぜか主電源を切っても
 微量の電気が本体に流れています。
 直結しておくと1週間程でバッテリーが上がりますね
 といって送信時には大量の電気を必要とするので
 メインスイッチから電源を取るわけにはいかないので
 バッテリーと本体の間に別途切断スイッチを付けた方がいいですね

2.次はノイズ発生時の対策です。
 バイクはノイズのかたまりなのでバイクのバッテリーから電源を取ると
 送信時にノイズを多く拾い相手が良く聞こえない場合もあります。
 できればバイクへの取付に詳しいお店やお友達を探した方が良いと思います。


もし、アマチュア無線だけを使うのであれば

私はバッテリー充電式のトランシーバータイプが電源やノイズのトラブルもなく

タンクバックに入れたりベルトに付けて使えたり

バイク載せ替えも簡単にできるのでのでこちらがお勧めです。



こういった感じで

このFTM-10Sを装備すれば

アマチュア無線、ラジオ、オーディオ、インカムの機能が使えるので

ソロ・マスツーリング共に楽しく活用しています。


今回このレビューをしたのは

実は少しでもツーリングにアマチュア無線を使って

もっと幅広いツーリングスタイルを楽しむ方が増えればいいなと思っているからです。

(携帯電話が無かった時代がなつかしい)



ぜひ、皆さんもちょっとがんばって

アマチュア無線の免許を取って

無線交信を楽しんでみてはいかがですか!